少女椿の漫画あらすじと魅力は?グロい・悲惨な内容やラストをネタバレ紹介

「『少女椿』という漫画がある」と聞いてまず何を思い浮かべるでしょうか。椿の花のように華やかな恋物語を想像する人もいるかもしれません。しかしその実態は目を背けたくなるほどのグロい描写や、不条理展開で構成された悲劇の物語なのです。一度読んだ者に強烈な印象を与える「少女椿」とはどのような漫画なのでしょうか。この記事ではその内容について紹介していきます。ラストまで紹介するため、ネタバレを避けたい方はお気を付けください。

少女椿の漫画あらすじと魅力は?グロい・悲惨な内容やラストをネタバレ紹介のイメージ

目次

  1. 少女椿の漫画あらすじや魅力に迫る!
  2. 少女椿の漫画作品情報
  3. 少女椿の漫画登場人物
  4. 少女椿の漫画はグロいけど魅力がある理由とは?
  5. 少女椿の漫画あらすじネタバレ
  6. 少女椿のラストネタバレ!
  7. 少女椿の漫画あらすじや魅力まとめ

少女椿の漫画あらすじや魅力に迫る!

「少女椿」という名前は聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。なにやら「グロい」「トラウマになる」といった恐ろしい口コミがささやかれ続けているようです。ただの漫画ではないことがひしひしと伝わります。

この記事ではそんなひそやかな話題を呼び続けている漫画「少女椿」のあらすじとその魅力について紹介していきます。この記事ではあらすじのネタバレ紹介とラストのネタバレ紹介を行うため、ネタバレを避けたい方はお気を付けください。

少女椿の漫画作品情報

アニメや実写映画など様々な媒体で作られてきた「少女椿」ですが、それらの作品は漫画版が元となっています。ここでは漫画「少女椿」の作品情報についてラストのネタバレまで紹介していきます。

漫画「少女椿」は1984年に刊行されました。作者はグロテスクながらも妖艶な作風を持つ漫画家「丸尾末広」さんです。2018年12月まで月刊コミックビームで「トミノの地獄」を連載されてました。

あらすじでも紹介した通り、丸尾末広さんの描く「少女椿」は非常にグロい描写や性的な描写が多く、そのあまりの過激さにアニメ映画版の「少女椿」は国内で放映されることが禁じられてしまうほどでした。そんな丸尾末広さんの作風が強く表れる漫画「少女椿」ですが、実は「原作」が存在します。

なんと漫画「少女椿」は、紙芝居を原作として作られたものだったのです。浪花清雲作の街頭紙芝居「少女椿」は漫画版と比べてグロイ描写はまったくありません。例えばみどりの母親はネズミに食われて死ぬこともなく、物語のラストまで存在します。またみどりが騙されて働かされるのも少女レビューであり、決してグロい芸をやらされる見世物小屋ではありません。

紙芝居「少女椿」を、丸尾末広さんが作風に合わせてアレンジさせたものが漫画版「少女椿」ということになります。大胆なアレンジではありますが漫画版が20年以上たった今でも語り継がれていることから、丸尾末広さんの作風が強い人気を持っていることがわかりますね。次の項目では漫画「少女椿」の登場人物を紹介していきます。

少女椿の漫画登場人物

漫画「少女椿」はどの登場人物も非常にクセのある人物で、言ってしまえばほぼ全員性格が悪いです。しかしそのあまりにとがりすぎた性格に魅力を感じる人も少なくありません。ここではそんな不思議な魅力を持つ主要登場人物たちを紹介していきます。一部ネタバレを含むため、まだ読まれていない方はご注意ください。

みどり

赤い水玉の黄色い洋服が目立つ主人公「みどり」です。ちなみにこの特徴的な服装は物語の後半から着ることとなります。生活費を稼ぐために花を売る、ひたむきで純真な女の子だったのですが、赤猫座で生活させられてからはその性格ゆえにいじめられる毎日を送ることになります。しかしワンダー正光に気に入られ、赤猫座での権力を手にした途端にものを強く言うようになるなど、純真なだけではない狡猾な一面も持ち合わせています。

嵐鯉治郎

みどりを騙して赤猫座に引き入れた張本人、座長の「嵐 鯉治郎」です。生きた鶏の頭をかじらせるなど非常にグロい見世物を行わせる恐ろしい人物ですが、子供にからかわれて逆上したり、お金のやりくりに苦労したりと人間らしい一面も見られます。しかし性行為を行う際は相手の目玉をなめるというなかなかに特殊な嗜好を持っているため、やはり油断なりません。

徳利児鞭棄(とっくりじむちすて)

全身に包帯がまかれた「徳利児鞭棄(とっくりじむちすて)」は赤猫座のメンバーの一人です。彼は両腕をなくしていますが、それを補うかのように足を自在に動かすことができ、舞台では足で弓を打つなどの芸を披露します。みどりの寝込みを襲うなど残虐極まりない行為を行っていましたが、それらはみどりへの恋心からくるものだと本人は語っています。ちなみに鞭棄は32歳です。

ワンダー正光

物語の途中で赤猫座に加入するワンダー正光は幻術を駆使した手品を得意とする芸人です。その種も仕掛けもわからない手品は大好評を博し、破産寸前だった赤猫座を救います。そんな彼とみどりがお互いに一目ぼれしあったことで、「少女椿」の物語は大きく動き始めます。

一見温厚なワンダー正光ですが、みどりに危害を加える者、そして自身を「小人」と呼ぶ者には容赦なく襲い掛かるという残虐さを持っています。自分の身体が無残に破壊される幻覚を見せて気絶させたり、時には混乱している隙に殺害することもあります。彼の登場で物語はより混沌とし、夢か現実かわからない世界へと変貌していくこととなるのです。

登場人物はまだほかにいますがここでは主要人物のみ紹介しました。他の人物も皆癖のある人ばかりなので気になる方と覚悟のある方は自分好みのキャラクターを見つけるのもよいかもしれません。次の項目では漫画「少女椿」のグロいのに魅力的に感じる理由を解説していきます。

少女椿の漫画はグロいけど魅力がある理由とは?

常に予想を超えていく不条理っぷり

漫画「少女椿」は可憐なタイトルとは裏腹に、大変グロい描写満載の漫画となっています。物語も不条理で陰鬱な内容であるため、一見すると読んでも暗い気持ちになるだけの漫画だと思うかもしれません。しかしそんな内容であるにもかかわらず、現在でも語り継がれるほどの人気を誇っています。漫画「少女椿」の魅力とは何なのでしょうか?その秘密に迫ります。

ネズミに食われて殺される、奇妙な見世物小屋で働かされる、幻術を操る中年芸人と恋に落ちるなど、漫画「少女椿」では想像もつかない展開が怒涛の勢いで押し寄せてきます。物語のテンポの速さも相まって脳の整理が追いつく前に新しい不条理がやってくるので、不条理展開が好きな方には供給過多なほど楽しめると思われます。

細部まで描き込まれた画

作者の丸尾末広さんの描く絵は、画集が販売されるほどの人気があります。細部まで描かれた緻密さと死や痛みを連想させる絵はかなりのインパクトがありますが、血の通う肉感的な人物が合わせて描かれることでおぞましさと妖艶さの共存する非常に幻想的な絵が描かれます。

漫画「少女椿」は先ほども述べた通り大変グロい漫画ですが、グロいからこそ美しさが際立ち、美しいからこそグロさが際立つという絶妙な美しさで描かれているのです。さながら美しい悪夢を見ているような気分に浸れる唯一無二の漫画であるといえます。

どこか愛嬌あふれる登場人物

人物紹介の項目で述べた通り、この漫画の登場人物に善人はまったくといっていいほどいません。それでは登場人物に対してイライラし続ける漫画なのかと言われたらそういうことではありません。むしろ自己中心的で理解できない性格だからこそ、そのありのままの姿を愛らしく思ってしまうのです。

それまで傍若無人に振る舞っていても、自分より強いものに出くわしたり、弱みを突かれたりすることで態度を一転させたり逆上したりする様子からは、異常な人物像の中に垣間見える人間らしさが感じられます。このように不気味な登場人物が、次のページでは想像もつかない態度を見せる意外性が「少女椿」の魅力の一つと言えるでしょう。

他の漫画では見られない「少女椿」の魅力を紹介しました。いよいよ次の項目からあらすじとラストまでの物語を紹介していきます。ネタバレ要素しか存在しないため、ネタバレを避けたい方はここから先を読まないことをお勧めします。

少女椿の漫画あらすじネタバレ

工場の煙が漂う貧しい団地で花を売る一人の少女がいました。彼女が主人公の「みどり」です。病気の母と二人で生活するみどりは生計を立てるために花を売っているのでした。そんな彼女が、ある満月の夜に「山高帽のおじさん」に声をかけたところから物語は動き始めます。

「困ったときはいつでも私を訪ねておいで。」そう言い残すと山高帽の男性は去っていきました。その後、家に帰ったみどりはネズミに食い殺された母親の遺体を発見します。みどりは若くして天涯孤独のみとなってしまいました。このままでは生きていけないと考えたみどりは、渡された住所を頼りに山高帽の男性のもとへ向かいます。

騙されて赤猫座

教えられた番地へ向かうとそこには「赤猫座」という見世物小屋がありました。山高帽の男性は、身体が欠損した人々に芸をさせる見世物小屋の団長だったのです。だまされたと知ったときは時すでに遅く、みどりは団員に捕らえられ雑用係として働かされることとなってしまいました。

運命の出会い

「赤猫座」での生活は過酷なものでした。雑用を任せられるだけでなく、団員からはいじめを受け、狂気的なまでの暴行をくわえられるという非人道的な生活によって、みどりは精神的に追い詰められてしまいます。そんなある日、一人の男性との出会いがみどりの生活に転機を与えました。旅の途中で加入した芸人「ワンダー正光」です。

ワンダー正光とみどりは出会って早々お互いを愛し合うようになります。みどりは初めて自分を大切に思ってくれる相手を見つけたのでした。さらに、とても人が入れなさそうな口の小さいガラス瓶に自分の体をすっぽり納めてしまう彼の芸は非常に大きな話題を呼び、それまで赤字が続いていた赤猫座を大黒字へ上りつめさせました。すると誰もワンダー正光に逆らえなくなり、愛人であるみどりもいじめられることはなくなったのです。

幸せ?

ようやくみどりの人生に明るい光が差してきたようですが、ここから物語はラストへ向けてより狂気性を増した不条理な展開へ突き進んでいきます。はたして物語はどのような終着点を見つけるのでしょうか。ラストまでの展開は次の項目で解説していきます。ネタバレの最たる項目のためご注意ください。

少女椿のラストネタバレ!

漫画「少女椿」のラストを紹介していきます。ある日みどりが一人で外にいると鞭棄が「仲直りをしよう。」と話しかけてきました。後から入ってきたワンダー正光にみどりを取られるのが我慢ならなかったようです。しかしワンダー正光はその光景を物陰から見ていました。

みどりと別れた鞭棄は突然蟻地獄のような流砂に足を取られてしまいます。それがワンダー正光の幻術だと気がついても抗うことができず、翌日鞭棄は大量の土を飲み込んだ遺体として発見されました。何食わぬ顔をしていたワンダー正光ですが、みどりは昨日ワンダー正光が鞭棄の口に土を押し込んでいるのを目撃していました。悲しむみどりに対し、ワンダー正光は他言しないことを念押しします。

赤猫座との別れ

限界を感じたみどりはいよいよ「うちへ帰りたい」と嘆きます。そんなみどりに対しワンダー正光は家へ帰る幻を見せますが、所詮は幻です。現実にうちひしがれたみどりはワンダー正光とともに外国へ行く誘いに乗るのでした。

一方赤猫座はなんだかしょぼくれた様子です。なんと座長があり金を持って失踪してしまったのです。メンバーはそれぞれ別々の道へ行くこととなりました。赤猫座を去るみどりとワンダー正光へねぎらいの言葉をかけるなど、なぜか性格も丸くなった様子です。みどりとワンダー正光はどこかへと去っていきました。

ワンダー正光、刺される

バス停でバスを待っていると、ワンダー正光は弁当を買ってくると言いその場を離れました。みどりは今の幸せを「夢じゃない」と噛みしめてうれしそうにしています。しかしそんな幸せもつかの間、ワンダー正光は出くわした強盗に刺されてしまったのです。いつまでも戻ってこないワンダー正光を探しにみどりは町中を探し回ります。

みどり、すべてを失う

すると赤猫座のメンバー、死んだはずの鞭棄、そしてワンダー正光が高笑いしながら花見をしている光景に出くわしました。その光景を見たみどりは激昂します。棒を持って殴り掛かると彼らは霧のように消えてしまいました。すべてを失ったみどりは大きな悲鳴を上げ、物語は幕を閉じます。

衝撃的かつ後味の悪いラストでした。果たしてこの後みどりはどうしていくのか?それは誰にもわかりません。最後まで不条理な物語なのが「少女椿」です。最後にこれまで紹介してきた漫画「少女椿」のあらすじと魅力をまとめます。

少女椿の漫画あらすじや魅力まとめ

これまで紹介してきた「少女椿」のあらすじや魅力の情報をおさらいします。非常に読者を選ぶ内容の「少女椿」が現在まで親しまれている理由をふりかえっていきましょう。

予測不能の不条理展開

主人公のみどりは冒頭で母親を亡くし、唯一の頼りとしていた山高帽のおじさんには騙されて過激な見世物小屋で働かされます。そんな環境で唯一の救いとなったワンダー正光も独占欲のために人を殺す人間でした。あまりに不幸な展開に心が悲しくなってきますが、「次はどんな不条理が起きるのか。」と期待しながらページをめくってしまう絶妙な背徳感が楽しめるのが「少女椿」の魅力の一つです。

魅力的な登場人物

丸尾末広さんの圧倒的な画力で描かれる、個性豊かな登場人物も魅力の一つです。自己中心的で欲望のままに行動する者ばかりですが、その行動の中に見えてくる心の弱さ、その人物なりの行動理念が見えてくると不思議と魅力的に思えてしまいます。読みおわる頃には意外なキャラクターを好きになっているかもしれません。

漫画「少女椿」をあらすじからラストまで紹介しましたが、まだ漫画を読まれてない方はどのような印象を抱かれたでしょうか?「グロい」、「トラウマになる」といった印象の強い本作ですが、実際に読んでみると思わぬ美しさや魅力を発見できるかもしれません。あまり本屋に置かれていませんが、もし「少女椿」に出会えたら勇気を出して不思議な世界へ踏み込んでみてください。

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