黒革の手帖の米倉涼子版と武井咲版をネタバレ比較!あらすじや結末が違う?

『黒革の手帖』といえば、言わずと知れた社会はミステリーの巨匠・松本清張の代表作です。過去何度もメディア化されている作品で、近年では米倉涼子版と武井咲版が有名です。この二つのドラマは比較されることも多く、あらすじや結末について評価が分かれている作品でもあります。今回は米倉涼子版と武井咲版のドラマ『黒革の手帖』をネタバレをしつつ、あらすじや結末などを比較していきます。

黒革の手帖の米倉涼子版と武井咲版をネタバレ比較!あらすじや結末が違う?のイメージ

目次

  1. 黒革の手帖の米倉涼子版と武井咲版はどう違う?
  2. 黒革の手帖とは?
  3. 黒革の手帳の米倉涼子版と武井咲版のキャストをネタバレ比較
  4. 黒革の手帖の米倉涼子版と武井咲版のあらすじや結末の違いはある?
  5. 黒革の手帖の評価や感想は?
  6. 黒革の手帖の米倉涼子版と武井咲版についてまとめ

黒革の手帖の米倉涼子版と武井咲版はどう違う?

ミステリー界の巨匠・松本清張の『黒革の手帖』は近年、二度のドラマ化がされました。どちらも人気女優が主演としてキャスティングされており、大きな話題になったドラマでもあります。『黒革の手帖』はミステリー小説として名作なので、メディア化されるたびに注目される作品となっています。実際、映像化されるとそのキャスティングやネタバレあらすじ、結末などが議論されています。

近年の二作品『米倉涼子版 黒革の手帖』と『武井咲版 黒革の手帖』もあらすじや結末が比較されている二作品となっています。米倉涼子版の『黒革の手帖』は松本清張の良さを生かしながら、独自の世界観を作り出し大ヒットを記録しました。米倉涼子が大ブレイクしたきっかけとなった作品でもあります。久しぶりの『黒革の手帖』の映像化という事で注目され、松本清張が再注目されるきっかけにもなりました。

最も新しい『黒革の手帖』のドラマ化作品である武井咲版の『黒革の手帖』は米倉涼子と同じ芸能事務所『オスカープロモーション』に所属する武井咲が妖艶な悪女を演じるということで大きな話題になりました。昭和中期の1980年頃の名作である『黒革の手帖』を現代版にアレンジした奇抜な設定がネット上でも話題になりました。米倉涼子版と武井咲版の『黒革の手帖』のあらすじや結末を比べる声も多くあります。

実際に、米倉涼子版と武井咲版は設定やあらすじ、結末などが大きく異なっていて、そうした違いを見ていくとより深くドラマ『黒革の手帖』を楽しむことができます。どちらも昭和の名作を現代の設定に変えようと試行錯誤された作品であり、賛否が渦巻く作品となっています。ドラマ『黒革の手帖』もネタバレあらすじや結末について紹介する前に、原作である『黒革の手帖』の基本情報やあらすじについて紹介していきましょう。

黒革の手帖とは?

米倉涼子版と武井咲版のドラマ『黒革の手帖』について見ていく前に、原作小説である松本清張の小説『黒革の手帖』について見ていきましょう。ミステリー小説の中でも名作として知られている作品ですので、日本人ならば知っておくべき名作として知られています。昭和にもドラマ化されていて、大ヒットを記録しているのでドラマ『黒革の手帖』を見る前に原作『黒革の手帖』を知るとより深く楽しめます。

原作『黒革の手帖』とは…

原作『黒革の手帖』は、松本清張の長編小説で主なあらすじは銀座のクラブを舞台とした魑魅魍魎の人間ドラマを鋭く描くものとなっています。こうした設定はどのメディア化作品にも共通した設定であり、ミステリー小説というよりも水商売の物語という認識を持っている人も多くいます。しかしジャンルとしてはミステリーであり、『ピカレスク・サスペンス』の代表的長編として分類されています。

『黒革の手帖』は『週刊新潮』に1978年11月16日号から1980年2月14日号まで連載され、1980年6月に発行されました。メディア化作品としては1982年から2017年までにテレビ朝日系で5回ドラマ化され、1984年にTBS系でも1回テレビドラマ化されている大人気作品として松本清張の代表作として知られています。社会派ミステリーの先駆けとして、後のミステリー界に大きな影響を与えています。

原作者・松本清張とは

ここでは『黒革の手帖』の原作者である松本清張について見ていきましょう。松本清張は株式会社川北電気企業社に就職した後、第二次世界大戦を経て小説家に転身しました。『西郷札』でデビューすると、しばらくは売れない作家として生活していましたが、1953年に『或る「小倉日記」伝』で芥川賞を受賞すると一躍著名な作家となりました。

その後は歴史小説や現代小説などを中心に執筆していましたが、1958年に『点と線』『眼の壁』を発表し大ブレイクを果たします。これをきっかけにベストセラー作家となり日本に松本清張ブームが到来し、社会派推理小説ブームを巻き起こしました。日本では知らない人はいないほどのミステリー作家となりました。松本清張の代表作に『ゼロの焦点』『砂の器』などがある戦後を代表するミステリー作家となっています。

『黒革の手帖』の簡単なあらすじ(ネタバレなし)

松本清張の傑作中の傑作である『黒革の手帖』の簡単なあらすじをネタバレなしで紹介していきます。主人公は銀行に務めている原口元子で、彼女は銀行の支店に勤務する地味なOLでした。彼女はその立場を利用して、銀行から7568万円の大金を横領し、顧客の弱みを記した『黒革の手帖』を武器に銀座のクラブのママとなり、夜の世界の魑魅魍魎たちと対立していく事になります。

こうしたあらすじの『強い女性』を描いた『黒革の手帖』は今なお根強い支持を受けています。結末は松本清張らしく当時の社会問題を扱ったものになっていて、読者の予想を裏切る松本清張らしい結末が待っています。

山本陽子版『黒革の手帖』(1982年版)

『黒革の手帖』の最初のドラマ化作品は原作『黒革の手帖』出版から二年後の1982年に当時日本を代表する女優であった山本陽子を主演に山本陽子版ドラマ『黒革の手帖』が放送されました。、1982年1月4日から2月8日まで毎週月曜日22時から、テレビ朝日系の「月曜劇場」枠で放送されて、これ以降テレビ朝日では五回のドラマ化がされています。田村正和や萬田久子、三國連太郎などが脇を固めています。

全六話と短い構成のドラマでしたが、平均視聴率は17.4%を記録していて、『黒革の手帖』の名を一躍有名にしました。当時の高度成長期に暗躍する強い女性と社会問題を鋭く切り込んだこのドラマは多くの女性の共感を得ました。このドラマのヒットがなければ、のちの『黒革の手帖』のドラマはなかったといわれています。そういった意味でも『黒革の手帖』のドラマ化作品の中では重要な作品であるといえます。

大谷直子版『黒革の手帖』(1984年版)

山本陽子版ドラマ『黒革の手帖』の放送から二年後に、大谷直子版『黒革の手帖』が1984年1月5日から2月24日まで月曜から金曜の13時から三十分ドラマとしてTBS系の「花王 愛の劇場」枠でいわゆる昼ドラとして放送されました。全33回と長編ドラマとなっており、濃厚な原作をしっかり描いています。

浅野ゆう子版『黒革の手帖』(1996年版)

原作『黒革の手帖』の出版から15年以上たった1996年に『松本清張特別企画・黒革の手帖』というタイトルで、テレビ朝日系2時間ドラマ枠「土曜ワイド劇場」で1996年12月7日21時から放送されました。主演に浅野ゆう子を迎えて、平幹二朗や美木良介、田中美奈子などがキャスティングされています。視聴率は18.1%を記録して、再び『黒革の手帖』は注目されました。

黒革の手帳の米倉涼子版と武井咲版のキャストをネタバレ比較

ここからは米倉涼子版と武井咲版のドラマ『黒革の手帖』のキャストについてネタバレも含めて見ていきましょう。多くのドラマ化がされている作品であり、米倉涼子版の『黒革の手帖』は松本清張ブームを再燃させるほど大ヒットしたので、武井咲版『黒革の手帖』とキャスティングなどを比較する声が多く存在します。という事で、米倉涼子版と武井咲版のキャストをネタバレありで比較紹介していきます。 

原口元子

本作の主役で銀行員だったころから、架空名義預金者の全リストを写し取った黒革の手帖をもっており、これを利用して、大金を手に入れる悪女・原口元子を演じているのは米倉涼子、武井咲がそれぞれ演じています。米倉涼子にとっては代表作であり、この『原口元子』役の好演からこれ以降悪女キャラを多く演じています。

一方、武井咲は多くの主演ドラマをこなしているものの、大ヒット作品にめくり合ってはいないので同じく『オスカープロモーション』の米倉涼子の出世作である『黒革の手帖』をリメイクして原口元子を演じました。どちらも妖艶な雰囲気で狡猾な女性である『原口元子』を見事に演じ切っています。しかし、米倉涼子のイメージが強すぎたためか、武井咲には酷評の声も目立ってしまいました。

米倉涼子の代表作に『交渉人〜THE NEGOTIATOR〜』や『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』などがあり、武井咲の代表作に『大切なことはすべて君が教えてくれた』や『戦力外捜査官』などがあります。

安島富夫

衆議院議員秘書で元子が銀座のクラブでのし上がっていく原動力にもなっている元子が最も信用している男性の安島富夫を演じているのは米倉涼子版では仲村トオル、武井咲版では江口洋介が演じています。クールで野心家、元子にすら何を考えているのかわからない一面があるという作中での重要人物を好演しています。仲村トオルはこの役を好演したために、同じく松本清張作品で米倉涼子が主演した『けものみち』にも出演しています。

一方で、江口洋介は武井咲と何度も共演しているため、大物俳優でありながら武井をしっかりサポートしています。仲村トオルの代表作に『チーム・バチスタ』シリーズや『家売るオンナ』シリーズがあり、江口洋介の代表作に『ひとつ屋根の下』シリーズや『救命病棟24時』シリーズなどがあります。

山田波子

元子のクラブ『カルネ』の元ホステスで、元子から男を手玉に取るすべを学び元子と敵対する悪女を演じるである山田波子を演じるのは米倉涼子版では釈由美子、武井咲版では仲里依紗が演じています。物語の中盤から終盤にかけて元子と敵対する重要人物を両者ともに好演しています。米倉涼子版と武井咲版で若干の違いはあるものの、元子に次ぐ悪女として『黒革の手帖』の人気キャラクターとなっています。

特に釈由美子は『関西弁の気の強い女』という新境地を見せて、演技の幅を広げたと高評価を受けました。釈由美子の代表作に『スカイハイ』や『ヒミツの花園』、『7人の女弁護士』があり、仲里依紗の代表作に『ハチワンダイバー』や『ヤンキー君とメガネちゃん』などがあります。

長谷川庄治

政財界のフィクサーで安島の父親代わりの後援者となり、元子にも何かと目をかける超大物・長谷川庄治を演じるのは米倉涼子版では津川雅彦、武井咲版では伊東四朗です。作中中盤では元子にとって心強い支援者となっていますが、終盤に従って元子の命運を左右する存在となる人物を大物俳優がそれぞれ好演しています。

津川正彦の代表作に『サラリーマン金太郎』シリーズや『相棒』シリーズ、『離婚弁護士』シリーズなど多くの作品があり、伊東四朗の代表作に『おかしな刑事』シリーズや『笑ゥせぇるすまん』などがあります。

楢林謙治

「楢林美容外科クリニック」院長で美容外科を開業し大成功しており、高名な美容外科医だが相当な女好きで病院で働く市子とは長年愛人の関係にある楢林謙治を演じているのは米倉涼子版では小林稔侍、武井咲版では奥田瑛二が演じています。元子が『黒革の手帖』を使用する相手であり、『カルネ』の開業資金にもなっています。

『黒革の手帖』を象徴するキャラクターであり、時にコミカルに演じて『黒革の手帖』を彩る人気キャラクターを両者好演しています。小林稔侍の代表作に『税務調査官・窓際太郎の事件簿』シリーズや『京都南署鑑識ファイル』シリーズなどがあり、奥田瑛二の代表作に『金曜日の妻たちへIII 恋におちて』や『男女7人夏物語』などがあります。

中岡市子

楢林クリニック看護師長で楢林院長の愛人であり、元子に利用されてしまう中岡市子を演じているのは米倉涼子版では室井滋、武井咲版では高畑淳子です。『黒革の手帖』の序盤の重要キャラクターであるので、米倉涼子版も武井咲版も大物女優が好演しています。室井滋の代表作に『菊次郎とさき』や『花子とアン』などがあり、高畑淳子の代表作に『3年B組金八先生』や『白い巨塔』などがあります。

橋田 常雄

大手進学予備校「橋田医科進学ゼミナール」理事長で江東区有明に自社ビルも構える元子のクラブ『カルネ』の常連客となっている橋田常雄を演じるのは米倉涼子版では柳葉敏郎、武井咲版では高嶋政伸です。作品中盤で元子の罠にかかり、転落していくキャラクターを好演しており、元子の悪女っぷりを際立たせるキャラクターをベテラン俳優たちが好演しています。

柳葉敏郎の代表作に『踊る大捜査線』や『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』などがあり、高嶋政伸の代表作に『こちら本池上署』や『臨場』、『DOCTORS〜最強の名医〜』シリーズなどがあります。

村井亨

元子が横領を働く「東林銀行」の北口支店次長で元子の横領の責任を取らされて銀行を辞職することになる村井亨を演じているのは米倉涼子版では渡辺いっけい、武井咲版では滝藤賢一となっています。元子のせいで辞任に追い込まれたために、元子を恨んでいる人物を両者ともに怪演しています。

渡辺いっけいの代表作に『京都地検の女』シリーズや『ガリレオ』シリーズなどがあり、滝藤賢一の代表作は『半沢直樹』や『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』などがあります。

藤岡彰一

元子が横領を働く「東林銀行」の北口支店長であり、元子の横領の責任を取って関連会社の窓際に左遷され、それを苦に自殺してしまう藤岡彰一を演じたのは米倉涼子版では小野武彦、武井咲版では菅原大吉が演じています。米倉涼子版と武井咲版では設定などが少し異なっていますが、どちらの作品にも登場するキャラクターとなっています。

小野武彦の代表作に『踊る大捜査線』シリーズや『科捜研の女』シリーズなどがあり、菅原大吉の代表作に『ゴンゾウ 伝説の刑事』や『ラストホープ』、『あまちゃん』などがあります。

元子のヘアメイク(米倉涼子版・櫻井 曜子、武井咲版・牧野)

元子のヘアメイクを担当するキャラクターも両作に登場しますが、そのキャラクター設定や名前などは異なったものとなっています。米倉涼子版『黒革の手帖』では櫻井曜子という占い師のような能力を持っていて元子に助言する役になっており、元宝塚の男役大スターの紫吹淳が演じています。武井咲版『黒革の手帖』ではオネェの男性で和田正人が演じています。詳しい違いは後述します。

紫吹淳の代表作に『ガイズ&ドールズ』や舞台『源氏物語×大黒摩季songs〜ボクは、十二単に恋をする〜』などがあり、和田正人の代表作に『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』や『陸王』などがあります。

黒革の手帖の米倉涼子版と武井咲版のあらすじや結末の違いはある?

ドラマ『黒革の手帖』は複数回ドラマ化されており、制作された時代によって内容を改変しています。米倉涼子版でも原作『黒革の手帖』を平成に置き換えて制作していますし、武井咲版ではネット社会を取り込んだ話に改変されています。米倉涼子版と武井咲版も10年以上の時が経過しているので、この二つの『黒革の手帖』でも違いがあり、ネット上ではこれらのあらすじや設定の違いを比較されることも多くあります。

これらの違いについては小さな設定の違いや大きなキャラ設定の違い、さらにはこの作品の根幹となっている『黒革の手帖』も設定が変わっています。こうした改変が武井咲版が受け入れられなかった理由の一つとなっています。それではドラマ『黒革の手帖』の米倉涼子版と武井咲版の違いをネタバレも含めて紹介していきます。

エピソードにSNSを取り入れる

現代に舞台を移して映像化した米倉涼子版『黒革の手帖』と武井咲版『黒革の手帖』の決定的な違いは武井咲版のドラマ『黒革の手帖』ではSNSが登場したことです。2017年が舞台ということでSNSとは切り離すことができなかったと言われています。実際に、武井咲版の『黒革の手帖』第1話では元子が働く銀行に来店した客の写真がSNSにアップされるという事件が勃発するなど、一話からSNSが登場することに驚きの声が上がりました。

盗む情報が手帳ではなくタブレットに

元子は以前から違法な“借名口座”に金を預ける預金者などをメモしていた『黒革の手帳』を武器にして横領しますが、この際に顧客情報をメモした『黒革の手帖』が武井咲版ではタブレットになっています。この改変には賛否があり、『この時代ではスマホやタブレットが当たり前』という声がある一方で、『「黒革の手帖」がないのはダメでしょ』といった声も多く存在しました。

元子のヘアメイクアーティストの違い

元子がママを務める銀座でのクラブが物語の舞台なので、その周辺での米倉涼子版と武井咲版の違いも比較されています。まずは元子のヘアメイクアーティストのキャラ設定の違いです。このキャラ設定は米倉涼子版では霊感のある占い師のようなヘアメイクで元子に助言するようなシーンも多くありました。武井咲版の違いは銀座界隈の情報通でオネェ口調の男性に代わっています。物語には直接関わり合いがないですが、注目されています。

店舗名の違い

クラブの名前は米倉涼子版も武井咲版も『カルネ』となっていてフランス語で『手帖』という意味になっているところは変わりません。しかし、武井咲版では手帖は登場しないので違和感があるといわれています。

橋田のキャラ設定

物語の中盤に登場する大手進学予備校「橋田医科進学ゼミナール」の理事長で、元子に利用される橋田のキャラ設定が米倉涼子版と武井咲版では若干違っています。米倉涼子版では柳葉敏郎が演じていて、当初は元子に惚れているのの、利用されていることに気づき元子に対して殺意を持つほどに恨んでいます。

武井咲版では高嶋政伸が演じているのですがこの、高嶋政伸の怪演が大きな話題になっています。元子に言い寄るという役は変わらないのですが、言い寄り方が狂気に満ちていて下ネタばかりで時間帯的にいいのかという議論になりました。

波子と市子

元子を破滅に追い込むのは、元子と同じ悪女というのがドラマ『黒革の手帖』に共通した終盤の展開です。しかし米倉涼子版と武井咲版では元子を追い込む人が違います。米倉涼子版では元子に挑み、徹底的につぶされた恨みから元ホステスである波子に追い詰められてしまいますが、武井咲版では元子を追い込むのは楢林美容外科クリニックで看護婦長だった市子となっています。

最終回の展開が違う(ネタバレ有り)

ドラマ『黒革の手帖』では米倉涼子版と武井咲版で最終回の展開も違います。特に業界の大物である長谷川会長の生死が異なっていて、米倉涼子版では長谷川会長は生きていますが、武井咲版では死んでしまいます。こうした細かい点で最終回の展開は米倉涼子版と武井咲版で違っています。

さらに元子と安島の関係にも米倉涼子版と武井咲版では違いがあります。米倉涼子版では元子と安島が一緒に逃亡するくだりがあるがあり、二人の愛の物語に展開していきますが、武井咲版では安島は元子を助けはするものの、そこまで介入はしません。原作ではそこまで安島と深い関係にならないので武井咲版のほうが忠実といえるかもしれません。

元子は警察に捕まる?(ネタバレ有り)

米倉涼子版と武井咲版のドラマ『黒革の手帖』の最終回で最も違う点はその結末で『元子が逮捕されるか』という点です。元子は横領判であり、脅迫や犯罪すれすれの事も多くやっているので最終的には逮捕されるのがドラマとしては自然な展開です。この『元子の逮捕』も米倉涼子版と武井咲版では大きく違っています。米倉涼子版では安島と逃亡中に警察の手が回ったことを知った元子が、一人で逃亡するという結末を迎えます。

つまり米倉涼子版では元子は逮捕されないということです。一方で、武井咲版では元子も安島も両方警察に捕まってエンディングを迎えるという結末になります。原作『黒革の手帖』の結末はどちらとも違いかなりショッキングな結末を迎えるので、そちらも読むと楽しめます。ネタバレあらすじを知っても楽しめる傑作小説であり、名作ドラマでもあります。

黒革の手帖の評価や感想は?

ここまでは米倉涼子版と武井咲版のドラマ『黒革の手帖』のキャストや設定、ネタバレあらすじの違いを見てきましたが、ここではネット上での評価や感想をネタバレも含めて比較してみましょう。『黒革の手帖』といえば、米倉涼子というイメージを持っている人も多く、武井咲は苦戦したというイメージが一般的です。結末への感想などをネタバレも含めて見ていきますが、まずは客観的な視聴率の比較を紹介していきます。

米倉涼子版平均視聴率 15.7%、武井咲版平均視聴率 11.4%

米倉涼子版『黒革の手帖』と武井咲版『黒革の手帖』のネタバレを含めた感想を見る前に、2つのドラマの視聴率を見ていきましょう。この二作品は同じ時間帯で放送されており、木曜九時枠という米倉涼子がこの枠に多く出演するようになったきっかけとなったドラマでもあります。視聴率は米倉涼子版『黒革の手帖』は平均視聴率15.7%、武井咲版『黒革の手帖』は平均視聴率11.4%となっています。

視聴率が下がっているテレビ界なので単純に比較できませんが、数字といった面では米倉涼子版『黒革の手帖』に軍配が上がっています。各話の視聴率で比較すると、武井咲版『黒革の手帖』の最高視聴率13.0%で、米倉涼子版『黒革の手帖』の最低視聴率13.2%なので武井咲版の最高視聴率は米倉涼子版の最低視聴率にも及んでいません。

米倉涼子版の支持の声

ネットには様々な感想がありますが、まずは米倉涼子版の『黒革の手帖』を支持する声を紹介します。こちらは評判も良く、特に主演の米倉涼子が絶賛されています。『米倉涼子がカッコイイ!』という感想が圧倒的に多く、原作を読んだことのない人も『黒革の手帖』を知るきっかけを作りました。

『女性の美しさと強さが際立っている』という『悪女』が主役という斬新な設定も好意的に受け入れられています。松本清張ブームを再燃させた作品でもあるので、放送から15年近く経った今でも人気作品なことがネット上の好意的な意見からもわかります。

米倉涼子版の不支持の声

米倉涼子版『黒革の手帖』の不支持の声もネタバレありで見ていきましょう。まず指摘されるのは『原作と違う』という点です。連続ドラマとしては20年ぶりに映像化されるという事で、原作ファンも楽しみにしていました。しかし、舞台も設定も現代風にアレンジしているために『原作と違う!』といった声が多く挙がりました。

さらに結末にも否定的な意見があります。それは元子が逮捕されない点についてです。『元子には罰を受けてほしかった』といった感想や『犯罪者が逃げ切っていいの?』という感想が多く見られます。原作では元子には悲惨な結末が待っているだけに、米倉涼子版『黒革の手帖』の結末は不評になっています。

さらに『展開が早すぎる!』といった声や『終盤の展開が不自然』というような展開に対する感想も多くありました。全7話ということで元子が横領に至った経緯などが描かれていない事など終盤が足早に進んでしまったという印象が否めないようです。

武井咲版の支持の声

次は武井咲版の『黒革の手帖』の感想について見ていきましょう。武井咲版『黒革の手帖』は2017年に放送されたので、Twitterでの感想が多く上がっていました。武井咲が主演を務めるというアナウンスがあった時には『夜の世界』を題材としたドラマなので、年齢的に若い武井咲を不安視する声もありました。しかし、放送が開始されると『着物姿の武井が美しすぎる』という感想がTwitter上を埋め尽くしました。

美少女のイメージが強かった武井咲ですが、この作品で『美女』というカテゴリーで扱われるようになっています。酷評する声が多い武井咲版『黒革の手帖』でも武井咲の容姿には絶賛の声が集まっています。

武井咲版の不支持の声

武井咲版『黒革の手帖』の不支持の声を紹介していきましょう。まずは主演である武井咲に対する不支持の声が圧倒的に多いです。放送前から『武井咲では若すぎる』といった感想や『武井咲はまだ小娘だろ!』といったような感想がTwitter上に挙がりました。『黒革の手帖』は妖艶な美女が魅力の物語であり、『黒革の手帖』史上最年少で主演を演じるとあって様々な声が挙がりました。

さらにSNSが登場したり、手帳がタブレットになっていたりと現代に合わせた改変が酷評を受けました。『黒革の手帖が出ないのはダメでしょ!』という声は圧倒的に多い感想でした。さらに細かい点で言うと、第1話で登場したお笑いコンビ『トレンディエンジェル』の齋藤司が本人役で登場する点も酷評を受けています。

元子が銀行を辞めるきっかけとなる重要な役どころですが、『齋藤が登場したところで冷めた』といった声が多くありました。全体的に武井咲版の『黒革の手帖』には否定的意見が多く存在します。

黒革の手帖の米倉涼子版と武井咲版についてまとめ

今回は人気ドラマ『黒革の手帖』の米倉涼子版と武井咲版についてキャスト比較やあらすじや設定の違い、それぞれの感想などをネタバレも含めて紹介しました。ネットの評価を見てみると、米倉涼子版『黒革の手帖』は名作ドラマとして高評価を受けているのに対して、武井咲版『黒革の手帖』は酷評されてしまっています。原作『黒革の手帖』が1980年の作品という事で、現代にアレンジすると違和感が残るという問題は避けられません。

原作は言わずと知れた名作小説ですので、その映像作品があらすじやキャストなどの点で厳しい目で見られてしまう事は仕方がないですが、そうした評価やネタバレあらすじを頭に入れて改めて『黒革の手帖』を見てみるのも、また違った視点で見ることができるので楽しめます。今回は米倉涼子版『黒革の手帖』と武井咲版『黒革の手帖』のあらすじをを比較しながら見るファンもおり、皆さんもぜひ一度『黒革の手帖』をご覧ください。

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