リピートの原作とドラマ版は違う?乾くるみの小説あらすじや結末をネタバレ紹介

2018年1月から放送されたドラマリピート~運命の10ヶ月~。このドラマは乾くるみさんが2004年に発表した小説を原作としていますが、その中身を見てみると原作とドラマではあらすじや結末など大きく違う点が多いです。今回はリピートのドラマとリピートを比較し、違うポイントをピックアップしつつ、ドラマとは違う原作のあらすじや結末も合わせてネタバレありで紹介していきます。

リピートの原作とドラマ版は違う?乾くるみの小説あらすじや結末をネタバレ紹介のイメージ

目次

  1. リピートの原作とドラマ版の違う部分を調査!
  2. リピートの原作とドラマ版の違う部分はどこ?
  3. リピートの原作小説のあらすじネタバレ
  4. リピートの原作小説の結末ネタバレ
  5. リピートの感想や評価は?
  6. リピートの原作とドラマ版の違いまとめ

リピートの原作とドラマ版の違う部分を調査!

2018年に放送されたドラマリピート~運命を変える10か月~は2004年に出版された乾くるみさんの小説を原作としています。しかしドラマ放送前から原作とは異なったあらすじが展開される事が発表され、実際に放送されてみるとあらすじや結末だけでなくかなり大きく違う内容となっていました。

今回はリピートの原作小説について紹介しつつ、ドラマと原作小説を比較しそのあらすじや設定、結末などの違うポイントを紹介していきます。

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リピートの原作とドラマ版の違う部分はどこ?

まず初めに、原作とドラマ版の違うポイントをピックアップして紹介していきます。あらすじや結末以外にもかなり違う点があります。

登場人物の設定が違う

まず大きく違うのが登場人物の設定です。最も大きなポイントとしてはドラマは篠崎鮎美が主人公であるのに対し、原作小説では毛利圭介が主人公であるという点、そして主要な登場人物のほとんど、鮎美と由子を除けばリピート仲間も全員男性だという事です。ドラマでは女性になった横沢や大森も元々は男性でした。この辺りの変更は主人公を女性の鮎美にした事の影響が大きいと思われます。

その他にも鮎美は23歳の会社員であったり、天童はカフェ経営ではなくシナリオライターであったりと職業についても原作とドラマでは変更されています。またもう1つの大きな要素として、ドラマでは風間と風間に呼ばれた8人の計9人でリピートするのに対し、原作ではドラマでは一切登場しなかった「池田」という人物を含めて10人でリピートしている事です。

この池田という人物の役割はドラマでは基本的に安達祐実さんが演じた大森知恵に引き継がれています。逆に違わないのは風間がリピートの主催である事、リピーター以外に圭介の彼女として町田由子が登場する事などがありますが、その行動などにはやはり違いが見られます。当然登場人物の設定や人数が変わればその結末も変わってくるわけですね。

リピートの場所が違う

ドラマでは風間に案内される形でマイクロバスから徒歩で訪れた洞窟の中でリピートが発生していますが、原作ではこの場所も異なります。なんと原作ではリピートする場所は「上空」なのです。この上空へは風間の操縦するヘリで向かっています。風間は元々ヘリの操縦士をしていたというのです。

ちなみに原作でリピートするのが10人である理由の1つとして、原作主人公の圭介はこの移動手段となるヘリの最大乗員が10人である事を予想しています。場所は違うものの、風間が次元の裂け目と呼ぶ黒いオーロラのような物に包まれる演出に関しては原作もドラマも共通しています。

リピートの出る日が違う

リピートの設定の1つとしては、次元の裂け目が現れる日時、つまりリピート出来る日付は固定されています。これはドラマでも原作でも共通の設定ですが、この「次元の裂け目が現れる日時」自体が原作とドラマでは異なっています。ドラマでは2018年1月11日に次元の裂け目が現れ、2017年2月24日に戻りますが、原作では10月30日に次元の裂け目が現れて1月13日に戻る事になるのです。

この変更に関しては考察ですが、原作ではリピートする期間は「おおよそ10か月」というのを分かりやすくしたかっただろう事に対し、ドラマではよりホワイトデーや誕生日など季節イベントや記念日などあらすじに絡める為にこのような変更が行われたと考察されています。

死亡する順番が違う

ドラマでもそうであったように原作でも次々とリピート仲間が死んでいく事になるのですがその死亡する順番に関してはドラマと原作で大きく異なっています。ドラマでは演出上、1話につき1人以上死ぬ事はありませんでしたが、原作では同時期に人が死んでしまう事もあり、順番だけでなく死んでしまう時期にも違う点があります。

リピート直後にトラック運転手の高橋が死んでしまうのは原作もドラマも共通ですが、原作ではその後、ほぼ同時期に横沢と共に坪井も死んでいます。坪井はドラマでは鮎美との絡みも多く、比較的終盤まで生きていましたが、原作では比較的序盤に退場しています。それ以外にもドラマでは生き残った鮎美と風間が共に死亡してしまうなど、死亡する人選も変わっています。

リピートの原作小説のあらすじネタバレ

ここからは原作小説に焦点を絞り、そのあらすじを結末の手前までネタバレありで紹介していきます。ドラマでは全10話で描かれるリピートですが、原作小説も全10章の物語で構成されています。とはいってもその構成は大きく異なっています。

リピート第1章あらすじ

大学4年の夏休み、原作主人公である毛利圭介の元に謎の男から奇妙な電話がかかってきます。内容は1時間後に起こる地震の予言です。いたずら電話だと思う圭介でしたが、実際にその時間になってみると地震が発生。男の予言は時間も震度もピタリと的中していました。偶然にしては出来過ぎていると考える圭介の元に再び男から電話がかかってきます。

風間と名乗った男は圭介に種明かしをします。なんと風間は「未来から来た」と告げるのです。いくつかのルールを説明し、風間は圭介をこの時間旅行「リピート」に招待するといいます。圭介は非科学的過ぎる内容に鵜呑みにはできないと考えますがそんな心情を察したように風間は「説明会」の開催を伝え、場所と日時を指定。圭介はこの説明会に参加する事を決めます。

リピート第2章あらすじ

説明会の当日、圭介と同様に風間に呼ばれる形で集まったのは9人、風間を含めた10人でした。風間の説明では、リピートが行われるのは1カ月後の10月末。その時が来ると次元の裂け目が開き、意識だけが1月、正確には1月13日午後11時13分7秒の段階に戻る事が説明されます。さらに付け加えられる形でリピート出来る定員は10名である事、リピートの事は誰にも言ってはならない事が説明されます。

さらに風間は自身のリピート経験を語ります。最初のリピートは偶然だった事、風間最初の人生をR0とした場合、現在が9回目のリピート(R9)である事、最初は仲間と一緒だったものの、それぞれに満足してリピートを辞めた為、ランダムに同行者を選ぶようになった事、そしてこの説明会に集められたのがR10への同行者候補だと言うのでした。

ちなみに風間が同行者を選んでいるのは「幸福のおすそ分け」と「寂しさを紛らわせる為」だと説明しています。そして風間は注意事項などを説明した上で参加者それぞれに支度金として100万を渡し、その場から去っていくのでした。そしてリピーター同士でも連絡先を交換し、その日は解散となります。

リピート第3章あらすじ

リピート自体が存在するのか疑わしく思う圭介ですが、説明会の際に再度風間は地震の予知をやってみせており、ゲームや思考実験の類ではないかという考えも「地震の予知」という事実が打ち消してしまい、結局圭介はリピートの存在を信じてみる事にします。

しかし仮に風間の説明する通り、リピートで記憶を保持したまま過去に戻れるとして圭介は一体何をすればいいのかと考えるのでした。他のリピート仲間のような「リピートする目的」を掴めないでいたのです。

リピート第4章あらすじ

そしていよいよリピートの当日。半信半疑な者を含む9人のゲスト全員が集合場所に集まります。風間の用意したマイクロバスに乗り込むと行き先とリピートした後の行動について指示を受けます。まず行き先はなんと空中、このマイクロバスもヘリポートに向かっている事が明かされます。さらに、リピートにした後、風間に連絡を取る事、戻った2日後に一度集合する事、戻った瞬間の安全に注意する事などを説明されます。

そして本職はヘリの操縦士だったという風間の操縦の元、総勢10名を乗せたヘリは上空へ。圭介がリピートの定員が10名なのはヘリの乗組員の数だったのかなどと考えている間に目的地に到着。風間が指定していた時間が来た瞬間、目の前に黒いオーロラのような物が出現。そこにヘリが突入していく事になります。

リピート第5章あらすじ

目の前が暗転したと思ったら覚える浮遊感、そして周囲の状況が一変、時間は昼だったはずなのに夜に変わり、秋だったはずの季節は冬になり、さらには既に別れたはずの元恋人、由子が隣にいました。本当にリピートに成功し、10か月の時を遡る事に成功したのです。圭介は元からの決まり通り、風間に連絡を取りリピートに成功した事を告げ、2日後の集合について確認しました。

そして2日後、圭介は指定されていた場所に出向きます。他のリピーター達も集まりますが、リピーターの1人、トラック運転手である高橋だけは姿を見せません。そんな中風間から報告されます。高橋はリピートした瞬間がトラックの運転中、しかもカーブの最中だった事から慌ててしまい交通事故で死んでしまったというのでした。圭介は高橋とそこまで親しかったわけではない為どこか他人事な喪失感を感じます。

風間はしつこいくらいに秘密厳守などのいつもの注意事項を告げます。それがリピーター全員の命を守る事に繋がるからです。そんな中、風間の一通りの説明が終わった後、圭介が1つの質問をぶつけます。それが「僕らはR11(次のリピート世界)には行けるのか?」という物でした。しかし風間の答えは「NO」。より多くの人に幸福のおすそ分けをする為にそれだけは出来ないというのでした。

リピート第6章あらすじ

2度目の世界は大きなニュースなどを見る限りでは前回と共通のように見えるが全てが一緒というわけではありません。リピーター達の行動や言動という小さな変化でさえ、やがて大きなうねりになってしまいます。そんな「カオス理論」「バタフライ効果」などと言われる状況中、圭介は先々自身を酷いフリ方をしてくる恋人、由子を自分からフリ、同じリピーターで秘密を共有する鮎美と付き合うようになります。

もちろん前の世界と違う行動をしたのは圭介だけではなかったはずですが、やがて前回の世界では起こらなかった事件と呼べるレベルの出来事が起こり始めます。圭介の記憶にない放火事件と受験生の首吊り事件が発生。しかもその2つの事件でなくなったのはリピーター仲間である横沢と坪井だったのでした。横沢は他人による放火の為、まだ説明がつくが受験の為にリピートした坪井が自ら命を立つ理由が圭介には分かりませんでした。

そして圭介にも前の世界では起こらなかった事が起こるようになります。それが圭介にかかってくる無言電話です。

リピート第7章あらすじ

不測の事態の連続に風間の号令でリピーター達による会合が行われる事になり、圭介も参加します。高橋の事故は、タイミングの問題の不慮の事故であると納得できるものの、横沢と坪井がほぼ同時期に死んだ事に対してどう考えるべきかという事が話し合われます。2人の事件には何か関連性があるのか、それとも偶然別々の事件が同時に起きただけなのかという議題から始まるも議題はどんどん映り変わっていきます。

仮にリピーターが狙われているのだとしたらそれはリピーター仲間による犯行なのか、それとも外部の何者かよる物なのかと議題が飛躍。当然これらは全て推測の域を出る事はなく、結論が出る事はありませんでした。しかし最悪の事態として天童が、リピーター達が狙われてる事を強調した事で、風間が本来はNOだとしていたR11へのリピートを認めたのでした。

しかし同時に風間はあまりにも状況が違う為、この先リピートが起こる10月30日までの間に何が起こっても不思議ではないとして、再度それぞれの行動に細心の注意を払うように警告するのです。しかしその警告は少なくとも圭介にとっては既に時既に遅いものでした。圭介がフッた元カノ、由子がストーカー化してしまったのです。

未来を知っている圭介からすれば、由子がこの先に見せる本性を知っている為にフッただけなのですが、それは由子にとっては知るはずのない出来事で、圭介が理不尽にフッたように感じられたのです。上記の無言電話の相手も由子であり、しかも由子は圭介と鮎美のデートの日程なども把握。その上に圭介が鍵をかけ忘れてでかけた隙に部屋に侵入されてしまったのです。

圭介は部屋にリピートについて記録したノートを残していました。そして由子はそのノートを見つけてしまい、圭介が帰宅した時にはそのノートを呼んでいたのです。あくまでもノートを読んだだけの断片的な情報を得ただけの由子はリピートの全てを掴んだわけではありませんでした、秘密が漏れた事がバレれば風間に危険視されてR11行きを拒否されるのは目に見えていました。

由子の狂気的と言える行動、さらにリピートという絶対に知られてはいけない秘密を知られてしまった事で圭介は逆上。由子に飛びかかり、その痩せ細った首に手をかけてしまいます。圭介が我に返った時には既に由子は息を引き取ってしまっていました。パニック寸前の圭介は天童に自体を相談し、協力を依頼。天童は協力を承諾し、由子の遺体を誰にも見つからないように処分してくれる事になりました。

こうして圭介は由子を殺してしまったという罪を無くす為、是が非でもR11を目指す事になるのでした。R11にいけば、記憶にこそ残るものの、そこに由子はいて当然由子を殺したという事実も無くなる為でした。

リピート第8章あらすじ

そんな事態に圭介が襲われている間にも世界では別の事件が発生していました。リピーターの1人、郷原が白昼堂々刺される事で命を失ってしまったのです。計画的な犯行である事は分かるものの犯人はまだ捕まっておらず、明らかに偶然とは言えない程の状況であるのは間違いありませんでしたが同一犯と言える証拠を見つける事も出来ません。

そんな中で鮎美は「歴史の復元力」論を訴えます。リピーター達の行動によって変わってしまう歴史を防ぐ為にこのような事件が起きているのではないのかと考えるようになるのです。その上、圭介にとってさらに最悪と言える事態が起こります。なんと鮎美が妊娠してしまったのです。リピートは「意識」だけが過去に戻る為、お腹に宿した子供はリピートする事はありません。

鮎美はR10に残るつもりだと話、圭介にも残って欲しいと話すのでした。しかし圭介はR10に残れば由子殺しの犯人としていずれは警察の捜査の手が伸びてくる事は間違いありません。圭介は鮎美にはR10に残るという言葉を伝える一方で、R11でもう1度鮎美と出会ってやり直せばいいのではないかと考えてしまうのでした。

リピート第9章あらすじ

ここで事態が1つ好転します。郷原殺しの犯人として麻生正義という男が逮捕され、さらに坪井殺しも麻生の物だった事が判明するのです。しかし元警察官である麻生は、法律では裁けない悪人と判断した人間に私刑を加えているだけの男であり、リピーター以外の者達にも手を上げていました。そんなニュースを目にした圭介はこの麻生による事件は自分達がリピートする前の世界R9では起きなかったのではないかという事に気付きます。

圭介は気付いた事を天童にも伝えて相談しようとしますが天童とは連絡が取れず行方をくらませてしまっていました。そんな折、圭介の元にリピーターの会合を行うと連絡が入ります。しかしいざ圭介が会合場所に姿を見せるとそこにいるのは風間と池田だけ、しかもどうも様子がおかしいのです。ここで池田がから衝撃のカミングアウトがされる事になるのです。

実は池田はR0の頃から風間と共にリピートを繰り返す風間の仲間で、その他の8人のゲストは皆、R7やR8などの世界線では死ぬ運命にあった者だったというのです。R9で生き残っていたのは風間と池田がこっそりと助けたからであり、リピートという記憶のある状態で再び放りだせばどうなるのかをゲーム感覚で試したというのでした。結果として、郷原、坪井、横沢は風間達が手を下さなかった場合の運命通りに死んだというのです。

唯一運命と違ったのはリピートという状況故の事故死である高橋だけですが、高橋もまた死ぬ運命だったというのでした。そして圭介は自らも知らずのうちにこのゲームをクリアしていた事を知らされます。圭介の運命は本来、痴情のもつれによって由子に殺されるという運命だったというのです。そこで圭介は由子を殺してしまった日に由子のカバンの中に包丁が入っていた事を思いだしてゾクリとします。

そうして「生き残ること」に成功したのは圭介と天童でした。天童も風間達が何もしなければ麻生に殺される運命にあったのです。天童の場合はこの風間が仕掛けたゲームのカラクリに気付いて風間に申告してこの生き残りゲームをクリア。風間達が麻生を逮捕させた事で死ぬ運命を回避し、現在は念の為に行方をくらませているという事でした。

あまりにゲーム感覚で楽しんでいる様子の風間と池田に圭介は怒りを覚えますが、そもそも死ぬ運命だった者を救いだした上に生き残るチャンスを与えたのだからと言われてはそれ以上に反抗する事はできませんでした。そして、冷静になった圭介は頭の中で状況を整理します。残っているリピーター6人のうち、ゲームマスターである池田と風間、クリアした圭介、天童。そしてまだ残酷な運命を迎えていない中に鮎美が居る事に気付きます。

圭介が鮎美の運命を尋ねるとそれが20分後に訪れる事を知らされます。その上でゲームマスターである2人は圭介に残酷な2択を突き付けます。運命を知る圭介がそれを鮎美に知らせて鮎美が生き残った場合、それは圭介のほう助を受けたとして鮎美は失格、圭介も失格にしR11には連れていかない。変わりに鮎美の運命を見守るならばR11に連れていくというのでした。

圭介は悩みます。R10に残れば由子を殺したという事実は消えず、さらに鮎美の助けR10に残る未来を選ぶにも鮎美の性急すぎる妊娠や結婚話に少しうんざりしている事も認識していたのです。圭介は悩んだ結果、時間ギリギリになって鮎美のいるはずの実家に電話をかけます。鮎美の運命はヘリが篠崎家に墜落する事で絶えるのです。電話に出た鮎美の母は鮎美は今日は仕事に出たと教えてくれるのでした。

圭介はその話を聞いて1つの悪魔的結論に至ります。このまま鮎美が外に出たまま、篠崎家にヘリが墜落すれば鮎美は助かるものの、両親は死んでしまう。そうなれば鮎美は両親を助ける為にR11に一緒に行ってくれるのではないかと考えたのです。圭介は助ける事もできる鮎美の両親を見捨てる決断をします。そして篠崎家にヘリが墜落し犠牲者が出たニュースが流れました。「篠崎勝一さん(51)、友子さん(49)、鮎美さん(23)」と。

リピートの原作小説の結末ネタバレ

結果的に鮎美を見捨てる形となった圭介。これで圭介の目的はよりはっきりします。R11に行く事です。ここからは原作小説の最終章で描かれる原作の結末について紹介していきます。

風間が大森の手によって殺される

鮎美を失った圭介の元に天童から久々に電話がかかってきます。天童は海外に渡り、ヘリの免許を取得してきていました。これで風間がいなくてもリピートする事が可能になります。しかしリピートのあらすじはそう簡単には決着してくれません。どんどん死んでいくリピーター仲間を風間が殺していると思い込んだ大森は、家に籠っており、結果的に大森が死ぬはずだった電車事故に巻き込まれずに済みます。

しかし大森の思いこみは止まる事を知りませんでした。圭介の時と同じようにネタバラシをしようと大森を自宅のマンションに呼び出します。ついに殺されると思った大森は、風間をピストルで撃ち殺してしまうのでした。

大森の死

しかし明くる日にはその大森も殺されてしまいます。大森を殺したのは池田でした。長いパートナーである風間を殺した大森を池田は転落死に追い込んだのです。圭介は池田に天童の生存を伝え、3人でもR11に渡れるとして黒いオーロラが現れる位置を聞きだします。しかしそれには裏があり、圭介は天童と結託し、R10に池田を置き去りにしてやろうと企んでいるのでした。

圭介と天童の計画は、まず天童と池田で飛び黒いオーロラが現れる位置を確認。その上で池田を下ろし、交換する形で圭介を搭乗させるというものでした。

R10に池田を置き去りに

リピートまでの2ヶ月の間を悶々としたまま過ごした圭介。ついにリピート当日を迎えます。計画通り待ち合わせ場所に圭介が行くと時間通りに天童と池田を乗せたヘリが姿を見せ池田が下されます。計画は成功したかに見えましたが、2人の計画を予知した池田は天童を撃っており、ヘリの窓には血痕が残されているのでした。

下ろされた池田は天童を撃ったのであろう拳銃で圭介の足も撃ちます。圭介はなんとかコックピットに乗り込む事に成功、「連れて行ってくれ」と懇願する池田を見捨ててヘリは飛び立ちます。

天童死す

しかし池田に撃たれている天童の意識も既に朦朧な状態になっているのでした。黒いオーロラが現れる目前、その位置に辿り着いた天童と圭介を乗せたヘリでしたが、天童はついに意識を失ってしまいます。息絶えてしまったのです。そのタイミングを見計らったように現れる黒いオーロラ。ヘリの操縦など分からない圭介ですがなんとか見よう見まねで黒いオーロラに飛びこむ事に成功します。

毛利圭介のみR11に

こうして結果的に圭介だけがR11に渡る事に成功します。目の前が真っ暗になり、落下するような感覚。それはまさにリピートの感覚でした。R10に訪れた時、圭介は街の中を歩いている最中で急に歩き出せずに転んでしまった事を思い出します。意識を足元に集中し、歩き続けられるように動きを調整します。しかしそれが圭介の失敗でした。

圭介は結果的に転ぶ事はなく歩き続ける事に成功します。しかしその為に車道に飛び出してしまっていたのでした。そうして圭介は車に撥ねられ宙を舞う事になります。圭介の視界が最後に捉えたのは、隣を歩いたこの時点での圭介の恋人、由子の驚いた表情だったのでした。そして圭介は僅かに頬笑みながら意識を手放す事になってしまったのでした。

以上がリピートの原作小説の結末です。結末だけまとめると、R11に渡る事が出来たのは圭介だけであり、その圭介も直後に事故死してしまった為、もうリピートについて知る者はいなくなってしまったという結末です。当然こうなればR11に本来いるであろうリピーター達も死ぬ事になるでしょう。誰の意志も働かない運命通りなら風間と池田が再びリピートするのかが唯一、再びリピートが行われる可能性となる結末となっています。

リピートの感想や評価は?

上記のように原作とドラマで大きくあらすじや結末の異なるリピート。その為、当然感想も大きく異なる物になっています。ここからはリピートの原作、ドラマそれぞれの感想を紹介していきます。

リピート原作小説版の感想や評価

原作の感想で多いのはやはり読後感の悪さを指摘する声です。上記のように最終的にリピーター誰も助からない結末を迎える事で、もう誰もリピートする事はなく誰も幸せになれないという結末は確かに納得こそできるものの読後感の良いとは言えない人が多くなっています。また原作は主人公の圭介を含めて利己主義なキャラクターが多い為、感情移入しにくいという声も多いです。

とはいってもその作りなどに関しては評価する声も大きく、特に犯人に関しては意外性の高さとそこからの展開など物語の核となる部分は間違いなく面白かったという声が多いです。結末に関しても読後感の悪さを指摘するものの、リピートという世界で考えたらこれで良かったとする声もあるなど、読後感の悪さがそのまま評価の低さになっているとは言えない結果になっています。

リピートドラマ版の感想や評価

ドラマ版になりキャストの雰囲気が加わった事、映像映えするように設定なども改変された事により、より人間ドラマとして面白い物になったという声が非常に多いです。特にぱるるの愛称で知られる島崎遥香さん演じる由子の狂気的な行動はドラマでより際立つ事となり、ドラマの感想を押し上げるのに貢献しています。

その他のキャストの評価も総じて高く、ゴリさんや六角さんなど個性派俳優として知られている人達も雰囲気に馴染んでいたとする感想が多いです。また結末に関しては、ドラマだけしか見ていない人からはもっとハッピーエンドを望む声はあるものの、原作を知っている人には良くなったという声が多くなる結果となっています。

リピートの原作とドラマ版の違いまとめ

リピートのドラマは原作のリピートに関する設定はしっかりと踏襲しつつも、その他多くの事柄をドラマ映えするように改変した形になっていました。主人公が変更された事で、そのあらすじ、特に鮎美が死ぬエピソードや由子が死んで以降のエピソード、ドラマ最終回の結末に至るまで完全にドラマオリジナルの展開だという事です。

違う点は多いものの、ドラマも原作も共に評価を受けている事は間違いありません。特にドラマに関しては原作小説の読後感の悪さをそのままドラマ化しなくてよかったとする声もある程です。ドラマの原作だからとチェックするにはあまりにも違う内容ですが、それこそ何度も世界を繰り返しているリピートの世界の1つの可能性として読んでみても面白いのではないでしょうか。

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