【二月の勝者】桜花ゼミナールにはモデルがある?塾や志望校が実在するか調査

高瀬志帆による漫画作品「二月の勝者」。丁寧な取材を通じて明らかになった中学受験の抱えるリアルな問題を鋭い視点で描く話題作です。この作品には、桜花ゼミナールやフェニックスなどの塾や中学校が登場しますが、そのモデルがどこなのか今SNSではモデル校の話で持ちきりのようです。この記事では二月の勝者の塾や志望校が実在するのかどうか、また実在しなくてもそのモデルとなっているのはどこなのか徹底調査していきます。ぜひご覧ください!

【二月の勝者】桜花ゼミナールにはモデルがある?塾や志望校が実在するか調査のイメージ

目次

  1. 二月の勝者とは?
  2. 二月の勝者の桜花ゼミナールやフェニックスのモデル
  3. 二月の勝者で登場する塾や志望校は実在する?モデル校を紹介
  4. 二月の勝者の名言や名セリフ集
  5. 二月の勝者に関する感想や評価
  6. 二月の勝者のモデルまとめ

二月の勝者とは?

二月の勝者の概要

高瀬志帆による漫画作品「二月の勝者」。週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館発行)2018年1号から現在まで連載中の人気作品です。コミックスは11巻までが刊行され、2021年4月時点での累計発行部数は130万部以上となっています。

中学受験の抱えるリアルな問題、少子化による学習塾の厳しい経営状況や大学・高校も含めたシステム改革、そして中高一貫教育推進による高校入試廃止などを受験生を取り巻く問題を鋭い視点で描いていきます。

また、配役まで決まっていながらコロナの影響で延期されていたテレビドラマ化の件ですが、先ごろ2021年10月に日本テレビ系列にて放送される予定であることが公表されました。

二月の勝者のあらすじ

あらすじのイメージ

東京吉祥寺にある中学受験のための塾、桜花ゼミナール。名門中学御三家の合格者ゼロという塾始まって以来の危機に直面しています。そんな塾の新校長に就任したのは、業界№1フェニックスを辞めてきた黒木蔵人。「学習塾は子供の将来を売る場所」と新人講師・佐倉麻衣に冷たく言い放ちます。その半面、酷い差別を受ける女子生徒などに掛ける優しい言葉や優れた指導が徐々に生徒や親の心を惹きつけていくのでした。

二月の勝者から分かる中学受験の実態

続いて二月の勝者で描かれている中学受験の実態を整理してみます。まだまだ一般的に受験と言えば高校受験や大学受験を想起する方も多いことでしょう。二月の勝者のテーマとなっている中学受験とはどのようなものなのでしょうか?

中学受験とは、中高一貫教育を掲げる学校が増えてきたことで注目されている中学校に進学されるための受験システムのことです。中には中・高・大と大学までの一貫校を目指して行われる受験もあります。この中学受験のメリットとしては、高校受験をしなくても済むことにあります。中高大一貫校であれば大学受験も免除されることもあります。

中学受験のための学習塾と聞くと、対象となるのは小学校6年生と考える方もいるでしょうが、実態は4年生から受験塾で学ぶのが普通のようです。つまり、4年生から6年生まで3年間も通うのです。そうなると進学を控えた子を持つ親にとっての関心事は、塾に掛かる学費の問題です。二月の勝者に登場する中堅の進学塾・桜花ゼミナールでは、1年間に掛かる費用がオプション込みで126万9千円です。

桜花ゼミナールでは、前校長の教育方針が実を結ばず難関中学御三家の合格者ゼロと言う不名誉な記録を残して解任されます。その後釜として校長に就任したのがトップクラスの中学受験塾フェニックスで最優秀クラスを担当していた黒木蔵人でした。

黒木の経営方針は成績優秀者の徹底した優遇、災害時の避難マニュアルも成績優秀者から避難させるようになっています。そうした徹底した成績重視の裏側には、厳しさを増す受験業界の状況がありました。中高一貫校の増加で中学受験は益々苛烈を極めています。また大学受験に目を向けると、2021年度より大学入学共通テストが始まります。

従来のマークシート方式の選択試験に、国語・数学では記述試験が加わります。記述力をつけるには高等学校からでは間に合わないと黒木は考えました。また、高校受験は内申書重視ですが、中学受験は入試の結果のみで決まります。中学受験を目指す小学生には本番の試験で実力を発揮することが要求されます。

高校入試で重視される内申書の点数は塾ではどうしようもありませんが、本番の試験であればまさに塾の出番でしょう。これを黒木はメリットとしてとらえました。

高瀬志帆「二月の勝者」 | ビッグコミックBROS.NET(ビッグコミックブロス)|小学館

二月の勝者の桜花ゼミナールやフェニックスのモデル

桜花ゼミナールのモデルの塾

ここからは、二月の勝者に登場する桜花ゼミナールやフェニックスのモデルとなった塾について考察していきます。二月の勝者の作者高瀬志帆は、この作品を描くにあたり2年余りを掛けて様々な学習塾を取材したといいます。その取材で得た情報を使って創り出したのが「桜花ゼミナール」なのだそうです。

例えば、成績で席順が決まるという成績による序列システムは「日能研」のシステムを参考にしているようです。つまり、システムの一部を参考にしている実在の塾はあるものの、桜花ゼミナールとは架空の塾でありモデル校は存在しないということになります。

ところが、SNSには実際に子供が通っていた塾の様子から、ここが桜花ゼミナールのモデル校では?という投稿が相次ぎました。建物や教室の大きさや系列に個別指導を行う塾があることなどの共通点からモデル校として名前が挙がったのが栄光ゼミナールでした。また、正月特訓など塾主催の合宿を行っているという点で早稲田アカデミーを挙げる声もありました。

フェニックスのモデルの塾

続いて、中学受験塾の雄、フェニックスのモデルです。こちらは桜花ゼミナールとは違い作者はモデル校の存在を否定してはいません。難関中学トップ学校の6割の生徒を輩出しているという事実から、SAPIX(サピックス)がモデルの塾であると考えられます。

両者にはその他にも類似点がいくつかあります。例えば、トップ中学御三家を目指す特別クラスの名前が、フェニックスではSクラス(サミットクラス)といい、SAPIXのαコース(アルファコース)とよく似ています。

また、講義で使うテキストの名前がフェニックスでは「ディリーフェニックス」、SAPIXでは「ディリーサピックス」、また最難関学校受験のためのテスト名がフェニックスでは「フェニックスオープンテスト」と、SAPIXの「サピックスオープンテスト」によく似ています。

二月の勝者で登場する塾や志望校は実在する?モデル校を紹介

三浦佑星の志望校のモデル

次に登場人物たちが目指す志望校のモデル校について考察していきます。まずは、サッカー少年三浦佑星の志望校のモデル校からです。

三浦佑星は園学院大中日照大第二中を志望しています。これは、おそらく國學院大學久我山中日本大学第二中がモデル校になっていると考えられます。

伊東章太郎の志望校のモデル

次に、水族館が好きだという目立たないキャラの伊東章太郎の志望校です。彼は、東英大附属白金日照大附属杉並を目指しています。この学校のモデル校は、東海大附属高輪台と三浦佑星のところで挙げた日本大学第二中と考えられます。

二月の勝者に実名で登場している中学校

これまで二月の勝者に登場する学習塾や中学校のモデル校について考察してきました。次に二月の勝者に実名で登場している中学校を挙げていきます。

首都圏の難関御三家と言われる男子中学校、すなわち開成中や麻布中、武蔵中は実名で表記されています。また名門女子中学御三家である桜蔭中、女子学院中、雙葉中も同様です。

このことから、皆が目標とするトップレベルの中学校については、似通った偽名よりも実名の方がリアリティがあり作品の性格上も好ましいと判断されたと考えられます。

二月の勝者の学校名の実名採用基準

前項で、二月の勝者には実名の有名中学校が登場することがわかりました。それでは、二月の勝者で学校名に実名を採用する判断基準はどこにあるのでしょうか?

作者の高瀬志帆は、自身のツイッターでそれはケースバイケースであると語っています。実名を使用するにあたり、編集スタッフなどいろいろな人に相談しながら決めているということでした。

受験校が偽名だと偽物感が強調されてしまい、リアルな中学受験の実態を描く二月の勝者には相応しくないかも知れません。

二月の勝者の名言や名セリフ集

名言①「そうですね『受験塾』は…」

二月の勝者は名言・名セリフの宝庫としても知られています。最後に二月の勝者に登場した名言・名セリフの中から代表的なものを紹介していきます。

最初に紹介するのは、新任講師の佐倉麻衣の、講師と言う仕事は子供の将来のためにやっているんですよね、という質問に対する黒木の回答です。利潤追求という原則に立っている民間企業である桜花ゼミナールの経営者が、塾生や費用を出す親をどのように見ているのかがわかるセリフになっています。利益を生むためには、生徒を集めその親から受講料を集めなければなりません。

そうですね。ここ(受験塾)は「子供の将来」を売る場所です。
「新規顧客」獲得のチャンスです。
金脈を獲りに行きますよ。

立派な塾の教育理念も、所詮は子供を有名中学に入学させたい親の関心を買うためのものです。金脈とは生徒のこと、子供たちを金づると見ている塾の現実をどう考えるべきなのでしょうか?

名言②「他に好きなことがある子ほど…」

好きなことを我慢して受験に専念すべきと考えがちですが、次に紹介する黒木の名言は逆説的な表現になっています。彼の考えでは、中学受験を頑張って中高一貫教育の学校に進めば、その後は好きなことを楽しむことができるというものです。

他に好きなことがある子ほど、受験をやめなくていいんですよ

中学受験に消極的だった加藤巧は、黒木に中高一貫の男子学校に好きな鉄道研究会があることを教えられ俄然中学受験に前向きになりました。入学後に待っている学生生活を夢見て、彼は受験塾に通うことを決心しました。

名言③「55から60の間は…」

こちらも桜花ゼミナール校長・黒木の名言です。偏差値の平均値から少し上の55まではなだらかな坂道、少し頑張れば上がっていける勾配です。しかし、その55から上は簡単には上れません。偏差値60までの道のりを断絶した崖道と表現しています。

偏差値55から60の間は言うなれば、断絶した崖道

ここで足踏みしてしまい悩む受験生も多いことでしょう。このスランプともいえる状態から、子供の実力をさらに上に引き上げるのが塾講師の腕の見せ所だと黒木は断言します。まずは、間違った判断を下してしまわないためにも、この偏差値55から60の断絶した崖道は受験生もその親も心得ておくべき事ではないでしょうか?

二月の勝者に関する感想や評価

ここまで二月の勝者のモデル校について特集してきましたが、最後に二月の勝者に関する感想や評価をTwitterより紹介します。

最初に紹介する二月の勝者に関する感想や評価は、中学受験経験者のツイートからです。中学受験経験者の目から見ても、とてもリアリティがあり面白いといいます。

20年前に中学受験を経験した方のようですが、当時とビジネスモデルが変わっていないことにも驚いたそうです。時が経ても受験塾に親たちが求めるものは不変なのでしょうか?

続いて紹介する二月の勝者に関する感想や評価も、中学受験経験者のツイートからです。作者による丁寧な取材に基づく作品だけあって、この方も真実味があると評価しています。

また、過ぎ去った中学受験時代のことを今になって振り返ると、この時が人生で一番勉強していたと思えるそうです。中高一貫、あるいは中高大一貫の学校に進まれたのでしょうか?

続いて紹介する二月の勝者に関する感想や評価は、作中で取り上げられている桜花ゼミナールのルールに関するツイートからです。そのルールとは、上位クラスに避難しやすい教室を割り当てるというもの。

投稿者は、桜花ゼミナールのモデルと言われている大手塾でそうしたルールを運用していたら驚きと語っています。しかし、これは人命にかかわることなので、実際にあったら問題になるかも知れません。

こちらの感想・評価は、漫画二月の勝者を読了したという方のものです。先ほどリアルで面白いという感想を紹介しましたが、こちらの方はリアルすぎて嫌な気持になってしまったといいます。

感想は人それぞれですが、「過ぎる」と感じた場合には精神的にストレスを受けていることになるのかも知れません。ただ、この方も取材がしっかりとできていることに関しては異論もなく、評価しているようでした。

最後に紹介する二月の勝者に関する感想や評価は、二月の勝者に登場する名言に疑問を投げかけている方のツイートからです。その名言とは、「凡人こそ中学受験すべき」というもの。

個々の学力レベルを無視して最難関中学を目指すカリキュラムを、プロのユースチームに放り込まれた運動神経が少し良いアマチュア選手に例えていました。息子さんでの経験を踏まえて、猛烈なスパルタ教育についていけなくなった子供の受けるダメージを気遣っているようでした。こうした視点も必要なのかもしれません。

二月の勝者のモデルまとめ

ここまで、二月の勝者の舞台となる桜花ゼミナールにはモデルがある?と題して、二月の勝者に登場する塾や志望校が実在するかどうかを調査してきました。いかがでしたでしょうか?

まとめのイメージ

桜花ゼミナールには特定のモデルはありませんが、日能研のシステムを参考にしていたり、建物や教室の大きさなどは栄光ゼミナールに、合宿を行うところは早稲田アカデミーに似ていることがわかりました。また、フェニックスについては難関中学の6割の生徒が出身であるという事実からSAPIX(サピックス)がモデルの塾と考えられます。

その他、この記事では、名言や名セリフの宝庫と言われる二月の勝者から代表的なものをいくつか紹介しました。それら以外にも名言・名セリフがたくさんありますので、コミックスを読んだり今年(2021年)10月に放送が予定されているドラマを見て、胸に刺さる言葉を探してみるのも面白いかも知れません。

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