逃亡医Fは「逃亡者」や「モンスター」のパクリ？設定や結末など似ている点を検証

2022年に放送されたテレビドラマ『逃亡医F』。「医者」×「逃亡」というサスペンス要素を含んだ医療ドラマ『逃亡医F』ですが、こちらの『逃亡医F』が「パクリ作品なのでは？」という疑惑があがっていることをご存じでしょうか？こちらの記事ではそんな『逃亡医F』のパクリ疑惑について調査しました。

まずは『逃亡医F』のパクリ疑惑をご紹介する前に、『逃亡医F』の作品概要や簡単な物語あらすじをご紹介していきます。『逃亡医F』の原作漫画の作者や掲載誌、ドラマキャストについておさらいしたい人は記事を読む前にこちらの項目にも目を通してみてください。

• 原作者：伊月慶悟
• 作画：佐藤マコト
• 出版社：秋田書店
• 掲載誌：プレイコミック
• 発刊期間：2007年～2008年
• 巻数：全3巻

『逃亡医F』は伊月慶悟先生が原作を手掛け、佐藤マコト先生が作画を担当した日本の医療漫画。掲載されていたのは1968年～2014年まで発刊されていた青年向け漫画雑誌の『プレイコミック』です。こちらの作品2007年～2008年の間に連載がされていましたが、単行本としては登場しておらず、現在は電子書籍でのみ購入が可能となっています。電子書籍は全3巻で、2022年1月にはテレビドラマ化されました。

• 原作：伊月慶悟（原作）、佐藤マコト（作画）
• 脚本：福原充則
• 構成：佐藤東弥、大谷太郎
• 音楽：今堀恒雄
• 制作：日本テレビ
• 主題歌：奥田民生「太陽が見ている」
• 放送期間：2022年1月15日～2022年3月19日
• 話数：全10話（地上波放送）、全5話（Hulu版スピンオフ作品）

『逃亡医F』のドラマは漫画『逃亡医F』を原作とし、2022年に公開されたテレビドラマ作品。原作漫画の設定を元にドラマ版オリジナルのストーリーを展開しています。また『逃亡医F』の原作漫画は全3巻の短いストーリーとなっていますが、ドラマ版はスピンオフ作品が動画配信サイトHuluにて公開されており、各話で主人公を入れ替えたサイドストーリーが展開されています。

『逃亡医F』の原作漫画とテレビドラマ版では本編の内容にも若干の違いがあるため、原作漫画を読んだことがある人もテレビドラマ版を楽しめるようになっています。テビドラマ版では下記の俳優がキャストとして登場しているので、出演者が気になる人はこちらにも目を通してみてください。

• 藤木圭介役…成田凌
• 沢井美香子役…森七菜
• 八神妙子役…桜庭ななみ
• 八神拓郎役…松岡昌宏
• 都波健吾役…酒向芳
• 長谷川輝彦役…桐山照史
• 烏丸京子役…前田敦子
• 佐々木世志郎役…安田顕
• 幹こずえ役…堺小春
• 筋川二平役…和田聰宏

帝都医科大学附属病院の脳外科医として働く藤木圭介は、病院の研修医で恋人の八神妙子が屋上から転落死したことで立場が一変します。八神の転落が他者による故意のものと断定され、その犯人として名前をあげられてしまった藤木。藤木は八神の死の真相を求め、"鳴海健介"と偽名を使い逃亡を試みます。その途中、藤木は各地で出会う病を患う人々を医者として助けながら警察や追ってから逃げ続けるのでした。

「他の作品のパクリなのではないか？」という声があがっている『逃亡医F』。こちらの項目では『逃亡医F』がパクリだと言われている元の作品の1つ『逃亡者』についてご紹介していきます。『逃亡医F』のパクリ疑惑が気になっている人はこちらの項目をチェックして、疑惑の真相の参考にしてみてください。

『逃亡医F』がパクリなのではないかと言われている元作品の1つ『逃亡者』。こちらの作品は1963年にアメリカで制作されたテレビドラマ作品です。『逃亡者』はアメリカで人気となったサスペンス作品で、その人気と高視聴率から4シーズンも続いた名作。アメリカで放送された最終回は50.7％の視聴率をたたき出しました。

各シーズンが30話で構成され、全部で120話の物語となっています。日本でもアメリカで放送された翌年1964年から放送が開始され、31.8％の視聴率を記録しています。そのため日本国内で『逃亡者』のストーリーを知っている人も少なくなく、"医者"や"逃亡"という言葉がキーワードになっている『逃亡医F』が『逃亡者』に似てる・パクリではないかと感じる人も少なくなかったようです。

『逃亡医F』のパクリ元と言われているアメリカのドラマ作品『逃亡者』。こちらの作品はいくつかのリメイク作品が制作されており、日本でも2020年に俳優の渡辺謙さん主演の同名ドラマが放映されています。『逃亡医F』は『逃亡者』に似てる部分が目立つためパクリ作品と言われていますが、2020年に日本で放送されたテレビドラマ『逃亡者』はアメリカのテレビドラマ『逃亡者』を原作としたもの。

そのためこちらは正式なリメイク作品となっています。設定は原作の『逃亡者』から若干変更されており、日本人に受け入れられやすい内容となっているようです。また、『逃亡医F』がパクリと言われているのは原作の『逃亡者』ではなく、映画版『逃亡者』のようでこちらの作品の知名度が高いため、映画を見たことがある人は似てると感じるシーンが多かったようです。他にも『逃亡者』のリメイク作品には次のようなものがあります。

• 逃亡者 （映画）…1993年公開のハリソン・フォード主演作
• 新・逃亡者 （ドラマ）…2000年から2001年まで放送のティム・デイリー主演作
• 逃亡者 RUNAWAY（ドラマ）…2004年放送の江口洋介主演作
• 逃亡者（ドラマ）…2020年放送の渡辺謙主演作

アメリカのテレビドラマ『逃亡者』および、そのリメイク作品と設定が似てると言われている『逃亡医F』。具体的にどのような点が似てるのかというと、まずは登場人物の設定です。『逃亡者』では小児科医の主人公が殺人犯として警察に追われることになりますが、『逃亡医F』でも脳外科医の主人公が殺人の濡れ衣を着せられ逃亡することになります。細かな専門分野は違うものの、医師という職業は同じ。

また殺害したとされる相手も『逃亡者』では妻、『逃亡医F』では恋人と似てることが分かります。さらには逃亡事態をメインに描いているのではなく、逃亡中に出会う人々や出来事に視点を置いているところも似てると言えるでしょう。

以上のように、主人公が殺人の疑いを掛けられ逃げなければいけないという設定や、主人公の職業が医者に設定されており逃亡中に医療行為を施して人助けをするという設定などが『逃亡医F』が『逃亡者』に似てるといわれている理由となっているようです。

上記では『逃亡医F』と『逃亡者』の似てる設定についてご紹介しました。次にこちらの項目では『逃亡医F』と『逃亡者』で違う設定となっている部分をご紹介します。まずパクリ元と言われている『逃亡者』の主人公の行動について。『逃亡者』では殺人が起こった後、主人公は裁判にかけられ死刑判決を言い渡されます。そして護送中の事故に紛れて逃亡を開始。一方、『逃亡医F』では逮捕される前に自ら逃亡を開始しました。

また『逃亡医F』と『逃亡者』ではどちらも病人の医療行為を行うという行動が登場しますが、『逃亡医F』では逃亡先で度々患者が登場するものの、『逃亡者』では終盤で診察を行う程度となっています。『逃亡医F』は医療行為もメインの物語となっている一方、『逃亡者』は逃げることを中心とした物語という部分が大きな違いとなっています。

『逃亡医F』はアメリカのテレビドラマ『逃亡者』のパクリと言われることが多い作品となっていますが、同名のアメリカ映画『逃亡者』にも似てると言われているようです。アメリカの映画『逃亡者』は1963年に放映されたテレビドラマ『逃亡者』のリメイク作品のため、テレビドラマ版が似てると言われていることもあり、映画版にも似てるという意見が出るのは自然なことのようです。

上記では『逃亡医F』がアメリカのテレビドラマ『逃亡者』と、それを元にした同名のリメイク映画に似てるという件についてご紹介しました。次にこちらの項目では、『逃亡医F』が似てるとされているもう1つの作品『MONSTER』についてご紹介。『MONSTER（モンスター）』は漫画雑誌・ビッグコミックオリジナルにて連載されていた浦沢直樹先生の漫画作品。

こちらも『逃亡者』と同じく累計発行部数2000万部を突破する人気作です。『MONSTER（モンスター）』も『逃亡医F』や『逃亡者』と同じく医師の主人公が追っ手から逃げる物語となっており、『逃亡医F』に似てると言われている作品です。しかし『MONSTER（モンスター）』は主人公が逃げるだけではなく、殺人犯である少年を追うことを目的としているため、『逃亡医F』とは似ていないという意見も多いようです。

『逃亡医F』のパクリ元であると言われている漫画作品『MONSTER（モンスター）』。こちらでは『逃亡医F』と『MONSTER（モンスター）』の似てる点をあげていきます。まずは上記でご紹介した『逃亡者』と同じように、主人公が医師であること。

『逃亡者』では主人公が小児科医でしたが、『MONSTER（モンスター）』の主人公は脳外科医のため、より『逃亡医F』と似ている設定となっています。また逃亡先で患者がいれば治療を施すところも『逃亡医F』と似ています。しかし、『逃亡医F』と『MONSTER（モンスター）』が似ている設定なのはこの程度。

『MONSTER（モンスター）』では主人公が殺人犯を始末することを目的にしていたりと『逃亡医F』とは物語の雰囲気が違うと感じる人が多いようです。『逃亡医F』は逃げながらも人を救うことを中心に描いていますが、『MONSTER（モンスター）』は緊迫感を押し出したサスペンス色が強い作品となっています。

テレビドラマ版の『逃亡医F』の結末は、主人公の藤木の殺人容疑が撤回され、船医として第2の医者としての人生を歩んで行くという結末で締めくくられています。藤木は恋人だった八神の殺人容疑がかかり逃走していましたが、最終的にはガンの新薬を開発した八神が製薬会社と国の権力を持つ者にはめられ自殺に追い込まれていたことが判明します。

その結果、八神の殺害の犯人はいなかったものの、八神を死に追いやった製薬会社と権力者たちの悪事が世間に知らされその関係者たちが逮捕されるという事件となりました。一時は殺人犯として追われる身となった藤木でしたが、容疑が晴れた後は逃走中に知り合った船の人を頼りに船医としての生活を始めることにするのでした。

テレビドラマ版の『逃亡医F』は最後に船医として旅立つ終わり方となりましたが、原作漫画では少し結末が変わっています。テレビドラマ版では恋人の八神が死亡していますが、原作漫画では意識不明となりつつも生存しています。そして物語のラストで目を覚ました八神は自分の意思で死を選んだことを刑事たちに打ち明けます。

八神の証言によって無実が証明された藤木は、その後海洋観察船の船医としての暮らしをすることになるのでした。また、原作漫画では藤木と八神は恋人ではなく、最後に烏山が藤木の助手として一緒に船に乗り込みます。そこから藤木と烏山が恋愛に発展するのではないかという見方もされる結末となりました。

テレビドラマ『逃亡者』に設定が似ていることから批判的な評価を受ける一方で、純粋に楽しめる作品だったという感想を持つ人も多いようです。パクリ疑惑で言われているように『逃亡医F』と『逃亡者』では似てる設定が幾つもありますが、『逃亡医F』では医療を通じて人々と交流をする展開は『逃亡医F』のオリジナルのものとなっているので、そういったシーンに注目してストーリーを楽しんでみてはいかがでしょうか？

こちらの方は『逃亡医F』に出演されている俳優陣についての感想を述べられています。テレビドラマではキャストによって作品のイメージががらりと変わることも珍しくありません。こちらの方は登場人物のキャストがこのメンバーだったからこそ、ハートフルなドラマが出来上がったのだと高評価をされています。

地上波放送で放映された本編とは別に、動画配信サイト・Huluにてスピンオフ作品が配信されている『逃亡医F』。こちらは『逃亡医F』の物語の中に登場した人物たちに視点を向けたショートストーリーとなっています。こちらはテレビドラマ版オリジナルの物語となっているので、原作漫画を見たことがある人も楽しめる内容となっています。

以上、『逃亡医F』のパクリ疑惑についてご紹介してきました。『逃亡医F』は1963年に公開されたアメリカのドラマ『逃亡者』や漫画『MONSTER（モンスター）』に似ている設定が多いことから、パクリ作品なのではないかという評価がされています。実際に医師が殺人容疑を掛けられる展開などから『逃亡者』との類似点が多々見られますが、逃亡先で様々な人を医療の力で助けるストーリーは『逃亡医F』独自のもの。

パクリ疑惑が浮上したり、酷評を受けることもある作品となっていますが、「面白い」という声も多く上がっている作品です。テレビドラマ版では動画配信サイト・Huluにて主人公以外の登場キャラクターをメインに取り上げたスピンオフ作品が配信されているので、まだ見ていない人はこちらの作品もチェックしてみてはいかがでしょうか？