アルジャーノンに花束をのドラマあらすじ・キャストネタバレ！最終回の結末は？

「アルジャーノンに花束を」はダニエル・キイス著作の超知能を手に入れた青年の喜びと孤独を描いたヒューマニズム作品であり、作品の発表から半世紀以上の時を経ても世界中に愛され続ける不朽の名作です。本記事では2015年にドラマ化された「アルジャーノンに花束を」の最終回までのあらすじ、ネタバレと最終回の結末までご紹介します。また、あらすじをご紹介した後に本作への感想もまとめていきますのでぜひご覧ください！

「アルジャーノンに花束を」とは米国の作家ダニエル・キイスが1959年に中編小説として発表したSF小説です。翌年にはヒューゴー賞短編小説部門を受賞し1966年には長編小説として改作されネビュラ賞を受賞しました。まずは、原作の特徴やあらすじについてご紹介します。

「アルジャーノンに花束を」の原作小説は、従来のSF小説が宇宙や未来などを舞台とした物語であったことに比べ、知能指数を高める手術とそれに付随した事柄という限定された範囲でのSFを成立させています。そのためSFの多様性を表す作品のひとつとして位置づけられています。原作小説のあらすじも簡単にご紹介します。

主人公はチャーリーという知的障害を持つ青年です。彼は賢くなって、周りの友達と同じになりたいと願っており、ある日通っている学習クラスの担任・アリスから知能を向上させる脳手術を受けるよう勧められます。彼は手術で天才的な知能を得て、学ぶ喜びを知るとともに今まで理解できなかった真実に直面し苦悩します。本作は「経過報告」として綴られており、最終回まで彼の知能の変化に応じて文章のスタイルが変化していきます。

原作小説のあらすじをご紹介しましたが、ドラマと原作の違いやあらすじをご紹介する前にまずは本作の基本情報をご説明します。ドラマ「アルジャーノンに花束を」は2015年4月よりTBSにて金曜ドラマ枠として全10話にて放送されていた作品です。脚本監修を務めたのは挑戦的なテーマを扱いながらも一貫した人間愛を描き続け、数々のヒットドラマを生み出してきた日本を代表する作家・野島伸司です。

主演は人気・実力ともに備えている山下智久。子供の精神をもつ無垢な状態から天才的な知能を得るという振り幅の大きい難しい役に挑んでいます。また、ヒロイン役として映像世界で幅広い活躍を見せている栗山千明が抜擢されており山下と栗山はこの作品で初共演を果たしています。そのほかにも豪華なキャストを集結し原作の大切にしつつ現代風のアレンジを加えた「奇跡」の物語が紡がれています。

ここまで「アルジャーノンに花束を」の原作のあらすじ、ドラマ版の基本情報をご紹介しました。ここからはドラマ「アルジャーノンに花束を」にて不朽の名作に新たな命を吹き込む出演キャストについて基本情報から本作での役どころについて最終回までのあらすじも併せてご紹介していきます。

本作で主役を務めるのは日本の歌手、俳優、タレントの山下智久です。滝沢秀明にジャニーズ事務所に所属し、2003年よりNEWSのメンバーの一人として活躍。その後、アイドル活動だけでなく数々のドラマで主演を務め、2011年からはソロとして活動しています。現在は山下が主役を演じている医療ドラマ「コード・ブルー‐ドクターヘリ緊急救命」シリーズが絶大な人気を博しており、その演技力に高い評価を得ています。

本作で山下が演じる主人公・白鳥咲人は28歳だが知能は６歳児並みという知的障害者の青年です。彼は純粋で心優しい青年なのですが、外見は大人であり精神的には幼いために周りに誤解されることも多くトラブルが絶えませんでした。そんな彼は花の配送センター「ドリームフラワーサービス」で同僚の助けを借りながら働いていました。ある日、咲人は配達をきっかけにヒロイン・望月遥香と天才ネズミ・アルジャーノンに出会います。

遥香は咲人に知的能力を向上させる手術の被験者になることを持ち掛けます。自身の障害ゆえに母親に捨てられた過去がある咲人は賢くなるため、この手術を受けることを承諾します。手術は成功し咲人の知能は向上しましたが、それまで理解できなかった自身の境遇や事実を知り、咲人は人が変わったように他人を見下すようになります。しかし、遥香の行動をきっかけに他者を思いやることの大切さや優しさを取り戻していきます。

ヒロイン・望月遥香を演じるのは女優、モデルの栗山千明です。主役の山下智久とは今作「アルジャーノンに花束を」が初共演となります。5歳の時より芸能事務所に所属しておりティーン誌でのファッションモデルとして活躍。その後、女優へ転身することを決心し1999年に第1回ミス東京ウォーカーを受賞。映画「死国」にて女優デビュー。これまで数々のドラマや映画に出演し、2010年には歌手デビューと活躍の場を広げています。

栗山が演じる望月遥香は正義感が強く、心優しい性格の女性です。脳生理科学研究センターで研究員として働いており、ある日咲人と出会い知能を向上させる手術を彼に勧めます。しかし、知能の発達に伴い人が変わってしまった咲人を見て上司に疑問を持ち研究所を退職します。その後、真心を取り戻した咲人と惹かれあい、恋人になります。

咲人の同僚を演じるのは俳優・窪田正孝です。2006年にドラマ初主演を務め俳優デビュー。以降は主だった活躍はありませんでしたが、2014年～2015年にかけてTBS系にて「アルジャーノンに花束を」をはじめとする数々のドラマに出演し、助演男優賞や新人賞など多くの賞を獲得しています。

窪田が演じる柳川隆一は頭が良く、仲間に頼りにされる存在で仕事の能力も高いですが、どこか投げやりな雰囲気を持った青年です。複雑な家庭環境で育ち、母を助けるために詐欺を働き服役した過去を持ちます。純粋で人のよい咲人を利用し、うまくいかないことがあれば咲人に当たってしまうこともありますが、彼とかかわるうちに咲人の持つ真っすぐな姿勢や優しさを認め、本当の意味での友情が芽生えていきます。

咲人と窪田の同僚、檜山康介を演じるキャストは日本の俳優・工藤阿須賀です。父親はプロ野球監督の工藤公康、妹はプロゴルファーの工藤遥加。2012年にドラマで俳優デビューし、以降多くのドラマに出演し様々な役柄を演じています。

「アルジャーノンに花束を」で工藤が演じている檜山は無口で不愛想だが非常に心優しい青年です。家族に暴力をふるう父親を刺し、重傷を負わせてしまったため服役した過去を持ちます。出所後ドリームフラワーサービスに就職し、咲人とは寮で同室となります。はじめは咲人の幼さに呆れながらも彼を弟のようにかわいがっていましたが、咲人の変化に応じて二人の友情関係も変わっていきます。

これまで主要キャストの紹介と共に「アルジャーノンに花束を」のあらすじをご紹介してきました。まだまだ紹介しきれていない魅力的なキャストがたくさん出演していますが、ここからは最終回まで物語がどのように展開していくのか本作のキーワードである「アルジャーノン」と主人公「咲人」についてもう少し詳しくあらすじを解説していきます。

主要キャストの紹介・あらすじでもご紹介したように主人公・咲人は知的障害を持ち、同僚に利用されることも多々ありました。ある日、咲人は同僚のナンパでガラの悪い人に絡まれてしまいます。殴られて道端に転がってしまった咲人ですが、彼の前に一匹の「白いネズミ」が現れます。このネズミは遥香の勤める脳生理科学研究センターで行われている知能を向上させる研究の動物実験を施された天才ネズミ「アルジャーノン」でした。

アルジャーノンへの実験の成功を機に研究所で人への臨床試験が考えられる中、アルジャーノンは脱走し咲人の元を訪れました。アルジャーノンにはGPSがつけられており、遥香はアルジャーノンが咲人に保護されていることを特定し、引き取りに行きます。そこで自身の持つ障害を受け入れられなかった母に捨てられた過去を持つ咲人はアルジャーノンと自分の境遇を重ね「なぜ捨てたのか」遥香に問いかけます。

この境遇により咲人は賢くなりたいと願うようになりました。さらに、ある日咲人は同僚の柳川から対等な友人ではないと言われてしまいます。自分が賢くないから対等な友人ができないと深く傷つき涙を流す咲人を慰めるため遥香は彼を研究所へ誘います。アルジャーノンに会うことができて喜ぶ咲人に遥香と研究所の教授はアルジャーノンが施された手術を受けることを勧めます。賢くなりたい咲人はこの手術を受けることを決意します。

無事に手術を終えた咲人の知能は急速な成長をみせます。知能が向上したことで一時、咲人は心を閉ざしますが遥香の行動により元の優しさをとり戻し、研究所を離れた二人は心を通わせます。そんな中、咲人の前に手術を受けたアルジャーノンが日に日に異常な行動を見せるようになり、「幻覚」を見えていると推測されました。実は咲人もまた「父親の幻覚」を見ており、手術の副作用として「退行」現象が起こっていることが判明します。

これまでドラマ「アルジャーノンに花束を」の主要キャスト、最終回までのあらすじをご紹介してきました。手術の副作用が発覚し「退行」によって天才的な知能をいずれ失ってしまうかもしれない咲人。その恐怖に苛まれながら研究を続ける咲人は打開策を見つけることができるのでしょうか？「アルジャーノンに花束を」感動の最終回のあらすじ、結末をネタバレでご紹介します。

自分に残された時間がどれほどなのか不安を感じながらも研究を進める咲人。その最中にアルジャーノンは命を落としてしまいます。その後、退行を止めるための新薬が開発され、マウスに投与し安全性を確認する予定でしたが咲人はその前に自身に新薬を投与してしまいます。咲人はアルジャーノンや自分のような存在をこれ以上増やしたくなかったのです。咲人は新薬をもってしても退行を止めるすべはないことを悟っていました。

そんな中、友人が脳の病で危険な状態にあると知った咲人は残りの時間を手に入れた知能で友人を救うために使おうと決意します。研究を進め、手術を行うことになった咲人は手術を目前にして自身の退行が迫っていることを感じ、「もし僕が退行したら僕に会わないでほしい」と遥香に告げます。手術は成功し、友人が目覚めたと知った遥香はすぐに咲人の元へ向かいますが、咲人はすでに退行しており遥香を認識できなくなっていました。

咲人は退行する前に退行後の自分に向けて手紙を書いていました。その手紙の最後には「すべてがおわったら　なにもしんぱいしないで　あるじゃーのんのおはかでまっていて。たいとうのともだちがくるから」と綴られていました。この手紙を読んだ柳川と檜山は行方不明の咲人を探します。時は過ぎて２か月後、三人は海の家でハンバーガーを売っていました。そして咲人はこう言います。「かみさま、ぼくをかしこくしてください。」

「アルジャーノンに花束を」のあらすじを最終回までネタバレでご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか？あらすじでは伝えきれていない作品の魅力はまだまだありますが、このドラマ化「アルジャーノンに花束を」を観た視聴者の感想や評価のほども気になります。そこで、ここからはドラマ「アルジャーノンに花束を」を観た感想や評価をまとめてご紹介していきます！

知能を人工的に向上させる手術や人体実験など現実ではおよそあり得ないものを題材にしており「現実的ではない」などの意見が多数見受けられていましたが、その非現実的な内容を脚本、演出、キャストの演技力によりリアルに見せ、まるで現実に起こっている物語のように見せる手腕に感動する感想が多くありました。

ドラマ「アルジャーノンに花束を」について調査していくと、作品の良さはもちろんのこと主演の山下智久の演技に対する評価が数多くありました。山下はこれまでクールな役を演じることが多く、今作のようなふり幅のある難しい演技をこなせるのか不安の声もあったようです。しかし、この作品での山下の繊細な表現力に感動する意見が多く、「俳優として一皮剥けた」などの絶賛の意見が多く寄せられています。

2015年の放送から3年経過している本作品ですが、「再放送を見て泣いた」などの感想に加え録画やDVDを見直しての感想など多く寄せられ、中には再放送を見てこの作品のファンになった方もいるようです！視聴者に何度でも見たいと感じさせ、内容や展開を知ったうえでも思わず涙を流してしまう作品は多くはないでしょう。原作との違いはありますが、新たな表現方法で人々に感動を与える作品として評価を得ていると言えるでしょう。

本作では様々な愛の形が描かれており、咲人と遥香の愛や柳川や檜山との友愛はもちろんのことあらすじではご紹介していない研究所の教授と咲人との間に生まれる情や咲人が父親から与えられていた愛情など多くの面で視聴者を魅了しているようです。これらの愛を表現するうえで温かい愛情のみならず切なさや辛さを交えて描くことで作品を観た人の心に響き、深く心に刻まれた作品となったのではないでしょうか。

本記事ではドラマ「アルジャーノンに花束を」のあらすじから最終回の結末までご紹介しました。本作では「対等な友人」と新たな生活を始めるなど原作と比較して明るい結末となっており、その他にもあらすじではご紹介しきれていない魅力も多いです。本記事でのあらすじだけでなく、長年にわたって世界に感動を与える名作を新たに描いた「アルジャーノンに花束を」、ぜひ一度実際に視聴してみてはいかがでしょうか？