【銀魂】松陽先生は虚と同一人物？謎多き吉田松陽の正体や謎をネタバレ考察

まず松陽先生がどの様な人物かを紹介する前に、松陽先生が登場する銀魂とはどのような作品なのかをご紹介いたします。もし既に銀魂がどのような作品なのかをご存じだと言う方は、銀魂の作品情報の項目は飛ばして読んでも構いません。

銀魂とは、空知英秋さんによる「週刊少年ジャンプ」で掲載されていた漫画です。2004年2号から2018年42号まで少年ジャンプで連載をしていました。その後完結編が「ジャンプGIGA」や銀魂の公式アプリで連載をしています。

作者である空知英秋さんの初めての連載漫画で、SFの時代物の雰囲気を持った人情コメディー作品です。作者本人は「SF人情なんちゃって時代劇コメディー」と評価しています。連載開始当初、少年ジャンプで行われている読者アンケートは残念な結果となりました。しかしその後段々と人気を獲得し、2018年8月現在で単行本の累計発行部数は5500万部を達成している大人気の作品です。

銀魂の概要が分かったところで、次は銀魂のあらすじをご紹介いたします。銀魂は先程も述べたように、主人公である銀時を中心に繰り広げるコメディー漫画です。そのためほとんどの話が、ドタバタコメディーで1から3話程度で完結することが多くなっています。

銀魂の舞台は江戸の歌舞伎町を舞台としていますが、その時代背景はかつての日本のものとは異なります。ペリーの代わりに開国の要求をしてくるのが、天人(あまんと)と呼ばれる宇宙人のような生物です。その天人の開国によって住みかが木造の長屋なのにもかかわらず、町人はテレビやスマートフォンを操るという不思議な世界となっています。

かつて天人を追い払う攘夷志士の一員であった銀時が、攘夷志士を辞めて開いていた万事屋で1人の少年が働き始めます。その少年は新八と言い、剣術道場の唯一の跡取り息子です。さらにその後、万事屋に神楽という天人の1類である夜兎の少女も加わります。この銀時を始めとした3人が笑いあり、涙ありの日常を描いています。

次に銀魂に数々の名言を残した登場要人物、松陽先生がどのような人物なのかを紹介していきます。松陽先生こと吉田松陽は、松下村塾という手習いなどの教育を行う場所を開いていました。教え子たちからは「松陽先生」と慕われていた、人格者です。

優しく丁寧な口調で話し、雰囲気も優しげな雰囲気から穏やかな性格であることが窺えます。しかし初登場シーンは、既に銀時の回想での搭乗でした。つまり松陽先生は、既に舞台となっている時代には亡くなっていました。

松陽先生が開いた松下村塾には、主人公である坂田銀時を始めとして高杉晋助や桂小太郎が通っていました。松陽先生は、戦争で両親を亡くした銀時にとって父親の様な存在となっていました。銀時は松陽先生と出会うまでの攘夷戦争の間、戦死した遺体の持ち物を奪って暮らしていました。

松陽先生の言葉に影響を受けた銀時は、松陽先生の言葉に救われて桂や高杉と共に松下村塾で学ぶこととなります。高杉や桂は当時の教本を大切に取って置いてあるのにもかかわらず、銀時はその教本を「ラーメンをこぼして捨てた」と語っています。

銀魂の登場するキャラクターのほとんどにモデルとなった人物が存在するように、松陽先生にもモデルとなった人物がいます。それは吉田松陰です。吉田松陰は長州萩、現在の山口県出身です。6歳のときに、山鹿流兵学の師範である吉田家を継いで、兵法や私学を学んだ人物です。

その後、長崎や江戸で自身の見聞を広げると佐久間象山に師事し洋学を学びます。そして攘夷論を唱える立場となりますが、ぺリーの再来に乗じて会芸への渡航を企てます。しかし、それにより投獄されます。出獄後は祖父の名を継いで、新たな松下村塾を開きます。

塾という名前ですが、一方的に教えを説くものではありませんでした。弟子と共に意見を交わし、水泳や登山などを行うような「生きた学問」であったとされています。幕末や維新で活躍する人物である高杉晋作や木戸孝允(桂小五郎)、伊藤博文などを輩出しました。しかし安政の大獄の際に捕らえられ、刑死します。

銀時たちに教えを優しく説いていた松陽先生ですが、寛政の大獄にて幕府に捕らえられてしまいます。その捕らえられた松陽先生を助けるために銀時、高杉、桂の3人は攘夷戦争に参加します。銀時たちは様々な敵と奮闘しますが、高杉と桂は幕府に捕らえられます。

一方銀時は仲間である高杉と桂を斬るか、恩師である松陽先生を斬るかという選択を迫られます。寛政の大獄で松陽先生が捕らえられた際、松陽先生と銀時は「みんなを守る」という約束を交わしていました。その約束に従って、銀時は松陽先生の首を斬るという選択をします。

ここまで松陽先生の生涯やモデルとなった人物について、ご紹介をしてきました。そこでここからは松陽先生の正体や銀時たちの最大の敵である虚について、それぞれご紹介をしていきます。漫画の核心に大きく触れていく内容なので、ネタバレを避けたいという方は飛ばして読んで下さい。

松陽先生が銀時に首を斬られるシーンは作中で何度も描かれているため、当然松陽先生は亡くなった人物として読者は認識していました。しかし、その松陽先生とそっくりな顔を持つ虚というキャラクターが登場しました。

真選組篇の近藤勲奪還の際、黒縄島に現れた虚と言われる男は天導衆の首領で天照院奈落の先代首領です。銀時はその太刀筋になつかしさを覚え、松陽先生との稽古の記憶が呼び起こされます。そして虚の仮面を壊した銀時は、その素顔に衝撃を受けます。その素顔とは、銀時が首を斬ったはずの恩師である松陽先生と同じ顔でした。

このシーンから、松陽先生の正体は虚だったのではないかという疑念が銀時の中に生じます。そして黒縄島を脱出する際に「アレは何だ」と信女に問いかけます。その問いかけに対し、信女は松陽を殺したのは銀時ではないと言います。

松陽先生の顔を持つ虚は、不死となった人物です。虚はアルタナ(龍脈)と呼ばれる巨大なエネルギーの力によって不死身となり、500年もの間殺戮を繰り返す日々を送っていました。500年もの年月を重ねた虚の戦闘能力は圧倒的で、銀魂に登場したキャラクターの中で最強だと思われていた星海坊主にも勝利を果たします。

では、松陽先生の正体とは一体何なのでしょうか。それは松陽先生と虚は全くの同一人物、つまり松陽先生の正体は虚です。もっと細かく言えば、松陽先生は虚が持つ人格の内の一人でした。虚は幼少期から不死であったため、「鬼」と罵られて恐れられていました。そして何人もの人に殺されかけますが、その度によみがえるということに壮絶な苦しみを感じます。その苦しみから逃れるため、虚は複数の人格を持つようになります。

その後朝廷に捕らえられ、虚は奈落の首領として使われることとなります。そこから500年もの間、奈落の首領として殺戮を繰り返しているときに、とある人格が虚の中に生まれます。それが殺戮を繰り返す複数の人格に抗おうとする、松陽先生の正体である人格でした。

虚の人格の一人である松陽先生は、その人格が虚を支配している時に奈落から突然姿を消します。そして松下村塾を開き、銀時を始めとした子どもたちに手習いを教える様になります。そして攘夷戦争の際、幕府に見つかり捕らえられて前述の通り銀時に首を斬られます。

しかし松陽先生の正体である虚は不死の身体を持つため、炎の中から再び蘇ります。その時には、松陽先生の人格は消えてしまっていて、殺戮を繰り返す元の虚に戻っていました。以上より松陽先生の正体は、虚の人格の内のひとりでした。

虚は不死の身体を持っているため、虚は終わることのない命の中で苦しみ続けていました。その苦しみから解放されるため、虚は地球の破滅をもくろんでいます。では、なぜ地球の破滅を目的としているのでしょうか。それは、不死の源である地球のアルタナを破壊できるためです。

虚の計画は次の通りです。まずアルタナの門を制御できる唯一の鍵を利用して、他の星々のアルタナを暴走させます。そして、それを天導衆の仕業だと仕向けます。その後地球だけではなく、全宇宙を戦火を広めて地球を破滅に導くというものです。

松陽先生の正体について紹介してきたことろで、ここからは松陽先生の名言をご紹介していきます。全てを包み込むような優しさや芯の強さを併せ持つ松陽先生は、銀時たちにも数々の名言を残しています。この名言は、銀時を始めとした教え子たちの生き方に様々な影響を与えています。

始めに紹介する松陽先生の名言は「他人におびえ、自分を護るためだけにふるう剣なんて、もう捨てちゃいなさい。」というものです。突如現れた松陽先生に対し、死体から盗んだ刀を見せた幼い銀時に対してかけた名言です。

その後銀時が戦う理由は、大切な仲間を守るためであったり、侍としての魂を曲げない様に守るためです。他人におびえて自分を守るためではなく、他の誰かのために銀時は剣を振るっています。銀時自身にとって、侍とはどのような存在なのかという1つの答えになっている名言なのかもしれません。

2つ目に紹介する松陽先生の名言は「悩んで迷って、君は君の思う侍になればいい。」というものです。父親と折り合いが悪く、誰からも理解を得られなかった高杉に掛けた名言です。その高杉に生じた侍とは何だという疑問に、松陽先生も分からないと答えます。

しかし悩んで迷ったその先に、高杉なりの侍を見つけていけば良いという名言を残します。松陽先生のモデルとなった吉田松陰も「し生は度外におくべし、世人がどう是非を論じようと、迷う必要はない」という名言を獄中の高杉晋作に送っていたのだと言われています。

ここまで銀魂に登場するキャラクターである松陽先生の名言について、ご紹介をしてきました。そこでここからは松陽先生の声優を務めた山寺宏一さんのプロフィールや過去に関わった作品について、ご紹介をしていきます。

まずは松陽先生の声優を勤めた山寺宏一さんのプロフィールについて、ご紹介いたします。山寺宏一さんは1961年6月17日生まれで、宮城県出身です。1985年から声優活動を行っており、様々な役を演じています。山寺さんの主な出演作は、次に紹介していきます。

さらに声優の活動を始めた1985年の翌年1986年には、アニメソングやJポップの歌手としても活動を始めます。そして現在までには、数々のバラエティー番組やテレビドラマにも出演を果たしている大御所の声優さんです。

次に山寺宏一さんの主な出演作について、ご紹介をしていきます。山寺宏一さんの主な出演作は、誰もがご存知であろう国民的アニメ「それいけ!アンパンマン」のチーズ役やカバオ役などを演じています。その他にもディズニー作品のドナルドダック役、「アラジン」のジーニー役などの様々なキャラクターを演じています。

さらにブラッド・ピットやエディ・マーフィー、ジム・キャリーなど様々な洋画の吹き替えも演じています。そしてテレビ東京では「おはスタ」のメインキャスターを長年もの間務め、子供たちにとっての朝の顔として人気を集めました。

ここまで、松陽先生の正体である不死身の虚や松陽先生が残した名言についてご紹介をしてきました。また、アニメで松陽先生の声を演じた山寺宏一さんについても軽く紹介していきました。そこでここからは松陽先生に関する評価や感想について、ご紹介をしていきます。

最初に紹介する感想は、松陽先生が幕府に捕らえられた際にした銀時との約束に関するものです。捕まった際にはすぐ戻るうもりでいたのか、それともただの慰めであったのか、その真意は未だ不明です。しかしこの時に銀時とした約束によって、銀時たち3人の運命が大きく変わる結果となりました。

次に紹介する感想は、松陽先生の正体である虚に関する感想です。虚も自ら好き好んで殺戮を繰り返している訳ではありません。さらに不死身である苦しみから逃れるために、松陽先生という殺生を好まない人格を生み出すのです。そのような運命をたどった虚の幸せを願う読者も多いようです。

最後に紹介する感想は、松陽先生やその教え子の銀時、桂、高杉に関するものです。松陽先生は他の人格に抗おうとしている人格であるためなのか、全てを受け入れてくれるような包容力があります。そのため、松陽先生に出会うまで理解者が誰もいなかった高杉も松陽先生には心を許すようになるのです。

この記事では、銀魂に登場するキャラクターである松陽先生の正体についてご紹介をしてきましたがいかがだったでしょうか。松陽先生の教え子たちである銀時、高杉、桂が今後どのような展開を見せるのか今後も大注目の漫画作品です。