ナイト・マネジャーのあらすじは？メイン出演キャストや感想、評価も紹介

まずは『ナイト・マネジャー』の概要を簡単に紹介します。『ナイト・マネジャー』はイギリスBBC OneとアメリカAMCで共同制作されたテレビドラマです。ジョージ・スマイリーを主人公としたスパイ小説シリーズで知られる、ジョン・ル・カレが1993年（日本は1994年）に出版したスパイ同名のスパイ小説が原作です。ドラマ『ナイト・マネジャー』は視聴者だけでなく、原作者からも高い評価を得るドラマとなりました。

2016年から放送されている『ナイト・マネジャー』は、ホテルの夜間支配人を務めていたジョナサン・パインが、スパイにスカウトされて武器商人の一味に潜入するサスペンスドラマです。もともとは6話で構成されていたあらすじを、日本では8話に編集して放送されています。先の読めないスリリングな展開に「ドキドキする」という感想が寄せられている人気海外ドラマです。

ここからは『ナイト・マネジャー』全8話のあらすじを紹介していきます。『ナイト・マネジャー』はもともと6話で制作されたテレビドラマですが、日本で放送されているものは45分程度に編集されています。編集されているといっても、1話完結ではないので「観ていて違和感を覚える」といった感想は聞こえてきません。

『ナイト・マネジャー』はエジプト、スイス、トルコなど、世界各地が舞台になります。『ナイト・マネジャー』のあらすじの冒頭は2011年のエジプトのカイロからです。「アラブの春」の真っ最中であるエジプトでは、ムバラク政権を打倒し、民主化への機運が高まっていました。激動のエジプト・カイロで、主人公のジョナサン・パインは高級ホテルの夜間支配人（ナイト・マネジャー）として働いていました。

カイロのネフェルティティ・ホテルでナイト・マネジャーを務めていたジョナサン・パインは、ある時美しい女性客と知り合います。ソフィー・アレカンという名のその女性は、町の有力者であるフレディ・ハミドの愛人でした。ジョナサンはソフィーから、ハミドが武器商人のリチャード・ローパーと取引していることを示す資料を得ます。ジョナサンは以前軍にいた経験から、ハミドたちの取引の情報を軍関係者に流しました。

しかし、ローパーが情報の漏洩に気付いたため、取引は中断されてしまいます。ジョナサンは身の危険が迫ったソフィーを匿い、彼女と愛し合いました。ソフィーをイギリスに逃がそうと奔走するジョナサンでしたが、計画は上手く進みません。その間にソフィーは殺されてしまいました。4年後、カイロのホテルを辞めたジョナサンはスイスのホテルでナイト・マネジャーをしていました。そこへローパーが客としてやって来ます。

スイス・ツェルマットのホテルに勤務していたジョナサンは、宿泊しているローパーが出したゴミを漁って、使い捨てられた大量のSIMカードを集めます。そして、ローパーたちの情報を国際執行機関職員であるアンジェラ・バー に渡しました。アンジェラはローパーの元へ潜入するスパイとしてスカウトします。アンジェラはすでにジョナサンの経歴を調べ尽くしていたからです。

アンジェラが持ち掛けた任務は非常に危険な物でした。しかし、軍人として戦争の悲惨さ知り、ソフィーを救えなかったことを悔やんでいたジョナサンはスパイになることを承諾します。ローパーの元へ潜入するために「トマス・クィンス」という名前を手に入れたジョナサンは、わざと傷害事件を起こして悪事を働いた経歴を作ります。さらに、殺人事件を偽装してローパーの目に留まるように振舞いました。

ローパー一味がレストランで食事をしていると、突然暴漢が現れてローパーの息子・ダニエルを人質に取ります。金銭を要求する男たちですが、それはジョナサンをローパーの元へ侵入させる演技でした。レストランの従業員として潜り込んでいたジョナサンは、男たちと本気の殴り合いをしてダニエルを救います。傷だらけになったジョナサンのためにローパーは警察を呼ぼうとしますが、ジョナサンがそれを止めました。

「トマス・クィンスとして逃亡中の身」ということになっているジョナサンを、ローパーは連れ帰って治療させます。ローパー一味はジョナサンの経歴を徹底調査しますが、そこに挙がる犯罪歴はすべてスパイ作戦のために偽装されたものでした。ローパーの右腕であるコーコランだけは、ジョナサンの経歴の空白期間に疑いを持ちます。ジョナサンはアンジェラにコーコランに疑われていることを伝えました。

ローパーの弁護士であるジュアン・アポーストルは、ローパーの闇取引を秘密裏に告発しようとしていました。アンジェラはアポーストルと接触を図り、コーコランをローパーから引き離すための協力を求めます。アポーストルはコーコランの酒癖の悪さを指摘し、取引が不利になることをローパーに進言しました。コーコランは側近から外され、代わりにジョナサンが取り立てられます。

ジョナサンはローパー一味に上手く溶け込んでいきましたが、スパイ活動の最中をローパーの愛人ジェドに見つかってしまいます。しかし、ジェドはローパーに忠誠を誓っているわけではないので、ジョナサンを匿います。その後、ジョナサンは「アンドリュー・バーチ」という新しい偽名と、コーコランが管理していた「トレードパス社」の仕事をローパーから与えられました。

コーコランの代わりにローパーの右腕となったジョナサンは、ローパーを満足させる仕事ぶりを見せました。ジョナサンにメンツを潰されたコーコランはレストランで騒ぎを起こし、ローパーに対してジョナサンの危険性を警告します。その中でも、ジョナサンはジェドと親しくなり、深い関係になっていきます。

一方、アンジェラはローパーと繋がっている諜報員ヘイローがMI6のジョフリー・ドロムグールであることを知ります。アンジェラの上司であるレックス・メイヒューはアンジェラから重要な証拠を預かりますが、その内容をドロムグールと繋がりのある事務次官に見せてしまいました。結果として協力者であったアポーストルが行方不明になってしまいます。

アンジェラはジョナサンの身を案じて撤収の指示を出します。しかし、ジョナサンはローパーを捕えるために、作戦中止を拒否します。一方、アンジェラに情報が渡ったことを知ったローパーは、自分の周囲に裏切り者がいることに感付きます。取引のために顧客にデモンストレーションを披露したあと、ジェドやコーコランを呼び集めます。

アンジェラの組織は行動が取れなくなります。ローパーの弁護士であったアポーストルは殺されていました。アンジェラの上司であるメイヒューは異動させられます。アンジェラに協力していた米国務省職員のジョエル・ステッドマンはアメリカへ帰国するように命令されました。孤立無援になったアンジェラのもとへドロムグールが訪れ、「邪魔をしないように」と警告します。

ジョナサンは取引に関する情報をメモにして、タクシーの運転手に渡します。しかし、現場をコーコランに目撃されました。結果的にジョナサンはコーコランを殺害します。ジョナサンは「スパイ活動をしていたのがコーコランであった」と偽装しました。情報を受け取ったアンジェラは、ステッドマンに連絡してローパーの武器の輸送を検閲させます。しかし、武器はありません。失態を演じたアンジェラは完全に立場を失います。

ローパーの武器は別の場所に保管されていました。その後、ローパー一味はフレディ・ハミドとの取引のためにエジプト・カイロへ移動します。エジプトのホテルはかつてジョナサンがナイト・マネジャーを務めていたホテルであり、ソフィーが殺された場所でもありました。ジョナサンはローパー一味がカイロにいることをアンジェラに知らせます。後ろ盾がなくてもアンジェラとステッドマンはジョナサンに協力することにしました。

カジノで酔いつぶれたハミドを別宅へ送ったジョナサンは、「ソフィーはローパーの指示で殺された」という情報を引き出した後、ハミドを殺害します。ジェドはローパーの金庫の暗証番号を調べ、それを使ってアンジェラが武器取引の証拠を盗みます。しかし、証拠を戻そうとしたジェドの行動はローパーに見透かされており、ジェドは拷問されます。

ジョナサンを連れ出したローパーはスパイの仲間について話すよう尋問します。しかし、武器取引にジョナサンの生体認証が必要なため殺ししません。取引場所へジョナサンを連れて行きます。ジョナサンはあらかじめ現地のテロリストに協力を仰いでおり、ローパーの顧客の目の前で武器を爆破させました。怒った顧客たちは3億ドルの前金を返済するように迫りますが、ローパーの口座から金はすでに消えています。

ジョナサンにハメられたことに気付いたローパーはすぐに、金を戻す様にジョナサンに命令しますが、ジョナサンはジェドの命と引き換えを求めました。ホテルに戻ったローパーとジョナサンの前にアンジェラが現れます。ローパーは切り札であるMI6のドロムグールに電話をしますが、アンジェラの仲間に証拠を突き付けられているドロムグールはローパーを見捨てます。

後ろ盾と金を失ったローパーは、ステッドマンが連れて来たエジプト警察に連行されました。そしてジョナサンはジェドを救います。翌朝、「息子を迎えに行く」と言うジェドに、ジョナサンは「会いに行く」と約束し、ジェドを乗せた車を見送りました。

『ナイト・マネジャー』に出演しているキャスト一覧を紹介していきます。スパイサスペンスとしてのドラマ性が高く評価されている『ナイト・マネジャー』は、出演キャストたちの演技も好評価を得ています。

2016年のプライムタイムエミー賞や、ゴールデングローブ賞のドラマ部門を受賞したキャストが多くいます。ここからはそれぞれのキャストを紹介していきましょう。

『ナイト・マネジャー』の主役ジョナサン・パインを演じたのはトム・ヒドルストンです。『マイティ・ソー』や『アベンジャーズ』シリーズに登場するロキ役で知られています。『ナイト・マネジャー』への感想には「ジョナサン・パインはトム・ヒドルストンのそれまでのイメージとは違う役」というものがありました。一部では次期ジェームズ・ボンド役にも期待されているようです。日本語吹き替え版のキャストは中川慶一です。

『ナイト・マネジャー』の敵役、リチャード・ローパーを演じたのはヒュー・ローリーです。ヒュー・ローリーは『ナイト・マネジャー』での演技が評価されゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞しました。また、ヒュー・ローリーはアメリカのテレビドラマ『Dr.HOUSE』への出演で知られています。日本語吹き替え版のキャストは家中宏です。

『ナイト・マネジャー』でジョナサンをスパイに引き込んだアンジェラ・バーを演じたのはオリヴィア・コールマンです。オリヴィア・コールマンは『ナイト・マネジャー』での演技が評価され、ゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞しました。そんなオリヴィア・コールマンはイギリス出身の女優で、映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 』などに出演しています。日本語吹き替え版のキャストは高尾まみです。

『ナイト・マネジャー』でジョナサンを終始疑っていたコーコランを演じたのはトム・ホランダーです。トム・ホランダーは『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズにカトラー・ベケット役として出演しています。日本語吹き替え版のキャストは佐々木義人です。

『ナイト・マネジャー』でローパーの愛人であり、後にジョナサンと親しくなるジェド・マーシャルを演じたのはエリザベス・デビッキです。『華麗なるギャツビー』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のソヴリンの女王・アイーシャ役で知られます。日本語吹き替え版のキャストは堀越知恵です。

『ナイト・マネジャー』は海外ドラマを見慣れている人からも好意的な感想が多く寄せられている作品です。スパイサスペンスという作風だけあって、「ジョナサンの行動が敵にいつバレれるのか」というスリリングなあらすじに対して「面白い」という感想が挙げられます。また、主演のトム・ヒドルストンの演技が魅力的という感想も非常に多く寄せられています。

『ナイト・マネジャー』は近年の海外ドラマの中でも、特に評価の高い作品です。先の読めない緊張感のあるが展開が海外ドラマファンの間でも高く評価され、話題になっています。また、トム・ヒドルストンやエリザベス・デビッキといった注目度の高いキャストが集まっていることも見逃せません。そんな『ナイト・マネジャー』がAmazonPrimeなら全話視聴可能となっています。海外ドラマファンの方はぜひご覧ください。