2019年08月17日公開
2019年08月17日更新
なつぞらに原作やモデルは存在する?脚本家・大森寿美男の過去作品も紹介【朝ドラ】
なつぞらは、原作はなく大森寿美男が脚本のNHK人気朝ドラで、広瀬すず演じる奥原なつが、アニメーターとして奮闘していくというドラマです。アニメ界の巨匠である宮崎駿や高畑勲がモデルとなった人物も登場していると話題にもなったそうです。この記事では、朝ドラ・なつぞらに原作やモデルは存在するのか、なつぞらのあらすじやキャストの紹介だけでなく、また、なつぞらの原作を手がけた脚本家・大森寿美男のプロフィールや経歴、過去の作品なども紹介しています。
目次
なつぞらは2019年前期のNHK朝ドラ
なつぞらは、原作を大森寿美男が手がけた2019年度前期に放送されているNHK連続テレビ小説の、記念すべき第100作品目である朝ドラで、2019年4月1日に放送が開始されました。このドラマは、同年9月28日まで放送される予定だそうです。
なつぞらの作品情報
脚本家・大森寿美男(おおもり すみお)が原作を手がけるオリジナル作品で、北海道の「開拓者精神」をテーマにして、日本のアニメーションがどのように生まれたか、どんな人々の手によって、どんな風に作られているのか、という「アニメの誕生」を描いた作品だそうです。
なつぞらのあらすじ
1937年(昭和12年)、東京。戦争で両親を失い、父の戦友に引き取られた少女・奥原なつは、自然あふれる北海道・十勝で、強くて優しい人々に囲まれてたくましく成長していきます。北海道の大自然で培った想像力と身につけた根性で、当時「漫画映画」と言われていたアニメーションの道を志します。
朝ドラ・なつぞらは「北海道・十勝編」と「東京・新宿編」、そして「アニメーション編」に分かれています。「北海道・十勝編」では、父が戦死して母を空襲で亡くし戦争孤児となってしまった奥原なつが描かれます。兄・咲太郎と妹・千遥とも別れてしまい、十勝で牧場を営む父の戦友の家族に引き取られることとなります。
当初家族のほとんどに冷遇されるなつでしたが、家においてもらうために懸命に牧場の仕事を手伝う姿を見て、家族から受け入れられるようになります。そして国民学校に通うようになったなつは、絵が上手いクラスメートの山田天陽に出会い、アメリカの漫画映画を知ります。
兄である咲太郎は相変わらず行方不明、妹の千遥とも連絡の取れないまま、なつは牧場で働きながら農業学校に通う3年生となっていました。そんなとき、咲太郎が東京・新宿の劇場で働いているという情報を手に入れます。しかし、咲太郎は盗品を質入れした疑いで逮捕されてしまい、なつに手紙で別れを告げます。
天陽の兄である陽平に会ったなつは、陽平の案内で漫画映画のスタジオを見学させてもらい、そこで初めてアニメーターという職業を知ります。また、なつは天陽とディズニーの漫画映画「ファンタジア」を観て、さらにアニメーションへの想いを強くします。家族にその想いを打ち明けたなつは、家族に背中を押されて東京へ上京することとなります。
高校を卒業したなつは、1956年に雪次郎の口利きで「上村屋」の寮に住み込み絵の勉強を続けます。東京で遭遇した咲太郎は、なつが上京してきた理由を聞いて「東洋映画」の作画課の臨時採用試験を受けることとなります。実技で高評価を受けるなつですが、面接で政治思想を疑われて不合格となってしまいます。
不合格を知った先輩アニメーター・陽平は仕上げ課の臨時採用試験があることをなつに伝え、なつはその臨時採用試験を受けて合格します。そしてなつは半年間お世話になった川村屋の寮を出て、おでん屋「風車」の2階で咲太郎と共に生活を始め、アニメーターとなるべく奮闘していきます。
なつぞらに原作やモデルは存在する?
広瀬すずがヒロインを演じる朝ドラ・なつぞらですが、アニメーターになるべく奮闘するこの物語の原作や、奥原なつの基になったモデルは存在しているのでしょうか?ここでは、ドラマのモデルとなった人物についてやなつぞらの原作の有無などについて紹介しています。
なつぞらに原作はない
出典: https://jisin.jp
なつぞらには原作がなく、脚本家である大森寿美男の完全オリジナル原作となっているそうです。オリジナルの原作ではありますが、日本アニメーションがどのようにして生まれたかという日本アニメーションの歴史について描かれた作品なので、その草創期を支えたアニメーション界の巨匠である宮崎駿や高畑勲がモデルとなった人物もドラマに登場しているそうです。
なつぞらのモデルは公表されていない
なつぞらは原作がなく朝ドラオリジナル作品であるため、主人公である奥原なつのモデルとなった人物も公表されてはいませんが、ヒロインの名前である「奥原なつ」がアニメーターとして活躍していた「奥山玲子」に似ていることもあるので、原作は彼女をモデルにしているのではないか、という声もあるそうです。
モデルはアニメーターの奥山玲子?
奥山玲子は、日本のアニメーションの草分け的存在として活躍したアニメーターですが、ここでは、名前が似ているだけでなく、なつぞらのヒロインである奥原なつとアニメーターの奥山玲子とはどのような関係性があるのか紹介しています。
奥山玲子の経歴
奥山玲子は1936年に宮城県で生まれました。東北大学教育学部を卒業した後に、外国語大学への入学を目指して上京すると同時に、もともと絵を描くのが好きだったことから、アルバイトとして東映動画のスタジオで働き始めます。アニメーションの技術を身に着けてアニメーションに興味を持ち、外国語大学への受験を辞めて東映動画に入社します。
長編アニメーションの第1作目となる「白蛇伝」に動画として参加します。それ以降、東映動画の数々のアニメーション作品に携わりました。漫画映画だけでなく、TVアニメの「狼少年ケン」「魔法使いサリー」「ひみつのアッコちゃん」などでは作画監督を務めました。
1963年に東映動画を退職した後は、日本アニメーションへと移り、「世界名作劇場」の「母をたずねて三千里」では作画監督補佐を担当しました。フリーのアニメーターとなってからは、東映動画の「龍の子太郎」などにも参加しました。1985年からは、東京デザイナー学院アニメーション科の講師も担当していました。
2007年に肺炎によって亡くなりました。2010年には、日本のアニメーション界によって多大なる功績を残したことから、「東京国際アニメフェア2010」にて東京アニメアワード第6回功労賞が贈られました。実際に、朝ドラ・なつぞらでは、アニメーションの時代考察を担当したのは小田部洋一で、奥山玲子の夫であり、後に亡き妻である奥山玲子がヒロインの奥原なつのキャラクターづくりのヒントになったと語っているそうです。
アニメ業界のジャンヌ・ダルク
奥山玲子が東映動画に在籍していた時、労働争議が絶えず行われていました。赤字の膨らむ東映動画の経営陣と対立する際は、制作陣の先頭に立って戦いを挑んだことから「アニメ界のジャンヌ・ダルク」とも言われていたそうです。
なつぞらの脚本家は大森寿美男!過去作品は?
なつぞらに原作はありませんが、原作を担当したのは日本の脚本家である大森寿美男です。ここでは、なつぞらの原作・脚本を担当した大森寿美男についての経歴、プロフィールや、過去に大森寿美男が作った原作、ドラマや映画などについて紹介しています。
なつぞらの脚本家は大森寿美男
なつぞらの原作を書いたのは大森寿美男です。脚本だけでなく、演出や映画監督としても活動しています。ここでは、大森寿美男のプロフィールや過去作品についても紹介しています。
大森寿美男のプロフィールと経歴
大森寿美男は、1967年に神奈川県で生まれました。10代で演劇活動を始めて、劇団「自家発電」を旗揚げし、作と演出を手がけました。1997年に発表した「男的女式」で日本劇作家協会新人戯曲賞にノミネートされます。同年には、オリジナルビデオ「新・静かなるドン」にて脚本家としてデビューしました。
大森寿美男の過去作品
大森寿美男は脚本を書いたり原作を書いたり数々の名作を生み出しています。NHKの作品も多く、NHKと連携して素晴らしい作品を多く生み出しています。
手がけたドラマ
- てるてる家族(2003-2004年)
- 風林火山(2007年)
- 黒部の太陽(2009年)
- 15歳の志願兵(2010年)
- モンタージュ〜三億円事件奇譚〜(2016年)
- フランケンシュタインの恋(2017年)
手がけた映画
出典: https://eiga.com
- 星になった少年(2005年)
- 寝ずの番(2006年)
- 次郎長三国志(2008年)
- 風が強く吹いている(2009年)
- 劇場版テンペスト3D(2012年)
- アゲイン 28年目の甲子園(2015年)
- 恨む人(2015年)
なつぞらの登場人物相関図と主要なキャスト
出典: https://thetv.jp
なつぞらには、個性豊かなキャラクターが登場するだけでなく、そのキャラクターを演じるキャストも有名俳優陣だということが話題となったそうです。ここでは、大森寿美男が原作を書いたNHKの人気朝ドラ・なつぞらの主要キャストについてや、なつぞらの登場人物相関図について紹介しています。
なつぞらの登場人物相関図
朝ドラ・なつぞらでは、主人公である奥原なつが北海道でたくましく成長する「北海道・十勝編」、東京へ上京する「東京・新宿編」、そしてアニメーターとして奮闘していく「アニメーション編」の3つのパートに分かれているので、それぞれでなつの周りには個性的な人物が登場しています。
奥原なつ役/広瀬すず
朝ドラ・なつぞらの主人公である奥原なつを演じるのは、人気女優の広瀬すずです。2012年「ミスセブンティーン2012」のグランプリに選ばれ、「Seventeen」の専属モデルとして芸能界デビューを飾りました。それからは、多数のCMやドラマ・映画に出演し、一気に人気女優への階段をかけあがりました。
朝ドラ・なつぞらのキャスティングの際には、「戦災孤児、北海道、アニメーションという幅のある物語の主人公をリアリティーを持って演じられるのは広瀬すずしかいない」との指名でヒロインが決まったそうです。
奥原咲太郎役/岡田将生
主人公である奥原なつの兄役である奥原咲太郎を演じるのは岡田将生です。2008年から2009年に「重力ピエロ」「僕の初恋をキミに捧ぐ」など人気映画に多数出演し、映画新人賞を総なめにします。他にも「悪人」「告白」「宇宙兄弟」などの映画の他にも「花ざかりの君たちへ」や「ゆとりですがなにか」「昭和元禄落語心中」などの人気ドラマにも多数出演しています。
奥原千遥役/清原果耶
戦争で逃げている途中にはぐれてしまったなつの妹・奥原千遥を演じているのは清原果耶です。清原果耶は2002年生まれで、「アミューズオーディションフェス2014」にてグランプリ、及びポイント賞を獲得し芸能界入りします。
2015年には人気ファッション雑誌「nicola」の専属モデルを務めたり「Seventeen」で専属モデルを務めたりと主にファッションモデルとして活躍していましたが、NHK連続テレビ小説「あさが来た」で女優デビューを飾り、女優としても精力的に活動をしています。
仲努役/井浦新
アニメーターのリーダーであり、日本初の長編アニメーションでは作画監督を担当した仲努を演じたのは井浦新です。井浦新は俳優として活躍する他、ファッションブランド「ELNEST CREATIVE ACTIVITY」のディレクターや、一般社団法人匠文化機構の理事長を務めるなど、多岐に渡って活動しています。ファッションモデルとしてもメンズノンノやananなどで表紙を務めたこともあるそうです。
大沢麻子役/貫地谷しほり
なつにも愛を持って厳しく接する敏腕アニメーターの大沢麻子を演じたのは貫地谷しほりです。1985年生まれの女優で、大河ドラマ、数々のドラマだけでなく映画作品にも数多く出演しています。
坂場一久役/中川大志
出典: https://eiga.com
製作課で監督見習いをしており、東大卒で哲学をしていたという異色の経歴を持つ不思議で気難しい人物・坂場一久を演じているのは中川大志です。1998年生まれの俳優で、なつぞら以外でもおひさまや、大河ドラマにも数多く出演しています。ドラマ以外にも「坂道のアポロン」など映画にも多数出演しています。
なつぞらに関する感想や評価
染谷くんの顔の演技がすごく細かくて、他の役者さんと比べても群を抜いている。
— あずきりんご (@somefumisome) July 29, 2019
アニメーター界の神的存在を演じるだけあって、染谷くんもホント神。朝からこんな演技を見れるなんて感動でしかない👏🏻👏🏻👏🏻#なつぞら pic.twitter.com/S4LfcBOmhM
なつぞらに出演している俳優は、どの人も演技力のある実力派ばかりです。細かい心情や表情の変化が素晴らしいと、俳優の演技力もなつぞらの見どころだと言われているそうです。
#なつぞら 100話🎊私の感想ツイートも100回目🎊雪次郎の晴れ舞台は割愛します。坂場的には蘭子→仲さん、雪次郎→なつを重ねてるのか。「一緒に生きれればいいなぁと思っている」なつ、恋を通り越して愛の境地へ。恋も芝居も手に入れたいのか雪次郎。そんなことをさせる為に!!東京に来させたんじゃな
— 明日菜子 (@asunako_9) July 25, 2019
なつぞらには、アニメーションの話だけではなく、ヒロイン奥原なつの恋模様や人間関係も描かれたヒューマンドラマとなっています。いろんな人との関わりを通して成長していくヒロインに勇気や元気をもらう観客も沢山いるようです。
#なつぞら 坂場のモデルである高畑勲氏は予算や期日よりも作品の完成度を優先する傾向があった。「火垂るの墓」は「となりのトトロ」との同時上映を実現する為2箇所の未彩色シーンを残したままの公開となり「風立ちぬ」との同時上映を目指した「かぐや姫の物語」は結局4ヶ月遅れの単独公開となった。 pic.twitter.com/wBjO5mwNUh
— ひぞっこ (@musicapiccolino) July 28, 2019
なつぞらに原作はありませんが、なつぞらを作るにあたってアニメーション界を支えてきた巨匠たちがモデルとなったと言われているキャラクターが数多く登場しています。中川大志演じる坂場一久は高畑勲がモデルになったと言われており、高畑勲の作品に対するプロフェッショナリズムの高さなどがなつぞらのキャラクターからも感じられるそうです。
なつぞらの原作やモデルまとめ
この記事では、NHK連続テレビ小説「なつぞら」のあらすじや主要キャスト、また、なつぞらのヒロインのモデルとなったアニメーター・奥山玲子や、なつぞらの原作を担当した大森寿美男の経歴やプロフィールについて紹介しました。これを機になつぞらが気になった方や、アニメーションの歴史について興味のある人は是非なつぞらを見てみてはいかがでしょうか?