2018年10月22日公開
2018年10月22日更新
逃げ恥の歌(OP・ED)の曲名は?星野源の主題歌「恋」の歌詞の意味は?
海野つなみ氏による漫画「逃げるは恥だが役に立つ」(通称・逃げ恥)は、2016年にTBS系でテレビドラマ化されると、主演の新垣結衣さんと相手役の星野源さんの好演もあり、瞬く間に大人気ドラマとなりました。中でもEDで出演者が主題歌の「恋」に合わせて踊る「恋ダンス」が話題となり、真似する人が続出!社会現象にもなりました。今回は逃げ恥のOP・ED、さらに星野源さんによる主題歌「恋」の歌詞の世界にも迫ってみたいと思います。
目次
逃げ恥のOPやED曲を紹介!歌詞の意味も説明!
「逃げるは恥だが役に立つ」は2016年10月にテレビドラマ化され、視聴者には逃げ恥という通称で親しまれました。原作は女性向け漫画のラブコメディーですが、男女関係なくそのストーリー展開に毎週胸をキュンキュンさせていた視聴者は多かったようです。ドラマに華を添えるOP・EDの歌の評価も高く、中でもED曲は話題となりました。このまとめではOP・ED、さらには「恋」の歌詞の意味についても考察していきたいと思います。
逃げ恥とは?
逃げ恥は海野つなみ氏による漫画作品で、正式名称は「逃げるは恥だが役に立つ」です。講談社の月刊誌Kissにおいて2012年より連載が開始され、2017年に最終回を迎えるまで5年ほど連載されていた人気作品です。全9巻発刊されており、2015年には講談社漫画賞・少女部門も受賞しています。2016年にTBSでドラマ化され話題となり、一般認知度を爆発的に上げました。このドラマ化がさらなる読者層の開拓に繋がった模様です。
特徴的なタイトル「逃げるは恥だが役に立つ」は、ハンガリーのことわざ「Szégyen a futás, de hasznos」の和訳から来ています。負けるが勝ちという意味合いで使われることが多く、今は逃げるけれども次は戦う場所を準備して戦うという趣旨があるようです。自分の土俵、自分の得意分野で勝負するために、今は恥ずかしい逃げ方だったとしても生き抜くことが大切だという意味で、そのようなセリフが劇中にも登場しています。
逃げ恥のあらすじ
主人公の森山みくり(新垣結衣)は大学院卒業という高学歴にもかかわらず、就職難で就職できず派遣社員になりますが、それも派遣切りにあい、あえなく無職の身になってしまいます。そんな求職中の娘を見かねた父は、自身が会社員時代に付き合いがあった津崎平匡(星野源)に頼み込んで、週に1回、みくりを家事代行要員として雇ってもらう約束を取り付けて来ました。
以前より平匡は家事代行サービスを頼んでいたのですが、最近の雑な仕事ぶりなど業者に不満を覚えており、ちょうど会社を変えようとしていたところだったのです。気難しく、人に構われることをあまり好まない性格の平匡ですが、みくりの細やかな仕事ぶりや適度な距離感が気に入り、長期契約を結びます。しかし、そんな矢先にみくりの両親は長年の夢であった田舎への移住を決めてしまいました。
田舎では就職の口が極端に減ることから、なんとか首都圏に残りたいみくりは就職としての結婚を平匡に提案するのです。みくりの契約結婚の提案にびっくりする平匡でしたが、みくりの仕事ぶりは気に入っているし、みくりとの関係も良好、経済的なメリットも多い、などその提案に魅力を感じ、賛同します。そうして平匡はみくりの「雇用主」となり、2人は契約結婚生活をスタートさせたのでした。
平匡の同僚はもちろん、お互いの両親や親戚にも契約結婚のことは内緒なので、周囲の人間には普通の夫婦に見えるように、2人は様々なルールや作戦を設け、決行していきます。社員旅行という名の新婚旅行に出かけたり、親密さを演出するためにハグの日を設けたり、奮闘していく中でお互いにお互いを意識し始めます。専業主婦として就職先を得たみくりと雇用主としての平匡、従業員と雇用主の関係図も少しずつ変化していきます。
ともに生活していく中で、お互い徐々に恋愛感情が芽生えていきますが、プロの独身をこじらせている平匡相手にすれ違うことも多く、ようやく恋人関係なってからも一筋縄ではいきません。しかし、すれ違い、そのたびに関係を修復していく過程で、2人でいることの意味や存在の大きさを実感していきます。プロポーズを経て、改めてお互いが大切だと認識したみくりと平匡は、契約結婚ではなく、晴れて本物の夫婦になったのでした。
逃げ恥が提起したもの
平匡のシステムエンジニアらしい理詰めの考え方や、みくりの突拍子もない行動がコミカルに描かれている逃げ恥。笑って、泣いて、時にはキュンとするラブコメとして純粋に楽しめる作品ですが、その根底には「結婚」と「雇用」という既存の二大システムに対する問題提起がなされているようです。
逃げ恥には40代独身のキャリアウーマン、離婚経験者、愛妻家、ゲイなど様々な人物が登場します。結婚に対する固定観念に疑問を呈し、みくりと平匡のように既存の枠に囚われない新たな愛の形、新たな夫婦の形を描くことによって、結婚や恋愛への多様性を説いていると話題になりました。ただのラブコメに終わらず、実は深いテーマも隠されていることが視聴者の意識を引きつけた模様です。
作品の持つ力に加え、そういったテーマやメッセージがさりげなく散りばめられている点、それに気が付かなくても全然構わないという制作側の押し付けがましくない姿勢が視聴者にも好意的に受け止められ、逃げ恥のドラマは多くの賞(コンフィデンスアワード・ドラマ賞、ギャラクシー賞、エランドール賞、放送文化基金賞など多数)を受賞しました。2016年を代表するドラマと言っても過言ではないかもしれません。
逃げ恥のOP曲名は?誰が歌ってる?
OP曲名は「進め、たまに逃げても」
OP曲の「進め、たまに逃げても」は姉妹ユニット「チャラン・ポ・ランタン」が担当しました。このOP曲はドラマのために書き下ろされたもので、2人はドラマの台本と原作を読み込んで作ったそうです。特に原作には「気付けば全巻買っていて、完全に逃げ恥のトリコになっていた」と語るぐらいはまってしまったようです。逃げ恥という作品への愛と世界観の理解があったからこそできあがった歌なのかもしれません。
ドラマのOPを飾る軽快でポップな曲調は、逃げ恥の持つ雰囲気ととてもよくマッチしていていると視聴者にも好評のようでした。番組プロデューサーは「ファンタジーのようで手触り感のある、そんな世界観を引っ張っていくOPテーマは、チャラン・ポ・ランタンしかないと思い、オファーしました」と語っており、その狙いがぴたりとはまった形になったと評判になりました。
チャラン・ポ・ランタンの2人は「進むことは大事だけど、たまに逃げたっていいじゃないか。前・後・右・左、どこを向いたとしても、それもこれも“今”の私なのだから」という思いをこの歌に込めたそうで、その歌詞も逃げ恥の世界観を反映したものになっています。主人公・みくりへの応援ソングという位置付けになっており、主演の新垣結衣さんもインタビューで絶賛するなど、お気に入りのOP曲のようです。
チャラン・ポ・ランタン
逃げ恥のOP曲で注目を集めたチャラン・ポ・ランタンですが、インディーズでのデビューは2010年と意外と活動歴は短くはありません。2009年7月に結成し、大道芸や路上ライブなど幅広く活動しています。結成からインディーズデビューまで1年足らずというスピードは実力の現れかもしれません。2014年にはavex traxから「忘れかけてた物語」をリリースし、メジャーデビューを果たしています。
メンバーは姉の小春、妹のももの実の姉妹2人で構成されています。「歌とアコーディオンの姉妹ユニット」という触れ込みのとおり、小春がアコーディオンを担当し、ももがボーカルを務めています。スカやシャンソンなどを主体とした音楽性はオルタナティブ・シャンソンと呼ばれており、海外での評価も高いようです。あらゆるジャンルの音楽を取り入れた無国籍なサウンドや、サーカスのような世界観が持ち味と評されています。
そのサウンドは業界内での評判も高く、東京スカパラダイスオーケストラや松井玲奈(元SKE48・元乃木坂46)、ヒカシューなどとのコラボレーションを始め、タッキー&翼や私立恵比寿中学への楽曲提供もしています。チャラン・ポ・ランタンらしい歌のキャッチーさと相性が良いのか、CM等のタイアップが多いのも特徴で、メディアに出演する際には、共演する芸能人や企業のCM曲を独自に制作、披露したりもしています。
姉の小春(1988年11月21日生まれ、O型)は7歳の時からアコーディオンを始め、17歳に大道芸人のプロライセンスを取得しています。チャラン・ポ・ランタンのほとんどの歌を作詞・作曲しており、小道具、グッズ、フライヤーなどのイラストも担当するなど多方面に才能を発揮しています。2016年からはMr.Childrenのサポートメンバーとしてツアーに帯同しているようです。
妹のもも(1993年4月9日生まれ、A型)も作詞・作曲を手がけています。「進め、たまに逃げても」の歌詞はももが作詞しています。歌う時は必ずブタのぬいぐるみを持っているというスタイルが特徴です。トレードマークのおかっぱはウィッグだそうで、ライブやメディア等、人前に出る際には必ず付けています。2人のステージ衣装もかわいいと話題ですが、これは母親がデザインをしているそうです。
逃げ恥のED曲名は?星野源についても紹介!
ED曲名は「恋」
ED曲「恋」を歌うのは津崎平匡役を演じる星野源さんです。逃げ恥のプロデューサーである峠田浩氏は「2人(みくりと津崎)の恋が深まったり、すれ違ったり、そんなムズムズする気持ちを明るくも切なく表現してくれる」として星野源さんに平匡役を依頼したと語っており、その時から主題歌も星野源さんに頼むことを決めていたようです。
出典: https://thetv.jp
この「恋」はドラマの影響もあってか大ヒットを記録しました。ビルボードジャパンにおいては7週連続、通算11週1位、さらには2017年の年間チャート1位も獲得し、誰もが知るヒット曲となりました。セールスだけでなく音楽的評価も高く、「恋」の持つソウルやファンク、歌謡曲の要素をうまく取り入れたオリエンタルな雰囲気、演奏技術の高さ、歌詞の世界等が評価され、ミュージシャンとしての星野源の才能を証明したと評判でした。
「恋」はミュージックビデオも話題になりました。MV監督として数々のアーティストを担当してきた関和亮氏、ダンスはPerfumeやBABYMETALの振付師として活躍するMIKIKO氏を迎え、ポップでスタイリッシュ、けれども踊れて楽しいMVになっているようです。このダンスは「恋ダンス」として話題となり、Youtubeにおける「恋」のMVの再生回数は1.8億回(2018年10月時点)を超えています。
ここまで「恋ダンス」が流行った要因としては、やはり逃げ恥のEDによる効果が大きいでしょう。MVの恋ダンスを新垣結衣さんや石田ゆり子さん、古田新太さんなど逃げ恥出演者が披露するEDは大きな反響を呼び、真似をする人が続出、社会現象にまでなりました。SNS上において「踊ってみた」動画を投稿するのがブームとなり、一般人はもちろん芸能人や企業、自治体、果ては在日米海兵隊までが恋ダンスを披露しました。
「恋ダンス」アメリカ海兵隊バージョン pic.twitter.com/pCnQyk4RWS
— 在日米海兵隊 (@mcipacpao) January 27, 2017
こうした高まりを受け、星野さんはこの「恋」で2016年の第67回NHK紅白歌合戦にも出場しました。その年の審査員であった新垣結衣さんが、星野さんの歌に合わせて恋ダンスを踊る一幕も見られました。新垣さんのかわいらしい恋ダンスと、局を飛び越えて実現した逃げ恥ペアの共演に、お茶の間が沸いたのは言うまでもありません。
2016年日本ゴールドディスク大賞では1年で一番ダウンロードされた邦楽曲に贈られるソングオブザイヤーバイダウンロード、東京ドラマアウォード2017・主題歌賞、レコチョクのシングル楽曲のダウンロード史上最長週間連続1位記録など、「恋」は数々の賞や記録を打ち立てました。第89回選抜高等学校野球大会の入場行進曲にも選ばれ、この歌が国民的な支持を得ている様子が伺えます。
星野源とは?
星野源さんは1981年1月28日生まれ(37歳)、埼玉県蕨市出身のAB型です。2000年にインストゥルメンタルバンドSAKEROCKを結成し、リーダーとしてギターとマリンバを担当していました。アルバムを14枚(ベスト含む)発表し、フジロックやサマソニなどの大型フェスにも出演するなど、インストバンドにもかかわらず注目を集めていました。2015年にSAKEROCKは解散しています。
SAKEROCKとして活動するかたわら、ソロでの活動もスタートさせています。2011年に星野源名義でシングルを発売し、歌手としてデビューを果たしています。以後、コンスタントに作品を発表し、2018年10月現在までにシングル12枚(配信含む)、アルバムを4枚発売しています。オリコンでの順位も芳しく、どの作品も上位に食い込んでいます。逃げ恥のED曲である「恋」は9枚目のシングルになります。
音楽活動と平行して、俳優業にも進出し、高評価を得ています。大人計画の舞台やドラマ、映画に出演し、バラエティにも精力的に挑んでいます。特に2013年に公開された初主演映画「箱入り息子の恋」は高く評価されました。同年に公開された「地獄でなぜ悪い」での好演も合わせ、第37回日本アカデミー賞新人俳優賞など多くの賞を受賞、俳優としての星野源が大きく知られることとなったようです。
星野さんの活動はそれだけにとどまりません。さらに文筆業もこなしていて、エッセイやコラムの執筆もこなし、複数の連載を抱える文筆家としての顔も持っています。2018年10月現在発売されている著書は6冊、連載を多数抱えていることからさらに増えていくことが予想されます。最新刊行物であるエッセイ「いのちの車窓から」は24万部を超えるヒット作になっています。
ミュージシャン・俳優・文筆家と、それだけでも星野さんの多才さはわかりますが、彼は声優としても評価を得ています。「聖☆おにいさん」(ブッダ役)で堂々の主演として声優デビューしています。以降「ちえりとチェリー」(チェリー役)、「夜は短し歩けよ乙女」(主演・先輩役)、「未来のミライ」(おとうさん役)など話題作に出演、原作ファンにも受け入れられる好演を見せています。
マルチな才能を発揮している星野さんですが、病気に苦しんだ過去もあります。2012年12月にくも膜下出血と診断され、即手術を受けています。それに伴い、活動を休止していましたが、経過も良好で2013年3月に復帰しました。しかし同年の6月に受けた検診で再びくも膜下出血の再発が確認され、再手術の必要があり、再び活動を休止することを余儀なくされてしまいます。
ラジオ番組の降板やライブも延期しなければならなく、ご本人も辛い状況であったかと思いますが、手術は成功し、9月には退院を報告、2014年2月には日本武道館で復帰ライブを行いました。周囲の心配を吹き飛ばすライブ内容に安心したファンも多かったようです。医師からも完治を宣言されており、「どれだけ歌っても、動いても、何やっても大丈夫です」とお墨付きをもらっているとのことです。
逃げ恥のED曲「恋」の歌詞の意味について
出典: https://mora.jp
逃げ恥のED曲として大ヒットした「恋」ですが、歌詞も強い共感を呼び、評論家からは高く評価されています。ここではその歌詞についても少し考察していきたいと思います。
「営みの 街が暮れたら色めき」
星野さんはこの「恋」を生活を基にしたラブソングだという風に答えています。出だしのこの歌詞からもそれがよくわかるかと思います。日が暮れて様々なライトの光で街が彩られていく、日常的な風景が描かれています。
「意味なんか ないさ暮らしがあるだけ」
「人生に取り立てて意味などない、日々を暮らしていくだけだ」という内容ですが、この歌詞からも生活を基盤にしたラブソングにしたいという星野さんの意図が伺えます。仕事を終えて、ただ愛しい人のもとに帰る、意味はないけれどこれが生活というものなのだと言っているようです。
「この世にいる誰も 二人から」
この世の中にいる誰も彼もが、愛し合い、惹かれ合う二人から生まれたものだという歌詞になっています。それは自分も、そして相手も例外ではないと思っているのが感じられる一節だと話題になりました。
「胸の中にあるもの いつか見えなくなるもの それは側にいること いつも思い出して」
大切な人のことを歌っているようです。一緒に暮らしているのに何度もすれ違い、お互いの心が見えなくなって不安になる、でもいつも心の中には相手がいる、側にいる。そんな内容だと評判になりました。なんだかこの歌詞はみくりと平匡の関係性を想起させると言われています。
「夫婦を超えてゆけ」
「この曲を、新しい夫婦を形作る世界中の人たちへ捧げます」という星野さんの言葉通り、既存の夫婦という関係性ではなく、これからの新しい夫婦という形を作っていこうという意思が感じられる歌詞となっています。みくりと平匡のように仕事としての結婚、契約結婚という形から始まる夫婦関係でもいいじゃないか、夫婦の固定観念を壊していこう、新しい自分たちの夫婦像を作り上げようというメッセージが含まれているようです。
「二人を超えてゆけ 一人を超えてゆけ」
前述の「夫婦を超えてゆけ」では今までの夫婦像を超えてゆこうと語っていますが、この歌詞ではもっと対象が広くなっている感じを受けます。逃げ恥にはゲイであったり40代の未婚キャリアウーマンであったり、多様な生きかたをしている人々が登場します。
夫婦に限らず、現代ではLGBTやシングルマザーに代表されるように多種多様な生きかたがあります。そんな新しい生きかたをする人たち全方位に向けた応援メッセージに思われます。
逃げ恥のOPやED曲や歌詞まとめ
以上、逃げ恥のOP・ED曲についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?どちらもドラマにぴったりの素敵な曲ですので、ドラマが終わって2年たってもなお人気があるようです。逃げ恥を見たことがある方ももう一度OP・ED曲やその歌詞に注目してドラマを見ると、また違った見方ができるかもしれません。逃げ恥は見るたびに胸をときめかせてくれる作品として評判です。ぜひこの機会に逃げ恥をご覧になってみてください!