2019年08月27日公開
2019年08月27日更新
【トットちゃん】カール祐介ケルナーは実在しない?モデルや病気について考察
【トットちゃん】黒柳徹子のドラマに多くの人が持つ印象は人間愛、人と人の絆、自分を肯定する事と言われている。テレビ朝日系列の「トットちゃん!」の世界では今まで見たことのない愛の世界がとても美しく描かれている。これまであまり語られることのなかった黒柳徹子の恋愛。ドラマ上ではカール祐介ケルナーとして描かれたピアニストは実在しないがモデルはいる。クライマックスに描かれる。愛し合う二人が別れた理由は愛する人の病気があった。トットちゃんのストーリーの中で初めて描かれるカール祐介ケルナーの存在を考察する。
目次
カール祐介ケルナーはトットちゃんの登場人物
窓ぎわのトットちゃんの作品情報
「窓際のトットちゃん」は1981年に黒柳徹子が自身の小学生時代の思い出を記した自伝的小説である。イラストにいわさきちひろを起用したことも話題になった。この作品の「窓際」は当時「窓際族」という使えないサラリーマンの代名詞を使い、黒柳徹子が自身のことを徹子といえずに「トットちゃん」と言っていた言葉を合わせたものである。
講談社からタレント本の一つとして初版2万部で発行されたが、当時ザ・ベストテンなどの人気番組を担当していた黒柳徹子の人気の高さとテレビCMの「小学校1年生で学校を退学になった」というあおり文句が話題となり注目を浴びた。最初は、タレント本への興味から本の質の高さが知られるようになり、2014年9月の「ふしぎ発見」の中で単行本あわせて800万部のベストセラーと紹介された。
窓ぎわのトットちゃんの概要
小学生でも読めるような優しい表現と読みやすい構成で、学校図書としても置かれるようになった「窓際のトットちゃん」の概要は家の近くの区立小学校で、いろいろなことに興味を持ちすぎて変わった行動をとってしまう黒柳徹子に手を焼いた小学校から転校をすすめられた母親が、黒柳徹子に合う「トモエ学園」を探し出しそこでの一風変わった教育方針やそこで出会う同級生の話がちりばめられている。
この本が発行されたころの教育現場では管理教育のひずみによる校内暴力が吹き荒れた頃でドラマでいえば「スクールウォーズ」「3年B組金八先生」の腐ったミカンの話などの時代である。その中で問題児であったトットちゃんに「君は本当はいい子なんだよ」と言ってくれた校長先生やトモエ学園の用務員さんにいたるまでの職員の温かさも描かれている。
黒柳徹子の自伝エッセイ
黒柳徹子が小学生だった頃は第二次世界大戦真っただ中の頃で兵隊にとられる職員も描かれた。同級生には博識な車いすの児童に黒柳徹子がいろいろと教えてもらった様子など、それぞれの個性が生き生きと描かれている。先生も児童も実名で書かれているので、黒柳徹子の初恋の相手として物理学者の山内泰二であることも隠すことなく書かれている。
「トットちゃん」でドラマ化
「トットちゃん!」はテレビ朝日系列の「帯ドラマ劇場」として「やすらぎの郷」に続く第2弾として放送された。帯ドラマ劇場は「徹子の部屋」がおわりCMもはさまず始まる形だったことも話題になった。主演は黒柳徹子の母親朝(松嶋菜々子)と「やすらぎの郷」での演技が評価された清野菜名が黒柳徹子のW主演でスタートした。
カール祐介ケルナーはトットちゃんの恋人
今回のまとめでは、「トットちゃん」のドラマの中で黒柳徹子の40年間想い続けてきた相手として描かれているカール祐介ケルナーについてまとめる。トモエ学園の中で病気の子供やいろいろな個性的な子供達と育ってきた黒柳徹子は、ハーフで外国人に見えるカール祐介ケルナーの外見にもこだわらなかった。
カール祐介ケルナー役は城田優
ドラマ「トットちゃん!」の中でカール祐介ケルナーを演じたのは自身もハーフの城田優である。徹子の部屋に出た時にその外見からたくさんのオーディションを受けても、ほりの深い端正な顔立ちや背の高さから「与えられる役はない」といわれたことなどを語っていた。カール祐介ケルナーの役は城田優の外見を十分に生すことのできるピアニスト役だった。
城田優はピアノを習った経験があるが、決してうまいわけではないのでウキペディアに「特技ピアノ」と書かれているのが嫌だったので「この機会にそれを消す努力をした」とインタビューで答えている。その場に居合わせた黒柳徹子役の清野菜名はカール祐介ケルナーの役を演じる城田優のピアノの腕前を「上手」といってハードルを上げ笑いを誘っていた。
城田優は1985年12月26日、日本人の父とスペイン人の母との間に生まれた。身長190㎝と大きいのでテレビドラマなどのオーディションでは1000回くらい落ちた経験があるという。そんな中で大河ドラマ「天地人」の真田幸村役で初めての時代劇を経験する。自分の見た目に悩んでいた城田優は、一度は断るがプロデューサーの熱心な勧めにより役を受け見事に演じきった。
歌のうまさも買われてミュージカルの舞台に立つことも多い。2016年にはミュージカル「アップル・ツリー」で演出家としてもデビューしている。
カール祐介ケルナーは実在しない?
カール祐介ケルナーは架空の人物
「トットちゃん!」に描かれたカール祐介ケルナーは実在の人物なのか調べてみた。黒柳徹子がピアニストと交際していたという話題はあった。ただカール祐介ケルナーというハーフではなく、ブルガリアのユダヤ人であるピアニストのアレクシス・ワイセンベルクだと言われている。カール祐介ケルナーはアレクシス・ワイセンベルクをモデルに創作されたのではと言われている。
アメリカ人と日本人のハーフ
「トットちゃん!」のテレビドラマの中のカール祐介ケルナーの設定はアメリカ人と日本人とのハーフであるとなっている。モデルとなったアレクシス・ワイセンベルクはハーフではなくユダヤ人だった。城田優はスペイン人とのハーフであるが、アメリカ人とのハーフと言っても違和感のない見た目で実在したといわれたなら納得しそうな容姿である。
国際的なピアニスト
カール祐介ケルナーを演じた城田優はピアノを習った経験はあるが、ピアニストといえるほどの腕前はない。前にも述べたがピアノが特技と言われるのが嫌だという側面を持っている。そのためピアノを弾くシーンは演じる事が出来るが、音はモデルとなった実在のピアニストの「アレクシス・ワイセンベルクの音色なのでは?」という推測もあった。
実在のアレクシス・ワイセンベルクは世界的なピアニストであり、日本にも演奏会で来ていて黒柳徹子と出会ったといわれている。
トットちゃんとカール祐介ケルナーの出会い
カール祐介ケルナーと黒柳徹子の出会いは黒柳徹子がトットちゃんといつまでも呼ばれる天真爛漫なエピソードである。カール祐介ケルナーがカレーの店で食事を終えるころ連れの女性がナンを残したのがエピソードの始まりである。トットちゃんは見ず知らずの女性が手も付けずに残したナンを「私にこのナンをください」と躊躇せずに言った。
それに対してカール祐介ケルナーはトットちゃんの行動は「下品だ」と言ってトットちゃんを叱ったのが二人の出会いだった。黒柳徹子のこうした行動を発達障害という病気として位置付ける説もあるが、戦争を体験した日本人は飢えを知っているから食べられるものを残すことが出来なかったという説がある。
どちらにしても初めて会ったカール祐介ケルナーに叱られてしまったトットちゃん。その後カール祐介ケルナーが日本にピアノの演奏に来ている人だと知ると、好奇心の強いトットちゃんはその演奏会に行き、カール祐介ケルナーのピアノを聞いた感想を話したという。天真爛漫に好きなものを好きといえるトットちゃんの素直な可愛さにカール祐介ケルナーが恋をしたという説もある。
カール祐介ケルナーのモデルは黒柳徹子の恋人
モデルはアレクシス・ワイセンベルク
カール祐介ケルナーのモデルは黒柳徹子の恋愛の噂などからアレクシス・ワイセンベルクの名前が挙がる。2012年にアレクシス・ワイセンベルクが病気で亡くなるまで40年間の付き合いがあったことから、黒柳徹子がアレクシス・ワイセンベルクと出会ったのは40歳より少し前である。十分な大人の恋であるが、いつまでも天真爛漫なかわいらしさを失わない黒柳徹子なので恋も彼女らしいものだったのだろうといわれている。
アレクシス・ワイセンベルクのプロフィール
カール祐介ケルナーの実在のモデルであるアレクシス・ワイセンベルクは1929年7月26日生まれ、1933年8月9日生まれの黒柳徹子より4つ年上である。子供の頃から作曲家のウラディゲロフに作曲とピアノを学びデビューは14歳と将来有望なピアニストだった。ユダヤ人という事もあり第二次世界大戦中は収容所に入れられ辛い日々を過ごした。
その後イスラエルを経てアメリカに逃れ、1946年にたくさんの著名な音楽家を輩出しているニューヨークのジュリアード音楽院に入学し数々の音楽祭で賞を受賞していた。けれど1956年から10年にわたって自分の音楽を見つめ直し、自分の音楽を追求し1966年に復帰した。
それ以降は有名な音楽家カラヤンと組んで活動をしたり、世界中を飛び回る活躍となった。黒柳徹子との恋愛期間が40年という事で死亡した2012年から逆算すると1971~2年頃に黒柳徹子と出会ったことになる。1972年には28年ぶりに祖国ブルガリアに戻る。祖国もブルガリアの名誉市民として認めてくれた。黒柳徹子と出会ったのが43歳頃、アレクシス・ワイセンベルクには子供がいる事がわかっている。
黒柳徹子と出会った時に結婚していたのか、離別していたのか死別していたのかについてはわからない。妻についての表記も見付けられなかった。
アレクシス・ワイセンベルクもピアニスト
ピアニストとして来日して黒柳徹子と出会ったアレクシス・ワイセンベルクは、現代の音楽界において巨匠と呼ばれるピアニストの一人であった。ピアニストとして逃げ出した祖国から名誉市民とされたことからもその功績の高さがうかがえる。
日本語は話せない
音楽活動の一環として日本に来日はしたが、多くの来日する外国人がそうであるようにアレクシス・ワイセンベルクも日本語は話せない。NYで学んでいたことから英語は話せる。この点が実在のモデルとしてのアレクシス・ワイセンベルクとカール祐介ケルナーとの違いである。
40年にわたる遠距離恋愛
黒柳徹子と出会った時妻帯者であるかどうかは見つからなかったが、ふたりは40年の長距離恋愛をつづけた。黒柳徹子は、カール祐介ケルナーの実在のモデルであるアレクシス・ワイセンベルクのリサイタルなどの情報をファックスで送ってもらうために当時としてはまだ珍しかったファックスを手元に置いていたという。黒柳徹子の方もザ・ベストテンの司会を受ける時に、年に数週間の長い休みが取れることを条件に受けたという。
当時「ザ・ベストテン」はランキングした歌手をコンサート先などにどこまでも追いかけることで有名だったが、海外旅行中の司会の黒柳徹子を追いかけたこともあった。TBSが追いかけた放送の中には「アレクシス・ワイセンベルクの所に行っていた時のものもある可能性がある」と話題になった。
カール祐介ケルナーの病気について考察
カール祐介ケルナーは脳腫瘍?
「トットちゃん!」のドラマの中で城田優が演じたカール祐介ケルナーは、脳腫瘍という脳に出来るガンという病気に冒されていた。最終週で数々の司会をこなしてきた黒柳徹子が、カール祐介ケルナーのピアノコンサートのMCを務めていたが、カール祐介ケルナーはコンサートの途中でホテルに戻ってしまった。戻ってくると信じて必死に時間稼ぎをした黒柳徹子だったがカール祐介ケルナーは戻ってこなかった。
コンサートの幕が下り、黒柳徹子がカール祐介ケルナーの元に行くとカール祐介ケルナーはベッドに横たわっていた。何かの病気と察知した黒柳徹子は、カール祐介ケルナーの腕の震えから病気の重さを感じ取った。そして何かできることはないかと、カール祐介ケルナーに聞くが「ひとりで居たい」と言われ黒柳徹子は、ホテルを後にする。
カール祐介ケルナーのことが気になりながらも売れっ子の黒柳徹子には「徹子の部屋」の収録、「世界ふしぎ発見!」などレギュラーの仕事が待っている。そんな中「徹子の部屋」のゲストが脳外科医で脳の病気により腕が震えることがあると聞いた黒柳徹子。(カール祐介ケルナーの実在のモデルであるアレクシス・ワイセンベルクの病気はパーキンソン病だった)
手の震えが伴う病気は指先で音楽を奏でるピアニストにとって命とりの病気である。脳腫瘍もまた手の震えを伴うことのある病気である。カール祐介ケルナーは、黒柳徹子に何も告げずにパリに戻ってしまった。戻った後、ファックスで謝っていたが、黒柳徹子に病気のことが言えないことで、病気の重さを感じさせるシーンという感想が多かった。
パーキンソン病で死去したアレクシス・ワイセンベルク
アレクシス・ワイセンベルクはパーキンソン病で2012年1月8日長い療養生活を経てスイス連邦のティチーノ州ルガーノの療養施設の中で82年の生涯を閉じた…。
パーキンソン病とは?
パーキンソン病は、脳の中にあるドーパミンの欠乏により起こる病気だといわれている。体が動かなくなると動くことを嫌がるようになるが、積極的に動くことで進行をゆっくりにすることが出来るとも言われている。今のところ決定的な治療法が確立していない病気である。
晩年2人は会えたのか?
葉山でのデートの後一人パリに戻るカール祐介ケルナー。彼は自分の最期を感じていたようにスイスでの静養を選ぶ。しばらく経って、ヨーロッパでの仕事が終わり日本に帰る予定だった黒柳徹子だったが、運命の歯車が黒柳徹子をとどめたかのように日本への飛行機が飛ばなくなった。黒柳徹子は、その足でカール祐介ケルナーのいるスイスに向かう。
カール祐介ケルナーは弱って車いすに座って遠くを見ていた。黒柳徹子はカール祐介ケルナーの気持ちを思いやり「祐介が好き」という気持ちをカーテン越しに言う。カール祐介ケルナーもまた「徹子に合えた人生はいい人生だった」と風景に向かってつぶやく。お互いの言葉はお互いに聞こえていない。そして黒柳徹子が日本に帰った時、新聞はカール祐介ケルナーの死を伝えていた。
カール祐介ケルナーに関する感想や評価は?
#トットちゃん カール・祐介・ケルナーが ステンドグラスを見せたいと徹子を連れてきた ルクセンブルクの教会。ロケ地は さいたま市にある結婚式場、キャメロットヒルズのセント・デイヴィッド・チャペル。残念ながら、海外ロケでは ありませんでした。まぁ 実際に海外ロケする方がレアですけどね。 pic.twitter.com/fEFW9wAAbT
— ひぞっこ (@musicapiccolino) December 14, 2017
カール祐介ケルナーとトットちゃんの間にはロマンティックなシーンもたくさん用意されていた。ルクセンブルクの教会に二人が行くシーンでは実在の教会が利用されたが、これはルクセンブルクではなく埼玉県の教会だという。カール祐介ケルナーとは結婚というゴールまで行かなかったトットちゃん。教会と言うロマンティックなシーンは夢のワンシーンだった。
(中の人)日は過ぎましたが昨日はアレクシス・ワイセンベルク生誕90周年の誕生日だったそうで。35年前、当時小学5年だった私は初めて聞いたピアニストの演奏がワイセンベルクでした。ショパン他弾かれたのを日記に書いていました。
— 日本モーリス・ラヴェル友の会 (@AmisRavelJapon) July 26, 2019
ラヴェルの《クープランの墓》の演奏。https://t.co/IHVDoCwGVx
カール祐介ケルナーのモデルであるアレクシス・ワイセンベルクは2012年に天に召されたので今は実在しないが、音だけは今も実在し聞くことが出来る。カール祐介ケルナーを思いながらアレクシス・ワイセンベルクの音楽を聴いて「トットちゃん!」の世界に浸るのもおすすめである。
毎日あるから、最後まで見られるかな…と最初は思ってた。でも、出かけていて録画してでも見たい!と思えるものがこのドラマにはあったよ。それくらい面白かった。徹子さんの充実した人生、泣いて笑って、楽しく見させていただきました。花ちゃんも清野さんも純真無垢で可愛らしかった! #トットちゃん
— りんころ (@tdno_dramagoto) December 22, 2017
朝ドラは毎朝家を出る前の習慣に組み込んでみることが出来る。けれど昼ドラは朝よりも他に時間がとられやすい。毎日見られるかについて考えて見逃す人もいる。NHKで放送された黒柳徹子を描いた「チョッちゃん」とも「トットチャンネル」とも違うこれまで見せなかった黒柳徹子の恋という新しい発見に感動の声の多かったドラマである。
カール祐介ケルナーは実在しない?まとめ
「トットちゃん!」のクランクアップは黒柳徹子とカール祐介ケルナーの葉山の海でのデートで撮影が終わったとあった。これは最終週のシーンであるのだが、ここからの急展開が最終回で描かれる。これまで明るく楽しいトットちゃんの人生を見せられてきた黒柳徹子物語。カール祐介ケルナーの存在によってピュアで綺麗な恋物語を見たような気もするドラマに仕上がっている。気になる方はチェックしてみては?