2019年04月28日公開
2019年04月28日更新
ブラックラグーンのロック(岡島緑郎)が悪党になった理由は?名言・名シーンを紹介
2001年に小学館『月刊サンデージェネックス』で連載され、二度の休載期間を経て現在も人気連載中の広江礼威原作『ブラックラグーン』は、1990年代後半のタイの架空犯罪都市ロアナプラを舞台に裏社会に属する人々や現代の社会問題について描かれたガンアクション漫画です。この度は、主人公のロック(岡島緑郎)が平凡な社員から裏社会の悪党に変貌する様や同僚レヴィとの気になる絡みについてまとめています。また、これまでの『ブラックラグーン』のエピソードやロックのプロフィール・名言、担当声優についても紹介します。
目次
ブラックラグーンとは?
ブラックラグーンの作品概要
『ブラックラグーン』とは、1990年代後半の多くの犯罪が渦巻く犯罪都市である架空のタイの街・ロアナプラを主な舞台として物語は展開し、裏社会に属する組織や人物たちの激しい抗争を社会的な問題描写も含みながら描いた犯罪アクション漫画です。途中2回の長期休載があったようですが、『ブラックラグーン』の累計発行部数は単行本10巻の時点で700万部を超える大人気作品で現在も連載中です。
ブラックラグーンの原作漫画
≪漫画『ブラックラグーン』の詳細情報≫
- ジャンル:ガンアクション
- 原作者:広江礼威
- 出版社:小学館
- 掲載誌:月刊サンデージェネックス
- 発表号:2001年4月号/2002年5月号-2010年6月号/2013年2月号-2014年2月号(隔号)/2017年6月号-連載中
- 巻数:既刊11巻(2019年4月現在)
ブラックラグーンのアニメ情報
≪アニメ『ブラックラグーン』の詳細情報≫
- テレビアニメ:「BLACK LAGOON」(第1期)/「BLACK LAGOON The Second Barrage」(第2期)
- 監督・脚本・シリーズ構成:片渕須直
- キャラクターデザイン筱雅律
- 放送局:TOKYO MXほか
- 放送期間第1期:2006年4月9日-6月25日/第2期:2006年10月3日 - 12月19日
- 話数:第1期:全12話/第2期:全12話
- OVA:「BLACK LAGOON Roberta's Blood Trail」
- 監督・脚本・シリーズ構成:片渕須直
- 発表期間:2010年7月17日-2011年6月22日
- 話数:全5巻
ブラックラグーンの主人公・ロックとは?
ロック(岡島禄郎)の身長やプロフィール
≪ロックの人物詳細情報≫
- 【氏名】岡島 緑郎
- 【読み】おかじま ろくろう
- 【愛称】ロック
- 【年齢】25歳
- 【身長】169cm
- 【出身地】東京都世田谷区
- 【出身大学】国立大学
- 【職業】元:商社マン(旭日重工の資材調達部)/現:ラグーン商会の運び屋
- 【性格】優しい/勇気がある/タフな気質
犯罪都市ロアナプラの気候は熱帯ですが、岡島緑郎の着衣は白のカッターシャツとネクタイにスラックスのサラリーマンスタイルで常に過ごしています。拳銃などは一切持たず、使用しません。基本的に運び屋ですが、ラグーン商会が所有する船を運転手のベニーの代わりに運転することもしばしばあります。
言語が堪能で知識人
商社マンだった頃に、ダッチが率いる「ラグーン商会」の運び屋兼用心棒のレヴィに誘拐されたことがきっかけで闇社会に一員となったロックこと、岡島緑郎はに日本語・英語・フランス語と複数の言語力と幅広い知識に長け、持ち前の度胸の良さと高いスキルの交渉力を持ち、犯罪都市ロアナプラの裏社会に棲む組織の様々な重鎮たちから高い評価を得ています。
ブラックラグーンのロックは悪党へ変貌?
ロック編ではまだ良い人
上の画像は第一章のロック編で、ロックが悪党になる前のうだつが上がらないサラリーマンの時代の岡島緑郎です。表情は柔らかく優しい、少し頼りなさそうな印象を受けます。自分の命が簡単に捨てられたことに吐気がしてしまうほど悪党の影すらない常識的で凡庸な人柄が感じられるようです。
ロック編では人生で今まで築き上げてきたことを全て捨てて悪党への一歩を踏み出します。裏社会の重鎮からは良い悪党になると評されますが、その見た目はmだ一般人と大差ないようです。
会社に見捨てられる
『ブラックラグーン』の主人公の岡島緑郎は上司のミスの後始末のために訪れた犯罪都市ロアナプラで、上司のミスが原因で裏社会組織のラグーン商会の構成員に誘拐されると、会社側はその事実を隠蔽するために岡島緑郎の命をも切り捨てようとします。
会社から不当な扱いを受けた岡島緑郎は、映画やドラマでしか見たことのない非日常の世界が目の前で繰り広げられるのに猛烈に惹かれていきます。そして、これまでの岡島緑郎という自身の出生や経歴など全てを捨て裏社会でロックとして生きていくことを決意します。
レヴィにつっかかる
ロックは同じラグーン商会の同僚構成員のレヴィとはコンビで業務をこなすことが多く、互いの生い立ちや考え方の違いで衝突を繰り返します。まだ、裏社会に馴染めず自身の思っていることを表に出すことが出来ないロックはレヴィに言い返すようなことはありませんでしたが、レヴィとの死生感などの話題でロックがついにレヴィに食って掛かり、取っ組み合いの喧嘩を始めます。ロックに少しずつ変化が表れ始めているようです。
3章でもまだ常識人
『ブラックラグーン』第3章のネオナチ編でロックとレヴィが共に第2次戦争時のドイツ潜水艦Uボートに潜入した際、ロアナプラの街に少し慣れてきたロックはレヴィのお金や命、遺品などに対する考えを聞きますが、ロックの考えは未だ以前にいた常識的な世界の思考が拭いきれず、レヴィの話に違和感を覚え納得できない様子です。そう感じていてもロックは、それを口に出すことが出来ませんでした。
テロリストを拒絶
思いがけず遭遇した日本人赤軍派テロリスト・タケナカに誘拐されたロックはそこで、久々に日本の若者に会って饒舌となったタケナカに、何故テロリストになったのかやそのきっかけ、思想を聞かされて理解を求められますが、ロックの中に目の前のタケナカの姿が「今後、自分が道を誤った時の末路なのではないか」との思いが生じ、断固として拒絶します。ロックは異国の地で初めて出会った日本人との境遇に苛立ちを感じるのでした。
参謀になるロック
危険な犯罪都市ロアナプラに迷い込んだジェーンは助けを求めて教会のドアを叩きます。しかし、そこはシスター・エダ達がいる暴力的な教会でした。このエピソードは、本来であれば銃を所持して然るべき立場にも関わらず、銃を持たないロックが作戦参謀として活躍し、ロアナプラに迷い込んだジェーンを守り抜くことに成功する話です。そして、ロックは参謀としての能力を発揮したことで今後も銃を持たなくて良い許可を得ます。
記憶力の高さが覗える5章
『ブラックラグーン』第5章はロックの過去に務めていた会社で得た情報が活かされる回で、ロックの記憶力の高さが伺え、その記憶力は後の物語に大いに変化をもたらすエピソードです。南米に住むガルシアが誘拐され助けるために、フローレンシアの猟犬と呼ばれ非常に戦闘能力が高い、ラブレス家に遣えるメイドのロベルタがロアナプラにやって来ます。
ロベルタはメイド服姿でロアナプラで暴れし、通常の人出は歯が立たないほどの強さを見せ、対向できたのはレヴィやロシアマフィアの幹部のバラライカ達のみで、作中の登場人物たちの間ではしばらく「メイド」という単語が禁句とされるほどに恐れる様子を見せます。ロックは以前の会社の資料でラブレス家についての詳細までを暗記した記憶を遺憾なく用いた活躍を見せます。
双子編で常識が覆る
『ブラックラグーン』の双子編でロックは闇世界に触れ続けた殺し屋の双子のヘンゼルとグレーテルに出会い、彼らの壮絶な人生に触れロックの中の常識に変化が現れ始めます。双子には常識や良識、善悪の区別といった知識が全く無いわけではなく、生きるためにそうせざる負えなかったのです。誰かが双子に手を差し伸べていたらと思うロックが彼らに出会うには遅過ぎで、ロック自身が出来ることには限界があると思い知らされるのです。
任侠の世界へ染まっていく
出典: https://festy.jp
『ブラックラグーン』日本編では、ロシアマフィア幹部のバラライカが日本のヤクザ同士の抗争戦争を持ち込み、日本ヤクザの戦力を絶やそうと来日します。ロックはバラライカの通訳として、レヴィは用心棒としてバラライカと共に日本を訪れます。ロックは鷲峰組のヤクザの家に生まれた女子高生・雪緒と出会います。彼女は平穏な日々を願いながらも全組長の父の後を引き継ぎ、死を孕み侠気に富んだ任侠の世界に踏み入ろうとします。
雪緒を救うことを決意したロックは、鷲峰組を潰すのを止めるようにバラライカに依頼します。助けることを正義でもなんでもなく単なる趣味だと語ったロックをバラライカは「いい悪党になる」と称賛します。しかし、雪緒は鷲峰組対ロシアマフィアの抗争にピリオドを打つために自決します。結局、ロックは雪緒を助けることが出来ず、傷を負ったままロアナプラへ帰還するのです。
ロベルタ復讐編で悪党へ
『ブラックラグーン』第10章のロベルタ復讐編では、ラブレス家の当主が殺害されたことでメイドのロベルタの暴走を止めるために当主の娘のガルシアと雑役女中のファビオラがロックに助けを求めます。ロアナプラ全土を巻き込む激しい抗争が繰り広げられ、善意と悪意の思想が行き交います。
この章でロックが過去の様々な経緯を経て完全な悪党へと成り変わっているのが分かります。ロック自身は善意で行っていることですが、自分や他人の命をビットに賭ける作戦やその考え方は正に悪党でファビオラからは「ロアナプラで1番のクソ野郎」と辛辣な言葉を投げられます。
ブラックラグーンのロックの名言・名シーン紹介
名言・名シーン①「え?ライターなら…」
岡島緑郎が抜けきらないロックがレヴィの死生感やお金について、善意や幸福を全否定する考え方を聞き、今まで自分の意志表示をしてこなかったロックが初めてレヴィを真っ向から否定し、「生きていれば辛いこともある」と正面から殴り合う大喧嘩をした後に和解するシーンの1コマです。
火を求めるレヴィが火は警察に没収されたと告げようとするロックの煙草の火を貰います。上記の名言はお互いが仲間として認めるまでのきっかけの名言となっています。
名言・名シーン②「俺の名は…」
日本で出世コースから外れた商社マンだった岡島緑郎は、会社にいいように利用された挙句、会社から岡島緑郎の命をもいとも簡単に切り捨てられます。岡島緑郎は、どこにも居場所がないくだらない日常に嫌気がさしており、ラグーン商会の構成員に出会って映画などでしか見たことがない仁義の世界に強く惹かれていきます。
そして、裏社会で生きる道を選ぶと岡島緑郎改め、ロックと名乗ります。上画像の名言はその道を選んだことを会社の上司に啖呵を切って告げるシーンで放たれた名言です。
名言・名シーン③「戻る気分が…」
ロックこと岡島緑郎が中国人民解放軍総参謀であるフォンに「何故ロアナプラで悪党をやることになったのか」の経緯の話をせがまれ、過去を振り返りながら一通り話します。さらにフォンはロックにその時の心情を「正しく説明しろ」と言われると上画像の名言を返します。
以前にいた世界で岡島緑郎として生きるより、裏社会でロックとして生きる方が生きている実感が持てて楽しいということなのでしょうか。ロックの心中には、以前にいた世界への未練がないことが感じられる名言となっています。
名言・名シーン④「俺の趣味だ。」
上画像の名言は『ブラックラグーン』の日本編で雪緒を救うために、鷲峰組を潰すことを止めるようにロシアマフィア幹部のバラライカに願い出た際に賭けに出た岡島緑郎の名言です。岡島緑郎が初めてバラライカに対して啖呵を切ります。バラライカは「助けることは趣味だ」というロックの生き方のスタンス、態度を気に入り、ロックが命拾いする手に汗握る場面です。
名言・名シーン⑤「最高の賭け…」
『ブラックラグーン』ロベルタ復讐編で、ロベルタやガルシアたちを助けるために、彼らの命をビットに賭け、終始賭けに拘って作戦を立てるロックのクソ野郎度合いが伺える上画像の名言です。平凡な岡島緑郎から完全立派な悪党のロックに変貌を遂げた様子が上画像のロックの表情からも見て取れます。
名言・名シーン⑥「目が覚めたら…」
上画像は、通常では決して見ることの出来ない男女が入れ替わった『ブラックラグーン』のキャラクターたちが描かれた番外編の1コマです。巨乳の女性になって泣き叫ぶロックの姿は意外と可愛いかもしれません。男性版ロシアマフィアのバラライカの旦那っぷりはかっこいいと読者の間で話題になっていたようです。この『ブラックラグーン』の男の子女の子編は原作では巻末に、アニメではDVDの特典映像として見られます。
名言・名シーン⑦「俺も君たちを…」
出典: https://festy.jp
ロックはロベルタを助ける作戦としてガルシアやファビオラに危険な賭けをさせ、ロベルタを取り戻すのを成功させます。あくまで善意として行い、ロベルタを救出できたことに満足感を得たロックの名言が上画像です。ロックの立てた作戦でガルシアたちが奇跡的にロベルタを救出できたからいいようなものの、自分の身は安全なところに置き、他人の命を懸けて賭けを楽しむロックに対し、ファビオラは「クソ野郎」の烙印を押します。
そしてロックは、自身の考え方が完全に悪党になり日本での雪緒との約束、「光」でも「闇」でもない「夕闇」に立つ続けるというロックのスタンスが崩れていることに気が付くのです。
ブラックラグーンの声優は誰?
ロックの声優は浪川大輔
語学力が堪能で交渉スキルの高いロックこと、岡島緑郎の担当声優を務めるのは、浪川大輔です。声優の浪川大輔は子供の頃から劇団に所属し、吹き替えで『E.T.』や『ネバーエンディング・ストーリー』『グーニーズ』などの主人公の男の子役を担当するなど目覚ましい活躍を見せ、現在でも有名な様々なアニメなどの声優を務める大人気の声優の1人です。声優以外にも映画監督など様々な顔を持ち活躍を見せています。
声優・浪川大輔のプロフィール
≪声優・浪川大輔の詳細情報≫
- 出生地:東京都
- 生年月日:1976年4月2日
- 年齢:43歳
- 血液型:B型
- 星座:牡羊座
- 身長:173cm
- 趣味:サッカー/ラグビー/ハンドボール/野球/筋トレ/二度寝睡眠
- 特技:合気道
- 職業:声優/ナレーター/俳優/歌手
- 事務所:ステイラック
声優・浪川大輔の出演作品
≪浪川大輔の声優出演作品情報≫
- 『スタンドマイヒーローズ PIECE OF TRUTH』今大路峻
- 『手品先輩』まーくん
- 『この音とまれ!』滝浪涼香
- 『ルパン三世シリーズ』石川五ェ門
- 『明治東亰恋伽』森鴎外
- 『W'z《ウィズ》』フミユキ / 文幸=ニールセン
- 『千銃士』ナポレオン
- 『グラゼニ』徳永
- 『機動戦士ガンダムUC』リディ・マーセナス
- 『ハイキュー!!』及川徹
ブラックラグーンのロックは偽善者?
ロックの悪人面
日本編で雪緒と「光」でも「闇」でもない「夕闇」に立ち続けると約束したロックはロベルタ編ではそのどちら側に立っているかは関せず、ロックの根底からくる「面白そう」ということが原動力となって動いています。その証拠に「ロベルタ救出を何故助けてくれるのか」とファビオラに問われたロックは「面白そうだから」と答えています。そんなロックにファビオラは理解を示しません。
ラグーン商会で運転手を務めるベニーには「どこまで踏み込むのかを考えろ」と言われますが、ロックの答えはラグーン商会の他のメンバーやガルシアたちの見ているところと焦点に違いがあったようです。レヴィの協力を得られるとなったロックは早速作戦を立てます。
そして、ロベルタを捕まえることが最大の目的ではなく、彼女が殺めようとする者、彼女を殺めようとする者、それぞれが収まるべきところに収めることが賭けでこの仕事の1番の面白いところだと語ります。ニヤリと笑みを浮かべるロックの悪人面から完全に賭けを楽しんでいる様子が分かります。
ロックの危険な“趣味”
日本編で雪緒を助ける際にロックはバラライカに「助けることは趣味だ」と語ります。この時、もしロックの言い分がバラライカに通らなけらばロックは命を落としていたことでしょう。恐らくロックの根底にある面白いを刺激し、任務を遂行する際に人命を賭けることも厭わなくなったきっかけとなった出来事なのではないでしょうか。
ロベルタ編ではロベルタとロアナプラを救うためにと作戦を立てますが、それはあくまで建前でロックの本心は自身の「面白い」を満たすためです。周囲がそれに気づき中断させようとしますが、ロックはそれを決めるのはあくまで依頼してきたガルシアで、「ガルシアが結末を見たいというならば、最後まで付き合う」と真摯な態度を見せ、ガルシアに判断を仰ぎます。
再び戦闘が開始されて今度はフォンがロックに「手を引け」と言いますが、ロックは「人でなしのくそ野郎」とフォンに浴びせます。フォンはこの戦いを「遊戯(ゲーム)」といい、そのチップは人命でロックの危険な賭けは最後まで続きます。ガルシアが正確に事を運び、ロベルタの救出にも成功したのを見たロックは、思い描いた通りになったと目が笑っていない悪党の笑みを浮かべて「助けることが出来て本当に良かった」と言うのです。
それぞれの信念
ロベルタ編の終盤で、自国のためにラブレス家の当主を爆弾を用いて殺害し、「黄金の三角地帯」のシュエ・ヤン将軍を捕まえるために犯罪都市ロアナプラに滞在する「美国人(アメリカン)」ことグレイ・フォックスの上司であるキャクストンと、ラブレス家当主の父親を殺害されて復讐しようとするロベルタを止めるため、ロアナプラへ赴いたガルシアには、それぞれが正しいとする信念があります。
ガルシアは銃撃戦の中、フォックスに命を助けられますが、父親を殺したのがキャクストらであると分かると復讐を果たすために銃口を向けます。しかし、キャクストンは「復讐もまた正しい動機」と語ってガルシアに殺される覚悟があるような素振りを見せ、ベトナム戦争の最中に少女に対して卑猥な行為をする部下に対して容赦なく殺害するなど、彼の「正しい」と感じる信念の元で行動していると知ったガルシアは思い止まります。
そして、悩んだ末、ガルシアは自身の「正しさ」という信念に到達します。ガルシアはここで父親の復讐をすれば、更に復讐を抱く人が現れ、復讐のサイクルが出来てしまうとそれを拒み、キャクストンに殺さないことを告げます。そして、キャクストンに銃口を向けるロベルタとの間に身を挺して入り復讐を防ぎます。
『ブラックラグーン』の主人公であるロックもまた「正しい」と考える信念を持っています。ロックの信念は「面白さを求める」ことで、その為なら自分の命や仲間の命も取引で賭けてしまうところがあります。ガルシアたちからはロアナプラに完全に染まってしまったと非難を浴びますが、ロックはロックなりの「正しい」と思う信念で目的を達成しようとするのです。
正しさとは何か?
果たして「正しい」とは何でしょうか?本当にロックだけが悪党と言えるのでしょうか?ガルシアやキャクストンらが「正しい」と考える信念についてを見ていきましょう。
ガルシアはロベルタを助けようとしますが、復讐などでキャクストンを殺そうとはしません。「正しい」と思う信念を貫くように半ば強迫的に言われたキャクストンはロベルタを殺さずに任務を完遂する決断をします。その間にもロベルタの手によって多くのグレイ・フォックスの人間が殺害されており、彼らの信念の犠牲になっていることは間違いありません。
ガルシアはキャクストンの死は許しませんが、それ以外のグレイ・フォックスの生死については眼中に無く、ロベルタに殺されるのを構わないとし、彼らがロベルタを殺すことは許しません。また、戦闘中にロベルタが殺したグレイ・フォックスの復讐をキャクストンがすることも許しません。あくまでガルシア側が殺して終わるというのがガルシアの「正しさ」です。
アメリカ軍人でチームの指揮をとるキャクストンには、任務遂行と軍への安全確保の責任がありますが、彼は自分の信念のためには仲間の死は問いません。ロベルタを殺そうとする者はたとえ味方でも撃ち殺します。キャクストンにとって自身の信念は仲間の命よりも重要視され、それが彼の「正しさ」なのです。
一見ヒーローのように見える彼らの言動や行動を冷静に見ると、命の重さをに平気で天秤にかけ、それが果たして「正しい」とされる行動なのか、ロックの面白いことを求める信念となんら違いはないのでは無いかと考えや思いに至るようです。それぞれがそれぞれに「正しい」と思う信念をで行動しているに過ぎず「これが正しい」という正解はないのかもしれません。
正しさの優劣と視点
ガルシアとキャクストン、ロックの共通点は自分の信念、「正しい」と思うことに命を懸けることです。それぞれの「正しい」とする信念に対して体を張っていく彼らに優劣をつけることは到底難しいことのようです。しかし、ガルシアやキャクストンに比べて何故かロックは読者の目に悪人の様に映っています。
ロックと彼らの違いには、行動の原動力である「誰のために動いたか」にあります。ガルシアとキャクストンは仲間や守りたいと思う人の為に動くのに対して、ロックは「面白そうだから」という自分を満たすために動きます。ガルシアたちには「自分の為に動く」というロックの行動がどうしても理解できず受け入れ難いものだったのでしょう。
そして、ロックを「ロアナプラの住人」とすることで自分たちはロックとは違うと言いたかったに違いありません。前項で先述している通り、対象者は違えど自分が「正しい」と思う信念を通すことは同じです。ロックは自分の「面白さ」を求めていましたが、ガルシアたちに力を貸して命を懸けていました。
ラグーン商会は事件から手を引くように命令さしますがロックは引くことはなく、作戦が無謀な賭けだとしてもロックが鉄火場へ突っ込まなければロベルタを助けることは出来なかったに違いありません。それにも関わらず、ロックに空砲といえど銃口を向けるファビオラは無礼にも程があり、レヴィに殴られていたとしてもおかしくはないでしょう。
このように視点を変えるとロックとガルシアとキャクストンには大差はなく、結局は読者がどの視点で見るかによって見えるものが変わるのです。ロックへの非難の感想が多いのは、多くの読者がガルシアたちの目線で読んでいたからと言えるのではないでしょうか。
ブラックラグーンのロックとレヴィの関係とは?
生き方が不器用過ぎる2人
日本から傷を負ったままロアナプラに帰還したロックは、また新たな局面へと自ら飛び込んでいきます。それに対してレヴィは体を張ったショック療法をロックにしようと試みますが、一線を超える寸前でロックが自身の信念を曲げることはなく、すれ違います。ロックとレヴィはそれぞれ互いに不器用な生き方しか出来ないようです。
ロックに特別な感情を抱くレヴィ
組織に入ったばかりの岡島緑郎改めロックは日本でのサラリーマン性が抜けきれず、そんなロックを見たレヴィは苛立ちを募らせます。切れやすいレヴィはロックを殺害しそうになりますが、煙草の火を分け与える「シガーキス」で仲直りをします。
ロックに惚れ始めたレヴィはロックに対して赤面するなど女子の反応を見せたり、日本に行った際には喧嘩友達のシスター・エダにロックとの関係を冷やかされて誤魔化すなど若い少女のような態度を示します。ロックがピンチの時には得意の銃の腕前で守り、ロックが精神的に追い詰められそうな場面では見ないように気を遣う配慮を見せます。
ブラックラグーンの感想や評価は?
【朝映画】#ブラックラグーン #blacklagoon #第1期 #第2期
— 吉村冴加(よしむら さやか) (@syp104) December 12, 2018
軽い感じなのにズシッと入ってくる。
人間模様や提示される問題がリアルだった。
かっこいい女性キャラ達に、痺れる言い回しや世界観!
2.5次元になるなら
やりたい役もありました☺️
ガンアクションの練習もしなきゃ👉 pic.twitter.com/a7yW0AbHDQ
『ブラックラグーン』の作中に登場する痺れる名言や人間模様や提示された問題がりあるな物語の世界観に夢中になるファンが多いようです。特に登場する女性キャラクターが男性張りにかっこいいと話題となっています。『ブラックラグーン』に登場するキャラクターのコスプレをして楽しむファンも多いようでSNS上でコスプレ姿を披露するコスプレイヤーが目立っていました。
何なのだ…なんでなのだぁ…
— ギャンブルをするアライさん (@jIy9t3KYdnGK5AQ) December 13, 2018
何でブラックラグーンはこんなに面白いのだ…
そして何故あと1話で全て観終わってしまうのだ…この最終話を観たら全て終わってしまうのだ!!
ロベルタ回と思わせてロックが最高にクールなのだ…
『ブラックラグーン』のロベルタ編でのロックの悪党ぶりがクールでカッコいいと感想に上げる人が多いようです。『ブラックラグーン』の感想の中には、会社を辞めてアニメを視聴し、ロックを見ていたら激しくロックに共感してしまったという声が上がっていました。会社から不当な扱いを受けるロックに自身を重ねて視聴する方もいるようです。
歩く芸術品こと霧島司さんのお声を担当して下さってる浪川大輔さんですが、ブラックラグーンのロックも最高です。悪に染まりきれず中途半端な自分に悩み、少しの狡猾さも持ち合せているそんな美人さんです。レヴィとの煙草のシーンがガチでヤバイ pic.twitter.com/9PCmVzkpKp
— かど@ゲーム化楽しみ (@kaitoru_) May 18, 2016
『ブラックラグーン』の担当声優についての感想では、ロック(岡島緑郎)の担当声優を務める浪川大輔について、悪に染まり切れない中途半端な自分に悩むロックの心情を上手く表現しているとして評価が高く、またレヴィの担当声優の富田めぐみとの掛け合いのパトカーの中での「シガーキス」のシーンがカッコ良く実際に真似したいと感想が上がっています。他にも豪華な声優陣が勢揃いし『ブラックラグーン』の物語を盛り上げています。
ブラックラグーンのロック(岡島緑郎)は悪党だった!
漫画アニメ『ブラックラグーン』の主人公であるロック(岡島緑郎)が悪党に変貌していく過程や『ブラックラグーン』のこれまでのエピソード、ロック(岡島緑郎)の作中での名言や名シーンをまとめ、ロックの担当声優の浪川大輔についてを紹介してきました。
ロックが出世コースから離脱した平凡なサラリーマンの岡島緑郎から様々なことを経て、「光」や「闇」に属さない「夕闇」のスタンスで裏社会で生きていくとロックに生まれ変わり、裏社会での生きる術を学び、徐々に自身の「面白さ」の信念の追及に走って悪党に変貌していく姿が見事に描かれています。
そんなロックが悪党過ぎて最低と思うファンもいればクールでかっこいいというファンもおり、『ブラックラグーン』はロック以外のキャラクターに対しても様々な視点で見てることが出来て面白いと評判で人気が高くおすすめの作品のようです。
アニメの『ブラックラグーン』では声優の浪川大輔をはじめとした豪華な声優陣に歓喜の声が寄せられ、『ブラックラグーン』は現在も原作が連載中ということでアニメの続編にも期待が高まっているようです。今後、『ブラックラグーン』はどのような展開を見せるのでしょうか?『ブラックラグーン』の物語から目が離せません。