銀魂の近藤勲って実はかっこいい？お妙との関係などまとめて検証

銀魂の近藤勲の検証に入る前に、簡単に銀魂について説明しましょう。2004年から週刊少年ジャンプで連載が始まりました。すでに10年以上も続く人気作品です。江戸時代末期の日本に、天人（あまんと）と呼ばれる宇宙人たちが襲来します。襲来から20年後の現在、万事屋を中心にかぶき町で繰り広げられる、ドタバタコメディー漫画です。

銀魂世界における江戸の特殊警察、真選組の局長で、身長184cmで80kgのがっしりとした体躯のため、ゴリラとあだ名をつけられています。志村新八の姉、お妙とは客とキャバ嬢として出会いました。そこで、近藤が悩みを打ち明けると、営業トークでいい言葉が返ってきたため、その言葉を鵜呑みにして惚れ込んでしまう純情さがあります。その後は度重なるアプローチに、お妙からは暴力で反撃を食らう日々です。

がっしりとした体躯や見た目のゴツさから、がさつに見られがちなのですが、超が付くほどのお人好しです。関わりを持った人物、すべてを大きな心で信頼を寄せてしまうほど優しく、純粋です。裏切られても、それを裏切りとは感じないほど信頼を寄せてしまうため、ずっと年下の沖田から「あんたは誰でも信じすぎる」と心配されてしまっています。

しかし誰でも信頼できるということは、それだけ大きな心の持ち主である、つまり懐の深さ故ではないでしょうか。懐の深い男ほど、かっこいい大人と言えるのではないでしょうか。

銀魂近藤勲は真選組局長として、元はチンピラだった隊士たちを結束させるだけの統率力と戦闘力の持ち主です。実は内心では銀時に尊敬されるだけの剣豪でもあります。がっしりとした肉体を生かしたパワフルな剣術で、相手の刀を折った上に鎧も切り裂くほどの斬撃は圧巻です。戦闘力はかなり高いとみていいでしょう。

銀魂近藤勲のかっこいいところに触れる前に、まずは関わりの深いキャラクターを紹介します。彼らとの関わりによって、近藤勲のかっこいいところが引き出されているといっても過言ではありません。

銀魂の主人公、坂田銀時が営む便利屋が万事屋銀ちゃんです。金さえもらえれば犬の散歩から命がけの護衛まで、何でもやる便利屋ですが、どうやら命がけになればなるほど、タダ働きのようです。この万事屋銀ちゃんの面々が中心となって、様々な騒動を起こしていきます。

坂田銀時は銀魂の主人公であり、かつては白夜叉と呼ばれた剣豪で元攘夷志士です。普段はいい加減な男ですが、いざというときには本気を出すことから、周りからは頼りにされているようです。近藤とは普段から特に大きく関わってはいませんが、知り合いとして何かしら関わりを持っています。そのため、窮地に陥った際には、互いに助けに駆け付ける間柄です。

近藤が恋心を抱くお妙の弟が志村新八です。銀魂における突っ込み役でもあります。お妙とともに侵入者である近藤を撃退することもしばしば見かけられています。近藤は勝手に義弟と呼んでいますが、新八から許可は全く下りていません。銀時同様、大きく関わっている場面は少ないですが、いざというときには万事屋全員で駆けつけるので、本質的には嫌ってはいないようです。

銀魂のヒロインで、近藤からはチャイナ娘と呼ばれているのが神楽です。神楽が関わるのは真選組の沖田の方が多いのですが、銀時や新八同様に、いざというときには駆けつける程度には近藤との関わりを持っています。

もともと新選組は浪士組としてごろつきやチンピラを集めて結成されました。しかし派閥争いが絶えず、ただのチンピラ集団でしかありませんでしたが、近藤が中心となり土方や沖田の協力の下、瞬く間に組織として結束が固まったそうです。

咥え煙草とマヨネーズがトレードマークの、真選組鬼の副長です。バラガキと呼ばれて暴れていた若いころに、近藤と出会い救われたことから、近藤のことを心から慕っています。誰よりも真選組を大切に思っていますが、それはすべて恩義を感じて慕っている近藤のためであり、公僕としてではないようです。

幼い日に両親を亡くし、姉に育てられた過去を持つため、姉をとても大切に思っています。幼いころに出会った近藤になついて近藤の道場に通いますが、そこで土方とも出会います。幼心に姉と近藤を土方に奪われるような感覚を覚えた沖田は、それ以来土方を嫌うようになりました。近藤に対しては盲目的な信頼を寄せているため、一番近くにいられる副長の座を狙っています。

攘夷党とは桂小太郎をリーダーとして、攘夷活動をする集団です。真選組とは敵対関係にありますが、なぜか共闘する場面も多くみられます。

真選組の近藤から見ると、桂は指名手配犯であり、敵対関係です。しかし不思議なことに、土方や沖田は桂を見かけると指名手配犯として追い掛け回しますが、近藤はお互いに不憫な状況下で何度も出会ってしまうためか、追い掛け回す様子は描かれていません。

キャバ嬢兼用心棒のお妙の腕っぷしは折り紙付きです。しかしキャバ嬢として店に出れば、元来の清楚な雰囲気が接客に役立っています。そんなお妙との出会いはキャバ嬢と客としてでした。二人の出会いに少し触れてみましょう。

お妙に初めて接客を受けた近藤は、フラれてばかりの人生をお妙に相談します。ケツ毛が原因で女性にもてないと嘆く近藤に、お妙は「ケツ毛ごと愛します」と返します。それはもちろん営業トークだったわけですが、それを真に受けてしまい、お妙を心底愛してしまったというわけです。

軒下、屋根裏、電信柱の影、などなど様々な場所でお妙を見つめる近藤の姿が目撃されています。しかしさらば真選組篇ではそんな近藤がお妙に別れを告げます。日頃は撃退されてばかりの近藤でしたが、この時ばかりは優しく別れるのでした。この後新八は近藤を見かけた場所を目で追い、さみしがる描写があります。そしてお妙もまた、真摯な近藤を称える発言をしました。

ギャグタッチな作品である銀魂ですが、その中でも様々な長編が組み込まれています。特にシリアスで、物語が大きく動いたとされる長編での近藤の活躍が見られる長編を紹介していきましょう。近藤の活躍は特に戦闘シーンなどが多いため、ここではストーリーを紹介します。

ある日土方が手に入れた村麻紗という妖刀の呪いによって、ヘタレでオタクなトッシーになってしまいます。そのため不審な言動が増えてしまい、真選組の参謀伊東鴨太郎から追放されてしまいます。伊東はひそかに近藤の暗殺を目論んでいました。わずかに正気になった時、土方は万事屋に真選組を守ってほしいと依頼をします。

新たな人材を確保するために近藤は隊士と伊東を伴って武州へ向かいます。そこにいるのはすべて近藤にとっては敵でした。沖田ですら敵となったように見えましたが、沖田だけは近藤の味方でした。その場では唯一の味方です。オタクのトッシーをねじ伏せて鬼の副長土方が目覚めます。そしてパトカーを奪って近藤のもとへ駆けつけます。そうして伊東の企ては失敗に終わります。

真選組局長の近藤は、呪いによってヘタレなオタクになってしまった土方を、正気に戻すだけの大事な存在です。そして寝返った風を装った沖田にとっても、土方同様に命を懸けても守りたい存在です。真選組動乱篇は、近藤の真選組局長としてではなく、人間として信頼を一身に受ける物語として、とても重要なエピソードであったのではないでしょうか。

現将軍の徳川茂茂が次期将軍の座を狙う一橋派によって暗殺されそうになります。そこで朝廷の加護を受けるために京へと将軍を陸路で護送するため、依頼を受けて現れた万事屋と真選組局長近藤や土方が集結します。

本物の将軍は空路で貨物船の荷物に紛れて京へと向かいました。しかしそこで味方だったはずの服部全蔵に、将軍は殺害されてしまいます。そして味方だったはずの伊賀の里も敵に回っていました。将軍の周りはほとんどすべてが敵と思われる状況の中、実は初めに暗殺に気づいた時から伊賀の里に匿われていた、本物の将軍が現れます。

天導衆は喜喜を傀儡として祭り上げ、茂茂は事実上の更迭となりました。身を守るために京へ身を置き、機をうかがうことになりました。しかし天導衆に送り込まれた刺客によって、茂茂は殺害されてしまいます。そして物語はさらば真選組篇へと続きます。

将軍暗殺篇からの続きで、将軍を守れなかったことで、松平片栗虎と真選組局長の近藤に斬首刑が言い渡されます。スナックスマイルでやりたい放題の喜喜を殴った銀時をかばい、桂が投獄されます。そこには松平片栗虎と、真選組局長だった近藤がいました。ここで脱獄するために桂は仮死状態になる丸薬を近藤へ渡します。

新体制の政府によって解散に追い込まれた真選組ですが、その立場は見廻組に奪われてしまいました。真選組は局長の近藤を救うために、攘夷志士は桂を救うために結託します。なんとか脱獄に成功した松平片栗虎、真選組局長近藤、桂でしたが、奈落の襲撃に見舞われます。松平を逃がし応戦する近藤と桂でしたが、多勢に無勢でも、剣豪二人は何とか切り抜けます。

負傷した桂を抱えながらも戦う近藤に、見廻組が襲い掛かります。絶体絶命かと思われましたが、見廻組の中には変装して近藤を救おうとする真選組の隊士が混じっていました。命あるものは敵であろうとすべて救おうとする近藤に、敵だと思っていた見廻組局長の佐々木が身をひるがえしたように協力的になります。

実は佐々木は真選組を潰すことで、反政府感情をあおろうとしていたのでした。本来の敵をやり過ごすために仮死状態になる丸薬を近藤に飲ませ、佐々木は近藤の顔を大きく斬りつけました。それは近藤の死を印象付けるためでした。

倒れる近藤の姿に隊士たちは戦意を喪失しそうになりましたが、銀時がまるで近藤が乗り移ったかのような檄を飛ばし、失いかけた戦意を取り戻します。仮死状態から近藤が目覚めると、撤退することになります。佐々木は大切な者たちを守り、戦場に散りました。

さらば真選組篇では真選組の過去が明かされます。まだ浪士組だったころ、今では近藤を局長として尊敬している山崎が、誰が一番上に立つのかと勝負を挑んできます。しかし近藤は大将には仲間をひれ伏せさせる強さはいらないと、勝負に乗り気にはなりません。けれど近藤を一番にしたい土方と沖田の姿に、山崎は近藤の傘下へと入るのでした。そうして近藤はのちに真選組の局長となるのです。

こうして反乱は終結したのですが、喜喜は激昂して警察組織すべてを潰そうとします。喜喜のやり方に周囲は離れていきました。それらを取り込んで反幕府体制を整えます。そうして真選組は各地に散らばる反乱勢力を取り込む任務に就くのでした。それは江戸を守るために、江戸を離れなくてはならないという事実でした。

江戸を守るために江戸を離れるため、近藤はお妙と新八に別れを告げます。そこで新八は「正面から堂々と来てください。お茶くらい出しますから」と、男らしく戦って江戸を離れなくてはならなくなった近藤を受け入れたことを匂わせ、お妙は涙を流し見送りました。

ある日かぶき町を訪れていた柳生九兵衛は、占い師に女であることを見破られ、性別の悩みまでも見破られます。そうしてその占い師に九兵衛は男にされてしまいます。しかしそれは九兵衛だけではなく、かぶき町一帯にばら撒かれたウィルスのせいで、そこにいた者はすべて男女が逆転してしまいました。

犯人は占い師ではなく、宗教団体デコボッコ教でした。かぶき町に暮らす万事屋、真選組の面々は男女が逆転してしまい、ウィルスが広まった後に姿を見せたお妙は女性のままでした。誰もが胸の大きな女性になったことをお妙が怒り狂います。デコボッコ教のアジトを見つけようとしますが、かぶき町の監視カメラはすべてデコボッコ教に乗っ取られていました。常に監視されていては身動きが取れません。

月詠（男）、猿飛（男）の活躍でデコボッコ教は壊滅状態になりました。教祖は逃げ出してしまい、住民は何とか元の性別に戻れたというのに、万事屋、真選組、その他もろもろは地下のアジトに潜入しようとしていて、せっかくの元に戻れる機会を失ってしまいました。

それから時が過ぎ、元の性別に戻れなかった面々は、現状を受け入れて生きていました。近藤は女性としてお妙と親友のようになるという意外な展開もありました。しかし元の性別に戻るために、彼らはあきらめず、戦うのでした。

真選組局長の近藤勲はギャグ要員としての活躍も多いですが、物語が進むにつれてかっこいい要員としての活躍も増えてきています。一途にお妙を思い続ける近藤勲の今後のかっこいい姿と、ギャグ要因としての面白い姿に期待しつつ、これからの銀魂を見ていくのもいいかもしれません。