2018年12月12日公開
2018年12月12日更新
ずっとあなたが好きだったのマザコン・冬彦さんが衝撃的!誕生秘話や伝説まとめ
かつて社会現象ともなった90年代ドラマの名物キャラクター、「冬彦さん」をご存知ですか?1992年に放送された連続ドラマ『ずっとあなたが好きだった』で佐野史郎が演じた冬彦役は、今でもマザコンの代名詞的存在となるほど強烈なインパクトを与えるものでした。そんな「冬彦さん」の伝説やキャラクターと誕生秘話、そして『ずっとあなたが好きだった』のあらすじについてご紹介します。
目次
ずっとあなたが好きだったのマザコンの冬彦さんが気になる!
ドラマ『ずっとあなたが好きだった』とは?
『ずっとあなたが好きだった』は、1992年に放送された連続ドラマで、主演を賀来千香子が務めています。賀来千香子演じる主人公の西田美和は、高校時代に付き合っていた大岩との間で悲しい事件があり、それがきっかけで二人の仲は裂かれてしまいましたが、今でも心のどこかで忘れられないでいました。そんな美和と再会した大岩、そして親の勧めで見合い結婚してしまった夫・冬彦との三角関係がドラマティックに描かれる作品です。
美和の結婚相手の冬彦さんのマザコンキャラが話題に!
美和は高校時代の恋人・大岩のことが忘れられず、親が持ってきた見合い話にも最初は乗り気になれませんでした。しかし、紹介された男性に実際会ってみると、エリートなのに気取らず朗らかで、真面目で優しそうな好青年でした。美和のお見合い相手は佐野史郎演じる桂田冬彦。東大出で大手銀行に勤める冬彦は、美和の友達に言わせればまたとない優良物件だそうで、その後押しもあり、美和は流れに任せて結婚を決めてしまいました。
楽しい新婚生活が始まるかと思いきや、美和は冬彦のマザコン気質に驚愕することになります。味噌汁はお母さんの使っている味噌で同じ味付けにしてくれだとか、夫婦初めてのお出かけにお母さんを誘わなかったからとむくれるだとか、かなりのマザコンぶりです。結婚前からは想像もできなかった姿とその変貌ぶりに美和はだんだん憔悴していくのでした。
冬彦さんの言動も次第にエスカレート!ついには社会現象に
美和の心はマザコン夫・冬彦から離れていき、やがては別れを決意するまでになります。家を飛び出た美和を取り戻そうとあの手この手を張り巡らせる冬彦の行動はさらにエスカレート。視聴者も最初は、美和と大岩の再会と恋の再燃を応援するつもりだったでしょうが、佐野史郎の狂気的演技や「冬彦さん」の強烈なキャラクターに目を奪われ、毎回佐野史郎の登場シーンが大きな注目を集める結果となりました。
「冬彦さん」は、マザコンキャラの代名詞的存在となり、やがては社会現象に。また、彼がドラマの中で行った言動のひとつひとつは、現代で言うところのスートーカーにも通じるところがあります。
ずっとあなたが好きだったのドラマあらすじとは?
『ずっとあなたが好きだった』第1話あらすじ
結婚式場で働く主人公の西田美和は、仙台に住む父親から熱心に見合い話を持ち掛けられ、どうにも断り切れずある日相手の男性と会うことになりました。仙台の実家近くで会うことになったため、久しぶりに里帰りをした美和は、そこで高校時代の恋人・大岩と再会します。実は未だに大岩のことが忘れられないでいる美和は、お見合い相手の冬彦に好感を持ったものの、結婚を決意できないでいました。
そんな彼女の態度を察したのか、冬彦は積極的にアプローチし、美和が風邪で寝込んでいる時などは自宅に来て料理をしてくれるほどでした。冬彦は真面目で優しそうな人に思え、友人の知子の後押しもあったため彼との結婚を決め、大岩のことは忘れると胸に誓います。そして、美和は冬彦との披露宴の日を迎えます。
『ずっとあなたが好きだった』第2話あらすじ
冬彦との披露宴はなかなかに盛り上がり、次の日から二人の新婚生活が始まりました。穏やかに食事の時間を過ごす二人でしたが、冬彦は美和の味噌汁の味がひどいと言い、母の悦子に聞いて同じ味噌を使うように言います。軽くショックを受けながらも素直に従う美和。新婚生活に少しずつ違和感を覚え始めた美和は、また大岩と再会しました。
大岩の試合が近いことを知った美和は、応援に冬彦と一緒に観戦することを約束します。最初は乗り気で楽しそうにOKした冬彦でしたが、上司の孫の発表会に誘われたと美和をその日に連れ出しました。
『ずっとあなたが好きだった』第3話あらすじ
新婚であるのに、夫婦生活が全くない美和は不安になり、友人の知子に相談します。知子は美和の方も努力をしなさいとアドバイスし、美和は素直に従います。しかし、部屋に花を飾っても苦手だから捨てろと言われ、積極的に話しかけても取り合ってもらえません。心折れた美和は、夜中に一人部屋で泣いていました。さすがに冬彦も悪いと思ったのか、明日早く帰るから食事をしようと慰めました。
翌日浮かれながら出かける準備をする美和の元に悦子がやってきました。冬彦との食事の話を聞くと自分も参加する気でいます。見かねた美和は、はっきりと断りました。
悦子は冬彦にそのことを告げ口し、美和は一人レストランで待たされ、約束をすっぽかされるはめになってしまいます。あまりに夫婦関係がうまくいかないので、ついに美和は知子を家に呼び、それとなく冬彦に話してもらうことにしました。三人で会話をしている時には楽しそうにしていた冬彦でしたが、悦子が帰ると家のカーテンを八つ裂きにしていました。驚いた美和は、泣きながら冬彦に夫婦らしくしてほしいと訴えますが……。
『ずっとあなたが好きだった』第4話あらすじ
冬彦の豹変ぶりにショックを受けた美和は、初めての里帰りをすることにしました。美和が実家に戻ると、居間には悦子の姿が。朝美和を快く送り出したはずの冬彦は、その後すぐに悦子に電話で相談していたのです。両親の前で、ケンカをしたと悦子の口から話される美和。昨日の冬彦の言動は都合の良いように普通の夫婦ゲンカのように作り変えられていました。悦子の手前、本当のことも言えず、父親からも責められてしまう美和。
一晩実家でゆっくり過ごすつもりでしたが、父親は美和にすぐ帰るように言いました。東京に帰ろうとする美和は、仙台駅で大岩に会います。美和は大岩に声をかけ、大岩がコーチをしている、二人の母校のラグビーチームの練習を見に行くことにしました。その後二人で食事をし、思い出話に花を咲かせます。一晩泊るはずだった美和は冬彦のいる家に帰りたくなくなり、大岩とに付き合ってもらい、飲んで過ごすことにしました。
翌日自宅に戻った美和を優しく迎え入れた冬彦。疲れているであろう美和を労い、風呂をすすめます。風呂上りの美和に仙台のことを尋ねる冬彦でしたが、美和の行動を詳細に語り始めました。なんと彼は仙台まで来て美和の後をつけていたのです。それだけでなく、美和が実家から持ち帰った思い出のスクラップブックを燃やしていました。あまりの仕打ちに耐えられなくなった美和は、荷物をまとめて家を飛び出しました。
『ずっとあなたが好きだった』第5話あらすじ
家を飛び出し、知子宅に転がり込んだ美和。知子に冬彦の仕打ちを話し、離婚する決意を固めた美和は家や仕事を探し始めます。そうこうしているうちに知子の家に父親から電話が掛かってきました。東京に来ているという父親。冬彦が根回しをして、喫茶店に悦子と父親を呼び出していました。家に戻ってほしいと言う冬彦と悦子に対し、はっきりと離婚してくださいと訴える美和。悦子は笑い飛ばし、絶対に戻ってもらうと言い放ちます。
やっとアパートと仕事を見つけた美和でしたが、不気味な男に付きまとわれます。アパートや職場にまで現れるその男は、どうやら冬彦が依頼したようです。男に美和の後を付けさせるだけでなく、自分も美和のアパート前をうろつき、美和の行動を監視しようとする冬彦。美和が荷物を取りに戻ると、部屋には美和と大岩が並んで歩いている写真がばらまかれていました。冬彦はずっとこれまで美和の後をつけて盗撮までしていたのです。
『ずっとあなたが好きだった』第6話あらすじ
冬彦の盗撮した写真により、大岩の存在が悦子に知られてしまいました。美和が不倫をしていると勘違いした悦子は、どんなことがあっても離婚はさせないと言います。美和が家を出てから冬彦宅に居座り、二人で生活をしていた悦子は、美和に裁判所への出廷依頼を送りつけました。その内容は離婚に関してではなく、美和の同居を求めるものでした。そのころ冬彦は仕事でミスをして大きな損害を出してしまいます。
裁判所でしばらくぶりに会った冬彦は、仕事のミスのショックでうつろな目をしていました。美和に謝り、これは母親が全て手配したことだと言います。不穏な気持ちのまま、裁判が始まりましたが、美和は気持ちやこれまでの出来事をうまく伝えられず弁護士たちに丸め込まれてしまいました。
『ずっとあなたが好きだった』第7話あらすじ
美和の調停は続き、その中で冬彦側の弁護士から、大岩との関係を指摘されてしまいます。冬彦は美和が不倫をしていると弁護士に話していたのです。二人の関係を否定する美和でしたが、それなら裁判所に大岩を呼べと言われてしまいました。大岩に迷惑を掛けたくない一心で、美和は悦子に彼を呼ぶことだけはやめてくれと頼みます。悦子は、美和にそれなら大岩に二度と会わないと一筆書けと迫りました。
一方、仕事のミスと不正を咎められていた冬彦の職場に悦子が現れます。上司の前で土下座をし、冬彦をかばいますが、冬彦は悦子にもうやめてくれと言い放ち、職場を飛び出しました。その後アパートの美和の元に冬彦からビデオが届きます。そのビデオには冬彦の素直な美和への気持ちと涙ながらの謝罪が収められていました。両者そろっての調停の後、冬彦は美和に直接謝罪をし、生まれ変わるからどうかやり直してほしいと訴えます。
『ずっとあなたが好きだった』第8話あらすじ
冬彦の思いに心打たれた美和は、大岩にこれ以上迷惑を掛けたくないという気持ちもあり、もう一度やり直してみようと決めました。家に戻ってきた美和を冬彦は優しく迎え入れ、二人は結婚してから初めての情熱的な一夜を過ごします。これまでのことが嘘のように全てがうまくいくかに見えましたが、冬彦の抱えている闇はもっと大きなものでした。
美和の気持ちがまだ大岩にあるという強迫観念から、美和が満足していないのではないかと不安に思い、いつもビクビクしていたのです。
美和を二度と失いたくないために、必死で努力する冬彦でしたが、美和が昔大岩にプレゼントした手作りのお守りを自宅に隠し持っていることを知ってしまいました。裏切られたような気持ちでいっぱいになる冬彦。美和との性生活に不安を感じていた冬彦は、ある日職場の部下にSMクラブに無理やり連れていかれてしまいます。今まで見たことのない世界に惹かれ、なぜかこれなら美和は喜ぶに違いないと思い込んでしまうのでした。
美和が大岩にあげたお守りを持っていたことが許せない冬彦は、大岩の恋人の律子に声をかけ、4人での食事の約束を取り付けました。その食事の席で、美和の口から大岩からお守りの人形を返してもらったことを説明させ、大岩には酔いにまかせて絡みました。
『ずっとあなたが好きだった』第9話あらすじ
内緒で大岩との食事の席を設けたことや、そこでの冬彦の言動に怒った美和でしたが、その後自宅でSMの衣装を見せられ、さらに夫への不信感が増していきました。また、以前の様にすれ違い始める二人。ある日、冬彦が具合が悪くなり仕事を早退してきます。そこへやってきた悦子は、冬彦をかいがいしく看病し、美和には夫の健康管理がなっていないと叱ります。そしてこれまでのことは皆美和のせいだと罵りました。
悦子の仕打ちに耐えかねた大岩は、冬彦の職場を訪ねます。美和が冬彦との生活で苦しんでいることを訴える大岩でしたが、美和との関係を咎められてしまいます。嫌味を言われ逆上した大岩は、美和は自分が守ると冬彦に言い放ちました。自分の本当の気持ちに気づいた大岩は律子に打ち明けようとしますが、不幸にも美和は冬彦の子どもを妊娠していました。
『ずっとあなたが好きだった』第10話あらすじ
妊娠報告をするも、大岩の子だと疑われ堕ろしてほしいとまで言われた美和は、今度こそ耐えられないと再び家を出て実家に向かいます。用意周到な冬彦が電話をしていたため、実家の両親はすでに美和の妊娠を知っていましたが、美和は涙ながらに離婚したいと告げました。やがて仙台の実家に冬彦と悦子がやってきました。
全員の前で冬彦の言動を訴える美和に、冬彦は土下座をして言い過ぎたと謝ります。しかし美和は離婚の意志を変えませんでした。
東京に戻り、冬彦に離婚届を突きつけ、再び家を飛び出した美和は大岩宅に身を寄せます。美和の行動を読んでいるかのような冬彦は、大岩宅前に潜んでおり、お守りを返しに来た律子の手を取って、家に上がり込もうとし、開けろと大声で怒鳴りながらドアを叩き続けました。
『ずっとあなたが好きだった』第11話あらすじ
翌朝、大岩の家に美和の父がやってきました。冬彦に全てを聞いた様子の父親は美和を咎めず、仙台に帰ってこないかと言います。その後、大岩の家には悦子が来て、冬彦が話し合いをしたいと言っていると美和を連れ戻しました。冬彦宅には、仙台から悦子が持ってきた子どもの遊具が所狭しと置かれています。
冬彦は絶対に離婚はしないと言い、全く話し合いにはなりませんでした。大岩の所に戻ろうとする美和を悦子は実家の融資のことを盾に脅し、帰さないと閉じ込めました。美和に胎教CDを聞かせたり病院を探したり、意気揚々としている悦子。離婚の話し合いができないことに美和は愕然とします。大岩の勤務先を調べ上げ、冬彦の父が生前にその会社に融資を行っていたことをネタにまた美和を脅す悦子。
しかし、大岩宅では別れたことで傷心の律子が自殺未遂を図っており、電話で彼女の声を聞いた美和は悦子と冬彦を無視して飛び出します。病院に搬送された律子を心配する美和と大岩の元に現れた冬彦は、「この二人が一緒になると必ず誰かが不幸になる」と言い、不気味な声で笑い飛ばしました。
『ずっとあなたが好きだった』第12話あらすじ
一命を取り留めた律子。冬彦は美和を連れ戻しましたが、冬彦宅には逆上した大岩が乗り込んできました。冬彦と激しく言い争い、美和を無理やり連れだした大岩。しかし美和は大岩の家には戻らす実家に帰ります。大岩は会社に辞表を出し、美和と一緒になる決意を固めました。その後大岩の最後の試合の日となりましたが、大岩は試合に参加せず自宅にいます。それを知らな美和は試合をグラウンドで観戦していました。
大岩の姿が見えないのに気づいた美和は、電話で最後に試合する姿を見せてほしいと懇願します。その言葉で試合に参加する大岩。その様子を密かに冬彦は見ていました。試合の後、グラウンドにはナイフを付きたてられたお守りの姿が……。その後、一転して離婚する、もう美和には未練はないと言い出した冬彦。それを聞いて悦子は、冬彦に自分が与えたものを粗末にしたら許さないと言い、冬彦の頬を殴りつけました。
『ずっとあなたが好きだった』 最終回あらすじ
美和は物なんかじゃないと泣きながら大切にしていた蝶の標本を次々に叩き壊す冬彦。ガラスの破片を手に持ち、悦子の腹に突き立てました。翌日、冬彦宅にやってきた美和の父は、昨晩の様子を聞き驚きますが、冬彦はすでに警察に勾留されていました。一方大岩は九州でラグビーのコーチをやることが決まり、美和に一緒に来てほしいと頼みました。大岩と新しくやり直そうと決意する美和でしたが、その前に冬彦の元を訪れます。
冬彦は、自分には母を殺す意思があった、自分が犯罪者になれば美和は自分から離れられると言いました。そして、離婚届けを書いたことと美和への別れを告げます。そこで、美和は冬彦が子どものころから美和を思っていたことを知りました。美和の父が経営する菓子店に冬彦は何度も訪れており、そこで美和に一目ぼれしていたのです。
複雑な思いで大岩の元へ向かう美和でしたが、二人きりになるとようやく、大岩に本当の想いを告げることができました。その後、美和と大岩は結婚し、冬彦は新しい相手とお見合いをしています。
ずっとあなたが好きだったの冬彦さんを演じる佐野史郎さんとは?
ドラマ『ずっとあなたが好きだった』で冬彦さん役を務めたのは、佐野史郎です。ぞれまで舞台や映画を中心に活動していた佐野史郎は、このドラマの冬彦さん役で一躍注目を集め大ブレイクします。そればかりか、佐野史郎の怪演が話題を呼び、マザコンと言えば冬彦さんと言われるほどの社会現象まで巻き起こします。
当時はまだ幼くて放送を見ることはできなかった娘が後に『ずっとあなたが好きだった』を見たとき、「お父さんきもい」と言われたと佐野史郎はインタビューで語っていました。その後は出演作も増え、1993年には『ずっとあなたが好きだった』の続編ドラマ『誰にも言えない』で再びエキセントリックなキャラクターの麻里夫を演じました。
佐野史郎は、劇団「シェイクスピア・シアター」に入団したことをきっかけに役者としての活動をスタートさせます。数々の舞台に出演後、1986年には『夢見るように眠りたい』で初めての映画主演を務め、その後も出演作を増やしていきました。1992年の『ずっとあなたが好きだった』の演技で注目を集め、テレビドラマに欠かせない存在となります。
2018年には、『限界団地』で連続ドラマで初の単独主演を果たし、話題と注目を集めました。
ずっとあなたが好きだったのマザコンの冬彦さんが伝説に!
衝撃のシーン!木馬に乗る冬彦さん
美和の妊娠を知って狂喜乱舞する母の悦子は、冬彦宅にたくさんのおもちゃや遊具を担ぎこみました。その中に立派な木馬があり、それは冬彦が子どものころに乗って遊んでいたものなんだとか。冬彦の元から離れたがっている美和は、離婚の話し合いをするために家へとやってきたのです。
木馬にまたがってユラユラ揺れながら、離婚はしないと美和を責め立てる冬彦は、このドラマの中でいちばん恐ろしい形相をしていました。大岩に自分の子どもを抱かせたくないと言い、体をぶるぶると震わせまさに狂気の表情です。いつものマザコンキャラと相まって、視聴者に強烈なインパクトを与えました。
いつもお母さんがよしよししてくれる
冬彦の何倍も怖い母の悦子。体調を崩したときや悩みごとがあるときなど、落ち込む冬彦に対して、悦子は小さな子どもの様に頭をよしよししたり、抱きしめたりします。ドラマの最後の方では、マザコンの冬彦もさすがに反抗するそぶりも見せていますが、これまでいつもこうやってこの親子は過ごしてきたのだと思うと、ぞっとしてしまいますね。
狙った獲物は逃さない?行く先々に潜んでいる
結婚して専業主婦となった美和は、昼間に自由な時間を持っているわけですが、その行く先々で仕事に出かけたはずの夫・冬彦が現れます。もちろん美和は気づいておらず、背後からジトーっと意味ありげな視線を送っているのですが……。
結婚と同じ時期くらいに美和は大岩と再会を果たし、二人の交流は増えていきます。後ろめたさを感じながら大岩との時間を過ごしていた美和が、自宅に帰宅したら、冬彦がそれを全て知っている、なんて考えただけで恐怖でしょう。
追いつめられたら、「んんーーっ!」
冬彦の言動に耐え兼ねて美和が家を飛び出したとき、仕事で切羽詰まり大きなミスを犯しそうになったとき、大岩に言われた言葉が忘れられなくなったとき。そんな心理的にも状況的にも追いつめられたときに、「冬彦さん」が取るお決まりのポーズがあります。
それは、口をゆがめ、眼は無表情のまま、『んんーーっ』と唸るのです。まるで、幼児がやるようなそのしぐさに、多くの視聴者は震え上がりました。この印象的な表情は、放送当時まだ乳児だった娘の仕草からヒントを得て佐野史郎が真似たものです。
ずっとあなたが好きだったの冬彦さんの誕生秘話を紹介!
『ずっとあなたが好きだった』は最初、美和と大岩のラブストーリーがメインのドラマでした。しかし、ドラマが進んで行く中で、佐野史郎演じる夫の冬彦の強烈なキャラクターや言動が話題となり、終盤には完全に「冬彦さん」のドラマと言ってしまってもいいような事態とまでになりました。このドラマ史上に残る名物キャラクターの「冬彦さん」にはいくつかの誕生秘話やエピソードがあります。
ドラマ『ずっとあなたが好きだった』の第一話で、美和とのお見合いを終えた冬彦と母の悦子が街中を並んで歩いているシーンがあります。会話をしながら歩いている二人でしたが、その後ある男に冬彦がぶつかられてしまい、自転車置き場に激しく転倒してしまいます。冬彦は手をすりむき、指からは流血していました。息子を心配した悦子は、おもむろに彼の指を口にくわえたのです。
このシーンは、悦子役を演じた野際陽子のアドリブでした。見合いをするようないい年をした息子にまるで幼児にするような仕草です。このことがきっかけで、桂田冬彦のキャラクターは、マザコンキャラの「冬彦さん」となったのです。
ずっとあなたが好きだったの冬彦さんについてまとめ!
最初はマザコンキャラ設定ではなかったという「冬彦さん」。主人公の美和と大岩の恋を阻む、少し困った夫という設定だったのでしょうが、野際陽子のアドリブや佐野史郎の名演技でドラマ史上に残る伝説的キャラクターとなりました。そんな「冬彦さん」伝説を目の当たりにしたい方は、ぜひ『ずっとあなたが好きだった』を視聴してみてください。