銀魂・朧の正体とは？虚との関係と涙の死亡シーンをネタバレ紹介

銀魂は週刊少年ジャンプ連載中の漫画でアニメでも大人気の作品。銀魂はパラレルワールドでの幕末の江戸を舞台にした、銀魂作者の空知英明氏いわく「SF人情なんちゃって時代劇コメディー」漫画です。銀魂は基本的にはギャグ漫画ですが、泣ける人情話やシリアスなエピソードも多くあります。2017年4月現在、単行本は72巻まで発売されています。

銀魂の朧は天導衆直属という銀魂に登場する暗殺集団として活動する天照院奈落の首領で、天導衆からは八咫烏と呼ばれています。銀魂では、経絡を自在に扱う強さが圧倒的な戦闘の達人として銀時たちの前に何度も立ちはだかりました。

また銀魂内の攘夷戦争時には攘夷志士や危険思想家の暗殺や捕縛を行っていたため、攘夷志士からは今も憎悪の対象となっています。銀魂の吉田松陽を投獄し、死に至らしめたことで銀時や高杉とも強い確執があり、銀魂の高杉との戦いで死亡します。

銀魂の天照院奈落の先代首領にして、天導衆の一角。被り笠に烏の仮面をつけた姿の無慈悲で残忍な銀魂で最強の剣士。銀魂の作中では夜兎である銀魂の神楽や銀魂の真選組の沖田、銀魂見廻り組の信女の三人を相手取った戦いでも返り討ちにする圧倒的な強さを見せつけました。

銀魂の朧は銀魂の銀時たちの前に立ちはだかる強敵として多くの銀魂のエピソードに登場しています。銀魂の基幹にかかわる重要な局面に常に朧の存在がありました。そんな銀魂の朧の登場シーンをまとめてみました。

銀魂での初登場は一国傾城篇で、天導衆からの命で定定の警備についていた江戸城内で突入してきた銀魂の銀時と壮絶な戦いを繰り広げます。そこで過去の吉田松陽処刑時のエピソードも明らかにされ、銀魂の銀時の思いの籠った一撃で敗北を喫します。

銀魂の将軍暗殺篇で銀魂の高杉と銀時との吉田松陽の死を巡る因縁の死闘の最中、突如現れ高杉に錫杖の一撃を浴びせて打ち倒す朧。そのまま致命傷を与えようと銀時に襲い掛かりますが、瞬間銀魂の高杉が銀時の後ろから立ち上がり朧の顔に刀を振るいその斬撃で朧は左目を潰されます。

銀魂のさらば真選組篇では、銀魂の桂と近藤を取り戻さんとする銀時と土方の前に立ちふさがり圧倒的な強さで追い詰めますが、脱出してきた銀魂の近藤と奈落側を裏切った佐々木の芝居に騙された朧は二人に倒されます。

銀魂の洛陽決戦篇では、銀魂の高杉との最後の戦いで朧の過去と正体、銀魂の虚との関係そして虚の正体も明かされます。涙なくしては見られない銀魂の朧の死亡シーンもこのエピソードで描かれています。

銀魂の朧の正体は、不死者である虚から不死の血を与えられた半不死者です。その為、致命傷を受けても強い生命力で治癒することができます。ただその不死の血も繰り返した戦いで受けた傷によって、少しずつ失われもう尽きることを悟っています。冷徹に邪魔になるものを排除していく暗殺集団の首領である朧ですが、その根底には師である銀魂の虚を守りぬこうとする強い思いがありました。そこには幼少期からの虚との関係が大きく関わっています。

銀魂の天導衆の一角である銀魂の虚に付き従う奈落の首領である銀魂の朧。銀魂での二人の複雑な過去と関係をネタバレをまじえてまとめました。

銀魂幼少期の朧が奴隷として働いていた奉公先へ奈落の襲撃があり、朧は致命傷を負います。眼前に現れた奈落の首領であった虚は「生きて私を憎み続けてください」と自身の腕を傷つけ血を与え、不老不死であった銀魂の虚の血によって朧は一命を取り留めます。

銀魂の朧は虚に多大な恩義を感じて、虚を先生と呼び側仕えとして奈落で共に過ごします。銀魂の朧が教えを乞うと自分の方こそ子供に混ざって学びたいと語る虚。銀魂の朧は、先生が学び舎を開いたらどうでしょうか？と提案します。その言葉が虚の中で目覚め始めていた思いを後押しすることになりました。

銀魂の朧を暗殺者として育てたくなかった虚は、朧を奈落から引き離すことを狙って自身が奈落から失踪します。虚を追って奈落から出奔した朧は虚と合流を果たし行動を共にします。銀魂の虚は奈落から失踪した理由を「以前から悪だくみはしていたが、決心がついたのは君のおかげ」と朧に告げます。そして松の木の下で二人だけの「松下村塾」を立ち上げ、銀魂の朧は虚の一番弟子となったのです。

銀魂の虚と「松下村塾」を立ち上げた直後、朧は奈落の追手の多さに気づき逃げ切れないと悟り自らの命を呈して、追手から虚を逃がそうとしました。朧の救出に間に合わなかった虚は、断腸の思いでその場から立ち去り逃げ切ることができたのです。一方銀魂の朧は虚から与えられた不死の血の力で一命を取り留め、奈落に戻り地位を築き権限を持つことで虚を奈落の目からそらすよう力を尽くします。

朧の献身で奈落から逃げ切った虚は、寺子屋「松下村塾」を開き吉田松陽として子供たちに手習いや剣術を教えていました。銀魂の吉田松陽とは、長い年月不老不死者として生きるうちに死神と化してしてしまった虚が己を変えようと足掻き生み出したもう一つの人格でした。

奈落に戻った銀魂の朧は「松下村塾」での銀時たちと楽し気に語らう松陽の様子に妬ましさを覚えて師をわが手に戻したいという思いから、銀魂の松陽を捕らえ銀時に処刑をさせました。その後焼かれた松陽の遺体から蘇った男は、朧の期待と反し松陽と同じ姿形ながら全く別の何か（虚）だったのです。

銀魂327話で朧が松下村塾前で松陽や塾生たちとすれ違うシーン。本来なら師である松陽の隣を歩いているはずの自分がそこにいられない事実を目の当たりにして、朧は自分のもとに師を取り戻したいという強い思いを抱きます。この後銀魂の朧は松陽を捕らえ投獄し、松下村塾も焼失させてしまいます。

銀魂の朧の過去と死亡シーンが描かれているのは、銀魂単行本の66巻。表紙には実現しなかった松下村塾での松陽と兄弟子である朧、弟弟子の銀時、高杉、桂の５人が描かれています。

銀魂の高杉の左目は、朧に切られて潰されています。攘夷戦争時代に銀時、高杉、桂は奈落に捕らわれ、銀時は仲間を斬るか師（吉田松陽）を斬るか？の選択を迫られます。断腸の思いで師を斬ることを選んだ銀時は、捕縛された松陽の首を一刀両断します。激高した銀魂の高杉は銀時に飛びかかろうとしますが、朧に切られ左目を失ったのです。奇しくも将軍暗殺篇で、高杉は同じように朧の左目を潰しています。

銀魂の洛陽決戦篇終盤、朧は不死の血が枯渇し己の死期が近いことを悟りながらも高杉との一騎打ちに挑みます。戦いの中明らかになる虚と朧の関係。銀魂の虚が吉田松陽になるきっかけを作ったのも朧、吉田松陽を終わらせたのも朧だったのです。

銀魂の朧は松陽を死に追いやったことをからもう二度と裏切らないと誓い虚のために戦い続けてきたのでした。高杉は松陽の弟子として別人格になってしまった今の虚を自分の師であった松陽として取り戻すべく戦ってきました。死闘の末、銀魂の高杉の刃を受け倒れた朧は最後の力を振り絞り真実を語ります。

銀魂の朧が死亡シーンで語った虚の正体。虚は巨大なエネルギーであるアルタナ（地球での龍脈）によって不死となり、鬼と呼ばれ人々に恐れ苛まれました。捕縛され朝廷によって銀魂の暗殺集団天照院奈落の首領に据えられ500年の長きにわたり殺戮の日々を過ごし何度も迎える死と生の苦しみの中で、己のうちに何人もの虚（自分）を生み出し、その殺戮に満ちた人生に抗う人格が吉田松陽だったのです。

銀魂の朧は虫の息で、高杉に虚とは何か？を語り虚の無限に続く不死の苦しみを終わらせてくれるよう願いをこめ「虚を倒せ」と言い残します。

そして死ぬ間際に「もしやり直せるのなら、俺は前達になりたかった…」と悔悟の言葉を呟き息を引き取りました。朧の思いを受け取った銀魂の高杉は松下村塾の兄弟子を抱きかかえ、「帰るぞ、松下村塾へ」と共に地球へ連れて帰ると誓います。

銀魂の朧と虚の悲しい関係性を知って改めて銀魂を見直すと朧の死亡シーンもさらに感慨深く感じられます。他にも銀魂には、「紅桜篇」や「将軍暗殺篇」など感動のエピソードがたくさんあります。銀魂の週刊少年ジャンプでの連載も終わりが近づいてきました。これまでの銀魂をもう一度振り返ってみてはいかがでしょうか？