アグリー・ベティの出演キャストたちのその後と現在は？あらすじやドラマの魅力まとめ

2006年から4年に渡りアメリカのTV局ABCネットワークで放映された「アグリー・ベティ」をご存知ですか？日本でもNHKで放映され、人気を博しました。

アメリカで全4シーズンに渡り放送された「アグリー・ベティ」。４シーズンともなると、登場人物も膨大な人数になりました。今回はドラマのあらすじとその魅力、そしてキャストの現在をご紹介します。

「アグリー・ベティ」は1999年にコロンビアで放映された「ベティ～愛と裏切りの秘密秘書～」をアメリカ、NYを舞台にリメイクし2006年から放映された作品です。

「アグリー・ベティ」の主人公、ベティ・スアレスはニューヨーク・クイーンズに住むメキシコ系アメリカ人。優秀な成績で大学を卒業し出版社で働くことを夢見ますが、容姿の悪さ、独特のファッションセンスからなかなか就職先が見つかりません。そんなある日、有名ファッション誌「モード」の敏腕女性編集長が急死。代わって次期編集長に就任したのは「モード」の出版元「ミード出版社」会長の息子、ダニエル・ミードでした。

ミード出版社の面接に来たベティをダニエルの父でミード出版の会長、ブラッドフォード・ミードはダニエルのアシスタントとしてベティを採用します。ダニエルの女癖の悪さを危惧したブラッドフォードは、ベティであればダニエルも手を出さないだろうと思いついたのです。

アシスタントとして「モード」の編集部に来たベティを「モード」編集部のスタッフたちベティを面白がります。もちろん、自分のアシスタントで採用されたとベティに言われたダニエルも。受付嬢のアマンダ・タネンやベティのライバル、マーク・セントジェームス、前編集長時代から長年「モード」でクリエイティブ・ディレクターを務める「モード」編集長の座を狙うウィルミナ・スレイター、「モード」編集部には曲者揃いです。

物語は編集部だけには留まりません。ベティの家族である父・イグナシオ、姉・ヒルダ、甥・ジャスティンと、ヒルダの恋人でありジャスティンの父であるサントスや、ベティの元恋人・ウォルター、そしてダニエルの家族問題など、次々に展開していきます。

「アグリー・ベティ」は第64回ゴールデングローブ賞テレビドラマ部門では作品賞を含む2部門で受賞し、第59回プライムタイム・エミー賞では、作品賞を含む11候補となり3部門で受賞しました。ベティ役のアメリカ・フェレーラはゴールデングローブ賞及びエミー賞の主演女優賞も受賞するなど、出演キャストも豪華です。

「アグリー・ベティ」の主人公・ベティは一見奇抜でインパクト大、カラフルな柄のブラウスにこれまたカラフルなガラのスカートを組み合わせてしまう、ファッションセンスに大いに？マークの付く女の子です。ですが、誰より真面目で優秀、見た目よりも大事なのは中身でしょ？とほとんど外見でしか判断されない「モード」編集部でも自分の意思を貫く努力をしています。

そんなベティを演じたのはカリフォルニア州ロサンゼルス出身のアメリカ・フェレ―ラです。8歳の頃から劇団に参加しており、2002年にテレビデビューを果たしました。ベティと違い、お買い物にはあまり興味がないようですが、仕事で忙しい合間を縫って大学に通い、10年かけて卒業した努力家です。アグリーベティが終了したその後、2011年には学生時代からお付き合いされていた男性と結婚しています。

ベティのボスである編集長・ダニエルはプレイボーイ。業界経験皆無にも関わらず「モード」の編集長に抜擢され、アシスタントとしてやってくる女性と次から次に恋愛関係に。そんな状況を見かねた父・ブラッドフォードから遣わされた新アシスタント・ベティをどうにか辞めさせようと画策しますが、本来素直で優しい性格のダニエルはベティの誠実さに次第に心を許していき、上司と部下という関係で二人は固く結ばれていきます。

エリック・メビウスはペンシルベニア州出身の俳優です。舞台演劇で演技を学び、「ウェルカム・ドールハウス」で映画デビューしました。「バイオハザード」や「The.OC」などに出演しています。私生活では2人の息子を持つパパのようです。

野心家な「モード」のクリエイティブ・ディレクター、ウィルミナは分かりやすい敵役として登場します。前編集長のフェイ・サマーズが亡くなったことにより自分が編集長になるものとばかり思っていたところ、突如現れたダニエルにその座を奪われたことに憤慨し、何かとダニエルの邪魔をします。

ウィルミナ役のヴァネッサ・ウィリアムスはニューヨーク出身のシンガー・女優です。アフリカ系アメリカ人として初めてミス・アメリカに選ばれ、シンガーとしての代表作「セイヴ・ザ・ベスト・フォー・ラスト」はビルボードの全米第一位にも輝いています。「アグリー・ベティ」が終了した現在も様々な活躍をされています。

アマンダは美人だけど少し考えることが苦手なブロンドの受付嬢です。ダニエルに好意を寄せているにも関わらずダニエルにはその気持ちに全く気付いてもらえず、アシスタントとしていつも側にいられるベティに嫉妬ゆえの意地悪をしています。マークとはマブダチでちょっとした悪事の計画はいつも二人で立てています。

ベッキー・ニュートンはコネチカット州出身の女優です。アマンダとは違い、ペンシルベニア大学でヨーロッパ史の文学士号を取得した秀才で、私生活では2005年に結婚し、現在は三児の母となっています。

マークはオネエ口調のウィルミナの部下。ウィルミナと一緒にダニエルを貶める謀略を張り巡らせますが、ことごとくベティに阻止されます。ゲイであるが故に家族間の不和などがあり、ベティの甥・ジャスティンに自身を重ねて優しく接しています。

マイケル・ユーリーはテキサス州出身の俳優・テレビプロデューサー、テレビディレクターです。当初、「アグリー・ベティ」にはゲスト出演のみの予定でしたが、ウィルミナ役のヴァネッサとの相性が良く、レギュラー入りを果たしました。アマンダ役のベッキー・ニュートンとは現在も私生活で親しい友人同士のようです。

ベティの父・イグナシオ・スアレスはメキシコ出身で元シェフの優しい父親です。イグナシオは実は密入国者という秘密がありました。密入国者となったわけはすでに亡くなっているベティの母・ローサとの関係にあります。ベティの夢を応援する暖かい父を助けるため、ベティはウィルミナと取引をし、アメリカに戻ってくることができました。

トニー・プラナはキューバ出身の俳優です。1981年頃から俳優の活動を始め、数々のテレビドラマ・映画に出演しています。2006年にはこの「アグリー・ベティ」イグナシオ役でサテライト賞助演男優賞を受賞しました。

ヒルダは美人なベティの姉です。学歴はありませんがコミュニケーション能力が高く、押しの強いパワフルな女性です。一人息子のジャスティンの良き理解者で、ジャスティンの妊娠中に当時の恋人であったサントスと破局し、シングルマザーとなりますが、その後復縁します。

アナ・オルティスはニューヨーク出身の女優です。2007年に結婚し子供をもうけていますが、ヒルダ役で一躍人気者になったアナはその後も順調にキャリアを積み、現在は「デビアスなメイドたち」を始め多数の作品に出演しています。

ジャスティンはヒルダの息子であり、ベティの甥です。運動が苦手でミュージカルや演劇が好きなため、学校にはあまり馴染めず、「モード」編集部にたびたび出入りしています。ファッションも好きな様子。

ペンシルベニア州出身のマーク・インデリカートは子役から舞台に出演し、地元のコマーシャル等にも出演しています。「アグリー・ベティ」のその後、演劇専門の学校を卒業し現在も俳優業を続けているようです。今後の活躍が楽しみな俳優です。

ダニエルの兄。元々性同一性障害を抱えており、事故死したと見せかけて姿をくらまして性適合手術を受けて女性に生まれ変わってミード家に戻ってきました。男らしさを強制する父を嫌い、ウィルミナと共謀してミード出版を乗っ取ろうとします。

レベッカ・ローミンはカリフォルニア州出身のモデル・女優です。スーパーモデルの登竜門・ヴィクトリアズ・シークレットのショーで活躍し、1997年に女優デビューを果たします。2000年から始まった映画「X-MEN」のミスティーク役を好演したことで一躍彼女の名前が有名になりました。

ダニエルの父でミード出版社の会長。「モード」の前編集長であるフェイ・サマーズと長期間に渡り不倫関係であり、それに気付いた妻・クレアはアルコール依存症に陥る。ダニエルの兄・アレックス（アレクシス）に多大な期待を寄せていた。

アラン・デイルはニュージーランド出身の俳優・声優です。ニュージーランドからキャリアはスタートしましたが、その後オーストラリア、アメリカに進出し、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」や「ドラゴン・タトゥーの女」等の映画や「NCIS～ネイビー犯罪捜査班」「LOST」等のドラマなど、現在も名作に多数出演しています。

ブラッドフォードの妻でダニエルとアレクシスの母。ブラッドフォードと不倫関係にあったフェイ・サマーズを殺害し収監されます。親子関係は良好で、ダニエルの部下であるベティを気に入り、何かと頼りつつ、陰から支えてくれます。

ジュディス・ライトはニュージャージー州出身の女優で、過去にエミー賞を獲得しています。2018年、Amazonのオリジナルドラマシリーズ「Transparent」で、3人の子をもつトランスジェンダーの父親の元妻を演じるなど、精力的に活動されています。

「アグリー・ベティ」には現実世界のスターがそのままドラマ世界にも登場する、スペシャルキャストが登場します。豪華な顔ぶれにアメリカはもちろん、日本でも話題になりました。

ナオミ・キャンベルは誰もが知っているイギリスのスーパーモデル。作中では雑誌対抗野球大会に「ELLEチーム」として登場します。

スパイスガールズのメンバーでサッカー選手・デヴィッド・ベッカムの妻であるヴィクトリア・ベッカムは、ウィルミナとブラッドフォードの結婚式に仲人として登場します。ところが、自分より話題をさらう存在に嫉妬したウィルミナの陰謀で、作中ほとんど台詞はありません。

コロンビア人歌手のシャキーラはジャスティンが大ファン。バハマのホテルで偶然ベティと出会う、という登場をします。

ヴェラ・ウォンは有名なウェディングドレスデザイナーです。マライア・キャリーやシャロン・ストーン、ジェニファー・ロペスなど名だたるセレブのドレスを手掛けています。ドラマではウィルミナのドレスをデザイン。

「アグリー・ベティ」の放映が終了したその後、2016年6月にテキサス州オースティンで開催されていたTVドラマのイベント「ATX Television Festival」に「アグリー・ベティ」のオリジナル・メンバーが再集結しました。

その場でアメリカ・フェレーラが「フルハウス」「ギルモア・ガールズ」など人気ドラマがNetflixで復活しているのを受けて「Huluが2時間スペシャルで「アグリー・ベティ」の復活新作を制作してくれると思うわ！」とジョークを飛ばしています。ジョークとはいえ、ツイッターでハッシュタグ「#hulubringbackuglybetty」を付けて、復活をアピールしてほしいとも。

元々コロンビアのドラマだった「アグリー・ベティ」。当初は「ベティ・ザ・アグリー」というタイトルでしたが、脚本家・ホータが最後まで大反対。結局「アグリー・ベティ」になったそうです。

落ち込んだ時に「アグリー・ベティ」を観るという投稿が多数見られました。主人公・ベティの強さ、ポジティブさに勇気づけられている人が多いようです。

どん底で落ち込んで究極の選択を迫られたとき、必ず人としてどちらを選択すべきかを葛藤するベティに共感するようです。

ベティの次にコメントが多かったのはアマンダ＆マークのコンビです。全体的にコメディ調なこの作品ですが、特にお笑い要因なアマンダ＆マークは毒舌が冴え渡ります。

ゲームで例えるなら最初に倒された敵が仲間になったような二人で、常に憎まれ口を叩いたりベティの邪魔をしていますが、時に素直にベティの友人の顔を見せるアマンダとマークはとても魅力的です。

いかがでしたでしょうか？次から次に奇想天外な問題が巻き起こるベティの周囲。いじめられたり翻弄されながらも自分を見失わずにキャリアを積んでいくベティの物語は完結していますが、人気シリーズだけに視聴者の私たちはつい続編も期待してしまいます。今はアグリー・ベティ出演キャストたちのその後のさらなる活躍を楽しみましょう。