おっさんずラブに原作はある？ドラマあらすじや脚本家の経歴・過去の作品まとめ

面白いドラマやアニメを観たら、その原作を読んでみたくなるものです。そこで今回は、先ごろ大きな話題となった「おっさんずラブ」にその原作があるのかを徹底調査してみました。

結論から申し上げますと、おっさんずラブに原作はありません。完全なオリジナル・ドラマです。ただ、連続ドラマとして放送される前に、その元となる単発ドラマがありました。

それは、2016年12月末にテレビ朝日系で放送された「年の瀬恋愛ドラマ」の第3夜として放送されたものです。タイトルも同じ「おっさんずラブ」ですが、約1時間の単発ドラマとして制作され、抱腹絶倒のラブコメ・ドラマとネット上でも大きな話題となりました。

連続ドラマとして放送された「おっさんずラブ」は、単発版の続編と言うより、単発版では描き切れなかった各登場人物たちの物語を新たな切り口で描いたものとなっています。

おっさんずラブの脚本家・徳尾浩司さんは1979年生まれ、慶應義塾大学を卒業された脚本家・演出家です。現在、saccaという舞台やドラマの企画制作、脚本家のマネジメントをする会社に所属されており、とくお組という劇団の主宰でもあります。絶妙なセリフ回しとストーリー展開が抜群で、コメディを得意とされていますが、パズル的な要素を絡めた「視聴者を考えさせる」作品もよく手掛けられます。

徳尾浩司さんは、これまで多くのドラマや映画の脚本を手掛けられております。では、ここでおっさんずラブ以外の代表作の一部をご紹介しましょう。

代表的なテレビドラマ作品

• 「ハードナッツ！」2013年、主演：橋本愛
• 「ロストデイズ」2014年、主演：瀬戸康史
• 「理系の人々」2014年、主演：伊藤淳史・真野恵里菜
• 「ドS刑事」2015年、主演：多部未華子
• 「婚活刑事」2015年、主演：伊藤歩
• 「豆腐プロレス」2017年、主演：宮脇咲良
• 「スリル！～赤の章・黒の章～」2017年、主演：小松菜奈・山本耕史
• 「あいの結婚相談所」2017年、主演：山崎育三郎

代表的な映画作品

• 「探検隊の栄光」2015年、出演：藤原竜也
• 「ホーンテッド・キャンパス」2016年、出演：中山優馬、島崎遥香
• 「走れ！T校バスケット部」2018年、出演：志尊淳

以上が、徳尾浩司さんの代表的な脚本作品です。どれもこれもいい脚本ですので、ぜひ一度ご覧になってみてください！

トライストーン・エンタテイメント所属の俳優。初主演は2008年1月公開の映画「凍える鏡」の岡野瞬役です。以降、数多くのドラマや映画に出演されており、おっさんずラブへの出演によって、過去の写真集が増刷されたりもしています。プライベートでは、女優のさくらさんとご結婚されており、お子様が二人いらっしゃいます。

主な出演テレビドラマ作品（おっさんずラブ以外）

• 「WATER BOYS」2003年、安田孝役
• 「魔王」2008年、葛西均役
• 「おひさま」2011年、須藤春樹役
• 「私が恋愛できない理由」2011年、長谷川優役
• 「東京タラレバ娘」2017年、丸井良男役
• 「獣になれない私たち」2018年、花井京谷役

主な出演映画作品

• 「東京大学物語」2006年、村上直樹役
• 「TAJOMARU」2009年、桜丸役
• 「相棒シリーズXDAY」2013年、岩月彬役
• 「図書館戦争シリーズ」2013・2015年、小牧幹久役

ホリプロ・ブッキング・エージェンシー所属の俳優。かつては劇団四季にも在団されていたベテラン俳優で、演出も手掛けられております。蜷川幸雄さん作品の常連であり、シェイクスピア俳優の演技派として定評のある方です。

主な出演テレビドラマ作品（おっさんずラブ以外）

• 「ギルティ悪魔と契約した女」2010年、宇喜田元役
• 「カラマーゾフの兄弟」2013年、黒澤文蔵（父）役
• 「半沢直樹」2013年、内藤寛役
• 「MOZU」2014年、中神甚役
• 「花子とアン」2014年、嘉納伝助役
• 「東京センチメンタル」2014年、久留里卓三役
• 「ドクターX～外科医・大門未知子～」2016年、西園寺猛司役

スターダストプロモーション所属の俳優。デビュー作は、2007年3月公開の映画「バッテリー」です。その後も、甘い顔立ちと確かな演技力が買われ、数多くの作品に出演されています。

主な出演テレビドラマ作品（おっさんずラブ以外）

• 「小公女セイラ」2009年、三浦カイト役
• 「荒川アンダーザブリッジ」2011年、市ノ宮行（リク）役
• 「火花」2017年、徳永太歩役
• 「リーガルV～元弁護士・小鳥遊翔子～」2018年、青島圭太役

主な出演映画作品

• 「バッテリー」2007年、原田巧役
• 「ちーちゃんは悠久の向こう」2008年、久野悠斗役
• 「ラブファイト」2008年、立花稔役
• 「風が強く吹いている」2009年、蔵原走役
• 「悪の教典」2012年、前島雅彦役
• 「にがくてあまい」2016年、片山渚役

天空不動産東京第二営業所で働く春田創一・33歳は、結婚したくても全くモテず、合コンでもスベりまくりの毎日。そんなある朝、通勤バスの中で痴漢の疑いをかけられたところを上司の黒澤武蔵部長・55歳に助けられますが、その時何気なく目に入った黒澤のスマホ待ち受け画像が自分の姿だったことに驚きます。

出勤した春田は、その日本社から転勤してきた牧凌太・25歳に仕事を教え始めますが、その際にまたも思いがけないものを見てしまいます。なんと、黒澤部長のパソコンに自分の隠し撮り画像が大量に保存されていたのです！え？まさか黒澤部長が字自分のことを？

当惑する春田でしたが、夜の公園に呼び出された黒澤から「好きです」と告白されてさらに混乱。そして、春田は幼馴染みのちず・27歳に相談しますが、逆に同性愛に偏見を持つべきではないと諭される始末。そんな中、春田は後輩の牧とルームシェア生活を始めていましたが、なんとその牧からも「好きだ」と告白され、唐突にキスされてしまいます！

黒澤部長どころか後輩の牧にも告白され、牧からはキスまでされてしまった春田は激しく動揺します。そんな折、かつての後輩・棚橋が婚約者とともに来店し、春田は二人の新居探し担当に。しかし、物件を見て廻るたびに二人の意見が対立して険悪な空気になっていきます。

一方、黒澤は手作り弁当で春田にグイグイとアピール。それに火が点いてしまった牧が、春田を取り合う形で黒澤と大ゲンカ！二人の間に挟まれてパニック状態の春田でしたが、そのことを教訓に、新居探しで揉めていた後輩に「自分だけのことじゃなく、二人のこれからを考えてほしい」とアドバイスします。その頃、黒澤に離婚を切り出されていた妻の蝶子・50歳は、夫に不倫相手の女がいると考え、春田を利用しようと企み始めます。

黒澤が発した「はるたん」という寝言を「ハルカ」と聞き間違えた蝶子は、一人暮らし用物件探しの名目で春田に不倫相手捜索の協力を依頼。うっかり引き受けてしまったお人好しの春田は、一方の黒澤にもはっきりとした拒絶ができないまま、ズルズルと蝶子に協力していきます。

そしてある日、ファミレスで三人が鉢合わせした際、ついに黒澤が意を決して妻の蝶子に真実を告げます。蝶子が不倫相手の女だと思っていた「ハルカ」は「はるたん」であり、男であり、そしてその「はるたん」が、目の前の春田であることに蝶子は驚愕します！

相変わらず煮え切らない様子の春田でしたが、社内で牧が上司の武川政宗・44歳に連日絞られている状況を見かね、またも余計な世話を焼いて牧を怒らせてしまいます。しかし、黒澤に対してはついに「上司としては尊敬できて好きだが、それは恋愛感情ではない」と返事し、黒澤も泣く泣くその気持ちを受諾します。

その傍らで、春田は今まで幼馴染みとしてしか意識していなかったちずを愛おしく感じ始め、それはちずの方も同様でした。そしてある夜、イラついて家を出ていこうとする牧を春田が咄嗟にハグで引き留めたところを、運悪くそのちずに目撃されてしまいます！

春田に引き留められたことで牧も決心し、春田に正式に交際を申し込みます。それに対して春田は流されるように「はい」と答えてしまい、二人は付き合う仲となりました。しかし、同性同士の恋人関係に免疫のない春田は、牧と今イチ意見が噛み合いません。

そんな中、春田と牧は芸能人カップルの隠密新居探しを担当することになりましたが、それを記者に盗撮されてしまいます。付き合いをオープンにしたい男性俳優とスキャンダルにしたくない女性俳優が言い争いを始めますが、そこで牧が春田との関係をカミングアウト。その牧の考えに心を動かされた女性俳優は、記者会見で自ら交際を発表します。そして、その潔さに影響された春田が、思わず社内で牧との交際を皆に宣言してしまいます！

営業所内で唐突なカミングアウトをした春田でしたが、当の牧は何故かはぐらかします。その意味が分からない春田は、またしても牧とギクシャク。そんな中、その牧が風邪で倒れ、そこへ実は元カレだった武川主任が牧に再び詰め寄ってきます。

黒澤の方も春田を諦め切れず、蝶子のフォローも得ながら春田に怒涛の再アタック。それぞれの思いが交錯する中でも、春田は牧の実家へと挨拶に行き、気持ちを固めたはずでした。しかし、ここでなんと、ちずも春田へ愛の告白。「このままでは自分が辛いだけ」と感じた牧は、春田と別れる決心をして家を出ます。そして一年後、春田の家にいたのはなんと…、黒澤武蔵でした！

さあ、いよいよ次は最終回です！詳しくネタバレしてきましょう！

牧と別れて一年後、春田は何故か黒澤武蔵と同棲していました。毎日毎日、幸せそうに春田の世話を焼く黒澤部長。春田もまんざらではない様子です。そして、牧とは元のいい先輩・後輩の関係に戻っていました。充実した毎日を送る春田は営業成績も急上昇し、なんと上海の新規プロジェクトへの参加打診が舞い込みます。これに春田は、二つ返事でOKします。

ここで黒澤は、なんと春田にサプライズなプロポーズを敢行！これにも春田はすんなりOKしますが、その後「結婚とは何か？」ということに悩み始めます。そして、社内では春田から牧への顧客引継ぎが進んでいきますが、ここで武川が牧に「本当にこのままでいいのか？」と問い詰めます。武川は武川で牧に未練があったのですが、同時に「相手の幸せのために自分が引く」という牧の姿勢に苛立ちを覚えていたのです。

やがて春田の壮行会が行われますが、やはりいたたまれない牧がそっと席を外すと、ちずがそこに付き合って互いに慰め合います。そして、宴の席では武川が春田に「本当に黒澤部長が好きなのか？」と改めて問いますが、「もちろん好きです」と春田は答えます。その時、黒澤はその会話を寝たふりでそっと聞き入っていました…。

二人の結婚式を前に、牧はもう一度春田に自分の気持ちを伝えようと公園に呼び出します。しかし、春田はそこへ向かう途中で道端に倒れたおばあさんを見かけ、病院へと連れていきます。牧に連絡しようにも、うっかりスマホを会社に忘れてしまっていました。やがて、おばあさんの家族がやって来て病院から駆け出した春田でしたが、牧とは会えずじまいとなってしまいます。

そして、いよいよ結婚式当日。緊張の面持ちで誓いの言葉を発する二人。そして神父様からキスを促されると、何故か春田が固まってしまいます。キスという行為が、自然と春田に牧を連想させてしまったのです。それを見て、静かに神父様を下がらせる黒澤。「神様の前で、嘘はつけないね」

春田の中には、やはりまだ牧がいたのです。牧こそが自分に一番必要な人だったと、ようやく自分の本当の気持ちに気付いた春田に、黒澤は「恋する乙女・黒澤武蔵」ではなく、「頼れる上司・黒澤部長」として春田に命令します。「春田！行けーっ！」

泣きじゃくりながら黒澤に別れを告げ、牧を追って教会から走り出る春田。一方、黒澤は披露宴のために集まった仲間たちに「フラれちゃった」と明るくお詫び。それを聞いて、これまた泣きじゃくる仲間たち。そして、空港の手前で牧を発見した春田は、その場で牧にプロポーズします！

いよいよ春田の上海転勤が近付き、オフィスでは仲間たちが春田を元気に送り出します。そこで春田がうっかり落としてしまった書類を黒澤も一緒に拾いますが、以前のように春田の手に触れたりはしません。結果的に恋に破れた黒澤でしたが、「不思議と、楽しかったことしか思い出さないんだよなあ…」と呟きます。黒澤にとって、春田への思いは「いい恋」として浄化されていました。

そしてラストシーン。春田の転勤準備を、愚痴をこぼしながらも楽し気に手伝う牧。今度こそ二人は、本当の意味で二人の生活を手に入れたのです。互いの思いを確かめ合うようにキスを交わし合い、春田と牧はついに結ばれました！

以上が「おっさんずラブ」のネタバレあらすじでした。「ボーイズラブ」という題材を扱いながら、そこへの偏見や悩みより寧ろ「純粋な恋愛」と「人としての成長」を描いたドラマ、それがおっさんずラブでした。実にいい脚本だと話題です！

では、ここからはおっさんずラブの最終回を観た後の視聴者感想ツイートをいくつかご紹介します。

男のキャラクターでもありながら、ヒロインという役どころであった部長。彼に対しての高評価のコメントも多くありました。

おっさんずラブというボーイズラブをテーマにした作品であっても、多くの人が感動を覚えたようです。

おっさんずラブのドラマストーリーに感動し、涙をながしたというコメントも多くありました。

などなど、皆さん完全に「おっさんずラブ」ロス状態です。それほど、視聴者の心を打ったいいドラマだったということです！

そして最後に、おっさんずラブの原作について、もう一度触れておきましょう。そうです。冒頭にも言いましたが、おっさんずラブに原作はありません！

しかし、連続ドラマの元になった単発ドラマが存在しますので、あらすじを読んで気になった方はぜひそちらもご視聴いただきたいです。キャスティングが若干異なりますが、ストーリーがコンパクトにまとまっていて、また別の面白さがあります。様々な動画サイトでご覧いただけますので、ぜひ連続版と併せてお楽しみいただければ幸いです。