刑事ゆがみの感想・評価とドラマ最終回をネタバレ！高い評判の理由は？

『刑事ゆがみ』は、偏屈だが天才的な勘を持つ刑事・弓神適当（ゆがみ・ゆきまさ）と、優秀だが腹黒い相棒・羽生虎生のコンビが不可解な事件を解決していく刑事ドラマだ。面白いと評判になり、視聴者から高い評価を得た。

ここでは『刑事ゆがみ』の視聴者の感想や評価を紹介するとともに、『刑事ゆがみ』のあらすじをネタバレし、衝撃の最終回のストーリーは特に詳しくネタバレする。

緻密なトリックを盛り込んだストーリーに、主人公二人の軽妙な掛け合いとユーモアを織り交ぜて高い評価を受けているドラマ『刑事ゆがみ』。ここではテレビドラマ『刑事ゆがみ』の原作情報をお伝えする。

ドラマ『刑事ゆがみ』は井浦秀夫の同名コミックが原作だ。『ビッグコミックオリジナル（小学館）』にて連載中で既刊５巻（2018年11月現在）。独特の絵柄で好みは分かれるが、ストーリーの面白さは大多数の読者が認めるところだ。各巻とも、読み切りのエピソードで構成されているが、バックボーンとなるストーリーが徐々に進展していくので１巻から順に読むことをおすすめする。

ドラマ『刑事ゆがみ』の原作者は漫画家の井浦秀夫。代表作は『弁護士のくず』、『魔法使いの弟子』など。中でも『弁護士のくず』は豊川悦司と伊藤英明の主演でテレビドラマ化されたほか、平成18年度小学館漫画賞一般向け部門を受賞した。ほかに、新興宗教を扱った『少年の国』、アダルトビデオ制作者を描いた『職業・AV監督』など。笑いを取りつつ人間関係や心理を鋭い洞察で描く作風でファンを獲得している。

『刑事ゆがみ』はフジテレビの木曜10時ドラマとして2017年10月から10回に渡って放送された。『刑事ゆがみ』に毎回、エピソードごとに登場する豪華なゲスト俳優が視聴者を楽しませた。ここでは『刑事ゆがみ』の登場人物について紹介し、第１話のストーリーをネタバレする。また、第２話から第９話の内容とゲスト俳優にも触れる。衝撃の最終話は次の章で詳しくまとめ、結末もネタバレする。

『刑事ゆがみ』の登場人物だが、まず、主人公の二人。弓神適当は、うきよ署強行犯係の変わり者刑事だが、事件捜査となると天才的な勘と鋭い人間観察力で事件を解決していく。事件解決のためなら違法捜査も平気だ。そんな弓神とバディを組むのは優秀な若手刑事の羽生虎生。出世願望の強い羽生にとって、違法捜査も朝飯前の弓神は疫病神だ。

弓神が所属する、うきよ署の係長・菅能理香も弓神に振り回されている一人だ。弓神とは警察学校時代からの同期だが順調に出世して、今は弓神の上司。弓神の勝手な捜査に手を焼きながらも、その手腕に一目置いている。

違法捜査が得意な弓神には、警察外部に協力者がいる。それが、ハッカーである”ヒズミ”こと氷川和美だ。黙々とPCに向かい、弓神の望む情報を探し出す。のちに、幼いころに遭遇した事件で声を失ったことが明らかになる。

『刑事ゆがみ』第１話のあらすじをネタバレする。タイトルは「超適当偏屈自分勝手非常識遅刻常習犯KY問題児」という、弓神の人物紹介を兼ねた題名となっている。テーマは痴漢冤罪だ。

物語はまず、女子大生の押田マイ（小倉優香）が歩道橋の下で死んでいるのが発見されることから始まる。酔って階段から転落したと思われたが、友人の倉間藍子（大後寿々香）の証言で、マイが１週間ほど前に電車内で痴漢にあい、相手の男をつかまえたことを知る。マイは警察には届けず、その男から現金を受け取ったが、マイはその夜から、自宅に落書きされるなどの嫌がらせを受けていた。

弓神と羽生は、痴漢騒動のあった駅に行き、詳細を知る駅員の坂木望（杉咲花）から事情を聞き、痴漢の容疑をかけられた男・沢谷（岡田義徳）を調べ始める。沢谷の妻（小倉優子）の話では沢谷はよくできた夫だが、事件当日にはアリバイがない。しかし、調べを進めるうちに被害者の押田マイには1,000万円以上の預金があり、痴漢をでっち上げて男性たちから金を巻き上げていた可能性が浮上する。

ネット掲示板上にマイを中傷する書き込みがあることを知った弓神はヒズミに頼んで書き込んだ人物のIPアドレスを割り出す。それはマイの友人の倉間藍子だった。藍子は友人のマイを妬んでいたが、マイの自宅に落書きをしてはいないという。

実は、犯人は駅員の坂木だった。弓神はヒズミに協力させ、PCを使った違法なおとり捜査でそれをつきとめる。坂木は高校生の時、痴漢被害にあっていた。痴漢する人間を憎むと同時に、痴漢冤罪で人を陥れる人間も憎んでいた。それが痴漢をでっち上げた押田マイを殺した理由だった。しかし、冤罪と思われていた沢谷は痴漢常習犯で、マイは実際に被害を受けていたことが明らかになる。弓神はあえて羽生に坂木を逮捕させる。

『刑事ゆがみ』第２話「初恋愛憎溺愛純愛」は、教師と生徒の恋愛がテーマ。ゲストは水野美紀、斎藤工、中川大志。中でも下着泥棒役の斎藤工（画像・上）の演技は必見だ。第３話「二面性」は、警察官の鏡だと尊敬されていた男が殺人未遂を起こす。ゲストは寺脇康文、佐藤玲、小野花梨、柳俊太郎。第４話「秘密」では許されない愛をめぐって事件が起こる。ゲストは高梨臨、池端レイナ、飯豊まりえ。

『刑事ゆがみ』第５話「因縁寄生支配宿敵」では、いよいよメインの「ロイコ事件」が登場。オダギリジョー（画像・上右）のほか、板谷由夏、丸山智己、木下ほうかが出演する。第６話「適当傲慢真剣勝負」は、警察官の鏡と尊敬される男が傷害事件を起こす。ゲストは新田真剣佑、新井美羽、MEGUMI、辻萬長。第７話「人生いろいろ悲喜交々」では「リア充代行サービス」がキーになる。菅能の友人役にりょう。速水あかりも登場する。

『刑事ゆがみ』第８話「一日千秋一期一会」は「高齢者詐欺」を扱う。市川由衣、久松郁実、小林隆が登場する。第９話「弓神適当絶対絶命」ではロイコ事件がまたもや登場し、最終話のクライマックスへと物語が動く。ヒズミを呼び出す男は誰か。ゲストは二階堂ふみ・真野恵里菜・AKIRA（画像・上）、そしてオダギリジョーだ。

さて、『刑事ゆがみ』の第10話（最終回）をネタバレする。題名は「３か月ありがとう」。第９回で弓神が７年前に担当した「ロイコ事件」に関連する殺人事件が発生し、犯人と接触したヒズミが意識不明で病院に搬送される。弓神自身がロイコ事件に関与している可能性が明らかになり、弓神は消息を絶つ。第10話は、その謎解きの回だ。羽生たちは、ロイコ事件の横島不二実（オダギリジョー）が生きていると考え捜査を始める。

横島は自分の小説『ロイコ』の内容を模倣する形で、河合武（渋川清彦）と伊予（酒井美紀）夫婦を殺害した。そして、横島自身は焼身自殺をしたと考えられていたが実は生きており、河合夫婦の娘であるヒズミこと氷川和美に以前から接触していた。今回は横島が自著『聖なる夜空にサンタが舞う』をなぞった事件を目論んでいた。羽生は弓神を発見するが、弓神は横島を捕まえるまで自由にさせてほしいと頼む。

番組では、羽生たちが捜査をすすめ、また、弓神が横島と対峙し、様々な事実が明らかになっていく。殺された河合武が横島のゴーストライターだったこと、和美が横島の娘であったことなどだ。クライマックスでは、弓神の前で羽生がこの事件の真相を推理してみせる。

では、真相をネタバレする。羽生は事件をこう推測した。和美は河合伊代が横島に襲われてできた子供であり、それを嫌悪した武が伊代を殺した。さらに和美を殺そうとした武を和美が金属バットで殴って殺してしまった。そこに弓神が駆け付けた。以前から事情を知っていた弓神は、和美を守るために現場を偽装して和美の関与を隠し、横島を犯人にしようとした、というのだ。

その時、羽生へ菅能から連絡が入り、和美が父親を殺したと自供したという。それを知った弓神は羽生に、自分を逮捕しろと言う。羽生は涙ながらに弓神に手錠をかけた。ラストシーンは数か月後。現金輸送車を襲った犯人たちを追う羽生の前に、巡査姿の弓神がおちゃらけながら現れる。羽生は交番勤務の巡査となっていた。

『刑事ゆがみ』最終話では、弓神刑事が深く関わっていたロイコ事件の謎が解明され、ヒズミこと氷川和美にまつわるショッキングな事実も明らかになった。ここでは、そんな最終話を見た人の感想を紹介しよう。

視聴者の感想として多かったのは、『刑事ゆがみ』の続編を期待する声だ。犯人の横島が逃亡し、逮捕された主人公の弓神が交番勤務の巡査として羽生に再会したラストシーンは、『刑事ゆがみ』にまた会いたいというファンを期待させている。ツイッターだけでなく、『刑事ゆがみ』について書かれたブログでも続編を望む意見が多かった。

また、上記のツイッターのように、”ヒズミ”役の山本美月の演技についての感想も多かった。ヒズミが初めてしゃべったことについての感動や、ヒズミの悲しみを繊細に表現し、視聴者を泣かせた演技力が高く評価されている。

ヒズミ役の山本美月は人気が高く、演技力だけでなく、そのファッションにも注目が集まっていた。パッツン前髪がかわいい、マニッシュなワークジャケットを格好良く着こなしている、という女性の声が多かった。

フジテレビで放映された『刑事ゆがみ』。視聴率はそれほど高くはなかったが、刑事ドラマの傑作だと視聴者からは絶賛されている。そんな『刑事ゆがみ』の魅力について分析し、まとめる。

ドラマ『刑事ゆがみ』の面白さはストーリー展開の意外性だ。物語が進むにつれ、事態が二転、三転として最後まで真相が見えない。そして、大どんでん返しがある。真相が明らかになるまで、視聴者は最後まで画面から目が離せない。しかも、事件の背景や加害者の動機や、複雑に交錯する人々の思惑が詳細に描写されているため、展開に無理がない。（画像・上は第２話の一場面）

例えば、「痴漢冤罪」がキーワードとなっている第１話。痴漢騒ぎを演じた女子大生が殺され、痴漢を疑われた男が見つかる。犯人は男か、男の妻かと視聴者は考える。そして、女子大生は痴漢でっち上げを繰り返し、男性たちから金を得ていたことが判明。犯人は友人か、やっぱり男の妻か。真相は痴漢冤罪を憎む駅員が犯人だった。では、痴漢騒ぎの男は被害者かと思いきや、男は痴漢常習犯で痴漢騒ぎは本当だったというオチだ。

このように、最後まで見る人を引き付けて離さないのが『刑事ゆがみ』のストーリー構成だ。この手法は他の回のエピソードでも同様で、視聴者をいい意味で欺き、楽しませてくれる。（画像・上は第１話の一場面）

『刑事ゆがみ』の人気の理由の一つが、主演の浅野忠信と神木隆之介の演技だ。まず浅野だが、『刑事ゆがみ』が初めての連続ドラマの主演であることで話題を呼んだ。浅野忠信は数々の映画賞を受けている正当な演技派の俳優だ。大人でクールな印象だが『刑事ゆがみ』では小汚い服装に無精ひげという格好でコミカルな一面を見せてくれた。無頓着な見かけでも視聴者にカッコいいと思わせるのはさすがだ。

神木隆之介も若手ながら幼少時からキャリアを積んだ実力派の俳優だ。自分勝手な弓神に振り回されながら奮闘する二枚目半の刑事を好演している。映画『るろうに剣心』（2014）で披露したハードな面と、『桐島、部活やめるってよ』（'12）のヘタレ具合、さらに子役時代からのさわやかさが絶妙にミックスされて、視聴者からは「かわいい」、「きゅんとくる」という声があがっている。

『刑事ゆがみ』は演出の評価も高い。演出家の西谷弘氏は、これまでに人気ドラマを多数、映画化してきた監督で、『刑事ゆがみ』を見た視聴者からは映画を見ているようだという声がSNS上に寄せられている。画面の色調やカメラワークも、映画を思わせる要素の一つだ。

また、各エピソードで扱う内容が時代にマッチしていることも人気の理由だ。「痴漢冤罪」、「同性愛」、「リア充代行サービス」など、現代社会で起こりうる題材をテーマにストーリーを構成しているため、テレビ離れと言われる若い層にもアピールする内容となっている。

『刑事ゆがみ』は井浦秀夫のコミックを原作としたテレビドラマだ。自分勝手で偏屈だが事件の真相解明には天才的な勘をみせる刑事・弓神適当と、彼に振り回される出世願望の強いバディの羽生虎生が不可解な事件を解決していく。テレビ離れの時代を反映し視聴率自体は奮わなかったものの、笑いをとりつつ人間心理の複雑さや現代社会の不条理などを物語に織り込み、見た人からは刑事ものの傑作だと高い評価を受けている。

ベテラン・浅野忠信と、若手実力派の神木隆之介がタッグを組み、コミカルな掛け合いで人気を呼んだ。共演の山本美月も、声を失った少女ハッカー”ヒズミ”を演じ、迫真の演技とともに髪形やファッションでも注目を集めた。豪華なゲスト俳優や、複雑なストーリー構成で番組の最後まで視聴者の目を釘付けにする演出も評価が高い理由だ。ツイッターなどでは続編を望む声が多く寄せられている。

ここではドラマ『刑事ゆがみ』の感想や評価、人気の理由をまとめた。また、『刑事ゆがみ』のあらすじをネタバレし、特に最終話は詳しく紹介しネタバレしたがいかがだっただろうか。ファンの声が制作者に届き、シーズン２が見られるのか、期待しよう。