菊次郎とさきのあらすじまとめ!祖母と母のエピソードや北野武の実家のルーツとは?

ドラマ『菊次郎とさき』は北野武さん原作の小説「菊次郎とさき」をドラマ化したものです。テレビ朝日系で放送され、2003年から2007年にかけて3シリーズに分けて放送されました。主演は全シリーズを通して菊次郎役を陣内孝則さん、さきさん役を室井滋さんが演じました。こちらの記事では、ドラマ『菊次郎とさき』のあらすじまとめ、そして北野家の歴史や北野武さんの祖母・母親とのエピソードについてご紹介していきます。

菊次郎とさきのあらすじまとめ!祖母と母のエピソードや北野武の実家のルーツとは?のイメージ

目次

  1. 菊次郎とさきのあらすじが気になる!
  2. 菊次郎とさきのキャストを紹介!北野武役は?
  3. 菊次郎とさきのあらすじを紹介!
  4. 菊次郎とさきでは北野武の祖母や母のルーツが分かる?
  5. 菊次郎とさきを見た人の感想や評価は?
  6. 菊次郎とさきのあらすじまとめ

菊次郎とさきのあらすじが気になる!

ドラマ『菊次郎とさき』は2003年から3シリーズに渡り放送されたドラマです。原作は北野武さんです。北野氏の両親である菊次郎さんとさきさんについて、息子という視点から描いた小説を、陣内孝則さんと室井滋さんを主演にしてドラマ化しました。エッセイ小説ともいえる原作をどのようにドラマ化したのか、そのあらすじが気になります。これから『菊次郎とさき』についてあらすじや感想などを紹介していきます。

菊次郎とさきのキャストを紹介!北野武役は?

北野さき役/室井滋

北野武さんの母である北野さきを女優の室井滋さんが演じています。早稲田大学在学中に自主映画を数多く制作し「自主映画の女王」と呼ばれていました。スクリーンデビューは1981年です。1987年には歌手デビューもされています。1988年に小林聡美さん、もたいまさこさんと共演した『やっぱり猫が好き』で一躍有名となります。それから数々のドラマや映画、舞台に出演し名脇役として活躍されています。

北野菊次郎役/陣内孝則

北野武さんの父である北野菊次郎を俳優の陣内孝則さんが演じています。上野でスカウトされ、最初はロックバンドのボーカリストとしてデビューしました。俳優になったのはバンドが解散してからです。1980年代のトレンドドラマブームに乗り一躍有名になります。その後も数々のドラマや映画、舞台に出演されています。

北野武役/塚本高史

青年時代の北野武さんを演じるのは俳優の塚本高史さんです。1997年にドラマ『職員室』で俳優デビュー。2000年の映画『バトルロワイヤル』で一躍有名になり、さらに北野武さんとの共演も果たしています。その後ドラマ『木更津キャッツアイ』を皮切りに、宮藤官九朗作品に多く出演しています。以前に比べるとテレビへの出演回数が減っていますが、仕事の質を上げるために吟味して仕事を選ぶようになっているからだそうです。

菊次郎とさきのあらすじを紹介!

ドラマ「菊次郎とさき」は2003年、2005年、2007年と3シリーズに分けてテレビ朝日系で放送されたドラマです。原作は北野武作の同名小説です。ドラマは1話完結形式となっており、北野家の歴史をコミカルに、笑いあり涙ありのストーリーに仕上げています。昭和懐かしい風景を舞台に北野武氏のルーツがわかる作品となっています。ここではドラマ「菊次郎とさき」のあらすじをご紹介していきます。

原作は北野武作の同名小説!

ドラマ『菊次郎とさき』には原作があります。それは北野武さん作の同名小説です。原作は1999年に単行本、2001年に文庫版が出版されました。物語は北野武さんが母・さきさんの入院しいてる病院に向かうところから始まります。電車に乗りながら、たけしさんは子供の頃を思い返すのです。北野武さんの独特の語り口調で北野家のエピソードを紹介しているのが特徴です。また、あとがきは北野武さんの兄・大さんが執筆しています。

菊次郎とさきのあらすじ:北野家の物語の始まり

記念すべき第1シリーズ第1話です。冒頭は大人になったたけしがタップを踏むシーンから始まります。そこからたけしが生まれ育った街、足立区梅島に舞台が移ります。菊次郎、さきを中心に北野家の家族の紹介をするたけし。「これから、父ちゃんと母ちゃんのことを、再び話してみようと思う」というナレーションとともに、物語は始まるのです。

菊次郎とさきのあらすじ:教育熱心な母・さき

第1シリーズ2話のあらすじです。ある日菊次郎にグローブを買ってもらったたけし。母さきに見つからないようにと庭に埋めてしまいます。しかしいざ使おうと土の中から掘り出すと、そこからグローブではなくビニール袋に入った参考書が出てきました。そして「勉強しろ!バカヤロー」と書かれたさきからのメモも入っていました。母さきの教育熱心ぶりがわかるエピソードです。

実際のさきさんもかなりの教育熱心でした。さきさんは「貧乏は輪廻する」と考えていました。貧乏な家庭では教育がままならず、教育が出来ていないといい仕事には就けないためその子供もまた貧乏になる、だから子供に勉強をさせないといけないという風に考えていたのだそうです。他の兄弟達はよく勉強しましたが、末っ子の武さんだけはなかなか勉強せず、いつもさきさんと戦っていたそうです。

菊次郎とさきのあらすじ:女義太夫としての祖母・うし

第1シリーズ第4話のあらすじです。さきがちんどん屋さんでアルバイトをする姿を見て触発され、芸人魂に火が付いた祖母のうし。祖母のうしはかつて娘義太夫として活躍していたのでした。「もう一度高座に上がりたい」と話す祖母うしに、次第に周りが協力し始めます。そして武の学校を会場に、武の担任の藤崎先生と聞く次郎が作った舞台で高座をすることが決まります。しかし祖母うしは学校が舞台なんて嫌だ、と高座を開くことを渋り始めます。

みんなが一生懸命舞台を用意してくれているのに、やらないなんてらしくないというさき。本当は長い間義太夫から離れていたため、舞台をやる自信が無かったのでした。さきは、お客は自分が呼ぶから問題ないと励まします。そして舞台当日、うしの為に沢山の人が集まりました。演奏しますが、上手く声が出ないうし。そこにたけしが代わりに歌い、祖母うしは再び歌い始めます。みんなが合いの手を入れ、舞台は無事に終わります。

菊次郎とさきのあらすじ:菊次郎とさきの仲を取り持つたけし

第1シリーズ第9話のあらすじです。この回はたけしが活躍する話です。ある日、菊次郎が教科書を燃やしてしまい、怒ったさきが家出してしまいます。たけしは「教科書を燃やした父ちゃんの気持ちもわかる」と言います。さきはいつも子供達に何かと「ちゃんと勉強しないと父ちゃんみたいになっちまうよ!」と話していました。菊次郎からすれば、面白くないのも当然です。

そしてさきが毎回菊次郎のことで苦労していることもたけしは知っています。たけしにとっては2人とも大切な両親なのです。たけしの言葉を聞いて、さきもさすがに反省します。そして菊次郎も「俺にはお前しかいない」と謝ります。結局、教科書は燃やしていなかったことも判明し、2人は無事に仲直りします。まさに「子はかすがい」となったお話でした。

菊次郎とさきのあらすじ:風呂桶を買ってしまう父・菊次郎

第2シリーズ第2話のあらすじです。ある日菊次郎は口車に乗せられてヒノキ風呂を買ってしまいます。菊次郎は1番風呂入りたさにお風呂を買ってしまったのでした。さきはお風呂を返品しようとしますが、売値の3分の1で買取りなら出来ると言われ、怒って「一度に全額支払う」と約束してしまいました。お金の工面に翻弄するさきでしたが、菊次郎はそんな苦労はどこ吹く風なのでした。

いよいよヒノキ風呂が北野家にやってきました。菊次郎は念願の1番風呂に入り、お風呂でお酒を飲んで楽しみます。しかし、暫くしてたけしが声をかけると返事がなく、見ると菊次郎はぐったりしています。驚いたたけしは「父ちゃんが死んだ」と言って回り、北野家や隣近所、警察を巻き込んだ大騒動になります。結局、菊次郎は自力で息を吹き返すのですが、菊次郎が皆に愛されていることがわかる回でした。

菊次郎とさきのあらすじ:菊次郎とさきの愛情

第3シリーズ第3話のあらすじです。ある日たけしは欲しいおもちゃの為に家のお金を盗んでしまいます。しかも雨で仕事が出来ない菊次郎が留守番をしている日を狙い、菊次郎が犯人として疑われるように仕向けます。しかしたけしの思惑とは裏腹に、藤崎先生の妹・美智子も疑われ大騒動となります。たけしはついに父菊次郎に本当のことを告げると、菊次郎は怒ることなく話を聞き「何とかする」「その代わり二度とするな」と言いました。

菊次郎は武の罪をかぶり、家族に謝罪します。しかしさきの怒りは収まりません。武は後悔に苛まれ、涙を流します。ある日、家の庭から武が盗んだお金で買ったおもちゃを見つけたさき。武のために叱るべきだというさきと、もうしないと約束したからいいという菊次郎。さきもお金を盗んだことには触れず、武に「天網恢恢、疎にして漏らさず(悪いことをしたら必ず天罰が下る)」という言葉を残すのでした。

菊次郎とさきでは北野武の祖母や母のルーツが分かる?

ドラマ『菊次郎とさき』は、北野武さんの小説を元にした作品です。北野一家に起きた出来事や家族についてのお話が紹介されています。このドラマを観れば北野家がどういう人達だったのかわかりますが、時代設定は武さんの子供時代~売れるまでのお話が中心です。それ以前の、北野武さんの祖母がどういう人物だったのか、菊次郎さんとさきさんの出会いはどんなものだったのかについてこちらでご紹介していきます。

菊次郎とさきで登場する北野武の祖母とは?

ドラマ「菊次郎とさき」では数々の女優が演じている北野武氏の祖母、北野うしさん。1873年に生まれ、父親の影響で女義太夫になり花形を飾っていました。その後息子徳次郎が生まれ、それなりに裕福だった北野家に小宮さきが嫁に来ます。しかし徳次郎が虫垂炎で急死。甥の正端菊次郎をさきの婿に迎えます。そして菊次郎とさきの間に生まれた子の一人が北野武さんでした。

そのため、北野武さんと北野うしさんは血縁上は祖母と孫ではなく大叔母と大甥の関係となります。しかし血縁とは関係なく祖母と孫として接していた2人。武さんは三味線の音が好きで、うしさんによく懐いていたそうです。うしさんも、武さんのことを「たけ殿」と呼んで可愛がっていました。武さんは、自分の芸人としての才能は祖母のうしさんから受け継いだものだと後に語っています。

菊次郎とさきで登場する北野武の母とは?

ドラマ「菊次郎とさき」では室井滋さんが演じる北野武氏の母親のさきさん。さきさんは千葉県出身で、早くに両親を亡くし奉公に出ていました。その時に武さんの祖母となるうしさんに気に入られ、息子の徳次郎さんと結婚。しかし徳次郎さんが亡くなったため、北野うしさんの甥の菊次郎さんと結婚することになります。菊次郎さんとの間には5人の子供が生まれ、現在大学教授の北野大さん、北野武さんが誕生します。

夫の菊次郎が酒好きだったため、北野家の家計は苦しいものでした。その為さきさんは子供達が貧乏にならないようにと教育に力を入れます。北野武さんはその理由を「母親は師範学校を出て教師をしていたから」と聞かされていました。ある番組で北野家のルーツを紹介したときに母親が実は奉公に出ていたことを知り、武さんは聞かされていた話との違いに驚いていました。

菊次郎とさきで登場する北野武の父とは?

ドラマ「菊次郎とさき」では陣内智則さんが演じる北野武氏の父・菊次郎。菊次郎さんは、さきさんの2番目の夫でした。さきさんの最初の夫・徳次郎さんが亡くなり、不憫に思った祖母うしさんは甥っ子の菊次郎さんと結婚させます。菊次郎さんは塗装職人でした。普段は大人しく静かな人でしたが、お酒にめっぽう弱く、飲むと人が変わった様に暴れてしまうとのことでした。

さらにお金をほとんどお酒に使ってしまうため、菊次郎さんと結婚した後のさきさんは大変苦労されたそうです。ドラマでは「ちゃんと勉強しないと父ちゃんみたいになっちまうよ!」というのがさきさんの口癖でした。菊次郎さんは1979年に亡くなっています。

菊次郎とさきで登場する北野武の兄とは?

北野武さんには3人のお兄さんがいました。1番上の兄が長男の重一さんで、武さんとは年が離れていました。1番近いお兄さんがタレント活動もされていた大(まさる)さんです。北野武さんにはもう1人、勝さんというお兄さんがいましたが、北野武さんが生まれる前に亡くなっています。今回は、重一さんと大さんのご紹介をします。

北野重一さんは北野武さんの1番上のお兄さんです。ドラマでは頭がよく、また他の兄弟よりも年が離れていたため、働いて北野家の家計を支えていました。千葉大学卒業後に教師を経て宇野製作所に入社。その後同社で取締役営業本部長をされていました。亡くなった際、武さんは兄重一さんが「がんの治療はいらない。家族に手をかけさせたくない」と話していたと言い、「うちの兄貴すげえなと思って」と話されていました。

北野武さんと1番年齢が近い兄弟が大(まさる)さんでした。東京理科大学工学部を卒業し大正製薬に入職しましたが、学者の道に進むために進学します。2006年から2013年まで明治大学理工学部の教授を務めていました。1990年代にはテレビのコメンテーターやクイズ番組へのレギュラー出演などタレント活動もされており、親しみやすい笑顔で好感を持たれていました。現在は秋草学園短期大学の学長をされています。

菊次郎とさきで登場する北野武の姉とは?

北野家で唯一の女の子として生まれた武さんの姉、安子さん。教育熱心な母さきさんでしたが、安子さんに対してだけは「女は勉強しなくていい」と言われていたそうです。その為、東京都立上野高校を卒業後、進学はしていません。その後結婚し中山安子さんとなります。行動力のある性格で、英語を勉強してカナダに短期留学をしたり、FacebookやLINEを利用しているそうです。またEXILEのファンでライブにも行かれるそうです。

菊次郎とさきを見た人の感想や評価は?

3シリーズに分けて放送されたドラマ『菊次郎とさき』、原作も人気でしたがドラマも好評価でした。ここではドラマ『菊次郎とさき』を見た人の感想をご紹介していきます。

感想①キャストがいい!

このドラマの素晴らしいところは、ツボを押さえたキャスティングでしょう。陣内さんと室井さんはもちろんのこと、一家全員がピッタリでした。

ドラマの主演は3シリーズ一貫して陣内孝則さんと室井滋さんでした。この2人の演技が素晴らしいという感想も多く見られました。その他のキャストも、原作に登場するその人柄を上手く表現出来ていて、それぞれのバランスが良いから良い作品となったという感想もありました。

感想②昭和の温かみを感じるドラマ

ベタな人情モノにも見えますが、ちょっとだけ何かが違う。少し前のドラマって、こんなに面白いんだ…と素直に思いました。戦後が舞台で、今より絶対済みにくい環境なんですが、それでも楽しく生きている。
家族一体、地域一体。前向きで、活力があるそんな時代です。

ドラマ『菊次郎とさき』は昭和30年代を舞台にしたドラマです。その頃を生きていた人達にとっては懐かしさを感じるドラマなのではないでしょうか。昭和と平成で日本は随分と様変わりしました。最近では隣近所と会話をする機会も殆どありません。人の温かみを感じられる、ドラマ『菊次郎とさき』はそんな作品として評判です。

感想③お気に入りの話がある!

大好きな話が2つ、「不発弾騒ぎがおきて、北野家にはなかったけど隣に不発弾が埋まっていて大パニックになってしまった話」「菊次郎の恩人がやってくるのだが実は幽霊で菊次郎が涙を流した話」大人になりたてのたけしが子供の頃の自分の事を語るのがとても面白かったです。タイトルの二人も良い味を出していました!

ドラマ『菊次郎とさき』は1話完結形式のドラマです。そのため、お気に入りの作品があるという感想も見られました。

菊次郎とさきのあらすじまとめ

今回はドラマ『菊次郎とさき』の北野家の歴史、そしてあらすじまとめをご紹介しましたが、いかかでしたでしょうか?貧乏な中でも明るく過ごす家族の姿をコミカルに仕上げたこの作品。辛いことも家族みんなで乗り切る姿に感動を覚えた方も多いようです。隣近所との心温まるエピソードも、今では珍しい光景なのかもしれません。

単なる北野家の物語というだけでなく、家族の絆や昭和の人々の温かみも感じられるこのドラマ。笑いあり、涙ありの作品となっており、観ているとどこか懐かしく温かい気持ちにさせてくれます。ドラマ『菊次郎とさき』をまだ観たことのない方は是非この機会にご覧下さい。

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