獣になれない私たちは新垣結衣と松田龍平のW主演！キャストとネタバレあらすじ

メインキャストとして、まずはドラマにCM、映画と引っ張りだこの新垣結衣さんが「獣になれない私たち」の主人公を演じます。近年の主演作の代表である2016年のドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」では最高視聴率20.8％をたたき出し、今夏の映画「コード・ブルー」では歴代興行成績5位となるなど、目覚ましい活躍を見せています。

「獣になれない私たち」で新垣結衣とW主演を務める松田龍平さんも、数々の映画に出演する人気個性派俳優。芸能一家の長男らしい、他に類を見ない独特な存在感の持ち主です。ドラマでは、2013年のNHK朝ドラ「あまちゃん」のマネージャー役や、2017年の人気ドラマ「カルテット」の司役の怪演が有名でしょう。

「獣になれない私たち」は、行きつけのバーが一緒だった縁で知り合った、一見完璧な二人が主役。実はいろいろ生きづらさを感じ、周囲に気を遣い本心を隠しながら暮らしているのですが（ドラマでは、この状態が「獣になれない＝自由に生きられない」というニュアンス）、その闇の部分が、周囲の人間を巻き込みながら毎話少しずつ明かされていきます。

「獣になれない私たち」W主演の新垣結衣さん演じる深海晶は30歳、松田龍平さん演じる根元恒星は33歳。それなりに男女のことも知っていそうなオトナの設定です。二人のシーンの多くが行きつけのクラフトビールバー「5tap」のため、お酒が入っている状態での会話も多いことから、色気たっぷりのアダルトな会話が多いです。

序盤は「してみる？」「続き、しちゃう？」など、言葉だけ聞くととんでもない会話の連発。晶には結婚を考えている恋人がいる設定はどこに？と思ってしまうほど。ただ、晶も恒星も真面目すぎて道を踏み外すことができないタイプのため、結局は会話のみ。お互いに、一線を越えるようなことはないと思っていながらも、もしかして…？という、オトナの駆け引きに視聴者は毎回ドキドキさせられっぱなしです。

「獣になれない私たち」の主役。ECサイト構築会社の営業アシスタントを務める30歳。愚痴も文句も言わず、いつも笑顔を絶やさないため「誰からも愛される完璧人間」だと思われています。が、本当は周囲のすべてに気を遣って常に神経をすり減らす毎日に疲労困憊。仕事終わりに立ち寄るクラフトビールバー「5tap」で飲んでいる時間だけが幸せという、なかなかハードな日常を送っています。

「獣になれない私たち」のもう一人の主役で、33歳の公認会計士。「5tap」から徒歩3分の場所に自宅兼個人事務所を抱えています。一見人当たりの良い男性で女性にモテますが内心は冷めており、晶と同じく心に鎧をまとっていて本心を出せないタイプです。

大手デベロッパー勤務のエリートサラリーマン。晶とは4年交際し、母親に紹介して結婚も考えている間柄です。晶同様、優しいがゆえに本心を言えない煮え切らない部分があります。

ブランドデザイナー兼モデルの36歳。情熱的かつ野性的なタイプの女性ですが、病気のことを恒星に言い出せなかったようなナイーブな一面も持っています。

京谷の元カノの31歳。無職。「次の職が見つかるまで」という条件で当時交際中だった京谷のマンションに身を寄せますが、そのままニート状態になり、4年間出て行こうとしていません。

晶の会社の面々として、パワハラ社長の九十九剣児（つくもけんじ/山内圭哉）、やる気のない同僚の松任谷夢子（まつとうやゆめこ/伊藤沙莉）、ダメ後輩の上野発（うえのはつ/犬飼貴丈）、SEチームのリーダー佐久間久作（さくまきゅうさく/近藤公園）など、個性的なキャストがたくさん。話題の俳優さんがそろっています。

また、他の主要キャストとして、「5tap」のオーナーで店長のタクラマカン斎藤（タクラマカンさいとう/松尾貴史)、近所のラーメン屋店員で「5tap」常連の岡持三郎（おかもちさぶろう/一ノ瀬ワタル）、京谷の母親、花井千春（はないちはる/田中美佐子） などがいます。

「獣になれない私たち」第1話あらすじをご紹介します。住宅街の中にある隠れ家的なクラフトビールバー「5tap」。こちらに通う常連のカップル2組が出会うところからお話が始まります。

1組目は、深海晶（新垣結衣）と花井京谷（田中圭）のカップル。2組目は、根元恒星（松田龍平）と橘呉羽（菊地凛子）のカップル（と言っても、呉羽が別の相手とのゼロ日婚を報告して別れたところ）。呉羽の結婚を店内にいる客で祝うということになり、そこで2組が出会うことになります。

職場での晶は、周囲に気を遣って何でも引き受けてしまうために、パワハラ社長の九十九の命令を始め、24時間多くの仕事を抱えています。プライベートでも、自宅マンションに住み着いた元カノを4年間も追い出せていない京谷にもハッキリ言えず、二人の結婚を楽しみにしている京谷の母・千春（田中美佐子）からのLINEにも疲れ、もはや限界寸前。

ギリギリの心境で一人立ち寄った「5tap」で、晶は恒星を見かけ、声をかけます。新しい恋が出来たら何か変わるのかな、とつぶやく晶を、自宅に誘う恒星。断った晶は、帰宅する途中で呉羽の大きなポスターを見つめ、何かを考えます。

次の日、晶は今までの好感度重視のファッションから一転、呉羽がポスターで履いていたブーツを身に着け、サングラスをかけてハードな服装で出社。武装したつもりの晶は社長の九十九のところに行き、業務内容の改善要求書を突きつけるのでした。

「獣になれない私たち」第2話あらすじです。今までの従順な態度を豹変させて強気に出たものの、社内では「グレた」と言われる程度の軽い扱いにショックを受ける晶。何とか久しぶりに数日間の有給休暇を取ります。休暇中に参加した京谷の会社の恒例行事のバーベキューで（以前、晶も同じ会社で派遣として働いていました）晶は京谷と一緒に働いていた頃、交際するようになった頃のドキドキした日々を思い出すのでした。

京谷は自分のせいで元カノの朱里（黒木華）を追い出すことができず、晶と一緒に住むことができない状況を謝ります。帰宅してすぐ、京谷は朱里に出て行くように話しますが、朱里は相変わらず大好きなオンラインゲームに夢中で、聞く耳を持たない様子でした。

「5tap」で話をするようになった晶と恒星は、恋愛について語り合ったりするうちに徐々に打ち解けていきます。ギリギリの状況から少し回復して、久々に出社した晶。九十九は晶を昇進させますが、役職名が変わっただけで業務内容は以前と変わらず、晶は釈然としません。

「獣になれない私たち」第3話あらすじです。恒星の事務所に、今年も粉飾決算へ加担するようにと札束を持った男性が現れます。兄が父親の会社を倒産させてしまい、恒星が肩代わりをした後に行方不明になっている件と関わりがあるらしく、はっきり断れない様子の恒星。

京谷は朱里に、仕事を探して早く引っ越すよう強めに言ったものの暴れられ、しばらく泊めてほしいと晶の部屋に逃げてきます。子供が欲しいなどと楽しそうに話す京谷ですが、晶はつかの間の同棲生活を楽しむ気にもなれず、複雑な思いが消えません。

「5tap」で、晶と京谷は朱里のことや今後のことについて話し合います。未来が見えずに苛立つ晶に、「別れる？」と聞く京谷。たまたま店にいた呉羽は京谷を批判しますが、晶は京谷をかばいます。そして、愛されている自信がないと京谷に告げると、一人で店を出て行ってしまいました。呉羽は恒星に晶を追いかけてフォローするように告げ、自分は京谷とタクシーで帰ることに。その最中、なんと呉羽は急に京谷にキスをするのでした！

「獣になれない私たち」第4話あらすじです。LINEで京谷に言い過ぎたことを謝った晶ですが、なかなか既読になりません。晶が「5tap」にいると、京谷から携帯を失くしたという電話が店あてにかかってきました。京谷の携帯は呉羽が持っていることが判明、晶がスマホを受け取りに行きます。その際、呉羽から京谷と一夜を共にしたことをさらっと告げられた晶は、パニックになって恒星の事務所に飛び込みます。

晶が帰宅すると京谷がおり、浮気したことを認めて謝ります。家を飛び出した晶はばったり恒星と出会い、二人で「5tap」へ。飲みながら話は盛り上がり、流れで恒星の事務所に行った二人は一夜限りの関係を持とうとします。が、酔いが足らないと再び飲んでいたせいか、恒星は途中で眠ってしまうのでした。

翌日の夜、「5tap」で恒星が飲んでいるところに京谷がやってきて、晶のことを聞きました。晶は朝まで自分の家にいたと告げると、京谷は恒星のことを殴ります。その頃、晶は朱里と直接話をしようと京谷の家に突撃していました。

「獣になれない私たち」第5話あらすじです。晶は、初めて朱里と顔を合わせ、出ていくつもりは本当にあるのか尋ねますがハッキリした返答はありません。堂々巡りに疲れた、という晶に、自分は何も持っていないと泣き出す朱里。それからの晶は、また以前のように笑顔でなんでも仕事を引き受け、こなすようになってしまいます。

「5tap」で恒星に謝罪し、自分の情けなさを痛感した京谷は、朱里にマンションを譲って自分が出ていく決心をします。晶に会いたいと連絡して「5tap」に向かう京谷ですが、会えば許してしまうことを恐れた晶は、京谷が見ていることを分かった上で、恒星にキスします。慌ててその場を離れる京谷。二人のキスを、呉羽と三郎（一ノ瀬ワタル）が見ていました。

「獣になれない私たち」第6話あらすじです。京谷と顔を合わせたくなくて、恒星に勝手にキスしたことを晶は謝罪しました。二人のキスを見かけても全く気にしていない呉羽と対照的に、恒星は気のないふりをしながらも呉羽の結婚相手・橘カイジが気になって仕方ありません。そんな時、呉羽とカイジは偽装結婚だという噂を耳にします。

朱里は京谷の残していった年賀状から晶の住所を突き止め、どんな場所なのか見に行きます。近くにあった「5tap」に入り、飲んでいた恒星と話をする朱里。そこに晶がやって来て、お金を払わずに朱里は店から逃げて行ってしまいます。

呉羽の偽装結婚の噂について、話をする晶と恒星。気になった二人は、別々に呉羽の店を訪れます。恒星が近くの部屋で聞いていたことを知らずに、呉羽は晶にカイジや恒星のことを話し始めました。呉羽は実は子宮の全摘手術をして子供が産めない体になっており、それを恒星には伝えられなかったがカイジには話せたことを打ち明けます。ショックを受け、立ち去る恒星。

また、朱里は飲み逃げの件で「5tap」に電話しますが、晶が支払ったことを聞くと「そういうとこがムカつく」と怒りをあらわにするのでした。

「獣になれない私たち」第7話あらすじです。晶の自宅に朱里がバーのお金を返しにやってきました。終電もなく、そのまま外で寝ようとする朱里を泊め、起きない朱里を置いて晶は出勤。朱里は「5tap」に向かい、出会った恒星と話をします。朱里が京谷の家に住み着いている元カノだと気づいている恒星は、朱里を非難。怒った朱里は恒星にビールをぶっかけて出て行ってしまいました。

晶が帰宅すると、朱里がまだ居座っています。敵対心むき出しの朱里に対し、優しく接する晶。朱里と自分は似ていると、どこか共感しているようです。朱里は翌朝にはいなくなっていました。

京谷の母親・千春から、晶に来てほしいとメッセージが入ります。千春は長年夫を在宅介護しており、自宅で看取りたいので入院をさせたくなかったのですが、京谷や兄に反対されて追い詰められていたのでした。以前になれそめを聞いており、今もその恋心を失っていない千春をうらやましく思っていた晶は、千春に加勢して京谷たちに反論、入院を思いとどまらせることに成功します。

その後、砂浜で京谷に素直な思いを伝える晶。自分はいつの間にか京谷に合わせて自分が自分でなくなっていたことなどを話し、ついに京谷に別れを告げます。言いたいことを言えて、晴れやかな表情で晶は立ち去ります。

「獣になれない私たち」第8話あらすじです。京谷と別れてスッキリした様子の晶。共に「5tap」で飲んでいた恒星のもとに、行方不明だった兄が窃盗で捕まった連絡が入ります。久々に出会う兄弟。恒星の福島の実家、そして兄が継いだ父の会社は、東日本大震災による原発事故で被害に遭った地域でした。倒産の原因の一つには原発事故もあったのです。

また、晶の会社の人員募集に何故か朱里が応募してきて、晶の知り合いならと九十九が一発OKしてしまいます。取引先としてやってきた京谷は、朱里の姿を見て驚愕。驚く京谷を見て笑いあうなど、晶と朱里には奇妙な連帯感が生まれてきます。

恒星は「5tap」で呉羽の結婚相手・橘カイジに遭遇。カイジの人柄に「あれは呉羽と気が合うわ」と納得し、呉羽への思いにあきらめがつくのでした。そして、恒星は兄を妻子の元へ送り届ける際に、互いに今までの思いを全てぶちまけて大ゲンカします。直接思いを伝えあったことで、恒星は長年の兄へのわだかまりが解けたのでした。

東京に帰ってきた恒星を待っていたのは、晶でした。二人は恒星の事務所で飲みながら、恒星の思い出のゲームをし、楽しい時間を過ごします。眠ってしまった晶を優しく見つめる恒星の表情は、晴れ晴れしていました。

「獣になれない私たち」の主題歌は、あいみょんの「今夜このまま」です。あいみょんは2016年のメジャーデビュー以降、次々と話題曲をリリースしている23歳のシンガーソングライター。

歌詞の内容は、「獣になれない私たち」の晶や恒星のように、頭でっかちになってしまって自由に生きられない気持ちを、優しい曲調に乗せて表現しています。歌詞を確認しながら曲を聞くと、ドラマの様々なシーンが浮かんでくるような内容となっています。

放送開始前から話題だったドラマ「獣になれない私たち」ですが、実際に第1話を見た視聴者の感想は「現実的すぎて見るのがつらい」「ガッキー（新垣結衣）かわいそう」といったものが大半でした。

「獣になれない私たち」のポップなタイトル画面や番宣のイメージから軽めのラブコメディ路線を想定していた視聴者からは、次回以降の視聴をためらってしまうような声も聞かれました。

それだけ、ドラマの内容、脚本や演出がリアルであり、キャストそれぞれの演技も現実味があったということです。重い内容でしんどかったけれども、これからの展開が楽しみだという声ももちろん多くありました。そして回は進み、最新の8話終了時の声がこちらです。

「獣になれない私たち」に対する評価は、後半への折り返しあたりから再び徐々に上がってきました。ハードだった序盤の展開を見てきたからこそ、最新話に至るまでの晶や恒星の葛藤や、一皮むけて前進し始めていく登場人物たちの変化が理解できるのです。

こちらの感想に代表されるように、「獣になれない私たち」はとにかくリアリティのあるドラマです。序盤は特に、新垣結衣さん演じる晶のような、容姿端麗で優しく仕事もできる女性がこんなに辛い人生を送っているなんて…と絶望感さえ感じてしまうような展開で、あまり楽しめるタイプのドラマではありませんでした。

それをエンタメとして成立させているのが、会話の微妙なニュアンスを描くことに定評のある野木亜紀子さんの脚本や、新垣結衣さん、松田龍平さんをはじめとしたキャストの自然体の演技なのです。

特にこの回は恒星の過去との決着がメインの回だったこともあり、松田龍平さんの演技力が光っていました。調子はいいけれどどこか冷たい感じだった恒星が、こんなに人間味のある様々な表情を見せた回は今までなかったのです。恒星が徐々に自分を出せるようになってきていることが自然と視聴者にも伝わってくる演技でした。

まずは魅力的なW主演、新垣結衣さんと松田龍平さんのコンビで話題をさらった「獣になれない私たち」。リアリティの強い等身大の登場人物たちを描き出した脚本家・野木亜紀子さんが伝えたいメッセージを、人気作で何度も野木さんとタッグを組んでいる新垣結衣さん、そして映画育ちの独特な存在感の松田龍平さんらキャスト陣が見事に表現している作品となっています。

この先二人は、心にまとった鎧を脱いで、獣のように自由に生きることができるようになるのでしょうか？それとも、周囲への気遣いこそ必要だと、今までのように生きていくのでしょうか？ついにフリーとなった二人が、恋愛関係に発展していくのかどうかも見どころです。残すところあと2話の「けもなれ」。二人にどのような決着が待っているのか、楽しみに見守っていきましょう。