銀魂・虚の正体は吉田松陽だった？過去の経緯と強さの秘密を調査

銀魂は2006年からアニメが放送され、2018年の現在でも続いている大人気漫画です。また2017年には人気俳優である「小栗旬」が主演を務めた実写映画も公開されています！銀魂は、江戸時代末期にあらゆる依頼事を引き受ける万事屋を営業している1人の侍「坂田銀時」が主人公の漫画です。

銀魂作者の空知英秋は銀魂を「SF人情なんちゃって時代劇コメディー」と表現しています。今回は、銀魂の中でも銀魂史上最強のキャラクター「虚」の正体、彼の過去と秘密について画像と共に詳しく解説していきます。

銀魂「さらば真選組篇」で突如姿を現した正体不明の虚は、被り笠とカラスの仮面を付け素顔を隠していました。銀魂の虚は独立暗殺部隊、天照院奈落の先代首領にして江戸幕府を裏で操り天照院奈落を配下におく天導衆の一角です。「八咫烏」の異名を持ち、朧と骸（今井信子）と共に奈落3羽に数えられていました。朧は虚のことを「天の裁き」、信女は「国の命さえ攫う本物の死神（からす）」と表現しています。

元老院を抹殺し春雨の力をも支配しようとしている為、宇宙で最も危険な存在とされています。虚が銀魂主人公の坂田銀時と対峙した時、正体も知らない虚と初めて剣を交えたにも関わらず銀時は虚の太刀筋に無意識に反応していました。そして虚の仮面が割れ、素顔が見えた虚の姿は銀時の恩師である吉田松陽にそっくりの男でした。その姿と過去に幾度となく重ねた稽古の記憶の中で、見覚えのある太刀筋に銀時は困惑します。

銀魂の吉田松陽は、銀時にとって父親に等しい存在でした。身寄りもなく生きていくために強くならなければいけなかった銀時は、松陽に「正しい剣の使い方を教えてやる」と言われ松下村塾で学問と剣術を教わります。その後、銀魂の桂小太郎と高杉晋助も松下村塾に入門し、彼らは「松陽先生」と呼び松陽を慕っていました。しかし寛政の大獄の際に松陽は捕らえられ、松下村塾も焼失してしまいます。

その後、銀時達は捕縛された松陽を奪還すために攘夷戦争に参加し奮闘しますが、桂と高杉が幕府に捕まり、銀時は「仲間を斬るか師を斬るか」の選択を迫られます。銀時は、松陽の「仲間を護ってくださいね」という言葉を守るために刀を持ちます。そして松陽は、そばに来た銀時に「ありがとう」と、言葉をかけます。松陽が大切にしていたものを守る為に銀時は師である松陽の首を刎ねたのです。

全世界のエネルギー源である「アルタナ」を支配する天導衆は、手つかずの巨大な「アルタナ」を求めて地球にやってきました。徳川定々の時代、時の為政者に仕え暗躍してきた天照院奈落（虚）が失踪し、天導衆は組織を裏切って逃亡した彼を始末する為に彼を探し回りました。しかし天導衆が虚を見つけ出した時、虚であったはずの男は別人のような目をし、正体を隠し、吉田松陽と名を変え寺子屋で子供達に学問を教えていました。

銀時の一太刀によって死んだはずの松陽でしたが、天導衆が彼の亡骸を燃やしたとき「異変」は起こり、死んだはずの松陽が炎の中から蘇りました。しかし蘇ったのは松陽ではなく、冷たい目をしたかつての虚でした。奈落は彼の身体の秘密を調べようと試みました。吉田松陽（虚）の正体は全世界のエネルギー源「アルタナ」の影響で500年に渡り生き続けた不死身の体になった男だったのです。

銀魂では幼少期から死ねない身体を持った虚は、過去に周りから「鬼」と呼ばれ恐れられていました。何度も殺されますが、何度も蘇った虚に対し周囲の恐怖や憎悪は増し、その度に彼は壮絶な苦しみを味わっていたのです。しかし、それほどの苦痛を味わいながらも虚は消えることができなかったのです。

やがてその終わることのない苦しみから逃れるために、銀魂の虚は自分の中に無数の人格を形成します。そして閉じ込められていた牢獄すら朽ちた頃に虚は無数の死を与えるために、「鬼が人を真似て人になろうとするかのように」人間に復讐を始めます。そして朝廷はその強さを利用するために虚に死神の顔を与えます。

虚の中にある無数の人格は殺戮の中で人を憎み、人を恐れ、人に焦がれていました。そしてその人格を止めるための男（吉田松陽）が生まれたのです。銀魂の松陽の人格は、死にかけた朧に不死の血を分け与えた時から存在したことを示唆する場面があります。そして過去に虚が獄中にいた頃に、朧との会話で「奪うことしかしてこなかった自分でも何かを与えることはできるのではないかと考え、自分に抗った」と語っています。

無数に存在する人格の中で、銀魂の吉田松陽は唯一虚に争った人格として虚が警戒しており、また作中には松陽の人格はまだ存在しているとも捉えられる場面があります。その後、松陽は朧と共に奈落を抜けるために、朧を連れて旅に出ます。そして銀魂の松陽が辿り着いたのが子供たちに手習いを教えるために開いた村下松塾だったのです。松陽は無数の人格を抑えこみ変わろうと抗い続けたただ1人の男だったのです。

銀魂で登場する松下村塾で剣術を教えていた松陽は、銀魂の中でも最強の強さを誇る銀時ですら1度も勝つことができず、松陽の強さは化け物並みだとされていました。松下村塾を襲撃してきた浪士達の刀を一瞬で折るシーンもあり、その強さは計り知れません。銀魂「さらば真選組」編では剣術が得意な真選組の沖田総悟は初めて自分が勝てないかもしれない相手に剣が震え、見廻組の今井信子ですら虚に傷1つ付ける事ができませんでした。

また宇宙3大傭兵部族の夜兎族の神楽を「子兎」呼ばわりするほどの強さを見せました。銀魂の沖田、信女、神楽の3人が同時に虚に挑みますが、その圧倒的な強さで一瞬で返り討ちにしてしまいます。また銀魂作中最強キャラクター候補であり、虚も「唯一自分を殺せるかもしれない存在」と評していた星海坊主と対峙し、強さは互角でしたが虚は不死身であったため星海坊主はどんどん追い込まれてしまいます。

海星坊主は最後の切り札であった亡き妻「江華」を永命させるために集めていた「アルタナの結晶石」を虚の心臓に打ち込み、地球の「アルタナ」から産まれた虚に拒絶反応を起こさせ、虚を倒しました。しかし虚は、海星坊主によって切られた片腕から再び再生して海星坊主を倒してしまいます。銀魂の宇宙最強と謳われた海星坊主ですら虚には敵わなかったのです。

銀魂の虚は「やはりあなたでも私は殺せませんでしたか」と呟き、身動きも取れぬほど瀕死の重傷を負わせますが、「アルタナの結晶石」を打ち込まれたことで急激な再生により自身の「アルタナ」が尽きてしまい、海星坊主に止めを刺さずにその場を去ります。またアニメ銀魂では「斬撃で空気が振動」「虹色の残像を残して瞬間移動」といった銀魂では異端なシーンがあり、虚の強さがより一層分かりやすく表現されています。

銀魂の松陽が消滅し再び蘇った虚は、自分を産み落とした世界への復讐と終わることのない生の苦痛を終わらせるために、宇宙を相手に大規模な戦争を勃発させようとしています。

手にするには天導衆の総意が必要である「アルタナ」の門を制御できる鍵を秘密裏に奪い、それをつかい星々の「アルタナ」を暴走させ、それを天導衆のせいにすることで地球を全宇宙の戦火にさらそうとしているのです。不死の源である「アルタナ」を破壊し、死ぬことができない自分自身と共に地球を消滅させることが虚の目的です。

銀魂での攘夷戦争中、「屍を喰らう鬼が出る」という噂を聞いて戦場跡へ出向いた松陽が死体の中で物剥ぎをしていた戦争孤児で会った銀魂の銀時と初めて出会い、警戒した銀時が死体から取った刀をとり威嚇した時に松陽が語った言葉です。まるで松陽が自分自身（虚）に言っている言葉ともとれるセリフだと話題になっているようです。

かつて牢にいた松陽が門番をしていた骸と朧にかけた言葉です。過去に奪うことしかしてこなかった虚が銀時たちに出会い変わり、何かを与え、与えられて感じた感情なのかもしれません。

いかがだったでしょうか？以上が銀魂の虚の正体と彼に隠されていた秘密と過去のまとめとなります。松田松陽という人格は、500年もの苦しみの中で生きてきた虚がこぼしたほんの一瞬の微笑みだったのです。銀魂史上最強と謳われている虚ですが、これからの銀魂の展開にますます目が離せません！