ウルトラマンアグルは変わった存在？変身する藤宮博也や必殺技も紹介

ウルトラマンアグルは、1998年に放送されたウルトラシリーズ「ウルトラマンガイア」で初登場した。2018年には登場20周年を迎えた。ウルトラマンアグルは歴代のウルトラマンの中でも特に異質な存在で、ほかのウルトラマンと対立することで有名である。

そのウルトラマンアグルに変身するのは藤宮博也である。変身アイテムは、「アグレイター」である。藤宮は当初、「地球を守るためには人間を排除しなければならない」という考えを持っており、ウルトラマンガイアに変身する高山我夢と対立していた。そのウルトラマンアグルの必殺技はどのようなものか、ウルトラマンアグルに変身する藤宮はどのような人物なのか。これらを画像付きで説明していこう。

ウルトラマンアグルは、上の画像のウルトラマンである。ウルトラマンガイアが大地の赤い光の巨人に対し、ウルトラマンアグルは海の青い光の巨人である。ウルトラマンアグルと藤宮は未確認粒子観測センターでの実験中に出会った。登場してからしばらくの間は名前が明かされておらず、第16話になって初めて「ウルトラマンアグル」と言う名前が明かされた。

ウルトラマンアグルの身長は52m、体重は46000トン、飛行速度はマッハ19、走行速度はマッハ5.5、水中速度はマッハ1.2、潜地速度はマッハ1.5、ジャンプ力は1100ｍ、握力は60000t(人間に換算すると60kg)である。

ウルトラマンアグルの胸にある発行部分は「ライフゲージ」である。ウルトラ戦士のカラータイマーと同じく最初は青く光っていて、残りエネルギーがわずかになると赤く点滅するようになる。しかし、ウルトラマンアグルの地球上での活動時間はほかのウルトラマンとは異なる。

普通のウルトラマンは、M78星雲光の国などほかの星からやってきているため故郷と異なる環境に適応しつつ戦う必要がある。このため大量にエネルギーを消費するので地球での活動限界が最長3分というわけである。

これに対しウルトラマンアグルは「地球上の海の力を授かったウルトラマン」であるため、地球環境に適応するためにエネルギーを使う必要がなく、エネルギーの続く限り長い時間活動ができるわけである。なお、同じ理由で大地の力を授かったウルトラマンガイアにも活動時間に制限がない。

「ウルトラマンガイア」のストーリーが進む中でウルトラマンアグルはバージョンアップし、V2となった。ウルトラマンアグルV2はノーマルタイプに比べて青色が鮮やかになっており、胸のプロテクターに金のラインが入っている。

V2の能力はノーマルタイプに比べて強化されており、飛行速度はマッハ23、走行速度はマッハ7.4、水中速度はマッハ1.5、潜地速度はマッハ1.8、ジャンプ力は1300ｍ、握力は90000t(人間に換算すると90kg)に強化されている。ノーマルタイプで使う技も使うことができる。

ウルトラマンアグルは、当初ウルトラマンガイアと対立していたが次第にウルトラマンガイアに力を貸すようになり、ウルトラマンアグルの力を授かることによってウルトラマンガイアもまたV2にバージョンアップした。

これによりウルトラマンガイアはパワーアップし、あわせてウルトラマンアグルの必殺技も使えるようになった。さらにウルトラマンガイアV2が自身の力とウルトラマンアグルの力を最大限まで解放したとき、ウルトラマンガイアは最強形態「スプリームバージョン」に進化する。

ウルトラマンアグルに変身する藤宮博也は高山我夢と同じく科学者であり、元アルケミー・スターズの一員であった。高山は同じくアルケミー・スターズに所属しているので、藤宮は高山の先輩でもある。藤宮は、自身が作った光量子コンピューター「クリシス」が予測した「根源的破滅招来体」の脅威に対抗するすべを探した。そして、実験中にウルトラマンアグルと出会った。

工学特許を多く持っているため藤宮はかなり裕福であり、自家用機も持っている。藤宮は冷静で理知的な性格の持ち主でとても意志が強いがやや人情味に欠けている。そんな藤宮は地球を守るために「人類を排除する」という考えを抱き、「地球も人類も守る」と考える高山と対立した。

しかし、玲子との出会いによって次第に人情味を見せるようになった。さらに高山の説得によって、藤宮の「人類を排除する」という考えは揺らぎ、「人類を守る」行動を見せるようになった。二つの相反する思想によって藤宮は板挟みになり、さらに藤宮の理解者出会った稲森京子が亡くなり、次第に心がすり減っていった。

藤宮=アグルは高山=ガイアと決闘した。しかしその後、クリシスを使ってはじき出した答えが外部からの干渉を帯びていることが発覚した。高宮によって地球を守るための答えが誤っていると諭された藤宮は戦意を完全に喪失してしまい、高宮にアグルの力を授けた後姿を消し、変身能力を失った。

その後藤宮は根源的破滅招来体と戦う気力を取り戻したが、結局変身して戦うことはできなかった。さらに藤宮は自分自身の考えによって引き起こされた惨状を目の当たりにし、根源的破滅招来体による精神への攻撃行為も相まって藤宮はますます生気を失っていった。

しかしΣズイグルによって高山がとらわれの身になったとき、藤宮は戦意を取り戻し、ウルトラマンアグルとして戦いたいと強く願った。それが海の力を呼び寄せ、藤宮は変身能力を取り戻し、ウルトラマンアグルV2として立ち上がった。

その後藤宮は根源的破滅招来体から地球を守るために戦いを挑んだ際、ウルトラマンアグルの光を失うことになったが、再びその光を取り戻し、最後にはウルトラマンガイアとともに根源的破滅招来体から地球を守ることができた。

藤宮は意志の強さと人情味の薄さよって「人類を排除する」という間違った考えにとらわれ、ジレンマで翻弄されたあげく、自分の信条が破れると絶望の淵に突き落とされた。「ウルトラマンガイア」のストーリーでの藤宮は壮絶な人生を送っていた。

藤宮がウルトラマンアグルに変身するときに用いるアイテムは、上の画像に挙げられている「アグレイター」である。普段藤宮はアグレイターを右の手首にはめて携帯している。変身能力を失った後も携帯していたが、第36話では変身してウルトラマンガイアを助けることができないことに苛立ち目の前にあった池に捨ててしまった。しかし第41話で変身能力を取り戻した際、手元に戻った。

藤宮がウルトラマンアグルに変身するときは上の画像のように振る舞う。まず右腕を真下に降ろすもしくは正面に右腕を伸ばす。アグレイターの翼状の部分が開いて発光部分が青く点滅するようになると、握りこぶしの状態でアグレイターを胸の前に持っていく。さらにアグレイターが回転することで藤宮は青い光に包まれ、ウルトラマンアグルに変身するのである。

ウルトラマンアグルの戦い方はシャープである。防御力が高く、剣術を生かした速攻戦術を得意とし、ウルトラマンガイアよりも身体能力が高い。さらにウルトラマンアグルは物質を反物質に変換する能力も持つ。

ウルトラマンアグルはウルトラマンガイアと手を組むことでさらに強さを発揮する。特にウルトラマンアグルがV2にバージョンアップしてからはウルトラマンガイアとの絶妙なコンビネーションで敵を倒していった。

ここからは、ウルトラマンアグルの必殺技を画像付き一覧で紹介していく。ウルトラマンアグルにはノーマルタイプとV2があるが、まずはノーマルタイプ、続いてV2の必殺技を画像付きで紹介し、さらにウルトラマンガイアとの合体技も画像付きで紹介する。

頭から放つ強烈な衝撃波で、ウルトラマンガイアの必殺技「フォトンエッジ」と同じくらいの効力を持つ。第3話ではウルトラマンガイアが放った「クァンタムストリーム」が効かなかったアパテーを粉々にし、第13話ではサイコメザード、第24話ではギール2を倒した。

第16話ではアルギュロスが姿を変え、ニセウルトラマンアグルとしてウルトラマンアグルに立ちはだかった。本物のウルトラマンアグルはニセリキデイターでダメージを与えられるもフォトンクラッシャーの打ち合いを制し、偽物を粉砕した。しかし、ウルトラマンガイアとフォトンエッジと打ち合いになった際に生まれた巨大なエネルギーで、ゾーリムを呼び寄せてしまった。

両手の間に作った光弾を発射する技で、ウルトラマンガイアの必殺技「クァンタムストリーム」と同じくらいの効力を持つ。第5話ではボクラグに対して使用した。ボクラグの身体はほとんど海水で構成されていて再生能力が非常に高く、アグルブレードなどの物理的が全く効かなかった。

ウルトラマンアグルとウルトラマンガイアは苦戦を強いられたが、ボクラグはリキデイターを受けることで蒸発してしまった。アルギュロスには6発連続で発射した。第18話では対ウルトラマンガイア戦でも使った。

なお、ウルトラマンアグルの力をウルトラマンアグルの力を引き継いだウルトラマンガイアV2もこの技を使うことができる。また、ウルトラマンアグルV2もこの技を使うことができるが、最終回でしか使っていない。

右手に作られる青い光の剣である。とても鋭く切れ味がかなり良く、ボクラフを粉みじんに切り刻んだ(が、先述の通りボクラグの強靱な再生能力によりすぐに復活した)。しかしエネルギーを大量に使ってしまう欠点がある。第18話では対ウルトラマンガイア戦でも使ったが、アグルブレードを使ってしまったためエネルギーの消費を早めてしまった。

なお、ウルトラマンアグルの力を引き継いだウルトラマンガイアV2もこの技を使うことができる。回転させることでウルフファイヤーが放った炎から身を守ったり、ビゾームを切り刻んでバラバラにするなど、ウルトラマンアグルに負けず劣らず使いこなしている。

全身のエネルギーを右腕に集約して敵にぶつけるという、アグル最強の光線技である。ウルトラマンガイアスプリームバージョンの最強必殺技「フォトンストリーム」と同じくらいの効力である。あまりにもエネルギーを多く消費してしまうため、変身中は一発しか撃てない。

アグルストリームはウルトラマンガイアの必殺技と同時に用いられることが多い。第44話では超コッヴと超パスズに対して、スプリームバージョンとなったウルトラマンガイアがフォトンストリームを使うと同時に使用した。さらに第49話ではカイザードビシに対してウルトラマンガイア(V2)がクァンタムストリームを使うと同時に使用した。

ウルトラマンアグルノーマルタイプの必殺技「リキデイター」の威力をより強くしたもので、スクリュー状の波動弾である。第41話でウルトラマンガイアに変身しようとした高山はΣズイグルによって捕らえてしまったが、ウルトラマンアグルは高山を救い出し、この技でΣズイグルを倒した。

ウルトラマンアグルノーマルタイプの必殺技「アグルブレード」よりも細く鋭くなり、切れ味が強化された。アグルブレードでは日本刀のように「斬る」戦法で用いられていたが、アグルブレードはフェンシングのように「突く」戦法で用いられる。第41話でΣズイグルによってとらわれの身となった高山を救い出すため、Σズイグルの胸をくりぬいた。第49話ではカイザードビシの触手を切り落とした。

ウルトラマンアグルノーマルタイプの技をそのまま引き継いでおり、第45話と最終回で使った。第45話ではブリッツブロッツに対して使ったが、跳ね返られてしまった。最終回ではウルトラマンガイアがクァンタムストリームを使うと同時に使用し、ゾグ(第一形態)を攻撃した。

なお、ウルトラマンアグルの力を引き継いだウルトラマンガイアV2もこの技を使うことができる。第27話でウルトラマンガイアは、ニセウルトラマンガイアに姿を変えたミーモスが放つフォトンエッジをこの技で押し返し、ニセウルトラマンガイアの正体を暴いた。

最終回で用いられたウルトラマンアグルとウルトラマンアグルの合体必殺技である。空中でウルトラマンアグルがアグルストリームを撃ち、その真下の地上にウルトラマンガイアスプリームバージョンがフォトンストリームを撃つ。二つの光線を合体させることでさらに強力な光線技となるのがこの技である。二人よりも圧倒的に大きいゾグ(第二形態)を倒した。

第26話ではウルトラマンアグルの力は全てウルトラマンガイアに吸収され、それ以降ウルトラマンアグルは全く登場しない予定になっていた。しかし人気の高さによって復活が決まり、第41話でバージョンアップをもって復活した。

「ウルトラマンガイア」の放送が終了してから15年近くがたってもウルトラマンアグルの人気は衰えなかった。ウルトラヒーロー総選挙2013では、初代ウルトラマンやウルトラマンタロウなどの先輩ウルトラマンを抑え、第8位にランクインした。得票数は4044票である。ちなみに、相棒のウルトラマンガイアは第7位で得票数は4075票であり、ウルトラマンガイアと30票ほどしか変わらない。

さらに2018年6月29日から7月5日に投票された好きなウルトラマンランキングでは、ウルトラマンアグルは第17位であった。2013年版に比べるとあまり芳しくない成績ではあるが、ウルトラマンアグルが主役でなかったことを考えるとかなり健闘していると考えられる。ちなみに主役だったウルトラマンガイアはそのランキングでは6位だった。

ウルトラマンアグルの人気の秘密は何なのか。これにはさまざまな説がある。ウルトラマンアグルはほかのウルトラマンと違って青を基調としている。基本形態が青いウルトラマンはウルトラマンアグルが初めてだったため、その斬新さに心を奪われた人が多い。なお、ウルトラマンアグル以降基本形態が青いウルトラマンは増え、2018年10月現在、ウルトラマンコスモス、ウルトラマンヒカリ、ウルトラマンブルがこれに当たる。

さらに「元祖青いウルトラマン」に恥じないクールな姿も人気の秘密の一つである。ウルトラマンアグルは登場シーン、ファイティングポーズ、戦い方、必殺技など、一つ一つのシーンで「かっこいい」と言われている。

さらに藤宮博也役の高野八誠の影響もある。昨今の特撮ヒーローではイケメンが変身することが多いが、その流れを作り出したのが高野八誠と言われている。放送されている当時のステージショーで、子どもたちがウルトラマンや怪獣で盛り上がっているのに対し、そのお母さんたちは高野八誠で盛り上がっていたという話もある。

しかし、その人気に反し、ウルトラマンアグルはテレビ放送終了後なかなかウルトラシリーズにゲスト出演しなかった。ウルトラマンガイアは1999年公開の映画「ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア　超時空の大決戦」、2008年公開の映画「大決戦!超ウルトラ8兄弟」、2015年公開の映画「劇場版　ウルトラマンギンガS　決戦!ウルトラ10勇士!!」に登場したが、ウルトラマンアグルは登場しなかった。

テレビ放送終了後に藤宮がウルトラマンアグルに変身したのは、放送が終了してから10年以上たった後の2013年、ウルトラマン列伝内でのことだった。ただしこれは「ウルトラマンガイア」放送当時を振り返るのがメインであり、新作映像はあまり含まれていない。

ウルトラマンアグルが本格的に復活したのはこれからさらに4年後の2017年のことである。藤宮は「ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA」に登場し、藤宮はウルトラマンアグルとして完全復活を果たした。

ウルトラマンアグルはORIGIN SAGAの全12話中第8話以降の全てに登場した。第8話では、ベゼルブと戦うジャグラーの前に現れた。第9話ではジャグラーの無茶な戦いぶりを見て、いつまでも一人では戦えないと忠告した。第10~11話ではウルトラマンアグルとともにクイーンベゼルブに戦いを挑んだが、敗北してしまった。

最終話ではウルトラマンアグルは、命の樹を守るためにウルトラマンダイナ、ウルトラマンガイア、ウルトラマンコスモス、ウルトラマンオーブとともに立ち上がった。命の樹を守り抜いたウルトラマンアグルは、ほかのウルトラマンと同じくウルトラマンオーブ=ガイのもとから飛び去っていった。

長いブランクを経て復活したウルトラマンアグルは、ORIGIN SAGAでウルトラマンオーブやジャグラーたちを導く重要な役割を果たしてきた。「ウルトラマンガイア」放送当時よりも貫禄を帯びて、先輩ウルトラマンとしての役割を果たしたのだった。

青いウルトラマン、クールなウルトラマン、ほかのウルトラマンと対立するウルトラマン、それがウルトラマンアグルである。ウルトラマンアグルは、それまで登場してきたウルトラマンたちと大きく異なる性格や性質でファンの絶大な人気を獲得してきた。

これからも宇宙の平和を守るため、ウルトラマンアグルは活躍し続けるだろう。かつて対立していたウルトラマンガイアとも和解し、現在では切っても切り離せない絆で結ばれるようになった。ウルトラマンアグルだけでなく、ウルトラマンガイアも合わせて応援していきたいものである。