2018年03月16日公開
2018年08月29日更新
キングダムの合従軍襲来編が面白い!登場キャラクターや函谷関の戦いまとめ
キングダムの中でも特に人気の高い「合従軍襲来編」について、登場キャラクターや函谷関の戦いを合従軍発足からその終結まで、順を追ってまとめていきます。史実には残っていない、キングダムのオリジナルで面白いストーリーを振り返ってみましょう。
目次
キングダムでの合従軍の発足の流れ
キングダムで登場する合従軍とは?
合従軍とは、強国の勢いを落とすため、他の国々が協力し集まった軍です。キングダムでは、秦の前にも斉に対して発足されたことが触れられています。史実では、キングダム作中同様、五国が秦を倒すべく協力して軍を立ち上げたとされています。
秦の打った天下統一の布石が発端
合従軍は秦が山陽を攻略したことに端を発します。キングダム作中では趙の元三大天・廉頗(れんぱ)を破り、山陽を攻略します。この時、飛信隊は千人隊へと昇格します。しかし、この頃、趙の李牧は秦の山陽攻略で生じた天下統一の兆しにいち早く気付き、合従軍発足へと動き出します。
キングダム作中では、楚が秦に侵攻を始め、それに連携して魏が侵攻した楚軍に向けて軍を発します。その後、燕、韓、趙も秦に向けて軍を発し、それを知った秦はこれが合従軍によるものだと気付きます。秦の宮中では唯一、軍を発して無い斉に同盟を持ちかけ、秦に侵攻しないことを約束させます。また、軍部では函谷関で戦った時だけ、秦は合従軍に勝つ確率が辛うじてあると導き出します。
函谷関の戦い:秦側のキングダム登場キャラクター
【合従軍襲来編】函谷関右翼のキングダム登場キャラクター
函谷関の右翼には、王騎将軍なき後の軍を継いだ騰将軍、秦国一の攻め手とされる蒙武将軍が布陣します。騰軍には信と同じく千人隊となった楽華隊と王賁隊が配置されています。また、そのさらに右側、函谷関から一番遠い右翼の端には、本能型の名将・麃公将軍とキングダム主人公の信率いる飛信隊が布陣しています。
【合従軍襲来編】函谷関正面のキングダム登場キャラクター
主戦場とされる函谷関には左翼に総大将の蒙驁将軍、中央に秦の抱える大将軍の一人・張唐将軍、そして右翼に野盗から将軍になった桓騎将軍が布陣しました。ちなみに、函谷関の城壁の高さは史実では66メートルとされています。これは現代の高層ビルと大差ありません。いかに敵軍が攻めずらい場所かわかります。
【合従軍襲来編】函谷関左翼のキングダム登場キャラクター
函谷関の右翼には、蒙驁将軍のもう一人片腕・王翦将軍が布陣していました。全体の布陣をみると、函谷関で総大将の蒙驁将軍が左翼よりにいるのは王翦将軍と連絡を取るためだと伺えます。また、函谷関の左翼は山間の侵攻し辛い場所であったため、三人の武将が守りを固めていた右翼と違い、左翼を守るのは王翦将軍のみです。
函谷関の戦い:合従軍側のキングダム登場キャラクター
【合従軍襲来編】函谷関右翼のキングダム登場キャラクター
秦の右翼、騰軍、蒙武軍に対するように合従軍側では楚軍の汗明、臨武君、禍燐が布陣します。さらに右翼の麃公軍に対するのは趙軍の慶舎、公孫龍、万極、李白が布陣します。趙軍は12万、麃公軍は4万と圧倒的に麃公軍、不利な状況でした。敵方にキングダム主人公が所属しているので、面白い展開にするためか、描かれるキャラクターも他の部分より多くなっています。
【合従軍襲来編】函谷関正面のキングダム登場キャラクター
函谷関正面には、様々な発明品を武器に戦いをする魏軍の呉鳳明、毒を主体として戦う韓軍の成恢が布陣します。また、その後ろにはキングダムではお馴染みのキャラクターとなった最大の敵・李牧、そして、合従軍盟主を務める楚軍の春申君が合従軍本陣を構えています。
【合従軍襲来編】函谷関左翼のキングダム登場キャラクター
函谷関の左翼には、秦軍が王翦将軍一人に守らせているように、合従軍側も燕国のオルド将軍のみが布陣します。しかし、このオルド将軍の軍は、山間部攻略を得意とする部隊があり、函谷関左翼の攻略には打ってつけの配備となっています。
キングダムで描かれる函谷関での戦い:緒戦
キングダムでは合従軍盟主・春申君の指揮により楚軍の臨武君の号令と共に開戦となるはずでしたが、そこに秦の麃公が割り込み趙軍に突撃を開始します。ここに史実にも残る大戦が始まります。史実では紀元前241年のことでした。キングダムで最初に描かれたのは、麃公将軍と趙軍・慶舎の戦いです。
超軍、慶舎と秦軍:麃公の戦い
麃公は皆さんもご存知のとおり、本能型とされています。そして、実は趙の慶舎も本能型。この戦いはキングダムで初めて本能型同士がぶつかり合う面白い展開となります。趙の慶舎は麃公が本能型なことを逆手にとり、火の起こし場所がないよう立ち回った上、わざと兵を無駄に動かし、罠を仕掛けます。まんまと罠にかかる麃公は趙の万極に背後を襲われ、大損害を受けますが、信の機転により乱戦へと持ち込みます。
麃公軍の殿で反転、万極とぶつかり合った信は、麃公軍の兵も巻き込み戦いを始めます。万極軍の強烈な怨念に押される飛信隊でしたが、信が政が目指す中華統一で怨嗟を断ち切れると説き、ついには万極を打ち破ります。
楚軍、臨武君と秦軍:騰の戦い
函谷関右翼もう一つの戦いは騰軍と臨武君軍の激しいぶつかり合いになりました。騰は臨武君によって軍団長二名を失い、臨武君との一騎打ちに燃えますが、楚軍の若手の武将・項翼と白麗によって妨害を受けます。そこに秦国、若手武将の蒙恬、王賁が項翼たちを相手取り、騰を臨武君との一騎打ちに集中させます。臨武君は騰の圧倒的な剣技の前に敗れてしまいます。
函谷関正面:主戦場での攻防
函谷関正面では魏の呉鳳明、韓の成恢による攻撃が始まっていました。呉鳳明は難攻不落の高き城壁を持つ函谷関に対して、新型の共闌車をもって攻め込みます。秦軍には動揺が広がり一時は攻め込めれましたが、桓騎が機転を利かせ共闌車に油を浴びせかけ、火矢を放ち燃やしてしまいます。
合従軍の15日作戦
緒戦で2将を失った合従軍は、二日目以降、楚軍・禍燐の策で凡戦を重ね秦国の弱体化を待ち、15日後を決戦の日とします。韓の成恢は7日目に函谷関に対して毒による攻撃を行い、来る15日に向けて秦国の戦力を削りました。その他、4国は15日目まで凡戦を重ねます。運命の15日目、函谷関のそれぞれの戦場で面白い展開が繰り広げられます。
楚軍、汗明と秦軍:蒙武の戦い
運命の15日目、まず動いたのは蒙武軍でした。蒙武は普段の猪突猛進な戦い方から一転。楚軍に対して斜陣がけという高度な戦術勝負を仕掛けます。これに対し楚軍6万、秦軍2万と数で勝る楚軍は焦らず乱戦に持ち込みます。しかし、蒙武の本命は斜陣がけによって広がった楚軍陣形の一点を貫いた先の汗明との一騎打ちでした。
汗明との一騎打ちの最中、蒙武を狙う刺客から父を守ろうとした蒙恬は誤って、二人の一騎打ちに割って入ってしまい、汗明によって一刀を浴びます。それに怒った蒙武は汗明を討ち果たします。その後も蒙武は楚軍を徹底的に攻撃し、見事勝利を収めます。一見、情の薄いように見える蒙武の親としての親愛が描かれる面白い展開となっています。
楚軍、禍燐と秦軍:騰の戦い
時を同じくして騰と禍燐の戦いが始まります。禍燐は戦象を持ち出し派手に戦闘を始めると、その影で軍を動かし、騰軍を包囲することに成功します。騰軍は防衛戦を迫られ、楽華隊、玉鳳隊を5千人隊に命じると、侵攻してくる部隊の背後を撃たせ、防衛を何とか成り立たせます。禍燐は時間を掛け騰軍を弱体化させていましたが、隣の汗明が負けたことで、軍を一時引きます。騰軍の戦いは粘りによる辛勝と言ったところでしょうか。
函谷関正面の戦い
魏の呉鳳明は新たに巨大床弩、共闌車を持ち出し、函谷関を果敢に攻め立て始めます。桓騎は共闌車内部に煙を撒き、敵兵を追い払うと、その中を韓の毒に犯されている張唐とともに降りて行きます。函谷関下の敵兵に潜り込んだ両将は比較的近くに陣取っている成恢に向けて侵攻を始めます。成恢は毒に冒される張唐の決死の一撃により討たれてしまいます。
燕軍、オルドと秦軍:王翦の戦い
これまで凡戦を続けていた函谷関左翼でしたが、オルドの部隊が絶壁を登り奇襲をかけたことで、王翦は要所を失い撤退を始めます。オルドは撤退した王翦を見失いはするものの函谷関裏に位置する断崖を見つけ、函谷関裏からの襲撃を画策します。ところが、王翦はその場に開戦当初から伏兵を仕掛けており、オルドは背後を取られ、撤退を決めます。燕は撤退後、動くことはなく、函谷関左翼は王翦の知略の勝利となります。
15日作戦の最後
各将の敗北により、頓挫したように思えた15日作戦でしたが、禍燐はひそかに函谷関裏に兵を回し、函谷関を攻めることに成功します。しかし、そこにオルドが撤退したことで手の空いていた王翦に策を読まれ、逆に攻撃を受けてしまいます。最後は王翦の手腕によって助けられ、秦国は無事函谷関を守りきることに成功します。
史実上の合従軍襲来編、函谷関の戦い
キングダムの時代、春秋戦国時代について残っている史実はあまり多くありません。合従軍襲来編については五国が集まり、秦を攻めたが咸陽近くまでは侵攻できたものの、秦の軍事力はすさまじく失敗に終わったことのみ記録に残っています。この史実の少なさから、合従軍襲来編がキングダム作者の原先生によって、いかに面白い戦いになる様、描かれているのかが分かります。
キングダムで描かれる合従軍襲来編もう一つの戦い:李牧の策
15日作戦に失敗した合従軍の裏で、キングダムでも信の最大の敵とされている李牧が動き始めます。秦には北の街道を守る函谷関ともう一つ、南の街道を守る武関があります。李牧は函谷関攻撃の最中、一番南に配属されている趙軍から数千人単位で、兵を南の街道へと送り込み、集まった四万の兵士に進軍を命じました。この別働隊の中にはキングダムの中でも圧倒的力を誇る龐煖(ほうけん)も含まれていました。
そんな別働隊の足を止めたのが、同じく函谷関右翼にいるはずの麃公将軍と飛信隊でした。麃公将軍は趙が部隊を動かしていることに気付くと即座に行動し、何とか別働隊の背後を突くことに成功します。ところが、李牧の戦術によって麃公は龐煖との一騎打ちに持ち込まれ、龐煖の腕を折ることに成功するも敗れてしまいます。飛信隊は麃公の遺志受け継ぎ退却、最終決戦の場所・蕞(さい)へと向かいます。
キングダムで描かれる蕞(さい)での最終決戦
麃公将軍を失い咸陽へと足を進めていた飛信隊でしたが、蕞がまだ戦火に飲まれていないのを見つけ、蕞で補給することに決めます。しかし、城門を開いた先で待っていたのは、秦王・政でした。宮中では、李牧の別働隊を止める軍がなく、絶望していましたが、秦王の政は自らが出陣することで、士気を高め蕞の住民を兵士にすることを決めます。これが蕞での七日間の戦いの始まりでした。
蕞での緒戦
李牧ははじめ投降を呼びかけますが、蕞の異様な指揮の高さに驚くことになります。李牧は蕞を囲み四方から蕞を攻め立てますが、士気の高い民兵、飛信隊、そして生き残った麃公兵によって、その侵攻を妨げられます。李牧は異様な士気を持つ民兵に対して、新たな策を打ちます。李牧は軍を二分すると片方を休息、片方を夜襲組みとし、夜通し見せ掛けの攻撃を仕掛けたのです。
戦いに慣れていない民兵達は夜襲による緊張のため、ほとんど眠ることが出来ませんでした。そんな中、二日目の戦いでも蕞の民兵達は士気を落とさず戦いました。飛信隊の活躍もあり、李牧の抱える精鋭、傅抵、カイネを退けることにも成功します。
政の打てる最後の一手
その後も士気の高さで三日目、四日目と持ちこたえる蕞の住民達でしたが、五日目ついに何もしなくても疲労により死人が出るようになります。そんな中、政が打った最後の一手は、自ら戦場で戦うことでした。政が戦う姿をみた民兵は再び息を吹き返し、趙軍への抵抗を始めます。しかし、その光景が趙兵に見つかり、政は趙兵から集中して攻撃を受け、一撃を受けてしまいます。
なんとか一命を取り留めた政は、その後も士気を高めるため、化粧をしてまで顔色を隠し、民兵の士気を高めて回ります。一方、李牧は政が蕞にいることを知り、兵力の温存をやめ、全力で蕞の攻略に乗り出します。なんとか六日目まで乗り切った秦軍はついに最終決戦日となる七日目を迎えます。
蕞の戦い:最終日
八日目ついに趙軍の攻撃に耐え切れなくなった西側の門が突破されてしまいます。城壁を突破され、あっという間に趙兵に占領される蕞の内部でしたが、その時、山の王・陽端和が援軍に駆けつけます。援軍の力はすさまじく一息に状況を逆転させる事となりました。しかし、そこで趙の三大天のひとり龐煖が再び現れます。
圧倒的武力を誇る龐煖に対して、キングダム主人公の信が一騎打ちに挑みます。キングダムの中でも最強と名高い龐煖ですが、信の成長もまた凄まじく龐煖と打ち合い、致命傷を負わすことに成功します。それを見た李牧は、ついに撤退を決め、函谷関、蕞どちらの戦いも失敗に終わりました。これで合従軍襲来編はお終いとなりますが、函谷関、蕞どちらの展開も魅力的で面白い構成になっています。
史実上の蕞での戦い
キングダム作中でも描かれていたとおり、史実上では蕞の戦いは、落とすことが出来なかったという記述のみ、残っています。つまり、蕞での戦いはその話全体がフィクションです。函谷関の戦いからも分かりますが、どれだけキングダム作者の原先生が面白いストーリーを作りこんでいるか伺えます。
合従軍襲来編の結末も面白い
合従軍のその後
キングダムでは函谷関で敗北した合従軍は、盟主・春申君の決定により、合従軍を裏切った、斉に向かって反転、侵攻します。その時、蒙武が合従軍の背を打ったとも描かれています。史実上では斉が実際に合従軍に攻め込まれたことが、記録に残っています。また、函谷関から打って出た軍があることも史実に記録されています。
秦国のその後
キングダム作中では合従軍を見事、破って見せた秦では論功行賞が行われます。特に功の厚い蒙武が第一功、その他、六将が特別大功となります。そして、特別準功として、蕞の住民、山の民、飛信隊・信、に対して与えられることになりました。そして、キングダム主人公信はこの功を持って、三千人将へと昇格をはたすことになります。
キングダム:合従軍襲来編まとめ
合従軍襲来編はキングダムのストーリーの中でも、特に人気のあるお話です。改めて、ストーリーを追ってみてどうだったでしょうか?キングダムでは春秋戦国時代の資料が少ないため、史実で忠実でありながらも自由で面白いストーリーが楽しめます。今一度、史実には残っていない面白いストーリーを読み直してみてはいかがでしょうか?