雪月のモデルは六花亭と柳月?なつぞらの店舗由来は?名前と発明が同じ?

2019年4月から放送されているNHKの朝ドラ『なつぞら』は、自然豊かな北海道と、誕生したばかりのアニメ制作会社を舞台にした物語です。このなつぞらに『雪月』という洋菓子店が登場しているのですが、北海道の老舗店『六花亭』、そして『柳月』がモデルではないかといわれています。この記事ではなつぞらに登場する洋菓子店・雪月のモデルとなった店、そして雪月の店主のモデルになった人物について、詳しく紹介していきます。

雪月のモデルは六花亭と柳月?なつぞらの店舗由来は?名前と発明が同じ?のイメージ

目次

  1. なつぞらの雪月とは?
  2. なつぞらの雪月のモデル・店舗由来は六花亭?柳月?
  3. なつぞらの登場人物のモデル
  4. なつぞらの雪月などのキャスト
  5. なつぞらの雪月に関する感想や評価
  6. なつぞらの雪月のモデルまとめ

なつぞらの雪月とは?

なつぞらは2019年朝ドラ

『なつぞら』は、2019年4月から放送されているNHKの朝ドラです。物語の舞台となるのは自然豊かな北海道の大地、そして草創期のアニメ制作会社です。脚本は2003年度の朝ドラ『てるてる家族』を手がけた、大森寿美男(おおもり・すみお)さんです。

なつぞらの概要

2019年4月から放送されている『なつぞら』は、記念すべき第100回目の朝ドラです。朝ドラとは1961年からはじまった連続ドラマシリーズ『NHK朝の連続テレビ小説』の略称です。『なつぞら』は主演に広瀬すずさんを迎え、好調なスタートを切りました。また『なつぞら』には、これまでに朝ドラヒロインを務めた名女優が、数多く出演されています。このことも大きな話題となりました。

なつぞらのあらすじ

2019年度の朝ドラ『なつぞら』は北海道の開拓精神を胸に、草創期のアニメーションに大きく貢献した、ひとりの女性の物語です。主人公の奥原なつ(広瀬すず)は幼少期に、戦争で両親を亡くした女性です。なつは戦争孤児となってからも兄妹と支え合い、たくましく生きていました。しかしある日、父の友人であった男に養子として迎えられ、北海道に行くことになります。

なつは離れ離れとなった兄妹を案じながらも、十勝の牧場を営む大家族の一員として生きていきます。やがてなつは、北海道の大自然の中で、絵を描く喜びと想像力を育んでいきます。戦争孤児として生き抜き、そして戦後に普及された海外アニメーションに感銘を受けたなつは『人々に夢を与えるアニメーションを作りたい』と願うようになります。なつは高校卒業後、アニメーターを目指して上京します。

雪月は北海道の和菓子屋

十勝の風景

さて北海道が舞台のひとつである朝ドラ『なつぞら』には、物語序盤から『雪月』という和菓子屋が登場しています。雪月は和菓子屋ですが、アイスクリームを作って売っている店です。雪月は戦後で物資が不足していた時代をアイデアで乗り越え、やがては北海道の有名店となっていく和菓子屋です。

この雪月ですが、北海道十勝の二大老舗店をモデルとしているようです。雪月のモデルとなったのは『六花亭(ろっかてい)』そして『柳月(りゅうげつ))』ではないかと、噂されています。雪月のモデルとなった店について、次項で詳しく紹介していきます。

連続テレビ小説「なつぞら」|NHKオンライン

なつぞらの雪月のモデル・店舗由来は六花亭?柳月?

雪月は北海道十勝の二大老舗店『六花亭』と『柳月』、両方をモデルにしているといわれています。『六花亭』と『柳月』、どちらの店にも雪月との共通点があります。

雪月のモデルを場所から考察

六花亭の場合

六花亭の本社は十勝地方の帯広市にあり、なつぞらに登場する雪月も、十勝地方の帯広市にあります。このことからも六花亭がモデルではないか?と、よく囁かれています。

柳月の場合

柳月の本社は河東郡音更町にありますが、登記上は帯広市です。そして柳月は、帯広市でアイスクリーム製造販売業としてスタートした会社です。六花亭も柳月も雪月も、帯広にある店といえます。

雪月のモデルを名前から考察

六花亭の場合

『六花亭』の『六花』とは、雪の異称です。雪の結晶が六角形であることから、雪は六花とも呼ばれるようになったようです。このことから『雪月』の『雪』は六花亭にちなんでいるのでは?と、よく推測されています。

柳月の場合

『柳月』は『雪月』と同じく店舗名に『月』が入っています。また『柳月』と『雪月』は、同じ2文字の店舗名で、とてもよく似ているといえます。

雪月のモデルを発明から考察

六花亭の場合

六花亭の代名詞のひとつに、レーズンとバタークリームをはさんだ銘菓『マルセイバターサンド』があります。なつぞら作中では雪月が『バターせんべい』というお菓子を出しています。このバターせんべいのパッケージデザインが『マルセイバターサンド』にそっくりで、話題となりました。

なお朝ドラ『なつぞら』には、『晩成社』(ばんせいしゃ)という北海道開拓団が登場しています。この『晩成社』とは、かつて実在していたもので、北海道十勝ではじめてバターを商品化した結社です。晩成社によって誕生した十勝バターは『マルセイバタ』という商品名でした。六花亭のマルセイバターサンドは、この『マルセイバタ』にちなんで名づけられています。

そして『晩成社』の代表である依田勉三(よだ・べんぞう)氏は『十勝開拓の父』と呼ばれており、彼は『雪月』の常連である、草刈正雄さんが演じている泰樹のモデルではないか?と、推測されています。六花亭には、この依田勉三氏にちなんだ銘菓が、マルセイバターのほかにもあります。それが最中菓子『ひとつ鍋』で、依田勉三氏の句『開墾のはじめは豚とひとつ鍋』から名づけられている銘菓です。

柳月の場合

柳月は、帯広市でアイスクリーム製造販売業としてスタートしました。『なつぞら』の雪月も、帯広市でアイスクリームを作って売っています。なお『柳月』は開拓者が割った白樺の薪をイメージした銘菓『三方六』が有名ですが、2019年7月現在、三方六を連想させるお菓子は『なつぞら』に登場しません。しかし『なつぞら』でバターケーキが登場した回から、柳月の『酪農みるくバターケーキ』が話題となったという逸話があります。

そして柳月は『なつぞら』応援推進協議委員会でもあり、2019年7月現在、『なつぞら』とのコラボ菓子も展開しています。朝ドラ『なつぞら』に登場する和菓子店『雪月』は、『六花亭』と『柳月』の両方を、モデルとしているようです。それから『雪月』の店主とその息子は、六花亭の創業者がモデルとなっているようです。

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なつぞらの登場人物のモデル

小畑雪之介のモデル

安田顕さん演じる『なつぞら』の小畑雪之介は、父親の代からの和菓子店・雪月を営んでいます。小畑雪之介は東京銀座のパン屋『川村屋』で修行したのち、雪月を引き継ぎます。そして小畑雪之介は砂糖が不足していた戦後の時代を、ビート(砂糖大根)を使うことによって、乗り切ります。その後もアイデア商品を生み出し、いつしか『帯広のお菓子発明王』と呼ばれるまでになっていきます。

さて雪月の店主・小畑雪之介は、六花亭の創業者・小田豊四郎氏がモデルになっているかと思われます。小畑雪之介と六花亭の創業者・小田豊四郎氏は、生い立ちがよく似ています。またアイデア王だったという共通点もあります。

六花亭の創業者である小田豊四郎氏は、六花亭設立前は親戚の菓子店『千秋庵』で働いていました。そのとき東京銀座のパン屋『中村屋』で5年間の修業をする予定がありましたが、中村屋が新入社員の採用選考を終えていたので、小田豊四郎氏は採用されませんでした。やがて小田豊四郎氏は叔父が営んでいた『帯広千秋庵』を引き継ぎ、その経営難に苦しみます。

しかし取引先の社長からのアドバイスで砂糖を買いだめしていたことが転機となり、六花亭誕生へと歩んでいきます。戦後の小田豊四郎氏は、蓄えていた砂糖で、菓子を作っていきます。やがて小田豊四郎氏は、十勝開拓の父・依田勉三氏の句にちなんだ銘菓『ひとつ鍋』を生み出します。そしてチョコレートの商品化にも成功します。雪を模したホワイトチョコレートは大ヒット商品となりました。1977年に『六花亭』を立ちあげます。

小畑雪次郎のモデル

小畑雪次郎は『雪月』の跡取り息子として、『なつぞら』序盤から登場します。店を継ぐため、主人公なつと共に農業高校に進み、酪農を学びます。雪次郎は演劇部の活動にも精を出していました。雪次郎は高校卒業後、父と同じように銀座のパン屋『川村屋』で修行をはじめます。しかし東京の劇団の芝居に感銘を受けて、役者を志すようになります。そして雪次郎は菓子職人になる修行を中断して、劇団『赤い星座』に入団します。

小畑雪次郎のモデルは、小田豊四郎氏の息子であり六花亭の二代目社長であった小田豊氏かと噂されています。小畑雪次郎と六花亭の二代目・小田豊氏は、生い立ちに共通点があるものの、その半生は創作の部分も多いようです。

雪次郎のモデルとされている小田豊氏は、六花亭の二代目社長です。慶応義塾大学を卒業したあと、京都の老舗菓子店『鶴屋吉信』で3年半の修業を積みました。そのあとは副社長として、父・小田豊四郎氏と共に六花亭を支えます。六花亭は一時、商品の生産に追われ、過酷な労働環境だったそうです。この労働問題の改善に努めたのが小田豊氏です。設備投資や福利厚生に力を入れ、六花亭の労働環境を改善しました。

また小田豊氏は、海外銀行を使った資金調達など、画期的な経営を行いました。社長に就任した1995年にはインターネット販売を開始しています。そして2014年には、功績ある経営者に贈られる『渋沢栄一賞』を受賞しました。このように雪次郎は小田豊氏がモデルのようですが、ドラマ創作の部分も多いようです。雪之介役の安田顕さんが、事務職をやめて役者に専念されたそうなので、実は雪次郎のモデルかもしれません。

なつぞらの雪月などのキャスト

小畑雪之助役/安田顕

雪月の店主・小畑雪之助役を務めるのは、北海道愛あふれる演劇ユニット・チームナックスに所属されている安田顕さんです。チームナックスは、北海学園大学演劇研究会出身の森崎博之、安田顕、戸次重幸、大泉洋、音尾琢真によって結成された演劇ユニットです。

安田顕さんが演じる小畑雪之助は、父から継いだ帯広の和菓子屋『雪月』を営んでいます。砂糖が手に入らない戦後の時代を、ビート(砂糖大根)を使ったアイデア商品を作ることによって、乗り切ります。やがて雪之助は『帯広のお菓子発明王』と呼ばれるようになり、雪月を北海道有数の製菓メーカーへと発展させます。

小畑とよ役/高畑淳子

小畑雪之助の母・小畑とよ役を務めるのは、高畑淳子さんです。劇団青年座所属の取締役でもある高畑淳子さんは、NHKの大河ドラマにもよく出演しています。高畑淳子さんが演じる小畑とよは、先代の雪月店主のもとに嫁いだ女性です。苦労するうちに強い性格になったらしく、おしゃべりで毒舌な一面もあります。とよは、雪之助と雪次郎、両方を見守っています。

小畑妙子役/仙道敦子

雪之介の妻・小畑妙子役を務めるのは、仙道敦子さんです。仙道敦子さんにとって1983年の『おしん』以来となる、朝ドラ出演です。小畑妙子は旭川の菓子屋で修業中の雪之助と知り合い、嫁ぎます。妙子は穏やかで芯のある女性で、気の強い姑に似ていると言われることもしばしば。

小畑雪次郎役/山田裕貴

小畑雪次郎役を務めるのは、山田裕貴さんです。山田裕貴さんはワタナベエンターテインメント所属で、俳優集団D2、そしてD-BOYSのメンバーです。山田裕貴さんは2012年にテレビ朝日の番組『海賊戦隊ゴーカイジャー』で俳優デビューを果たしました。

山田裕貴さん演じる小畑雪次郎は、主人公なつの幼馴染です。雪次郎はなつと同じ農業高校にすすみ、なつを演劇部に誘いました。卒業後は銀座のパン屋『川村屋』で菓子職人としての修業を始めますが、役者の道を目指したいと思うようになり、修行を中断します。その後、雪次郎は家族の理解を得て、銀座の劇団『赤い星座』所属の役者となります。

山田正治役/戸次重幸

開拓に苦しむ移住民・山田正治役を務めるのは、北海道出身の演劇ユニット・チームナックスのひとり、戸次重幸さんです。戸次重幸さん演じる『なつぞら』の山田正治は東京から北海道へ一家で移住してきます。しかし正治には農家の経験がないため、開墾がうまく進みません。やっとの思いで手にいれた馬も死んでしまいます。その後山田正治は、なつを養っている柴田牧場の助けを得て、農家や酪農でやっていけるようになります。

なお、山田正治とその家族にもモデルとなった人物がいます。山田正治のモデルは神田要一氏で、正治と同じく開墾に苦労した移住民です。神田要一氏の息子は、ふたりとも画家になっています。この息子ふたりをモデルとした人物も、なつぞらに登場しています。

戸村菊介役/音尾琢真

柴田牧場の従業員・戸村菊介役を務めるのは、音尾琢真さんです。音尾琢真さんはインタビューで『101回目の朝ドラにヒロインで出演したい』と言っておられました。戸村菊介は、主人公なつを養子とした柴田牧場の従業員です。父親と共に柴田牧場で働いており、ユーモアな性格で場を和ませています。

なつぞらの雪月に関する感想や評価

『なつぞら』の雪月のモデルとなった店については、ファンの間でもよく話題になっています。特にドラマ内のお菓子にちなんだものが多かったので、いくつか紹介します。まずは『なつぞら』に登場したバター煎餅。こちら、パッケージには『マルセイバタ』とも書かれていて、六花亭のマルセイバターサンドにそっくりです。

『なつぞら』作中で、雪次郎が差し入れたアイスについての感想です。六花亭は『中札内美術村』という美術と食事が楽しめる施設を持っているのですが、そこで限定で食べられる最中アイスと、雪月の最中アイスが、そっくりだったようです。

こちらは柳月の商品についての感想です。『なつぞら』をイメージしたお菓子『なつどらクリム』。パッケージにいる三つ編みの女の子は、広瀬すずさん演じる主人公のなつによく似ています。

柳月から出ている『なつぞら』とのコラボレーション菓子をもうひとつ。柳月の代名詞ともいえる銘菓のひとつに『あんバタサン』という、あんこ入りのバタークリームを挟んだサブレサンドがあります。こちらは限定パッケージとして『優しいあんこ』というネームが入ったものが登場しています。スピッツが歌うなつぞらの主題歌『優しいあの子』にちなんだものです。

こちらは工場見学もできる柳月の店舗『スイートピアガーデン』についてのもの。駆け出しのころの柳月の人々の写真が載っていますが、雪月の人々を彷彿させます。柳月は『なつぞら』スタッフに、当時の菓子店の状況などを、情報提供しているそうです。

なつぞらの雪月のモデルまとめ

朝ドラ『なつぞら』に登場する和菓子店『雪月』は、北海道十勝の二大製菓『六花亭』と『柳月』をモデルにしているようです。雪月を営む親子は、六花亭の初代社長と2代目社長がモデルと噂されています。六花亭の小田親子は二代で会社を大きくしましたが、雪月の息子・小畑雪次郎は、菓子職人の修業を中断して舞台役者となりました。和菓子店『雪月』の物語は『なつぞら』のサイドストーリーですが、気になるところです。

そして『柳月』は2019年現在、『なつぞら』応援推進協議委員会として、コラボレーション菓子を多く展開しています。高評価で、SNSにもよく商品の写真があがっています。『なつぞら』は北海道の自然と開拓精神を背景に、草創期のアニメーションを描いた朝ドラです。帯広の菓子店『雪月』のお菓子や店としての行く末も『なつぞら』の見どころともいえて、まだまだ目が離せません。

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