【少女椿】ワンダー正光は手品師ではなく幻術使い?みどりとの関係や最後は?

丸尾末広による漫画作品とそれを基にした映画「少女椿(しょうじょつばき)」。70年前の街頭紙芝居をベースにしながら丸尾ワールド全開のエロ・グロさが際立つ作品です。そんな作品の性格を決定づける強烈なキャラ、手品師のワンダー正光が本記事の主役です。これから、ワンダー正光の闇の部分にスポットを当て、幻術使いという噂の真相や主人公みどりとの関係、さらにはその最後について彼の残した名言と共にお届けしていきます。ご期待ください!

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目次

  1. ワンダー正光は手品師ではなく幻術使い?
  2. ワンダー正光とみどりの関係
  3. ワンダー正光の代償や最後
  4. ワンダー正光のかわいい名言集
  5. ワンダー正光の実写キャスト
  6. ワンダー正光に関する感想や評価
  7. ワンダー正光についてまとめ

ワンダー正光は手品師ではなく幻術使い?

少女椿の作品情報

本記事のメインテーマ・ワンダー正光の話題に入る前に、少女椿の作品情報を紹介していきます。最初は作品の概要、そして簡単なあらすじへと続きます。

少女椿の概要

丸尾末広による漫画作品とそれを基にしたアニメ映画「少女椿(しょうじょつばき)」。漫画作品については「漫画ピラニア」1981年8月号に掲載された後、官能劇画誌「漫画エロス」に1983年8月号から1984年7月号にかけて連載されました(全8作)。

概要のイメージ

また、1984年9月には「月刊漫画ガロ」で知られる青林堂が単行本を刊行、以来10代の若者を中心に支持されてきました。2003年には青林工藝舎より「改正版・少女椿」が発行されていますが、2020年1月時点で唯一の少女椿・現役版となっています。

少女椿は、第二次大戦後の混乱期に作られた浪花清雲の街頭紙芝居をベースにしています。両親と生き別れ一人で生きていくことになった極貧の少女が、苦難を乗り越え幸せを手にするという紙芝居を、過激でグロテスクな描写で知られる漫画家の丸尾末広が脚色。物語を通して暗い雰囲気が支配するなか、後味の悪い結末に改変されています。

また、メディア展開としては映画化や舞台化が行われています。1992年5月にアニメ映画「地下幻燈劇画 少女椿」が、2016年5月には実写版映画が公開されました。とりわけ実写版映画については、本作が実写化困難とされていただけに、公開当時その完成度の高さが大きな話題となりました。

少女椿のあらすじ

あらすじのイメージ

物語の舞台となるのは昭和13年の貧しい農村。病身の母を助けるため花売りをして働く幼い少女、みどりが主人公です。そんなみどりの前に、優しそうなおじさんが現れます。その鯉治郎というおじさんは、みどりに「困ったらいつでも訪ねておいで」と声を掛けてくれました。仕事を終え家に戻ったみどり。彼女を待っていたのは変わり果てた母の姿でした。最愛の母は、ねずみに内臓を食いちぎられて亡くなっていました…。

ワンダー正光は幻術使い?

ここからは、本記事の主役であるワンダー正光(わんだー・まさみつ)について解説していきます。いつも山高帽をかぶった中年の男性、ワンダー正光。小人症の彼は、赤字続きの見世物小屋・赤猫座立て直しのため東京から遥々やって来た期待の手品師でした。

ワンダー正光は手品師という触れ込みで登場しますが、実際に彼が扱うのはタネや仕掛けのある手品ではなく「幻術」だったのです。手品とは比べ物にならないほど刺激の強いワンダー正光の幻術。その虜になった人々の口コミにより、やがて閑古鳥の鳴いていた見世物小屋にも活気が蘇ってきました。

店内で芸人たちにいじめられていた主人公みどりを気遣い、ワンダー正光は彼女に優しく声を掛けます。普段は穏やかで物静かで紳士的なワンダー正光が、みどりの事となると一転、彼女のためなら手段を選ばない危険な男に豹変してしまいます。また、気にしている小人症のことをからかわれると異常なまでに反応し、紳士の顔の奥に潜む凶暴性を顕わにするワンダー正光でした。

映画 少女椿 公式サイト

ワンダー正光とみどりの関係

みどりは少女椿の主人公

あらすじの項で説明した通り、少女椿の主人公はみどりという少女です。まだ12歳のみどりでしたが、病気で伏せる母親の代わりに花売りをして家計を支えていました。母親が亡くなり孤児となったみどりは、花売りのお客で親切なおじさん・鯉治郎を頼って会いに出かけます。

鯉治郎は見世物小屋・赤猫座を紹介し、みどりはそこで下働きとして雇われることになりました。芸人たちから執拗ないじめを受けるみどり。しかし気の強いみどりは、芸人たちをバケモノと呼び応戦、両者の関係は険悪なものになっていきました。

そんな時、みどりに手を差しのべたのがワンダー正光でした。みどりも優しくしてくれるワンダー正光にまんざらでもありません。徐々に親しくなっていくみどりとワンダー正光。ある時、芸人たちにからかわれたみどりは、とんでもない捨てゼリフを吐きます。自分はワンダー正光の妻だと言うのです。みどりは、集客力により見世物小屋での地位を確かなものにしていたワンダー正光を、自身の後ろ盾として利用したのです。

ワンダー正光とみどりは両想い?

やがて、ワンダー正光とみどりの間は相思相愛の関係へと発展していきます。当初温厚な紳士だったワンダー正光ですが、次第に別の一面を見せるようになります。それは、みどりに対する異常なまでの独占欲でした。みどりに接近してくる者には激しく嫉妬し、容赦のない仕打ちを与えます。

手始めに、みどりを強姦し処女を奪った徳利児鞭棄(とっくりじ・むちすて)に襲いかかると、生き埋めにして殺してしまいました。殺害の一部始終を目撃したみどりは恐怖に震えますが、ワンダー正光から離れることはできません。ワンダー正光が自分に優し接してくれる唯一の人間であったこと、そして、ほんのひと時ではありましたが、手品ではなく幻術を使って両親と暮らす幸せな時代に連れていってくれたからです。

みどりはワンダー正光に、幼い頃亡くした父の面影を重ね、小人症という負い目を抱え女性とは縁のなかったワンダー正光は、みどりに異性を感じていました。2人は共依存という危険な関係にハマっていったのです。

Thumb少女椿の漫画あらすじと魅力は?グロい・悲惨な内容やラストをネタバレ紹介 | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]

ワンダー正光の代償や最後

ワンダー正光の幻術の代償

ここからは、ワンダー正光の代償や最後について解説します。手品師としてやって来たワンダー正光ですが、赤猫座では幻術使いとして客の前に立っています。この幻術という言葉には、手品という意味のほかに魔法とか妖術という意味もあります。ワンダー正光の幻術は手品ではなく正に後者の方で、その気になれば人の命も簡単に奪える恐ろしいものでした。

強力な武器となる幻術でしたが、使用するにあたってはその代償を払わねばなりませんでした。何十人もの人を殺した後、ワンダー正光は寝込んでしまいます。幻術は使う人間の体力を著しく消耗させてしまうのです。度を越して使うと、身体の老化が進行しひいては寿命を縮めることにもなってしまい兼ねません。そのことは十分承知の上で大切なみどりの事だけを思い、幻術を行使してしまうワンダー正光でした。

ワンダー正光の最後

少女椿の物語のラストには、驚きの結末が待っていました。事の発端は、見世物小屋・赤猫座の座長が愛人と共謀して売上金を持ち逃げしたことに始まります。赤猫座は興行を続けられなくなり廃業。働いていた芸人たちは、それぞれ別の道を歩んでいくことになりました。

ワンダー正光とみどりも例外ではありません。仲間の祝福を受け晴れて旅立つことになりました。ところが、目的地に向かうバスの待ち時間に1人で弁当を買いに出たワンダー正光が、途中泥棒に襲われ殺されてしまったのです。

いつまで経っても戻らないワンダー正光を、今か今かと待ち続けるみどり。そのうち、不安に襲われたみどりに赤猫座での宴会が幻覚となって現れます。彼女は半狂乱になって泣き叫びます。ワンダー正光に裏切られたと思い込むみどりが、どんなことをしても孤独から抜け出せない自身の人生を悟っておいおいと泣くところで少女椿は幕を下ろすのでした。

ワンダー正光のかわいい名言集

ワンダー正光の名言①「臆病なくせに物見高く…」

セリフが少ないことで知られる漫画作品・少女椿。イラストに描かれたキャラクターの表情から、感情や考えている事を読み取れるようになっているとされます。ここでは、少女椿の限られたセリフの中からワンダー正光の名言をピックアップして紹介していきます。

臆病なくせに物見高く怠け者のくせに欲深く被害者意識の塊でそのくせ世の中を我が物顔で歩き回る健康うすのろだ!!

最初の名言は、赤猫座での見世物がなかなか始まらないことに業を煮やしてヤジを飛ばす観客に向けて、ワンダー正光が放った名言です。主人公のみどりにも通じる名言になっています。

ワンダー正光の名言②「おまえなんかにみどりちゃんは…」

続いて紹介するワンダー正光の名言、神社の境内でみどりに言い寄る芸人に向けて言った名言です。その後、ワンダー正光はその芸人に幻術を見せて殺してしまいました。みどりへのワンダー正光の愛情は純粋で真剣なものでしたが、異常な独占欲が彼を狂気へと駆り立てました。この名言はそんな彼の心情をよく表しています。

お前なんかにみどりちゃんは渡さん!

ワンダー正光の実写キャスト

風間俊介のプロフィール

実写版映画「少女椿」でワンダー正光を演じたのは、俳優でタレントの風間俊介(かざま・しゅんすけ)です。まずは、彼のプロフィールを紹介します。

  • 生年月日:1983年6月17日
  • 年齢:36歳(2020年1月現在)
  • 出身地:東京都墨田区
  • 身長:164 cm
  • 職業:俳優、タレント、司会者
  • 事務所:ジャニーズ事務所

風間俊介は、1997年中学2年生の時にジャニーズ事務所のオーディションに合格し芸能界入りします。少年隊の舞台でデビューすると、ジャニーズJr.として活動を開始。1998年9月には、B.I.G.(わんぱく少年…Bad Image Generationの略)のメンバーにも選ばれます。

翌1999年、長寿人気ドラマ「3年B組金八先生」第5シリーズに兼末健次郎役で出演。この時の演技が評価され第3回日刊スポーツドラマ・グランプリ新人賞を受賞します。その後、活動の中心をテレビドラマに移していきました。

2011年には「それでも、生きてゆく」で日本放送映画芸術大賞助演男優賞やザテレビジョンドラマアカデミー賞助演男優賞を受賞。翌2012年のNHK連続テレビ小説「純と愛」の待田愛役でお茶の間の人気者となりました。

風間俊介の主な出演作品

  • テレビドラマ
  • 眠れる森 第1・3・5話(1998年、中嶋敬太)
  • 3年B組金八先生(1999年第5シリーズなど、兼末健次郎)
  • 怖い日曜日〜2000〜(2000年、第17回・第21回の主演)
  • 史上最悪のデート 第6・18話(2001年、主演・勘太郎)
  • アキハバラ@DEEP(2006年、主演・ページ)
  • 連続テレビ小説「純と愛」(2012年、 待田愛)
  • 最悪の卒業式(2013年主演・村越昌也)
  • マッチング・ラブ(2013年、主演・徳井カナタ)
  • 大河ドラマ・西郷どん(2018年、橋本左内)

  • 映画
  • 前橋ヴィジュアル系(2011年、主演・タクジ)
  • 任侠ヘルパー(2012年、山際成次)
  • ペタル ダンス(2013年、川田) 
  • Zアイランド(2015年、しげる)
  • 猫なんかよんでもこない。(2016年、主演・杉田ミツオ)
  • エヴェレスト 神々の山嶺(2016年、岸文太郎)
  • 少女椿(2016年、ワンダー正光)

ワンダー正光に関する感想や評価

ここまで、少女椿のワンダー正光特集をお届けしてきましたが、最後にワンダー正光に関する感想や評価を紹介していきます。

最初に紹介する少女椿のワンダー正光に関する感想や評価は、ワンダー正光の精神に目を向けたリア太郎さんのツイートからです。鞭棄に対する異常なまでの殺意も、ひとえにみどりちゃんへの気持ちから生じているもの。それを考えると、純粋で子どものような精神の持ち主としてのワンダー正光像が浮かび上がって来るそうです。

続いて紹介する少女椿のワンダー正光に関する感想や評価は、物語の最後に疑問を感じると言うぎょざさんのツイートからです。愛情の飢えと狂気に満ちていて気味の悪いワンダー正光。そうだからと言って、最後にワンダーを殺す必要はあったのかな?とその結末に疑問を呈していました。

次に紹介する少女椿のワンダー正光に関する感想や評価は、実写版映画について述べるりかさんのツイートからとなります。キャスティングのユニークさを称賛し、とりわけワンダー正光役にジャニーズ事務所の風間俊介を抜擢したことを挙げています。おそらく彼のファンなのでしょう。風間俊介の新たな一面を見られたことを喜び、その演技力におけるインパクトの大きさを強調していました。

少女椿のワンダー正光に関する感想や評価、最後に紹介するのは、ワンダー正光の最後に新たな発見をした”うづきんぐ”さんのツイートからです。みどりちゃんをレイプした鞭棄を幻術で殺してしまったワンダー正光。それを見て、みどりちゃんは「バチがあたる」と口走ります。最後にワンダー正光を殺した強盗が心なしか鞭棄さんに似ていたと言います。みどりちゃんの一言が伏線になっていたんだと、思わず唸ったそうです。

ワンダー正光についてまとめ

ここまで、少女椿に手品師として登場するワンダー正光に焦点を当て、彼が実は幻術使いだったことや主人公みどりとの関係やその衝撃の最後について、彼の残した名言とともに紹介してきました。

まとめのイメージ

日本の漫画史上でも類を見ないほどのエロ・グロ作品として知られる「少女椿」。1999年には、スペインでの映画祭出品後成田税関でアニメ映画のマスターフィルムが没収されたり、日本国内で上映禁止になるなど社会問題を巻き起こしました。

そんな少女椿でひときわ異様な雰囲気を醸し出すことに成功しているのが、今回お届けしたワンダー正光というキャラクターです。漫画作品やアニメ・実写版映画を実際に鑑賞し、彼の異常性、優しさに触れてみてはいかがでしょうか?この記事で紹介した内容を実体験できるかも知れません。

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