わにとかげぎすの意味とは？実写ドラマ版のキャストとあらすじも紹介

「わにとかげぎす」は有田鉄平が主人公の深夜ドラマということで、コメディもできる本田翼や賀来賢人が共演していたことから、ふざけたあらすじの番組だろうと、勝手に予想されていたドラマでした。もちろん原作のあらすじを知っていた人たちも「わにとかげぎす」の主演が有田鉄平というキャストに別物と思った人もいるかもしれません。

この「わにとかげぎす」は、毎回30分のドラマでしたが、孤独な中年に差し掛かった青年が、恋人はおろか、友人すらもいない夜間の警備が仕事の男が深海のような生活を抜け出して出会うスリリングな事件となぜかできてしまった恋人。このドラマが何を意味しているのかとても奥深いドラマです。このドラマのタイトル「わにとかげぎす」の意味・あらすじ・キャスト含めて調べます！

「わにとかげぎす」とは、いったい何なのか意味を調べてみると、「わにとかげぎす目」という聞きなれない分類のモノにたどり着いてしまいました。硬骨魚類（こうこつぎょるい）の中の脊椎動物に分類されるものとウィキペディアには書いてあります。2018年現在この種類は414種でそのほとんどが深海で暮らす深海魚で光る深海魚だそうです。

「わにとかげぎす」と検索して出てくる写真もちょっと不気味な生きているのか死んでいるのかわからないようなチョウチンアンコウのもっと怖い感じのものが出てきます。見た目はコワイですが、深海の水圧が強く、真っ暗な中で暮らすために必要な姿だからこの形になったと言われています。自然に逆らわず、生きるための形態は深海魚を愛する人から見るとコワイ外見も美しいのだそうです。

原作漫画の表紙に出てくる画像がこの漫画とドラマのタイトルである「わにとかげぎす」の種類のひとつなのですが、海中で美しく泳ぐ姿が描かれています。この漫画・ドラマのあらすじに当てはめてみると、意味が見えてきます。漫画作品の中でも「自分が孤独である」ことにすら、「気が付かない男」になってしまったという哀しい言葉が描かれていて、その後ろに「わにとかげぎす目」の深海魚のイラストともに表現されています。

「わにとかげぎす」の主人公富岡（有田鉄平）はラジオを聞く習慣があり、このラジオのDJを尾崎世界観がキャストに配されています。その中でいつもは物語の始めに流れるラジオの声が中盤に流れ始め、「わにとかげぎす目」も含まれる深海魚の話をし始めます。深海魚が食べるのは微生物の死骸、上から落ちてくる死骸を「わにとかげぎす目」がじっと待っています。この意味深なラジオはキャストたちの何を現わしているのでしょうか。

微生物の死骸はマリンスノウと呼ばれ美しく感じますが、意味するものはエサになるために落ちてくる死骸。そして深海魚もまた水圧のある場所からいきなり水圧が少ない場所に上がる事で、目は飛び出し内臓も体の外に飛び出してしまうグロテスクな形に変化してしまうそんな話をします。じっと深海にいればそんな無残な姿にならないのに、それは富岡の物語を意味している比喩に似ています。

「わにとかげぎす」の主人公で夜間に働くスーパーの警備員。働く時間が深夜ということで、これまで恋人は愚か、友達すらいない人生です。そんな自分が哀しいと思い、富岡はスーパーの屋上に上がり夜空の星に友達が欲しいと祈ります。その祈りの日から数日後、隣の部屋の羽田梓から、グイグイ来られるようになりました。

さらには、職場に初めての後輩が二人入ってきます。身の回りは騒がしくなりますが、彼らが来る前に警備員に宛てて「お前は一年以内に頭がおかしくなって死ぬ」という脅迫状が届いていました。まさかその犯人が後輩の雨川だとは、思わず友達が出来たと喜ぶ富岡でした。

有田鉄平さんは、お笑いコンビクリームシチューのコンビの一人で、バラエティの司会などで活躍しています。本格的なドラマはこの作品が初めてで主演に抜擢されました。

「わにとかげぎす」のドラマの中のヒロイン、富岡のアパートの隣に住む小説家の女性で、思ったことをなんでも口にする過激なキャストです。過去につき合っていた彼氏に部屋に盗撮の機械を備え付けられていて、その動画が、ネットにも流されるという哀しい過去も持っています。

羽田の初恋はトランプのジョーカー。なぜかそれをみて「超かっこいい」そう思ったのです。羽田は、見ようによってはジョーカーにも見える富岡に一目ぼれしてしまいます。富岡の観察データを作って、必死で近づく方法を考えているところはストーカー気質も見えます。人間らしく暮らしていなかった自己否定の富岡と羽田の関係が「わにとかげぎす」の出会いでどう変化するかも、このドラマの見どころの一つです。

本田翼さんは2006年に雑誌「Seventeen」のモデルとしてデビューしてから、「non-no」などを経験し、2012年に「恋愛ニート」で女優としてもデビューしました。はじめは演技力が今一つでしたが、2018年に放送された「絶対零度」の新シリーズのアクションシーンなどは高く評価されました。

ギャンブルで身を崩してしまった元料理人。名前はわからないままに「わにとかげぎす」のドラマは終わります。闇金で300万円近い借金があり、逃げ回って富岡の家に逃げ込んでいたこともあります。いつか宝くじでサラリーマンが生涯に働いて稼ぐだけのお金を手にすることが夢、一発充てることに生きがいを見出しています。

光石研さんは、16歳の時に受けた映画博多っ子純情のオーディションに出て、いきなり主役の座を射止めてデビューしました。以降は癖のある脇役を積み重ねることで、数々の映画やドラマに引っ張りだこになりました。そんな名わき役を集めたテレビ東京のドラマ、バイプレイヤーズでは、本人役で出演し話題になりました。

「わにとかげぎす」の主人公富岡の深夜のスーパーの警備員を二人増やしたときの一人で、富岡の生まれて初めての仕事の後輩です。富岡には素直に従ういい奴な面を見せますが、一緒に入ってきた雨川とは相性が悪いのか、いつも言い争いになっています。

お金を儲けることに異常な執着心があり、ヤバい仕事にもお金のためならと近付いてしまい、そのせいで自分の身を危険にさらしてしまいます。夢の中に何度も出てきた夢の女がいて、いつかその女と巡り会いいわゆるリア充生活を送ることを夢見ています。

賀来賢人さんのデビューのきっかけは叔母にあたる賀来千香子さんのお宅に、事務所関係者が訪問したところ、そこに賀来賢人さんの写真があり、写真がきっかけでデビューとなったそうです。2009年に「銀色の雨」で主演としてデビューその後、いろいろな役柄を演じ、「Nのために」で出会った榮倉奈々さんと結婚します。

俳優としては、シリアスな役柄が多かったのですが、「銀魂」「勇者ヨシヒコ」の福田雄一監督に出会い、コメディもできる俳優としての地位を確立し、2018年に放送された「今日から俺は！！」では不良高校生の役を生き生きと楽しく演じ演技と主題歌の歌唱で話題になりました。

雨川もまた「わにとかげぎす」の主人公富岡の夜間スーパーの警備員の後輩として採用されました。ただこのスーパーの警備員として就職希望した理由は富岡の部屋の羽田の反対側に住む吉岡華の部屋をのぞきたいという願望からでした。

実は1話で富岡の元に届く怪しい脅迫状は、その部屋から富岡が出れば自分がその部屋に住んで隣に住む吉岡華の部屋をのぞき見できるという願望からでした。運命の女性と決めた吉岡華に対する思いは強く、吉岡華のために願いを叶えてやろうとして自分の身を命の危険にさらしてしまいます。

映画が好きで夜間大学に通いながら、演技の勉強をしていたという努力家の吉村界人さんは、地道にいろいろな役に取り組んでいます。ドラマ「グッドドクター」では、藤木直人さんの知的障害のある弟役を演じていました。まだこれという代表作はないですが、ジワジワ知名度を上げている俳優です。

「わにとかげぎす」の中でも悲しい事件になった事件の犯人。認知症の父親の介護をしながら山の中に引きこもっていた上原は父が死んだことで自分も死のうと考えていました。そこへ吉岡華を助けるために、やくざのマンションから金庫をもってやってきた雨川・花林・吉岡華の3人と偶然出会います。

しかし、吉岡華からひどい言葉を浴びせかけられて、吉岡華を殺してしまいます。富岡と羽田が来て車から振り落とされた時に、雨川から殺されてしまいます。

淵上泰人さんは、プロサッカー選手を目指し、高校時代はユースチームなどに所属していましたが、大学進学とともに、役者への道を選びました。デビュー前にはプロ写真家のモデルとしての仕事もしました。その後、昼顔で吉瀬美智子の不倫相手として話題になり、着実に俳優として歩みを進めています。

ヤクザの情婦であり、ヤクザに表に出されたくない恥ずかしい写真をたくさん撮られてています。その写真がヤクザの事務所の金庫の中にあると、雨川と花林に盗んでくるように言います。雨川はもちろん吉岡華のために、花林は金のために吉岡華に協力します。

3人で逃げた山の中に一軒の家がありました。そこの住人である上原と言い争いになり、散弾銃で撃たれ、吉岡は命を落としました。

コムアイさんは、水曜日のカンパネラというグループで、コアな音楽ファンに支持されています。2016年ごろから女優としての仕事もいくつかしています。出演場面は少なくても印象的な演技をしています。2018年山田孝之・菅田将暉と共演したdeleでは、死体役も経験しました。

世間に見せている顔は、吉岡が働いているパチンコ店のオーナー。しかし東金には闇金業者という裏の顔がありました。さらには人身売買までやっているという噂もあります。

村上淳さんは映画・Vシネマなどの出演が多く、知名度は高くないですが、独特の空気感を持つ実力派俳優です。歌手のUAさんと結婚していた時期があり、その時に生まれた息子が現在若手俳優として活躍している村上虹郎さんです。

富岡が聞いている羅時パーソナリティのキャスト。尾崎世界観の話す内容がどこか「わにとかげぎす」のドラマと繋がっています。尾崎世界観のコーナーは意外と意味深で「わにとかげぎす」のあらすじにも通じています。

尾崎世界観さんはクリープハイプというバンドのボーカルとギターを担当するミュージシャンです。名前の世界観は、音楽の世界観を褒められたときに、そのあとから芸名を変更しました。過去の自分をモデルに書いた小説祐介で文芸春秋から小説家デビューもしています。

冒頭から富岡はゴミ捨て場のゴミと一緒に血を流して倒れています。「もし彼女と出会っていなければ」そう呟いている姿から始まりました。物語は、「このゴミ捨て場が結果で、それに至るまでを描いたものなのか？」と思わせる形で始まりました。

富岡は、好きで聞いているラジオがあります。このラジオがまるで富岡に語り掛けるように富岡に近い話をします。この日のラジオは「セミの雄の多くは交尾もしないままに哀しく死んでいく」という話をしました。「自分もそのセミのように1度も女性と関係を持つこともなく死んでしまうのかもしれない」と自分を反省します。

富岡ゆうじは、深夜スーパーの警備員です。一人孤独に見回りをしています。時々屋上に登ってさぼったりもしていますが、まじめに働いています。富岡には、友達がいません、彼女もいません、性体験が全くなく童貞です。38歳（原作は32歳）の富岡が趣味の筋トレをしている時に流れ星が流れ、彼は「友達が欲しい。」と願います。

そんな富岡に届いたのは、深夜スーパーに「警備員へ、お前は1年以内に頭がおかしくなって死ぬ」という脅迫状でした。さらに同じ手紙が、自分のアパートの部屋の前にもありました。「引っ越しも視野に入れておかなければ」と考えていたら、隣の部屋からゴールデンレトリバーが富岡にのしかかってきました。それを止めようとした羽田梓も富岡に足がよろけてのしかかってきてしまいました。

犬のおしっこまでひっかけられた富岡に羽田はハンカチを貸してくれて別れました。そのハンカチも、学生時代にフォークダンスで女子がダンスの時に手をつないでくれなかった思い出が、走馬灯のようによみがえり、返すべきか悩みます。

いつものように深夜スーパーに出勤すると、後輩が2人できました。1人はテンション高めの花林、もう1人は暗い感じの雨川です。それでも生まれて初めての後輩に喜ぶ富岡です。さらに富岡の「部屋の前に脅迫状を貼った奴を見た」と教えてくれたホームレスとも友達になって、部屋に入れます。

そのホームレスの借金で怖い人たちが、富岡のアパートに転がり込んできたり、入ってきた新人の一人が実は、富岡のアパートにも脅迫場を貼った奴だったりと色々なことがありました。その都度なんとか、クリアしてきましたが、富岡に脅迫状をおくった雨川は、豊岡の隣に住む吉岡華を助けるためにヤクザの金庫を盗む事件が起きてしまいます。

吉岡華を好きな雨川は、「ヤクザのに自分のエロ写真を持たれている事で困っているから、それを盗んでほしい」と頼まれヤクザの金庫を盗んで逃げます。それを持ち込んだ場所にいた男に殺される吉岡。その男もまた、親の介護という孤独な環境にいた男上原でした。上原の抱えた闇の中で縛り上げられ、死の恐怖に追い込まれる雨川と花林です。

そこへ二人を心配して探しに来た富岡と羽田、単に探しに来ただけのふりをして上原と対面すると上原は銃を持っていることに気が付き、一旦は引き上げる二人でしたが。雨川たちがここにいるとわかる彼らの持つバッチがあって、雨川たちはここにいると確信します。そこへ上原が富岡たちを怪しんでやってきました。慌てて車に乗り込む富岡たち。

やっと車のエンジンがかかったタイミングでボンネットに上ってくる上原、振り払うと落ちてぐったりする上原、それを見て上原の家に入り、中で雨川たちを探すと雨川は目つきが変わっていました。斧を手に持ち上原に向かっていきます。運命の女と思った吉岡を殺された恨みとここまで追い込まれた極限状態が雨川に殺人を犯させました。

そして雨川は金を持っている花林に目で逃げろと言い、花林はどこかに逃げます。羽田が呼んだ警察に連行されて行く雨川。花林の行方はそれ以降わかりません。けれど花林が持って逃げた金はヤクザの金です。花林の命も消えているでしょう。

とりあえずの事件が終わり、富岡は、あの時友達が欲しいと願わなければと自分を責めます。そして羽田は「富岡さんには友達よりも彼女が必要」と告白をしました。富岡は新しく運動公園の警備員の仕事が決まり、2人は幸せな時をすごします。

そこへ羽田の盗撮動画をもっていた灰野がまた羽田を脅してきます。そんな灰田の横には新しい彼女と思われる涼子（エマ）がそばにいました。未だに借金に追われている灰野。そんなときに、富岡は、羽田から子供が出来たかもしれないと伝えられます。はじめは何と返事をしていいかわからない富岡でしたが、あとから、妊娠は間違いだったと伝えられます。

富岡は「妊娠していない」といった羽田に結婚してほしいと伝えます。そのころ、運動公園に遊びに来ていて富岡と顔見知りになっていた不良少年たちが、東金と問題を起こしてしまいます。また怖い人たちから追いかけられる富岡は羽田から離れようと考えました。

そんな時にあったのは、最初に友達になったホームレスのオヤジです。迷う富岡にはっぱをかけて「俺が幸せにするって言ってやれ」と言って富岡を送り出します。そして羽田は元カレ灰野から、盗撮画像で小説家としての未来がぐちゃぐちゃになるという危機にいました。心を決めて、灰野に会いに行くことを決めました。

会いに行くと決めた時、灰野の今の彼女の涼子から「あの動画はムカつくからもう消した。灰野はもう戻ってこないと思うから」と言われ、灰野が取り立て屋から何かされたことを臭わせて電話は切れました。

不良少年たちの件で東金は富岡を追いかけてきました。何とか信号で振り切って、羽田の元に帰ってきた富岡、笑顔で迎える羽田で、このドラマは終わります。

「わにとかげぎす」のドラマの最初のシーンは、実は漫画のラストシーンなのです。しかしドラマのラストシーンは、深海魚が昇ってくるような音が意味深に流れてきますが、ハッピーエンドを思わせるシーンで終わります。

「わにとかげぎす」の種類の深海魚は、気圧の違う上の方に上ると、体が気圧に反応できなくて、目が飛び出し魚の体の中にある浮袋が口から外に出しまう、そんな醜い様子で死を迎えます。ラストシーンでマンションの光あふれる窓から手を振る羽田（本田翼）に手を振り返す富岡（有田鉄平）二人のキャストは、このままあの暖かい部屋で、幸せに暮らしました。で終わる物語と見て取れます。

けれど、原作を知っている者には、ラストシーンで頭から血を流し倒れている富岡らしきキャストの姿を覚えています。漫画の方もその倒れている男が、富岡であるとも書いてはいないのです。全く違うキャストのラストかもしれません。けれど物語のあらすじは、富岡は、東金という怖いキャストに狙われています。

ここでは富岡がハッピーエンドだったという説をとります。漫画を読んで色々な感想で受け止める人がいて当然なので、一つのこれまでのあらすじの受け止めてとして。最終巻4巻の表紙はリュウグウノツカイが下に向かって泳いでいます。深海から浮き上がると死んでしまう危険を回避した象徴としてのあらすじを描いているという説を取ります。

「わにとかげぎす」のドラマは、人の目に触れないような人たちが、浮上した時を意味しているドラマです。受け止め方によって、その人なりのラストが味わえるドラマだという意見も多いです。尾崎世界観さんがラジオで薬のプラシーボ効果について語っています。これは薬だと信じ込めば、人によっては効いてしまう人もいます。そういうドラマです。

最終回の受け止め方は、原作とおりにラストシーンが、初回のシーンに繋がるという受け止め方ができます。でも「人生何が起こるかわからない」といったホームレスの言葉、「富岡はジョーカーでもある、ということから、富岡は、不幸もひっくり返したのかもしれない」という意見もあります。自分の心に心地よい見方をするといいドラマです！