浅見光彦殺人事件のドラマあらすじ・結末をネタバレ!原作小説との違いはある?

内田康夫の推理小説である浅見光彦シリーズ。フジテレビで制作されたドラマ「浅見光彦シリーズ」で主演を務めた中村俊介さんが卒業となり、その最後に出演された作品となったのが「浅見光彦殺人事件」です。この記事では「浅見光彦殺人事件」のあらすじネタバレ、また原作との違いもご紹介していきます。更に「浅見光彦殺人事件」に出演したキャストの紹介、視聴者の感想も一緒にご紹介しますのでお楽しみください。

浅見光彦殺人事件のドラマあらすじ・結末をネタバレ!原作小説との違いはある?のイメージ

目次

  1. 浅見光彦殺人事件のドラマあらすじが気になる!
  2. 浅見光彦シリーズとは?
  3. 浅見光彦殺人事件のドラマキャストを紹介!
  4. 浅見光彦殺人事件のドラマあらすじをネタバレ!
  5. 浅見光彦殺人事件のドラマの結末をネタバレ!
  6. 浅見光彦殺人事件のドラマと原作小説の違いとは?
  7. 浅見光彦殺人事件のドラマを観た感想や評価を紹介!
  8. 浅見光彦殺人事件のドラマあらすじ・結末ネタバレまとめ!

浅見光彦殺人事件のドラマあらすじが気になる!

中村俊介が主役である浅見光彦を卒業する前の、最後の作品となった「浅見光彦殺人事件」。この記事では「浅見光彦殺人事件」のあらすじネタバレ、最終回のあらすじネタバレ、また原作小説との違いをまとめてご紹介していきます。あらすじネタバレだけではなく、浅見光彦シリーズやキャストの紹介もしていきますので最後までお楽しみください。

浅見光彦シリーズとは?

浅見光彦シリーズの原作者は?

浅見光彦シリーズを生み出した原作者は内田康夫さんです。1934年11月15日生まれの内田康夫さんは、2018年83歳の時に敗血症で逝去されました。日本の推理作家で、西村京太郎、山村美佐と並び旅情ミステリー作家の代表的人物として知られていました。1980年に第一作「死者の木霊」、翌年1981年には第二作「本因坊殺人事件」をそれぞれ自費出版します。

初期2作のうち「死者の木霊」が新聞の読書欄で紹介され話題となり、第三作目となる「後鳥羽伝説殺人事件」が商業ベースのデビュー作となります。この「後鳥羽伝説殺人事件」は浅見光彦シリーズの第一作でもあります。「浅見光彦殺人事件」の放送は2018年3月29日だったのですが、同月13日に亡くなられた為、ドラマ前に追悼のテロップが流されていました。

浅見光彦シリーズの基本情報

「浅見光彦シリーズ」は最初に刊行された「後鳥羽伝説殺人事件を」最初として、なんと100以上の数が出されている大人気の推理小説シリーズです。テレビでは日本テレビが「火曜サスペンス劇場」の枠にて「浅見光彦ミステリー」として、8作品が放送されています。また、TBSとフジテレビでもそれぞれ「内田康夫サスペンス浅見光彦シリーズ」として制作がされています。

「浅見光彦シリーズ」では主人公でルポライターをしている浅見光彦が、殺人事件に巻き込まれそれに対して持ち前の好奇心で独自の調査を行い事件を解決していく物語になっています。また原作者である内田康夫の名前は作中でも登場し小説家・内田康夫としてプロフィールは原作者に準じています。

浅海光彦シリーズ最後となる「孤道」は毎日新聞で連載されていましたが、途中で原作者・内田康夫に軽度の脳梗塞が見つかり入院したことで2015年に連載が終了しました。この時点では後日書下ろしとして刊行する予定でしたが、2017年に執筆活動が難しくなり作家活動を休止していました。「孤道」は連載分を一旦本にまとめて出版し、物語の結末については一般から広く募集し、最優秀作を完結編として刊行することになりました。

浅見光彦殺人事件のドラマキャストを紹介!

中村俊介/浅見光彦役

浅海光彦役を演じたのは中村俊介。1975年2月16日生まれ、RUBBER SOUL所属の俳優です。雑誌「メンズクラブ」のお読者モデルオーディションでグランプリを受賞したことをきっかけに芸能界に入り、モデルデビューしました。俳優デビュー初作品は1997年、「時をかける少女」。

2003年に「浅海光彦シリーズ」で浅海光彦役を榎木孝明より引き継ぐと、同年から最後の「浅海光彦殺人事件」に至るまで16年間・合計39作を演じました。

主な出演作品

  • 熱血!周作がゆく
  • ツーハンマン
  • アタックNo.1
  • ハンチョウ〜神南署安積班〜
  • 遺留捜査
  • ROCKERS

上原多香子/寺沢詩織役

「浅見光彦殺人事件」でヒロインを演じたのは上原多香子、1983年1月14日生まれ。1996年にアイドルグループ・SPEEDのメンバーとしてデビューし、グループ解散後は写真集を発売したり、舞台、演技などに挑戦していました。私生活では2012年にET-KINGのMC・TENNと結婚したものの、2014年に夫・TENNが自殺。原因が上原多香子さんの不倫にあると報道され、世間を騒がせました。

2018年現在は演出家のコウカズヤと再婚し、妊娠中の身であるようです。TENNのこともあり、現在の芸能生活については順調とは言いがたそうです。

山下容莉枝/寺沢美咲役

「浅見光彦殺人事件」で寺沢詩織の母役を演じたのは山下容莉枝、1964年9月29日生まれ。1984年に文学座を卒業し、夢の遊眠社という劇団に入り個性が注目される。同劇団が解散してからはテレビドラマに主軸を移し、様々な作品に出演します。また。スタジオジブリ作品「おもひでぽろぽろ」や「耳をすませば」にも出演されています。

遠山俊也/寺沢大輔役

「浅見光彦殺人事件」で寺沢詩織の父役を演じたのは遠山俊也、1962年8月31日生まれ。山下容莉枝と同じく劇団「夢の遊眠社」に所属し、俳優活動を本格化させていきました。同劇団は浅野和之や田山涼成など名脇枠を輩出しています。遠山俊也自身も名脇枠として「コード・ブルー」や「ハンチョウ」、「リーガルハイ」など数多くの人気ドラマに出演されています。

平賀雅臣/寺沢豊役

「浅見光彦殺人事件」で寺沢詩織の叔父・寺沢大輔の兄を演じたのは平賀雅臣、1985年3月24日生まれ。元劇男零心会や劇男一世風靡の団長であり、映画・テレビドラマにて活躍しています。映画・テレビでは主に脇役としての出演が多いですが、数多くの作品に出演されています。

真瀬樹里/寺沢雅子役

「浅見光彦殺人事件」で寺沢詩織の伯母・寺沢豊の妻役を演じたのは女優の真瀬樹里、1975年1月1日生まれ。「浅見光彦シリーズ」に出演し、この記事で紹介している「浅見光彦殺人事件」に映像出演した野際陽子の娘です。父親である千葉真一や母・野際陽子の影響もあり、5歳の時から女優を目指すことを決意。幼少時から様々な習い事で己を磨き、1994年映画「シュート!」でデビューを果たします。

田中健/添島良三郎役

「浅見光彦殺人事件」で寺沢詩織の父・大輔と同じ会社の常務役は田中健、1951年3月6日生まれ。1972年に「あおい健」として歌手デビューを果たします。1990年からはケーナ奏者としての活動も行っています。数多くの映画やドラマに出演しています。私生活では女優の加賀まりこの姪である加賀千景と再婚しました。

大河内浩/川根弘三役

「浅見光彦殺人事件」で事件解決へと動く広島北警察署の刑事・川根弘三を演じたのは大河内浩、1956年5月11日生まれ。プロダクション人力舎に所属している俳優です。1980年に「必殺仕事人」に出演しテレビ役者デビューを果たしてからは、「水戸黄門」「踊る大捜査線」「そして父になる」など現在まで様々な作品に出演しています。舞台、映画、テレビドラマなどで活躍されています。

野際陽子/ 浅見雪江役

「浅見光彦殺人事件」や同シリーズで浅見光彦の母役を演じたのは野際陽子、1936年1月24日生まれ。「浅見光彦殺人事件」の収録前、2017年6月に81歳で亡くなっておりこの作品では映像出演となりました。元々NHKのアナウンサーでしたが、NHK退職後に女優活動を行うようになります。テレビドラマでは「やすらぎの郷」、映画では「いつまた、君と~何日君再来~」が遺作でした。

伊東四朗/内田康夫役

「浅見光彦殺人事件」で小説家・内田康夫役を演じたのは伊東四朗、1937年6月15日生まれ。元々は舞台の出演から始まり、1977年にTBS系ドラマ「ムー」で人気を博し、1983年にNHK連続テレビ小説「おしん」の父親役に抜擢され爆発的な大ヒット。バラエティ番組「伊東家の食卓」ではお父さん役で10年出演し、俳優の顔としてだけではなくバラエティでの人気も高くなりました。

浅見光彦殺人事件のドラマあらすじをネタバレ!

「浅見光彦殺人事件」のあらすじネタバレをご紹介していきます。「浅見光彦殺人事件」は結末を知るともう一度始めから見たくなるような作品となっており、順を追って紹介していきます。

「浅見光彦殺人事件」のあらすじネタバレ①思い出のトランプの本

物語の始まりは寺沢詩織の父・大輔が広島の出張先で亡くなる場面からでした。大輔は亡くなる直前に娘の詩織に電話をしていました。その内容は「思い出のトランプの本の謎が解けた」ということ。「思い出のトランプの本」とは詩織の母が死ぬ直前に言い残した「思い出のトランプの本を守って…」という言葉から来ています。父は出張中に「思い出のトランプの本」についての謎が解け、そして何者かに殺されてしまったのでした。

父の兄夫婦はたまたま旅行で近くにおり、詩織と共に亡くなった大輔を確認します。その場には詩織と叔父夫婦、大輔の会社の常務である添島と部下の野木・安田、広島北警察署の川根と部下の刑事とが集まりました。詩織は「思い出のトランプの本」の話をします。また警察は怨恨の線で疑っていますが、詩織は父が恨まれるような人間ではないと信じていました。

しかし実際には父は成都物産(大輔の勤める会社)と他社の合併を進めており、合併の際にはその会社の持つ工場を潰し多くの人員をリストラするという話がありました。計画を押し進めようとする中、合併先の会社で強い反発をしていた人間が殺されるという事件があり、それに関する恨みではないかと言われます。優しい父の知らない一面に詩織は動揺します。また母も昨年亡くなっている詩織は寂しさを抱えていました。

「浅見光彦殺人事件」のあらすじネタバレ②探偵ごっこは禁止に

「浅見光彦殺人事件」のあらすじネタバレで一方の浅見光彦は家で兄と、内田康夫と共に雑談をしていた。浅見光彦の母・雪江は世界一周旅行中でした。旅先からの手紙には「探偵ごっこは禁止」との旨が言い渡されます。今までの事件の活躍もあり、SNSで顔が映されて有名になってしまったようです。

しかし光彦も寄稿している「旅と歴史」の編集長である藤田克夫(小倉久寛)から、寺沢大輔が亡くなった事を聞かされ事件に興味を持ちます。寺沢詩織の母である寺沢美咲は小説家ですが、浅見光彦と同じ旅行雑誌に寄稿をしていたのです。寺沢詩織の伯母・雅子と共に映った写真と共に旅行記を書いている為、浅見光彦もその存在を知っていたのでした。

「浅見光彦殺人事件」のあらすじネタバレ➂詩織と浅見光彦

「浅見光彦殺人事件」のあらすじネタバレで、ある日詩織は誰かにつけられ帰路を急いでいた。後ろから迫ってきていたのは浅海光彦でした。浅見光彦は名刺を取り出し自身がルポライターで母を知っていると伝え、力になりたいと詩織に話しかけてきたのであった。「思い出のトランプの本」が事件に関係しているかもしれない、という浅見光彦は連絡先を伝え去っていく。

後日詩織は夜の帰宅時、家に入る前に家の鍵が壊されている事に気づいた。家に空き巣が入ったのです。家の中を確かめている内に呼び鈴がなり、ゴルフドライバーを手に玄関へ行くと浅見光彦だった。窓から逃げたという犯人を浅見光彦が追い、兄に探偵ごっこがバレるとまずい為警察には自分の存在を明かさないでほしいと言った上で詩織は警察を呼んだ。

警察が詩織の家に来ている最中に電話が入り、それは犯人を捕まえられなかったと言う浅見光彦からのものだった。次の日の朝、浅見光彦は詩織の家の玄関の鍵を直していた。去年母が亡くなり、父さえも失ってしまった詩織は浅見光彦に頼るようになっていきます。

「浅見光彦殺人事件」のあらすじネタバレ④詩織と野木

野木は詩織の父・大輔の部下であり、詩織の元恋人でもあった。父の荷物を会社に取りにいった詩織に「やり直さないか」としつこく迫ります。「部長に詩織をよろしくって頼まれたんだ」と言いますが、実はそれ自体は嘘でした。しかし彼の愛情自体は本物です。

福岡支社に異動となった野木は、福岡で暮らし始めて一週間経った頃に詩織に手紙を書いていました。その内容には「部長ご夫妻が結婚式を挙げた柳川に行った。そこで僕は観光客が持っていたあるものを見つけた。これこそ寺沢部長の死の謎を解く鍵ではないかと思い、調べてみることにした」というものでした。

詩織にふさわしい男だと証明するために謎を解き明かすと言う野木。手紙の中には次の日曜日に上京する、と書かれていましたが実際には来ませんでした。気になった詩織は会社に電話しますが、なんと野木は行方不明になっていました。そこで詩織は浅見光彦と連絡をとろうとします、ところが電話はつながりません。

携帯を諦め浅見光彦の家の番号に掛けると、出たのはお手伝いの吉田須美子(藤田瞳子)。電話は取り次いでもらえなかった代わりに、「鷺宮の寺沢詩織です、私はこれからとても大切な用件で柳川に向かいます」と伝言を頼みます。広島北警察署の刑事にも柳川へ向かうことを伝え、詩織は柳川へと向かうのでした。

「浅見光彦殺人事件」のあらすじネタバレ⑤詩織と浅見光彦の急接近

「浅見光彦殺人事件」のあらすじネタバレで、福岡県の柳川市へ向かった詩織。以前一緒に映った野木との写真を見せながら人に聞いて回りますがなかなか見つけられず、野木が使ったレターセットに書かれた文字である旅館へと向かいます。一方の浅見光彦も詩織を探しに柳川へと来ていました。

警察に不審者と勘違いされるものの、普段の様に警察庁刑事局長の弟だとわかると直ぐに解放されます。そして以前解決した事件の犯人「下川健一」の話が話題に上がりました。下川健一は合併先の社員が殺された件の犯人ではないかと言われています。

詩織は旅館先でテレビを見ている最中に、野木が殺された事を知り精神的に追いやられていきます。そこでタイミングよく浅見光彦から電話が掛かってきます。「どうして電話に出てくれないんですか…私を一人にしないで」と泣きながら言います。その後浅見光彦と会った時には思い切り抱きしめます。浅見光彦も優しく包み込み詩織に口付けまで…。

その夜「僕が見守ってますから安心して休んでください」と詩織を宥め同じ部屋に泊まる浅見光彦。詩織が休んだ後に、窓の方を向きながら小さなビンの中に入れられたパールのキーホルダーを見つめ、何ともいえない表情をします。

次の日2人で柳川付近を調査する2人は、北原白秋博物館へ行ったことで「思い出のトランプの本」と同じものを発見します。それはダイヤのクイーンが表紙に書かれた「思ひ出」という本でした。

後日東京へと戻った2人は改めて詩織の家の書斎、美咲の本棚を確認します。本があったと思われる部分にはほこりがたまり、この前の空き巣以前、美咲が亡くなるより前に抜かれているのだとわかりました。その後広島の警察署の刑事が線香を上げに詩織の家へと訪れました。この本の存在を知られたくない誰かが野木を殺したんだろう、と推測しているようです。

刑事が帰る時にふと外を見れば、詩織は警察に見張られていることに気づきます。その後タイミング良く伯母から電話が掛かってきて、伯母に言われ仏壇の棚を調べた詩織は「思ひ出」を発見し、浅見光彦を呼びます。しかしそれは発行日から見て偽物でした、ただ本の中には父・母・子で映っているある親子の写真が挟まれていました。浅見光彦は「警察の言うことは信用しないでください」と写真を持って出て行きます。

「浅見光彦殺人事件」のあらすじネタバレ⑥誰も信用できなくなる詩織

「浅見光彦殺人事件」のあらすじネタバレで、警察が家に来て、その後に電話を掛けてきた伯母、都合よく仏壇から見つかる偽物。浅見からの話もあり不信感を抱いた詩織は伯母のところへ向かいます。母・美咲は死ぬ前に「思ひ出」を雅子へと預けていました。そして雅子は「私もあの時病室にいたのよ」と美咲の「思い出のトランプの本を守って…」という死に際の言葉はおそらく自分に向けられたものだと言います。

それを詩織に隠していたのはある人物に「あなたが本を持っているでしょう」と亭主にさえ言っていない秘密を言い当てられたこと、「詩織の為」だということからでした。伯母の元にきたその人は広島の警察の人と共にやってきたのだといいます、そして本物はその人が持っているという話も聞いた詩織。その人とは浅見光彦でした。本物の本に挟まれていた写真を見て「犯人がわかった」と言っていたようです。

今まで信用し頼ってきた浅見光彦の矛盾した行動もあり、詩織は動揺します。そして誰も信用できない、と伯母の家から帰っていきました。自宅に戻り両親の昔の写真を見る詩織、両親の結婚式の写真を眺めながら「もしかして…」と何かに気づいた様子です。そこで父の部下、現在は社長になった添島から着信がありました。

浅見光彦殺人事件のドラマの結末をネタバレ!

浅見光彦が刺される?

「浅見光彦殺人事件」結末のあらすじネタバレは、どこかの別荘に場面が切り替わります。ソファーに腰掛ける添島の元には、浅見光彦が会いに行っていました。部下を殺してまで手に入れたかった写真はこれですね、と親子の写真を添島の前に出します。写真の添島はパールのネクタイピンをしていました。

更に話をしようとする浅見光彦の前に予想せず詩織が現れました。「全てを明らかにする」という言葉で添島が呼んでいたのです。「君は秘密に近づきすぎた」という言葉と共に、添島は詩織を包丁で刺そうとします。しかしそこで浅見光彦が詩織をかばい、刺されてしまいました。

深手を負った浅見光彦はパールの入ったキーホルダーを詩織に渡し「逃げて!」と詩織を逃がそうとします。後を追う添島を止めようとしますが、段々と出血して白いシャツは血に染まり仰向けに倒れこんでしまいました。詩織は飛び出て逃げ出し、添島が追います。たどり着いた先は崖となり、これ以上は前へ進めないという状態まで追い詰められてしまいます。

危険な状況の中、広島警察の刑事と浅見光彦が現れます。浅見光彦の元へいく詩織が「無事だったのね…」と手を握ると優しくその手をのけ、「いいえ、彼の遺体は添島さんの別荘で確認してきました」と言います。驚きを隠せない詩織に刑事が「この人が本物の浅見光彦さんです」と説明しました。実は詩織に接触していた浅見光彦は偽者だったのです。

偽者の正体は添島が愛人の下川純子に生ませた子供・下川健一でした。親子写真に映っている子供こそが下川健一だと判明します。下川健一は浅見光彦そっくりに整形していたのです。柳川に行く前に、浅見光彦の家に電話したことがきっかけで本物の浅見光彦が動くことができたようです。伯母に会いに行った浅見光彦は本物の浅見光彦でした。下川を揺さぶる作戦で偽物の本の間にわざと写真を隠して更にわかりやすく発見させたのです。

下川健一はいつか浅見光彦が解決した事件の犯人だったと聞かされる詩織。浅見光彦は真実を語りだします。母が亡くなって孤独になった下川を大学まで出させ、事件の裁判では優秀な弁護士をつけて執行猶予まで勝ち取ったくれた父・添島の力は絶対でした。合併先の会社の人間を殺したのも下川であり、添島の命令だったのです。下川はその殺人を犯す際に元の顔で防犯カメラに映ってしまい、その後整形をしていました。

浅見光彦と同じ顔に整形した理由は恨んでいたということ。また同じぐらいの年齢で生まれながらにして何もかも違う浅見光彦を妬んでいたともいいます。詩織の父を殺したのも下川健一でした。添島は出世の為に成都物産創業者の孫娘との縁談を選び、当時秘書でもあった下川純子とその息子を捨てました。しかしその関係を詩織の母・美咲は下川純子から聞き写真をもらい知っていたのです。

母・美咲は30年前に添島に会った際、自分が下川純子から写真を受け取った事を話してしまいました。口外しないと美咲はいいましたが、添島は安心できずに美咲の夫(詩織の父)を近くに置き部下にしたと言います。美咲が死んだとしり心底ほっとしたという添島は今までの鬱憤があり、詩織の父に汚い仕事を押し付けていたようです。それが合併の話でした。

詩織の父が「本の謎が解けた」と電話しているのを発見し、健一に殺害させました。野木も同じ理由でした。しかし本物の浅見光彦でもわからない謎がひとつありました。優しい寺沢大輔なら写真を見ても口外するような事はないのになぜ殺したのかという点です。それは偽浅見光彦が詩織に渡したパールによって判明します。

下川健一の母は飛び降り自殺という処理をされていますが、実際には添島が突き落としておりその瞬間に最後の力で添島のネクタイピンを握り締めていたのです。写真にはパールのネクタイピンが映っている為、殺人の証拠ともなりえる写真です。だからこそ添島は写真を回収しようとしていました。母親の死の真相に気づいた為、下川健一は添島の別荘に来て詰め寄っていたのです。

「私の邪魔をするやつは誰だろうが許さない、私は正義だ!」といいながらも、膝をつく添島。警察が手錠をかけ連れて行きました。夕暮れに変わる崖のそばで、詩織は「あの人…私のことも殺そうと近づいてきたんでしょうか」と言います。浅見光彦は「場合によっては命令が下ったかもしれません、しかし彼はそうすることはなかったでしょう」と返します。

浅見光彦がそう答える理由に「母親を殺したのが添島だと気づいたから…」という詩織。「それだけじゃないと思います。僕は本当の理由が他にあるような気がしてなりません」そう浅見光彦がいうと、口付けた時や最後に逃げてと伝えた彼の姿を思い浮かべる詩織。両親を失い悲しみに打ちひしがれる詩織は本物の「思ひ出」を浅見光彦から受け取り、その本の最後に母の言葉が見つかります。

「大輔さんに出会えて詩織に出会えて、私は二人の思い出の中で生き続けることができる。本当に幸せな人生だった」それを見た詩織は涙を流し、浅見光彦は「あなたは一人きりなんかじゃない」と言葉をかけました。叔父夫婦がその場に駆けつけ、詩織と伯母は抱き合っていました。

浅見光彦殺人事件のドラマと原作小説の違いとは?

原作では叙述トリックが用いられている

原作の「浅見光彦殺人事件」では叙述トリックが使用されています。叙述トリックは読者の先入観や思い込みを利用して、一部の描写をわざと伏せたり曖昧にすることで読者にミスリードを仕掛けるトリックのことです。

原作の「浅見光彦殺人事件」では寺沢詩織の視点をメインにして話が進みます。本物の浅見光彦は不審者の木下という形で登場していました。詩織視点では最初に浅見光彦を名乗った人物を本物だと思ってしまう…ということです。「浅見光彦殺人事件」は原作のシリーズの中でも映像化が難しいと言われていました。映像にしてしまうと一発で別人とばれてしまうからです。

しかし原作とは違い「犯人が整形した」とすることによって、見た目には浅見光彦という風に映る様に工夫がなされていました。原作では犯人は整形していません。また原作の中でも特殊なのが「浅見光彦殺人事件」で、本の袖の部分には「この本は浅見光彦シリーズを三冊以上お読みになった方以外はお買いにならないでください」と書かれています。

なぜかというと浅見光彦という人物を知らないと「浅見光彦殺人事件」は楽しめないからです。逆に多く読んでいる人ほど楽しめる作品かもしれません。ドラマ版と原作では寺沢詩織の母の性格も違うため、興味がある方は原作もチェックしてみてください。

原作では光彦の母が出てこない

「浅見光彦殺人事件」の原作では一切母の雪江は出てきません。しかしドラマでは最初にも母の存在が仄めかされ、エンディングでも登場します。撮影時期がぎりぎりぐらいだったのですが、野際さんは撮影前に亡くなられており新しいシーンはありません。

野際さんを映像出演させているのは追悼の意味と、中村俊介さんが最後の浅見光彦役だったからではないかと言われています。「光彦、また探偵ごっこですか」とお決まりの場面が使われていることで、視聴者からは野際さんへの愛を感じるという声がありました。

浅見光彦殺人事件のドラマを観た感想や評価を紹介!

「浅見光彦殺人事件」のドラマを観た視聴者の感想をご紹介します。中村俊介さんが最後の出演ということで、惜しむ声が多く見受けられました。

中村俊介さんの演じる浅見光彦が好き、という声も多く最後の作品であることに残念だと言う視聴者が多かったです。また今回の作品では一人二役を演じていたことで演技に対する評価も高いようです。

普段から浅見光彦シリーズを見ていた視聴者は偽浅見光彦を見て、様子が違うことに気づいていた方もいました。野際陽子さんが最後に映像で出演していたことで、涙腺がうるっときているファンもいました。最後に出すというところが憎い演出です。

原作を知っている方からすると、やはり映像化は難しいと思われていた「浅見光彦殺人事件」。原作が叙述トリックの為、ある程度脚色が加えられていますがしっかりと評価されているようでした。

エンドロールの時には兄やお手伝いさんから茶化されていた浅見光彦。偽物の浅見光彦はヒロイン詩織を抱きしめたりキスしたりとしていましたが、本物の浅見光彦はその手の事は弱いです。しかしそれこそが浅見光彦だと、ファンの方はそういう浅見光彦がお好きのようです。だからこそ、偽浅見光彦と詩織のキスシーンには違和感を覚えたり驚いた方が多かったようです。

野際陽子さんと原作者内田康夫先生の追悼にもなった「浅見光彦殺人事件」。中村俊介版最後の作品として、お二方への敬意も見える作品を楽しんでいた視聴者が多くいました。

浅見光彦殺人事件のドラマあらすじ・結末ネタバレまとめ!

この記事では「浅見光彦殺人事件」のキャスト紹介、あらすじネタバレ、感想などをご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。「浅見光彦殺人事件」は中村俊介さんが浅見光彦を演じる最後の作品となりました。映像化が難しいと言われる中で、脚本に適切なアレンジが加えられ楽しめる作品になっています。結末を知ってからもう一度見ることで新たな発見があり、また観たくなるという声が多い作品でした。ぜひチェックしてみてください。

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