【すずめの戸締まり】ラストシーンをネタバレ考察!セリフ「おかえり」の意味は?

「すずめの戸締まり」のラストシーンについてネタバレ考察しています。ラストで鈴芽が草太に言った「おかえり」のセリフや、彼女が後ろ戸に鍵をかけたときの「行ってきます」の意味も解説!また、すずめの戸締まりのあらすじを、シーンごとにネタバレ紹介しているため、ぜひチェックしてみてください。また、本作と他の映画のつながりや共通点なども説明しているため、必見です。他にも、ラストシーンに関する感想や評価も載せています。

【すずめの戸締まり】ラストシーンをネタバレ考察!セリフ「おかえり」の意味は?のイメージ

目次

  1. すずめの戸締まりとは?
  2. すずめの戸締まりのあらすじとラストシーンをネタバレ
  3. すずめの戸締まりの「おかえり」や「行ってきます」のセリフの意味
  4. すずめの戸締まりの謎を考察
  5. すずめの戸締まりの用語をネタバレ解説
  6. すずめの戸締まりと他の映画のつながり
  7. すずめの戸締まりのラストに関する感想や評価
  8. すずめの戸締まりのラストまとめ

すずめの戸締まりとは?

すずめの戸締まりの概要

「すずめの戸締まり」は、人気アニメーション監督の新海誠による作品です。前作「天気の子」より3年ぶりの最新作となっています。2022年11月11日に公開してから3日間で、興行収入は18億円を突破し、新海誠監督作品史上最高となる好スタートを切りました。

2023年1月時点で興行収入は約121億円、観客動員数約913万人を記録しています。また、本作は世界199の国と地域での配給も決定しており、新海誠監督作品史上最多となる話題の映画です。

すずめの戸締まりの声優キャスト

  • 岩戸鈴芽役:原菜乃華
  • 宗像草太役:松村北斗
  • 岩戸環役:深津絵里
  • 芦澤朋也役:神木隆之介
  • 岡部稔役:染谷翔太
  • 二ノ宮ルミ役:伊藤沙莉
  • 海部千果役:花瀬琴音
  • 岩戸椿芽役:花澤香菜
  • 宗像羊朗役:松本白鷗

すずめの戸締まりの映画と原作小説の違い

すずめの戸締まりは、新海誠監督が自ら描き下ろした小説版が刊行されています。小説版のほうは、映画では尺の都合上などで描くことができなかった、鈴芽の細かい心情を執筆しているそうです。そのため、映画ではなかった情報も知ることができます。また、逆に小説ではない情報が、映画でのみ説明されているシーンもありました。

映画でのみ描かれた内容は、羊朗とサダイジンの会話のシーンです。草太の祖父である羊朗の病室から、鈴芽が出て行ったあと、ふっとサダイジンが窓辺に現れました。羊朗はサダイジンに気づき、「これはお久しゅうございます」と挨拶をして、「あの娘(鈴芽)のことをよろしくお願いします」と話しています。このセリフから、羊朗はサダイジンを敬っていることがわかります。

一方、小説のみに出てくる情報は、非常に多くありました。中でも最も重要な点は、「2011年に日本の東側で列島の半分が揺れるような大きな地震があった」と明確に書かれていたことでしょう。映画は映像や音楽も含まれており、リアルに伝わりすぎるため、東日本大震災を意味する表現はされませんでした。他にも、小説版には鈴芽と環の関係性も、詳細に説明されています。

映画『すずめの戸締まり』公式サイト

すずめの戸締まりのあらすじとラストシーンをネタバレ

ネタバレ①鈴芽が何度も見る夢

すずめの戸締まりの岩戸鈴芽は、繰り返し見る夢がありました。広い草原のような場所で、幼い自分が母親を探しながら彷徨い歩いています。そして、向こうの方から母親と思われる、白いワンピースを着た女性が歩いてくる夢です。そのシーンで夢から目覚め、叔母の環が大きな声で起きたか確認してきました。

鈴芽は震災による津波で、母親を亡くしているのです。その後、母の妹である叔母と共に、宮崎で暮らしています。二人は一緒に朝食をとり、鈴芽は学校へ、環は職場へ出かけました。

ネタバレ②扉を閉めようとする青年との出会い

鈴芽は自転車で登校し坂道を下っていると、背の高い美形の青年が坂を登ってきていました。彼とすれ違ったときに、「この辺りに廃墟はないか?扉を探しているんだ」というセリフを語りかけます。鈴芽は山の方にあることを伝えると、草太という青年は歩いて行きました。鈴芽は彼のことが気になり、あとを追いかけていきます。

そして、山の奥の方へ進んでいくと、廃ホテルに辿り着きました。すると、ホテルの中庭の水たまりの中に、扉が取り残されていたのです。引き寄せられるように扉へ近づき、鈴芽はドアに手を伸ばすと、向こう側に満天の星空が見えました。彼女が後ずさったときに何かが足に当たり、よく見ると小さな石像です。鈴芽は好奇心から、地面に刺さっていた石像を引っこ抜きました。

ネタバレ③猫の声と椅子

学校へ行った鈴芽は、山の方から煙が上がっている様子を目にしました。すると、クラスメイトたちのスマホから、緊急地震速報が鳴り出し地震が起きます。鈴芽は山の煙が気になり、先程の廃墟へ戻りました。すると、扉から何かが飛び出しており、草太が必死に閉めようとしています。鈴芽も草太を手伝い、彼は祝詞のようなものを唱えました。無事に扉を閉めることができましたが、草太は怪我を負ってしまいます。

傷の手当てをするために、鈴芽は彼を家へ連れて行き、傷の手当てをしていました。すると、突然猫の声がして、窓辺に姿を見せます。鈴芽が「うちの子になる?」というセリフを投げかけました。猫は「すずめ、やさしい、すき」と話し、草太に対しては「おまえはじゃま」というセリフを言い放つのです。その瞬間、草太はその場から姿を消し、左前脚が欠けた子供用の椅子に変身していました。

ネタバレ④草太の正体は閉じ師

猫のダイジンは、そのまま鈴芽の家を飛び出し逃げていきます。椅子に変身させられた草太は、2階の部屋の窓から飛び出して、ダイジンを追いかけました。その様子を見た鈴芽も、さらに追いかけます。ダイジンと草太、鈴芽は、四国行きのフェリーに乗り込み海へ出てしまうのです。しかし、猫のダイジンはフェリーから飛び降り、鈴芽と草太は取り残されました。

船の中で、鈴芽は廃墟で石像を引っこ抜いた話をします。すると、その石像は災いの元凶となるミミズを、押さえて封じている要石というものだと、草太が教えてくれました。そして、自分は災いをもたらす扉を閉じて鍵をかける「閉じ師」であることを伝えます。どうやら、自由になった要石は、猫のダイジンに姿を変えてしまったようです。猫を要石に戻してミミズに刺せば、草太は元の姿に戻れると言いました。

ネタバレ⑤愛媛県へ

鈴芽と草太は、愛媛県の八幡港に到着しました。草太は鈴芽に宮崎へ戻るように促しますが、彼女は椅子が一人で歩いていたらおかしいと話します。草太はダイジンを見つけるまで、鈴芽に同行をお願いすることにしました。

そして、SNSをチェックしてみると、ダイジンがすでに話題となっており、多くの写真がアップされています。鈴芽と草太はSNSの痕跡をだどりながら、ダイジンの居場所を追跡しました。すると、バイクに乗った少女が「嘘じゃろう?」と言って、鈴芽と椅子の様子を呆然と見ていたのです。

ネタバレ⑥玄関口から吹き出るミミズ

バイクに乗っていた少女は千果という名前で、鈴芽と同じ年の高校2年生です。千果と話をしていると、山の辺りで赤黒い煙が上がっていくのを見ます。鈴芽は千果にバイクで送ってもらい、現場へ向かいました。

そこには学校があり、玄関口からミミズが勢いよく噴き出ています。椅子の草太では手が届かないため、鈴芽が扉に鍵を差し込むと、ミミズが砕け散りました。すると、どこからともなくダイジンが現れ、「うしろどは、またひらくよ」というセリフを言って、走り去って行きました。

ネタバレ⑦民宿に泊まる鈴芽

千果の家族は民宿を経営しており、鈴芽は泊まらせてもらいます。二人は気が合い、さまざまな話をして眠りにつきました。翌朝、鈴芽は草太が寝ている様子を見て、「寝起きが悪い人っているよね」と話します。すると、千果は「こういうときは、キスをしたら起きるで」というセリフを返しました。

制服姿で椅子だけ持っているのは不自然に見えるため、千果は鈴芽に服とバッグを渡します。鈴芽と草太は、千果の宿を出発し、ダイジンを負って神戸へ向かいました。

ネタバレ⑧神戸へ

鈴芽と草太は神戸まで、ヒッチハイクをしようとします。幸運にもルミという女性が、神戸まで乗せてくれることになりました。ルミはスナックを経営しており、双子の子供を持つシングルマザーです。鈴芽は子守をしたり、お店の皿洗いなどをして手伝いました。一方、叔母の環は、鈴芽が家出をしたのではないかと心配します。スマホのGPSと口座の履歴をチェックすると、鈴芽は神戸にいることがわかりました。

環は明日から仕事を休んで、神戸へ連れ戻しに行く決心をします。そんな中、ルミのスナックの席にダイジンが座っているのを、鈴芽が見かけました。しかし、店員のミキさんには、ダイジンが人に見えていたそうです。ダイジンは鈴芽と目が合うと、スナックから飛び出します。鈴芽があとを追うと、ダイジンは「元気?見て!」とセリフを放ち空を指し、その方向を見ると山からミミズが出ていたのです。

ネタバレ⑨遊園地へ

ミミズの方へ走って行くダイジンを追うと、そこは遊園地でした。観覧車のゴンドラの一つから、ミミズが溢れ出しており、鈴芽が鍵をかけようとします。すると、ゴンドラが動き始めて、勢いで鈴芽はドアを押してしまい、一緒に上へ移動していきました。フッと扉の中を見ると、星空が見えて、草原の中で母親のような女性が立っています。

そして、脚が3本の椅子を渡そうとしていました。そのとき、草太がやって来て、鍵を閉めることに成功します。草太が後ろ戸で見た風景は、「常世」だと言いました。常世は過去、現在、未来の全ての時間が同時に流れており、ミミズの棲家でもある場所だそうです。また、死者が赴く世界のため、現世で生きる者は入ることができません。

ネタバレ⑩草太の夢

鈴芽と草太はルミさんのお店へ戻り、ご飯を食べました。草太は、自分が教師を目指していることを話します。閉じ師は代々家が継いでいる務めであり、教師の仕事と両立させたいと思っている様子です。その夜に草太は夢の中で、自分の行き着く先を見たような気がしました。

翌日、鈴芽はルミさんに別れの挨拶をして、新神戸駅から新幹線に乗って東京へ向かいます。それから、スマホでLINEを確認すると、環から55件もメッセージが届いており、今から迎えに行くという内容でした。

ネタバレ⑪もう一つの要石は東京

東京へ到着すると、草太は御茶ノ水駅周辺の住宅街にある自分の家に、立ち寄りました。部屋に入ると、ミミズや要石について書かれている「閉ジ師秘伝ノ抄」という本を出します。その本によると、要石は西の柱と東の柱にあることがわかりました。そして、もう一つの要石は東京に存在し、さらに巨大な後ろ戸もあるようです。

ダイジンはその後ろ戸を開けようとしている可能性があると、草太は推察しました。ただ、草太がもう一つの要石がある場所を調べても、どこにあるのかわかりません。そこで、自分の祖父に聞いてみるしかないと考えます。

ネタバレ⑫草太の友人だという芹澤

草太が家で要石について調べていると、友人である芹澤がやってきます。鈴芽は自身を草太の従兄弟だと言って、挨拶をしました。昨日行われた教員採用の二次試験に、草太が来なかったため、芹澤は気になって訪れたようです。

そうすると、地震速報が鳴り、近い距離にミミズが出現していました。鈴芽は神田川へ向かっていると、足元でダイジンも並んで走っています。神田川の土手に電車用のトンネルがあり、そこからミミズが噴出していました。どうやら、そこにあった要石が抜けてしまったようです。

ネタバレ⑬要石の役割は草太?

鈴芽と草太はミミズに飛び乗り、一緒に上昇していきます。ミミズは次第に街を覆っていき、このまま地面に落ちれば、関東地域が大変な事態になることが予想できました。すると、ダイジンが地震か起きることを伝えると共に、自分はもう要石ではないと言います。そこで、草太が「俺が要石なんだ」というセリフをつぶやきました。

ダイジンから椅子に変身させられたとき、要石の役割も自分に移ったのだと理解します。すると、椅子が凍りだし、草太の声がなくなっていきました。鈴芽は混乱しましたが、複雑な感情の中で草太をミミズに向かって突き刺します。すると、ミミズは消滅しました。

ネタバレ⑭古い廃墟

ミミズと戦ったあと、気を失った鈴芽は川の下で目を覚まします。自分のいる場所を地図で確認しようとしましたが、スマホの電源が落ちてしまいました。通路を歩いて行くと、地下空間の中に古い廃墟と大きな城門があります。中を覗くと星空が広がっており、東京の後ろ戸であることに気づきました。

そして、椅子になった草太が、ミミズの体に突き刺さっています。鈴芽は扉の中には入れず、その場にいたダイジンに向かって「だいっきらい」というセリフで、怒りをぶつけました。鈴芽は大扉を閉めて鍵をかけトンネルを出ると、そこは皇居だったのです。

ネタバレ⑮草太のおじいちゃんの元へ

鈴芽はどうにかして草太を救いたいと思い、彼の祖父が入院している病院を訪ねます。宗像羊朗と書かれたプレートを見つけ病室に入ると、「草太はしくじったんだな?」というセリフを言いました。鈴芽は、彼は要石となって常世にいると伝えます。鈴芽はもう一度地下へ行って、後ろ戸を開けると言いました。鈴芽が見た常世は、幼い自分と死んだ母親だったことを話しました。

すると、常世は見る者によって姿を変え、後ろ戸をくぐれるのは、一生に一つだけだと教えます。つまり、鈴芽は以前に後ろ戸をくぐったことがあり、それを探すことが唯一の入れる方法なのだそうです。鈴芽は病院を出ると、羊朗のところにサダイジンが現れました。羊朗は「お久しゅうございますな。とうとう抜けてしまわれたか、あの子について行かれますか、よろしくお頼み申す」というセリフを放ち、サダイジンを見送りました。

ネタバレ⑯姉の事故死

鈴芽が御茶ノ水駅へ向かって歩いていると、芹澤に呼び止められます。草太のいる場所へ行くなら、彼の車で連れて行くと言うのです。ちょうどそこへ叔母の環が現れ、芹澤が鈴芽をたぶらかしていると勘違いをして、警察を呼ぼうとしました。宮崎へ連れ戻そうとする環の手を振り払い、鈴芽は出発しようとします。

結局、環も同乗して、共に目的地へ行くことになりました。鈴芽は自分の姪であり、姉の事故死で彼女を引き取ったことを、車中で環は芹澤に話します。

ネタバレ⑰緊急地震速報

車で目的地へ向かっていると、緊急地震速報が表示されます。車を降りて辺りを確認しましたが、ミミズは現れませんでした。その後、環は何があったのか本当のことを話してほしいと言います。しかし、鈴芽は上手く伝えることができません。とうとう、環と鈴芽はケンカをしてしまいました。

環がどれほど心配したかを訴えますが、鈴芽に「重い」と言われます。環も思わず「私の人生返しんさい」というセリフを投げかけてしまいました。しかし、鈴芽は環の様子を見て、いつもの彼女ではないことに気づき、誰だと尋ねると「サダイジン」と答えます。

ネタバレ⑱名乗った名前はサダイジン

環の背後にいたのは、サダイジンという大きな黒猫でした。すると、白猫のダイジンが黒猫のサダイジンに飛びかかり、環さんは倒れてしまいます。環が目を覚ますと正気を取り戻し、芹澤の前で「私、おかしいみたい」と言って泣き出しました。それから、再びドライブは続き、目的地まであと20キロというところで、芹澤の車が土手に突っ込みます。鈴芽と環は、草の中に放置されていた自転車に乗って、そこから目的地へ向かいました。

ネタバレ⑲12年ぶりの里帰り

鈴芽と環は自転車に乗りながら、先程のケンカについてお互い謝り仲直りをします。鈴芽にとって12年ぶりの里帰りです。母親と住んでいた家を訪れ、鈴芽は当時の記憶が蘇ってきます。地震があった日、鈴芽は保育園にいて避難できたため無事でした。しかし、看護師として病院で働いていた母親は、津波のため行方不明となります。鈴芽が描いた絵日記も見つかり、3月11日からはページが真っ黒に塗られていました。

さらにページをめくっていくと、草原に立つ2人の姿を目にします。幼い少女と白いワンピースを着た髪の長い女性でした。それを見て、やはり夢ではなかったと確信します。あの頃、幼い鈴芽は母親を探して常世に迷い込み、母親に会ったのでしょう。そして、そのときの後ろ戸が唯一入ることのできる扉だと、鈴芽は思いました。

ネタバレ⑳燃えている町

絵日記には電波塔が描かれており、鈴芽はそこを目指して走り出します。すると、ダイジンも現れて、一緒に走り出しました。そのとき鈴芽は、ダイジンが扉を開けていたのではなく、後ろ戸のある場所に案内してくれていたのだと思います。そこには倒れたドアがあり、それを立てかけ扉の中に入ると、鈴芽は星に中にいました。ダイジンもサダイジンもその場に一緒でした。

すると、中にいたミミズが、後ろ戸から出ようと動き出します。サダイジンが巨大な獣に変身し、ミミズに飛びかかりました。すると、ミミズの中心に、草太の椅子があったのです。気がつくと、鈴芽は燃えている町の中にいました。羊朗が常世は見る者によって姿を変えると、言っていたのを思い出します。燃えている町は、震災後の鈴芽の故郷なのでしょう。そして、鈴芽は草太の方へ走り出しました。

ネタバレ㉑椅子へのキス

鈴芽は「あなたがいない世界は怖い、だから目を覚まして」と願いを込めて、椅子にキスをしました。すると、彼女は椅子を持ったまま、後方へ弾き飛ばされます。そこには、草太が横たわっており、目が覚めると鈴芽に気づきました。

そして、ダイジンはぐったりとしており、「鈴芽の子にはなれなかった」とつぶやきます。また、鈴芽の手で元にいた場所に戻してほしいと言うのです。鈴芽はずっとこうなることを望んでいたはずですが、涙が止まりません。

ネタバレ㉒私は鈴芽の明日

草太は向こうに誰かいると叫び、鈴芽は幼い子供が歩いている様子を見て、走り出しました。その子のところへ辿り着き、「鈴芽」と声をかけます。その少女は「お母さん?」と尋ねますが、鈴芽は違うと答えました。大声で泣き出す幼い鈴芽に、成長した鈴芽が椅子を渡します。

不思議そうな顔をした幼い鈴芽に、「今はどんなに悲しくてもこの先ちゃんと大きくなる。だから心配しないで、未来なんて怖くない!」と言いました。幼い鈴芽が「お姉ちゃん誰?」と尋ねると、「私は鈴芽の明日」と答えます。

ネタバレ㉓おかえりの言葉

幼い鈴芽の前にはドアがあり、扉の向こうは灰色の世界でした。遠くの方に背の高い男性と、ワンピースを着た女性が見えます。その光景が、4歳の少女の記憶に焼き付きました。そして、少女は椅子を抱えて、ドアをくぐり戻っていきます。鈴芽は、ドアを閉めて鍵をかけました。

草太はこのまま戸締まりの旅を続けながら、東京へ戻ると言います。彼は鈴芽をギュっと抱きしめて、救ってくれたお礼と、必ず会いに行くことを伝えます。それから数ヶ月が経ち、鈴芽は通学中に坂道を歩いて来る男性を目にしました。彼女は一目で草太とわかり、自転車を止めて「おかえり」と言います。

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すずめの戸締まりの「おかえり」や「行ってきます」のセリフの意味

考察①「行ってきます」や「おかえり」は日常の言葉だった

すずめの戸締まりの作品では、「行ってきます」「おかえり」は重要ワードであると考察できます。物語の中では、「日本の東半分をまるごと揺らすほどの」という表現のみでしたが、東日本大震災を意味することは明らかです。震災が起こる前はまで「行ってきます」や「おかえり」は、日常にある当たり前の言葉だったのです。

考察②震災で「行ってきます」や「おかえり」は言えなくなった

東日本大震災が発生したことで、住民の日常は一変しました。震災の犠牲になった人がいる家庭では、「行ってきます」や「おかえり」の言葉が言えなくなったのです。鈴芽の母親も行方不明となってしまい、「おかえり」の言葉が言いたくてずっと待っていましたが、家に戻ってくることはありませんでした。

考察③すずめと草太がきいた3月11日の朝の声

本作のクライマックスシーンで、椅子から人間に戻れた草太の「声を聴き、声を聴いてもらう」というセリフがあります。陸に打ち上げられた漁船の船底に、鈴芽を連れて行きました。草太が祝詞を奏上すると、燃えていた町が本来の姿に戻ります。

そして、鈴芽と草太は「おはよう」「いただきます」「行ってきます」など、3月11日の朝の声を聞くのです。それから、鈴芽はダイジンを、草太はサダイジンをミミズの体に突き刺すシーンが描かれました。このことからも、「行ってきます」や「おかえり」の言葉が、大切な意味を持つことが考察できます。

考察④ラストの「おかえり」の意味

すずめの戸締まりのラストシーンで、鈴芽が草太へ「おかえり」と言った言葉に、意味があるのでしょうか?鈴芽のおかえりというセリフには、草太をねぎらう意味が込められていたと考察します。

鈴芽と草太は常世にいるミミズに2つの要石を刺して、現世に戻って来ることができました。その後も、草太は鈴芽と別れて、休むことなく「戸締まりの旅」を続けます。閉じ師の仕事は、自分の命にも関わる重要な任務なのです。命がけで戸締まりをしている草太に、ねぎらいや敬意、感謝の気持ちを込めて、「おかえり」と言ったことが考察できます。

考察⑤後ろ戸に鍵を刺し言った「行ってきます」の意味

震災が起きた日も、多くの人がいつも通り「行ってきます」と家を出ていました。そして、家族はいつものように「おかえり」の言葉で出迎えたかったでしょう。しかし、震災が起きたため、多くの人が「おかえり」を言えませんでした。母親に「おかえり」を言えなかった鈴芽は、母親の死と向き合えずにいたと考察します。そして、戸締まりの旅を通して、母親の死や自身のトラウマと向き合うようになりました。

鈴芽が後ろ戸に鍵を刺したときの「行ってきます」のセリフには、鈴芽の決意表明の意味も含まれていたかもしれません。過去の自分との決別し頑張って生きるという、新たな一歩を踏み出すための「行ってきます」と考察します。

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すずめの戸締まりの謎を考察

考察①タイムリープもの?

すずめの戸締まりのラストシーンで、4歳の鈴芽が高校生の自分から、大切な椅子を受け取ります。未来の自分が過去の自分に話しかけるというのは、タイムリープ要素があるといえるでしょう。つまり、4歳の自分が成長すれば、また同じ行動をとっていく可能性が高いため、ループ系にも近いです。したがって、このことから考察すると、最初から鈴芽は決められた未来に導かれていたことになります。

考察②ダイジンはかわいそう?

すずめの戸締まりのダイジンが、「かわいそう」という声が上がっています。なぜ、ダイジンがかわいそうなのでしょうか?草太が人間の姿に戻るシーンで、ダイジンが「鈴芽の子になれなかった」というセリフを言いました。ダイジンは鈴芽とずっと一緒にいたかったのでしょう。しかし、また要石として寒くて辛い場所に戻るダイジンを、かわいそうだと感じたのだと考察できます。

考察③戸締まりの意味

すずめの戸締まりの「戸締まり」には、どのような意味があったのでしょうか?それは、鈴芽が抱えているトラウマの戸締まりです。鈴芽は12年前の震災の日から、絵日記を黒く塗りつぶして考えないようにしていました。しかし、心の奥にある悲しみから、同じ夢を繰り返し見ています。ラストシーンでミミズと戦っていたのも、自身のトラウマを克服するためだったと考察できます。

考察④監督が「震災」を描く理由

新海誠監督の「君の名は。」と「天気の子」は、彗星や自然災害を地震のメタファーとして描いた作品といわれています。そして、「すずめの戸締まり」は直接的に地震を描き、主人公の少女を被災者とすることで、さらに強いメッセージ性のある映画となりました。

東日本大震災から10年以上の月日が流れ、若い世代では知らない人も増えてきています。新海誠監督は「今描かなければ、10~20代の観客と経験が共有できなくなる」と感じたそうです。そして、今作を震災を背景とした映画を製作することに決めたようです。

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すずめの戸締まりの用語をネタバレ解説

用語①常世

すずめの戸締まりでいう常世は、死者の世界、死者の赴く場所を意味します。全ての時間が同時に流れている場所で、各々のトラウマを反映させています。そのため、見る者によって姿を変えるのが特徴です。鈴芽が入った常世は、燃えている町でした。当時の幼い鈴芽が目にしたもので、トラウマとなったのでしょう。また、そのトラウマは、彼女が向き合うべき過去であることを意味します。

用語②祝詞

本作においての祝詞は、災いをもたらす扉の戸締まりに必要な言葉です。「土地を産土にお返しします」という意味です。亡くなった人や行方のわからない人たちの心や生活に、想いを馳せながら祝詞を唱えると、後ろ戸に鍵穴が出現します。

用語③ミミズ

ミミズは地震などの災いの元凶とされており、常世を棲家としています。草太は「ミミズは日本列島の下をうごめく巨大な力」と説明していました。ミミズは意思や目的を持っているわけではありません。歪みのエネルギーが溜まれば、後ろ戸をくぐり抜けて暴れ出し、災害を引き起こします。

用語④要石

ミミズを抑える2つの霊石を意味します。日本の東西に存在し、ミミズの尾と頭を刺して封印するものです。1つは鈴芽の暮らす宮崎に、もう一つは東京の地下深くにありました。2つの要石は、それぞれダイジンとサダイジンに変身して、ミミズから抜けてしまいます。

用語⑤後ろ戸

常世と現世を繋ぐ扉を意味します。廃墟のような人気のない棄てられた土地で、開くことが多いです。ミミズも常世から後ろ戸をくぐって噴き出し、災いをもたらしてきました。後ろ戸をくぐって常世に入れるのは、一生に1箇所だけとなっています。

用語⑥アメノウズメと宗像三女神

すずめの戸締まりの主人公の鈴芽は、アメノウズメがモデルとなっています。アメノウズメは、アマテラスが閉じこもった天岩戸を開いた芸能の神です。また、閉じ師の宗像草太は、素戔嗚尊(スサノオ)が生み出した宗像三女神という神であると考察されています。

用語⑦2匹の蝶

2匹の蝶は物語の冒頭シーンで、現世に登場しました。そして、ラストシーンでは常世に登場します。2匹の蝶については、さまざまな考察がありました。その一つに常世にいる鈴芽の意識と、繋がっている存在という説も浮上しています。また、過去や未来を繋ぐことを意味する存在として、登場している考察もあるようです。

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すずめの戸締まりと他の映画のつながり

他の映画のつながり①君の名は。

すずめの戸締まりと「君の名は。」は、世界線がつながるようなシーンはないです。また、「君の名は。」のいくつかのキャラが、「天気の子」にも登場していましたが、本作で見ることはありませんでした。ただ、本作には「君の名は。」で使用された「糸守高校」の楽曲が流れるシーンがあります。どのシーンで流れているのか、気になる人は探してみてください。

他の映画のつながり②天気の子

本作の前半シーンで、「天気の子」の「「K&A初訪問」」の楽曲が流れています。また、鈴芽が愛媛県で同級生の千果と出会ったシーンで、彼女が被っていたヘルメットが、天気の子の夏美と同じだったという説もありました。再度本作を鑑賞する人は、ぜひ確認してみてください。

他の映画のつながり③秒速5センチメートル

すずめの戸締まりの舞台挨拶の際に、「秒速5センチメートル」の第2話の冒頭世界と本作の常世は、同じ世界だと新海誠監督が語っていました。「秒速5センチメートル」の貴樹がいる場所のことを指しているようです。そのことを踏まえた上で、再度両作品を鑑賞すると楽しいかもしれません。

他の映画のつながり④魔女の宅急便

宮崎駿監督の「魔女の宅急便」は、魔法使いの少女が旅に出て成長していく物語です。すずめの戸締まりの製作において、魔女の宅急便を参考にしたことを、新海誠監督はパンフレットで明かしていました。魔女の宅急便で使用された「ルージュの伝言」の楽曲も、本作で採用されています。また、猫と一緒に行動するシーンにも、共通点がありました。

他の映画のつながり⑤ハウルの動く城

すずめの戸締まりの草太が、「ハウルの動く城」のハウルとビジュアルが似ているという声が上がっています。また、男性キャラが不思議な扉に関する人物、しゃべる生物、人間が物に変身させられるという共通点もありました。

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すずめの戸締まりのラストに関する感想や評価

すずめの戸締まりのラストシーンが、非常に感動したという声が多くありました。さまざまな思いがこみ上げて、泣きまくったという人もいます。ラストシーンの気持ち良さは、新海作品の中でも一番だったと評価するファンもいました。

すずめの戸締まりの終盤に、被災地で目を閉じたすずめの脳裏に浮かんだのは、朝起きてから「行ってきます」を言うまでの人々の姿でした。地震が午後に起こったことで「ただいま」を言えなくなった人が多くいたからだと考察する声もあります。そして、ラストシーンの「おかえり」というセリフで回収したのが、印象的だったという感想もありました。

すずめの戸締まりのラストシーンへ辿り着くために、前作の「君の名は。」と「天気の子」を通ってきたのだという考察もあります。内容は重い部分もあるけれど、前2作があってこその今作だと実感する人もいました。すずめの戸締まりは、新海誠監督の集大成作品と話題になったのも納得です。

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すずめの戸締まりのラストまとめ

すずめの戸締まりのラストシーンは、多くの視聴者を感動させました。鈴芽が繰り返し見る夢に登場していた女性は、母親ではなく未来の自分の姿だったのです。また、ミミズと戦ったのは、鈴芽のトラウマを克服するという意味もありました。ラストで草太と再会した鈴芽は「おかえり」と声をかけて、物語の幕を閉じます。本作は誰かが誰かを救うのではなく、自分で自分自身を救うというメッセージも含んでいるのでしょう。

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