ひよっこのOP映像がすごい?ミニチュア映像の製作者は?隠された遊び心を解説

NHK連続テレビ小説「ひよっこ」のOPがすごいと話題になっています。ひよっこの世界をミニチュアで表現し、それを動画として表現されているOP映像、制作者は誰なのか?どのような人なのか?田中達也さん達の過去の作品と共に紹介します。また、このOP映像には様々な遊び心が隠されています。その一部を、制作者本人のインタビュー等からひも解いて紹介します。ひよっこの昭和レトロな世界観を表現したOP映像、知れば知るほど見たくなること間違いなしです。

ひよっこのOP映像がすごい?ミニチュア映像の製作者は?隠された遊び心を解説のイメージ

目次

  1. ひよっことは?
  2. ひよっこのOPのミニチュア映像を制作したのは誰?
  3. ひよっこのOPのミニチュア映像の隠された遊び心
  4. ひよっこのOP曲
  5. ひよっこのOPのミニチュア映像に関する感想や評価
  6. ひよっこのOPのミニチュア映像まとめ

ひよっことは?

NHKドラマ「ひよっこ」のミニチュアで制作されたOP映像が、すごいと話題となっています。ここでは、OP映像の制作者について紹介します。また、映像に隠された遊び心やOPに使われた楽曲についても紹介します。

ひよっこのドラマ作品情報

ひよっこは、2017年4月~9月にNHKの朝の連続テレビ小説として放映されたドラマです。主演は有村架純さんで、その他豪華な俳優陣が脇を固めています。ひよっこは高度成長期真っただ中の1964年、東京オリンピックがで盛り上がる前後から始まり、そのため物語内ではオリンピックの聖火リレーのシーンもあります。

二部構成となっており、前半は茨城県北部の山間の村で、主人公の矢田部みね子(演:有村架純さん)の青春時代の物語(故郷編)を描いています。後半は舞台を東京に移し、みね子が集団就職で上京してからの物語(東京編)を描いています。2019年3月には続編のひよっこ2も放映され、根強い人気が伺えます。

ひよっこのドラマあらすじ

ひよっこの故郷編は、地元を愛する高校3年生のみね子が、実家の農業を手伝いつつ、決して裕福ではないけれど、家族円満に暮らしているところから始まります。ある時、出稼ぎに出ている父・実(演:沢村一樹さん)が突然失踪してしまいます。東京オリンピックの聖火リレーというビッグイベントも行われ、日々どんどん過ぎていきますが実の消息はつかめず、みね子は探すため、就職を機に上京します。

ひよっこの東京編は、みね子が集団就職で上京し、工場で働きながら実を探すところから始まります。東京では様々な試練が襲い掛かり、一度は就職先も失ってしまいます。しかし、洋食店「すずふり亭」での新たな出発、アパート「あかね壮」などでの人々の出会いを通し、様々な出来事を通して親交を深め、みね子自身も成長していきます。やがて、実も見つかり、みね子も周りもみなハッピーエンドを迎え、物語は幕を閉じます。

ひよっこ2では、みね子が結婚してからの物語となっています。夫婦で新しい店を持つのを夢見つつ、洋食亭「すずふり亭」で働いています。周りの人々や友人たちと楽しく暮らしていましたが、一方でそれぞれが新たな悩みや問題に直面して…というストーリとなっています。ちなみに、ひよっこ2のOPも、ひよっこと同様のミニチュアで制作されたOP映像となっています。

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ひよっこのOPのミニチュア映像を制作したのは誰?

ひよっこのOP映像は、ミニチュアの見立てで創られた世界が舞台となっています。一見すると東京の街並みですが、実は身近にあるもので創られていて、その中を人々が生活を送っている様子が描かれています。このOP映像は、ミニチュア写真家・田中達也さんと、CGクリエーター・森江康太さんのコラボレーション作品となっています。ここからは、二人の経歴とOP映像の政策の裏側を紹介します。

ミニチュア映像の担当①田中達也

田中達也のプロフィール

田中達也(たなかたつや)さんは、ミニチュア写真家・見立て作家です。1981年熊本生まれ、現在は鹿児島県在住です。2011年から活動を開始し、現在は「MINIATURE CALENDAR」というサイトやInstagramで毎日ミニチュア写真の制作と公開をしています。また、ひよっこのOPの他に、日本橋高島屋S.Cオープニングムービーや森見登美彦著「熱帯」の装画等を手掛けています。また、今までに写真集を3冊発表しています。

MINITURE CARENDARを作り始めたきっかけは、「3か月後に自分の結婚式が控えていた事」だそうです「最初はそれまでのカウントダウンみたいな感じだったのが、反響ががあったため、そのまま続けることになった」と田中達也さんはインタビューで語っています。ちなみに、総作品数は2000以上とのことです。MINITURE CARENDARというサイトでは、過去の作品も観ることが出来ます。

田中達也さんの作品を作る上でのルールは「見立てを入れる事」で、必ず「○○で○○」というワードを当てはめるようにしているそうです。なお、田中達也さんのミニチュア写真の制作風景は、今までも様々なテレビ番組で紹介されていますが、公式サイトMINITURE CARENDARでは動画で公開されています。膨大な量のミニチュア人形と、とても精密な制作風景を垣間見ることが出来ます。

ミニチュア作品①クラッカーのベッド

クラッカーでのベッドに、チーズの布団と枕で、工場かどこかの労働者達の朝の風景を表現しています。このミニチュア作品にはたった一言、「ベッドが固くて、眠れなかった…」と添えられています。おそらく中央の、コーヒーを飲みながらベッドに座っている男性が発している言葉なのでしょう。写真なのに動画のような、それぞれの人々の動きが見えそうなミニチュア作品となっています。

ミニチュア作品②パソコンでパンを焼く

USBの接続部分を、パンを焼くオーブンに見立てた作品です。作品のタイトルは「Ultra Small Bakery」、略して「USB」となり、田中達也さんならではのシャレの効いた作品となっています。 田中達也さんは、他の作品に対しても、コメントやタイトルに駄洒落を使用していることが多くあります。くすっと笑えるような遊び心が多くの人の心をつかんでいるようで、公式Instagramなどではたくさんのコメントが寄せられています。

ミニチュア作品③喰らえ!ファイア!

くらえ!ファイア!

RPGのFINAL FANTASYとのコラボで、制作されたミニチュア作品です。唐辛子を用いて、魔導士が炎の魔法で敵を倒そうとしている瞬間をとらえています。唐辛子の特徴的な形をうまく利用した作品で、これも写真ですが、まるで動画を見ているような、今にも炎がメラメラと燃え上がりそうなミニチュア作品となっています。FINAL FANTASYは海外でも人気があるためか、海外からのコメントも多く寄せられています。

ミニチュア映像の担当②森江康太

森江康太のプロフィール

森江康太(もりえこうた)さんは、CGアニメーター・ディレクターです。森江さんに関しては、詳しいプロフィール等の詳細はほとんど公開されていません。以前はトランジスタ・スタジオに所属していましたが、現在は株式会社MORIEの代表として、CGを使用した動画、アニメーションやCM制作に携わっています。CG動画の世界ではかなり有名な方で、クリエイターとして「CGWORLD大賞」の候補に選ばれたこともあります。

ただし、最近ではインタビューの中で、「技術的に閉鎖しがちなCG業界も、他業種との垣根を越えて頼りになる存在であるために、CG業界出身の映像ディレクターの存在が重要だと思っている」と語り、例えばCGとアニメ動画の融合の懸け橋となるなど、ディレクターとしての活躍の幅も広げています。

森江康太が手掛けた動画

過去に手掛けた動画作品としては、High speed boysの「I wanna rock」のMVや、京都学園大学のアニメCMがあります。現在代表を務めるMORIEでは、以下の作品の制作に携わっており、キャラクターアニメーションやディレクションを主に担当しています。

  • ドラマ:NHK連続テレビ小説「半分、青い」(OP映像のCG制作を担当)
  • CM:ギャツビー プレミアムタイプロールオン GATSBY COP
  • CM:DJ マックフルーリー登場篇(マックフルーリーの動きを担当)
  • CM:カップヌードル「HUNGRY DAYS 最終回篇」
  • アニメ:映画「HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」
  • アニメ:映画「劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ」 など

OPのミニチュア映像の制作秘話

まず、撮影には丸3日かかりました。その間、田中達也さんは作って撮影してを繰り返し、作業を進めていったそうです。場面ごとに関係のある小物同士を組み合わせ、また、ドラマの時代の物を使用して昭和の街並みを再現したのがポイントです。ある時は、ラジカセの溝部分を線路に見立てて新幹線を通そうとしますが、用意されていたラジオには溝がなく、慌てて近くの東急ハンズに駆け込んだという事もあったそうです。

見立ての世界を、精密な撮影が出来る特殊カメラでコマ撮りをしたあとは、森江康太さんがCGで車や人に動きをつける作業を行います。人の動きは「モーションキャプチャ」という、人の動きをデジタル的に取り込む技術で作り出しました。実は同じ動作をしている人はいないそうです。

ちなみに、ドラマの展開に合わせて、途中でOP映像を一部リニューアルしています。これには視聴者も「変わったところを探せ!」とTwitterなどで盛り上がりました。制作時もその場の思い付きやアドリブで作り上げていったとの事で、「製作スタッフの思い入れも深いOP映像になったでしょう」と田中達也さんはインタビューで話しています。

MINIATURE CALENDAR

ひよっこのOPのミニチュア映像の隠された遊び心

遊び心①田んぼの奥のシューズ

稲刈り中の田んぼを表しているのは、靴ブラシです。田中達也さんは、周りの小物も関連付けて選んでいる場合が多いそうで、奥に靴が見えます。実はこの靴は、劇中でみね子が実際に履いていたものだそうです。ちなみに、ミニチュアの人々が歩いている床面は、矢田部家の土間と同じ素材が使われており、ドラマとリンクしている小物もちりばめられています。

遊び心②そろばんの団地

田中達也さんにとって、一番印象深いシーンが「そろばんの団地」だそうです。初めは、みね子が務める洋食屋にちなんで、サンドイッチを重ねて作ろうとしたのだそうです。しかし、サンドイッチは今でもよく目にするため面白くないと考え、雑貨屋さんで目に留まったそろばんを使用する事にしたとインタビューで明かしています。よく見ると、一部珠が外れているところがありますが、こうして建設中の様子もうまく表せたそうです。

遊び心③時計の時刻

銀座の風景の場面の中に、8時15分を指した時計があります。実はこの時間にも意味があります。現在、NHKの朝ドラ枠は8時からとなっていますが、実は1962年から2009年までは、8時15分から15分間の放映でした。つまり、この時計は「ひよっこの舞台となった1964年の朝ドラが始まる時間」を表していたのです。また、このシーンでは途中で昼から夜に変わるので、どちらにも使える時間という利点もありました。

遊び心④桑田佳祐がいるという噂も

一部で「OP映像には桑田佳祐さんがいる」という噂がありましたが見つけられなかった人が多いようです。実は、プラットホームの場面とタイプライターの場面に登場していたと、田中達也さんと森江康太さん二人へのインタビューの中で公表されています。ただし、ギターを持っていたため、「これはヤスハル(演:古館佑太朗さん)だ!」と勘違いをした人も少なくなかったそうで、二人もこれには驚いたそうです。

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ひよっこのOP曲

OP曲は桑田佳祐「若い広場」

ひよっこのOP曲は「若い広場」です。この曲は、サザンオールスターズの桑田佳祐さんがソロ名義で発表した曲です。シングルカットはされておらず、ソロアルバム「がらくた」に収録されています。桑田さんがNHKのドラマに楽曲提供をするのは、これが初めてです。2017年12月31日の「第68回NHK紅白歌合戦」でも披露され、ひよっこの紅白特別編が一緒に放映されたこともあって、話題となりました。

桑田佳祐のコメント

桑田佳祐さんは、ひよっこのOP曲の制作発表をするにあたり、下記のメッセージを寄せています。桑田佳祐さんのコメントにある「古き良き日本の情感」が、ひよっこのOP映像とよく合っているという感想がネット上にも挙がっています。

「ひよっこ」は1964年を舞台に始まる物語ということで、自然と自分自身の人生を今一度辿っていくような感覚とともに、夢と希望に溢れた日本の未来に思いを馳せながら、歌詞を綴りました。古き良き日本の情感のようなものも、合わせて感じていただけますと幸いです。

有村架純のコメント

主人公・みね子役の有村架純さんはインタビューの中で、「若い広場のゆったりとした曲調が、1960年代から始まるひよっこの物語をふわーっと想像させてくれ、暖色系の明かりが自分を包み込んでくれているような感覚になる」と語っています。

菓子浩のコメント

制作統括の菓子浩さんは、桑田佳祐さんにあこがれを抱いていたそうで、今回のひよっこのOP曲を桑田佳祐ンさんが制作する事に、「とてもすごいことが起きている気がして興奮した」と語っています。若い広場に対しては、「初めて聴いた瞬間から、この歌に魅了されている。昭和の情景や人々の躍動感が、ありありと目の前に浮かびあがる」とコメントを寄せています。

ひよっこのOPのミニチュア映像に関する感想や評価

このOP映像を見て、好意的なコメントを残している人がかなり多いようです。また、これが田中達也さんが関わっていると知り、元々田中達也さんの作品のファンが動画としてみられることを喜ぶ声もTwitter上では挙がっています。

ひよっこのOPの映像は、老若男女の人のみならず、どうやら動物にも人気があるようです。ツイッターでは、そんなペットの様子を写真付きで紹介しているものも少なからずあります。

ちなみに、田中達也さんも森江康太さんもTwitterに公式アカウントがあり、ひよっこのOP映像の制作風景も動画と一緒に公開しています。この動画で、初めてCGが使用されたと気づいた人もいたそうです。

ひよっこのOPのミニチュア映像まとめ

今回は、ひよっこのOP映像の制作者と制作秘話、遊び心について紹介しました。ミニチュア静止画を作り出す田中達也さんと、CGで動画に変える森江庫太さんの二人の素晴らしい職人技により、昭和レトロの世界観が生み出されている事がよく分かるでしょう。なお、ひよっこ2ではその後のドラマの世界に合わせて新しく作られていますし、別ではCMでもタッグを組んでいます。ぜひ、一度ご覧になってはいかがでしょうか?

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