2021年07月29日公開
2021年07月29日更新
シン・エヴァンゲリオンを徹底考察!マリ・カヲルの正体やラストシーンの意味は?
「シン・エヴァンゲリオン」は、主人公・シンジの成長や、父・ゲンドウとの戦いと奮闘を描いた感動作であり、シリーズ最高のヒットを記録しました。本文では、「シン・エヴァンゲリオン」から、マリの正体や、カヲルの正体とループ説、ラストシーンの意味の考察、ループ世界説がささやかれるエヴァの謎、タイトルや新ポスターに込められた意味等、「シン・エヴァ」の謎について考察しました。
目次
シン・エヴァンゲリオンとは?
エヴァシリーズの完結作となった「シン・エヴァンゲリオン」は、前作「Q」のその後と、父・ゲンドウの計画を阻止するべく立ち上がったシンジの奮闘を描いた作品です。以下では、「シン・エヴァンゲリオン」から、マリやカヲル等の登場人物の正体、ループ世界と言われるエヴァの世界の謎、ラストシーンや、タイトルに込められた意味など、「シン・エヴァ」の謎について考察しました。
シン・エヴァンゲリオンの概要
2021年3月8日に公開された「シン・エヴァンゲリオン」は、新劇場版シリーズの4作目・最終作であり、1995年に、テレビアニメシリーズから始まった「新世紀ヱヴァンゲリヲン」シリーズの完結作にもあたります。物語は、前作「新劇場版:Q」の終了直後から始まり、絶望から立ち上がったシンジの最後の戦いが描かれました。
シン・エヴァンゲリオンの興行収入
アニメ「鬼滅の刃」に匹敵する人気を博した「シン・エヴァンゲリオン」の興行収入は、公開初日で、興行収入8億円、観客動員数53万人を記録しました。また、9週目には庵野監督の「シン・ゴジラ」の興行収入を越えました。
シン・エヴァンゲリオンのあらすじ
ネルフとヴィレの攻防戦が続く中、第三村の人々との交流を通じてシンジは、次第に立ち直っていき、今度こそ人類補完計画を阻止するべく、ゲンドウと戦う決意を固めます。そして、現実と虚構が入り混じるマイナス宇宙を舞台に、シンジはゲンドウと戦い・対話を通じて、全ての生命を救うべく、エヴァのいない世界を創造します。そして、現実世界に戻ったシンジは、マリと共に新たな世界へ旅立ちます。
シン・エヴァンゲリオン新劇場版を見る前に用語のおさらい
以下では、シン・エヴァンゲリオン新劇場版を見る前におさらいしておきたい、エヴァの用語について紹介します。
NERV・ユーロ支部
新劇場版のみに登場するNERVの欧州支部で、マリが所属していた支部です。「シン・エヴァンゲリオン」では、ヴィレの0706作戦にて、2号機の修復のために必要な物資を調達するために訪れた場所です。また、NERV・ユーロ支部は、マリと加持が面識を持った場所とも言われ、新劇場版において、重要な場所とされています。
ガフの扉
ガフの部屋と呼ばれる、この世に生まれる者の魂を作り、身体を結びつける場所にある扉であり、ガフの扉が開かれると、ガフの部屋へ魂が受け入れられていきます。また、ガフの扉はユダヤの伝承を元ネタとし、エヴァでは、アダムとリリス、それぞれのガフの部屋があります。
アダムの部屋は、ガフの使徒の誕生とそれらが帰っていく場所、リリスの部屋は、人間の魂を作り、人間が帰っていく場所と言われています。
赤い海
エヴァンゲリオンシリーズの特徴の1つである赤い海が出来た経緯は、地球人口が半数に激減した未曾有の災害・セカンドインパクトが原因とされ、旧劇場版では一部、新劇場版では全ての海が赤く染まっています。また、変色前に存在した海洋生物の多くは、赤い海に変色後にほとんどが死滅、生き残った僅かな種が、人類の手で養殖されています。
コア化
エヴァンゲリオン・使徒が、コアのように赤く染まる現象を指し、セカンドインパクト後の赤い海や、サードインパクト後に地球全体が赤く染まった現象もコア化によるもので、自然だけでなく、人や物もコア化の対象となります。また、コア化は、単に赤く染まるだけにとどまらず、コア化が進むと爆発を起こし、消滅してしまいます。
人類や物等がコア化する原因は、コア化したものに触れる、またはガフの扉を開いたエヴァに触れることが引き金となります。「コア化」という用語は、劇中では登場せず、EVANGELION:3.33のDVD/BD附属のアフレコ台本・絵コンテ集から判明しました。
シン・エヴァンゲリオンの謎を考察~マリやカヲルの正体やラストの意味~
「シン・エヴァンゲリオン」では、アスカの眼帯をはじめ、これまで謎とされてきた事象に対する伏線が回収された一方、マリの正体、カヲルの正体・ループ説など、いまだ解明されていない謎も残り、様々な考察が飛び交っています。以下では、「シン・エヴァンゲリオン」から、マリやカヲルの正体やラストの意味などを考察しました。
考察①碇ユイの目的
主人公・碇シンジの母親であり、エヴァの世界の黒幕と言われた碇ユイは、人の生きた証を永遠に残す目的で、自らを実験体にしてエヴァ初号機に取り込まれたと言われています。碇ユイについて、テレビシリーズでは、秘密結社・ゼーレのコネクションを利用してゲンドウに近づいた設定となっています。
一方、新劇場版では、綾波レイはユイのコピーであること、ユイの消失はエヴァの実験によるもの、「Q」で失踪したレイは、ユイと同様にエヴァ初号機に保存されていること、全てはゲンドウの計画だったことが明かされています。この事実は冬月からシンジに伝えられ、ユイの意向だったと推測できます。しかし、碇ユイの目的は新劇場版では明確に明かされることなく、謎が残されました。
考察②アスカはクローン?眼帯の意味は?
新劇場版にて、アスカの姓が「惣流」から「式波」に変更された経緯は、アスカの正体がクローンであったことが理由に挙げられます。その根拠は、再起動した13号機に取り込まれたアスカが叫んだセリフ「私のオリジナルか」や、レイのことを綾波タイプと発していたことから、アスカも自身がクローンであることを認識していた模様です。
一方、13号機にいたオリジナルのアスカ・惣流は、旧劇場版でシンジと共に生き残っていたことや、ループの発動により、オリジナルの魂が13号機に封印されたと考えられます。そして、「シン・エヴァ」では、使徒化した式波アスカを、オリジナルの惣流アスカが取り込むことで1つになったと推測されます。
また、「Q」以降に見られたアスカの眼帯は、「破」で起きた3号機の実験事故で、使徒による精神汚染ではないかと考えられます。「Q」では、使徒の封印を示唆する伏線が張られ、「シン・エヴァ」にて、アスカの眼帯に封印された第9使徒の存在が明かとなりました。13号機に怯え、自らATフィールドを展開してしまった新2号機の状況を打開するべく、アスカは眼帯を外して第9使徒を解放させます。
第9使徒の解放は、アスカ自身を使徒化させることにつながりましたが、後に13号機に倒されてしまい、フォースインパクトの生贄とされ、ゲンドウの思惑通りとなりました。
考察③真希波・マリ・イラストリアスの正体
ネルフ・ユーロ支部所属のパイロットだったマリは、回想シーンや冬月との顔見知りの関係から、その正体は碇ゲンドウ・ユイの大学時代の同級生であり、かつ、冬月の研究室の学生であったことが判明しています。マリの正体や目的は、明かされることはありませんでしたが、ゲンドウやゼーレの計画をある程度把握している模様でした。
考察④マリエンドの意味
「シン・エヴァンゲリオン」のラストは、精神的な成長を遂げたシンジが、父・ゲンドウと向き合うシーンとなり、マリはシンジへ必ず迎えに行くと約束し、シンジとマリが駅から駆け出していくラストで締めくくられました。このラストはマリエンドと言われ、マリがシンジの相手に選ばれた理由は、成長したシンジに必要な役割、妻としての役割を担う存在という意味が込められているでしょう。
考察⑤イスカリオテのマリアの元ネタ
出典: https://note.com
「シン・エヴァンゲリオン」にて、マリとの関係が示唆された冬月は、彼女を「イスカリオテのマリア」と呼んでいます。イスカリオテは、キリスト教徒の使徒で、裏切り者のユダの名称「イスカリオテのユダ」が元ネタと考えられます。一方、マリアは、イエス・キリストに生涯従った女性・マグラダのマリア、または生母マリアが元ネタと言われています。
イスカリオテのマリアとは、人類補完計画を裏切った存在と、人類の救世主となったシンジを見守る存在という意味が込められているでしょう。そして、物語のラストで、シンジに寄り添う女性がマリである理由も、シンジを生涯支える女性という意味や、ユイのことを慕っていたからこそ、ユイの願いを叶えることが自分の役目であり、シンジを救うことを決めたでしょう。
考察⑥渚カヲルの目的
渚カヲルの目的は、終始シンジの味方であり続けたことや、シンジを幸せにすることで、自分自身も幸せになりたかったと考察できます。また、カヲルは、エヴァの世界の記憶を保持したままループを繰り返しており、シンジの手でエヴァの呪縛が解放され、自身もループから解放されることを願っていたとも考えられます。
考察⑦最後の駅で記憶があったのは誰?
エヴァが存在しない世界に辿り着き、駅で目覚めたシンジの周囲には、かつてのカスカ・カヲル・レイが向かいホームにいましたが、シンジは3人に声をかけることなく、マリと共に駅を出ました。このシーンから、最後の駅でエヴァ時代の記憶を持っていたのは、シンジ・マリの2人だけだったと考えられ、アスカ達は前の世界の記憶を失っていた可能性が高いでしょう。
考察⑧カヲルとレイがカップルになっている?
最後の駅のシーンでの描写から、ファンの間ではカヲル・レイのカップル誕生がささやかれています。カヲルはゲンドウを投影した存在であり、綾波レイは、碇ユイの遺伝子を基に構築されたクローンと言われており、駅での2人の様子は、ゲンドウとユイの再会をカヲル・レイに重ねて表現したと考えられます。
考察⑨シンジは「リリンもどき」?
出典: https://note.com
第三村に辿り着き、ケンスケの元に身を寄せたシンジはうつ状態から抜け出せず、アスカが何かと世話を焼き、シンジの口元に食事を突っ込みながら、彼をリリンもどきと呼びます。使徒に侵食されたアスカは、生態そのものが変わってしまい、人間と同じ食事が出来なくなっただけでなく、眼帯やチョーカーで使途を封印し、村人にも顔を出せない、人間ならざる存在に変貌を遂げていました。
そして、シンジのリリンもどきには、使徒に侵食され、身体が使徒へ変化する途中と捉えられ、完全に使徒化していないことを意味しているでしょう。
考察⑩ゲンドウは目的を達成できた?
ゲンドウの目的は、初号機に取り込まれた碇ユイと一緒になれる世界を構築することであり、アディショナル・インパクトの発動を実現しました。しかし、インパクトを起こした先にはユイはおらず、シンジとの対話を通じて、計画を破棄し、ゲンドウの目的は達成されずに終わったものと捉えられます。
考察⑪カヲルとゲンドウの共通点と正体
新劇場版では、カヲルとゲンドウの共通を匂わせる伏線が見られ、ピアノが好き、エヴァに搭乗しながらシンジを待つ姿、カヲルはシンジ、ゲンドウはユイへの執着などが指摘されます。また、加持リョウジとカヲルのシーンでは、カヲルは渚司令と呼ばれ、服装もゲンドウのものと似ており、2人がいた場所も、ゲンドウと加持が話していた場所と同じです。
ゲンドウとの共通点の多さから、渚カヲルの正体は、ゲンドウの父性の具現化、つまり、シンジに対して無条件の愛情を注ぐことができる理想のゲンドウの姿とも考察できます。そして、ゲンドウがシンジに厳しく当たる背景には、カヲルによって優しさという部分が抜き取られ、ゲンドウ本体は、突き放すような態度しか取れなかったと推測でき、カヲル・ゲンドウは、ゲンドウの光と闇を表現しているでしょう。
考察⑫式波アスカがLCL化しなかった理由
レイが、第3村でLCLに還元された理由は、無調整のため形状を保てなかったためと考えらえます。一方、LCL化しなかった式波アスカについて、式波シリーズは最初から調整してあった、または使徒に侵食されなかった影響と言われています。
考察⑬新2号機が第13号機に怯えているとアスカが言った理由
第13号機を阻止するべく、信号停止プラグを差しこもうとした瞬間、第2号機が自らATフィールドを展開させる事態が発生します。その理由は、自分より強いものに対する恐れや、力不足を第2号機が察していたためと推測されます。
考察⑭大人のゲンドウが第13号機に乗れた理由
ゲンドウが第13号機に乗れた理由は、ネブカドネザルの鍵によって、人間から神になったからと言われています。また、第13号機はアダムスを素体とし、ネブカドネザルもアダム由来のものから作られていることも、ゲンドウの13号機搭乗を可能にしたでしょう。
考察⑮アスカの「シングルエントリーじゃなかったの?」の意味
アスカの「シングルエントリーではない」というセリフは、パイロットが2人存在することを意味し、1人はオリジナルの惣流アスカと判明します。しかし、もう1人のパイロットは、姿が確認できなかったため、正体不明とされています。
考察⑯シンジがアスカ・カヲル・レイを助けた理由
ゲンドウがユイに会う目的を放棄したことで、アディショナル・インパクトは、エヴァのいない世界の創造を目指すシンジに引き継がれ、アスカ達を助けるために動き出します。シンジが、アスカ・カヲル・レイを助けた理由は、シンジ自身の落とし前を付けるためだと考えられます。
考察⑰冬月が突然死んだ理由
シンジとゲンドウとの戦いの最中、冬月はかつての教え子・マリと対面し、LCL化して消滅しました。その原因は、フォースインパクトの発動によるL結界密度の上昇や、アンチLCL結界のない船にいたため、人間の姿を保てなかったと推測されます。
シン・エヴァンゲリオンの謎を考察~エヴァの世界~
「シン・エヴァンゲリオン」は、登場人物だけでなく、エヴァの世界にも多くの謎が秘められており、シリーズを通じて、エヴァのループ世界説が浮上しました。以下では、「シン・エヴァンゲリオン」から、エヴァの呪縛やネブカドネザルの鍵の正体、アディショナル・インパクトなど、エヴァ世界の謎について考察しました。
考察①空白の14年間で何が起きた?
新劇場版「破」のラストは、綾波レイ(リリスの魂)を取り込んだエヴァ初号機によるサードインパクトと、カシウスの槍によるコアの貫通・停止で締めくくられ、次回作「Q」までに14年間の空白が生じました。「Q」では、空白の14年間について詳細が語られておらず、シンジが眠っている間におきた世界の出来事は、明かされることがありませんでした。
考察②エヴァの呪縛の正体
新劇場版「Q」から登場したエヴァの呪縛とは、エヴァンゲリオンとの融合の結果、人間ではない存在なってしまう状態を指すと推測され、14年後のアスカの外見が全く変わっていない理由も、エヴァの呪縛と言われています。また、マリも見た目が変わっていないことから、エヴァの呪縛は、エヴァのパイロットに現れる特殊な症状でしょう。
エヴァの呪縛の症状には、目から青い光が放たれたり、人ではない特徴が見られ、アスカの使徒化のように、人間から人間以外の存在に変えることも、エヴァの呪縛の正体と推測されます。
考察③ネブカドネザルの鍵の正体
ネブカドネザルの鍵は、新劇場版「破」で、加持からゲンドウに渡され、「予備として保管されていたロストナンバー」「神と魂を紡ぐ道しるべ」と称されています。旧劇場版では、ネブカドネザルの鍵は「アダム」であり、新劇場版で、ゲンドウが人外の存在に進化するための道具として使用され、エヴァ13号機に乗り込むことが出来たと考察されます。
考察④AAAヴンダーの力
新劇場版「Q」から登場した戦艦AAAヴンダーは、葛城ミサト率いるヴィレの主戦力として活用されました。その威力は、「神殺しの力」と呼ばれ、使徒を懺滅できる強さを秘めています。また、「シン・エヴァンゲリオン」では、機体の一部を改造して希望の槍・カシウスの槍が生み出され、ミサトの命がけの運搬によりシンジの元に渡り、アディショナル・インパクトを阻止しました。
考察⑤浜辺の画が絵コンテである理由
「シン・エヴァ」のラストで、シンジに与えられた役目は、アンチLシステムの停止によって、世界がコア化する前に13号機を破壊することであり、画面が絵コンテ化して、色・線が薄くなっていく演出は、コア化が進んでいく世界を表現したと推測されます。
そして、マリが搭乗する8号機が海に飛び降りると同時に映像が元通りとなり、シンジの消滅を回避するべく、アディショナル・インパクトが完了する前に、マリはシンジの迎えに訪れ、駅に辿り着きます。
考察⑥アディショナル・インパクトとは?
出典: https://note.com
「シン・エヴァンゲリオン」で登場したアディショナル・インパクトとは、ゲンドウによって作られた、フォースインパクトを超えるものです。アディショナル・インパクトは、マイナス宇宙内にある、ゴルゴダオブジェクトの磔となったエヴァンゲリオンイマジナリーに、槍を突き刺すことで発動され、世界を書き換えることで、自身が理想する世界を作り上げることが、ゲンドウの目的でした。
そして、ゼーレが目指す人類補完計画の先に、自身の目的であるユイとの再会と、争いや差別のない世界でユイと一緒に暮らすことを目論みました。しかし、アディショナル・インパクトは、シンジによって阻止され、ゲンドウの計画は失敗に終わります。
考察⑦アディショナル・インパクト中に背景が撮影スタジオ?
シンジの初号機・ゲンドウの13号機が戦ったマイナス宇宙は、LCLで知覚形成される時代記憶の世界と言われ、アディショナル・インパクトによる世界の書き換えの影響により、宇宙内は現実と虚構が入り混じった光景が広がりました。そのため、初号機対13号機線の背景は第3新東京市の特撮セット・アスカ・レイの救出時は撮影スタジオで表現されました。
シン・エヴァンゲリオンの謎を考察~タイトルやポスターの意味~
「シン・エヴァンゲリオン」の謎は、本編だけでなく、タイトルの記号やポスターにも、エヴァの世界に関する意味が込められていると考えられています。以下では、「シン・エヴァンゲリオン」から、ループ説の伏線と考えられるタイトルの記号の意味や、「エヴァンゲリオン」の表記、上映開始後に貼られた新ポスターの意味について考察しました。
考察①タイトルの記号はループを示す?
「シン・エヴァンゲリオン」のタイトルの記号は、音楽のリピートを意味し、エヴァの物語がループ世界であることを示しているでしょう。エヴァがループ世界である説は、カヲルのセリフ「エヴァの世界は生命の輪廻」から浮上し、エヴァの世界は、テレビシリーズから新劇場版へとループし、世界を繰り返していた結果、「シン・エヴァンリオン」に到達したと考えられます。
また、「シン・エヴァンゲリオン」の予告ポスターで起用された、分岐点がある線路の写真も、シンジとゲンドウが、それぞれの正規ルートに乗ることができたことを意味しているでしょう。また、エヴァンゲリオンは、庵野監督を投影した作品とも言われ、「シン・エヴァンゲリオン」は、監督の心情の変化や、シンジ・ゲンドウを通じて物語への帰結を表現したでしょう。
考察②ヱヴァンゲリヲンがエヴァンゲリオンになった理由
シリーズを通じて、エヴァシリーズのタイトルは「ヱヴァンゲリヲン」と表記されていましたが、シリーズ完結作では、「エヴァンゲリオン」に変更されています。タイトルが変更された理由は、ヱヴァンゲリヲンの世界は、元の世界から違う形でループした先の世界であり、「シン・エヴァンゲリオン」にて、理想の世界線に到達したことを表しているでしょう。
考察③新ポスターの意味
「シン・エヴァンゲリオンの上映から数日後に披露された新ポスターでは、青い海と白い砂浜とシンジ達の姿が描かれ、2回目の鑑賞者に向けたポスターではないかと言われています。また、新ポスターの光景は、ループの発動によって最初の物語、つまりシン・エヴァラスト後の世界で撮った集合写真とも捉えられます。
新ポスターの意味は、「シン・エヴァンゲリオン」のラストを持って、物語は一度終わりを告げたものの、タイトルのリピート記号でループを発動させて最初の世界に戻ります。そして、登場人物たちもループ前の記憶を残した状態で、エヴァのいない世界に到達し、本当のエンディングにつなげたでしょう。
シン・エヴァンゲリオンの声優キャスト一覧
以下では、テレビアニメシリーズから、主要キャラクターを演じ続けてきた、「シン・エヴァンゲリオン」の声優キャストを紹介します。
碇シンジ役/緒方恵美
主人公・碇シンジ役の緒方恵美さんは、1965年生まれ、東京都出身の声優・歌手・女優で、1992年から活動を行っており、中性的な役柄や少年役まで幅広い演じ分けに定評があります。声優・緒方恵美さんの主な出演作品は、アニメ「美少女戦士セーラームーン」天王はるか(セーラーウラヌス)役、「幽遊白書」蔵馬役、「遊戯王」武藤遊戯役、「カードキャプターさくら」月城雪兎(ユエ)役等です。
式波・アスカ・ラングレー役/宮村優子
式波・アスカ・ラングレー役の宮村優子さんは、1972年生まれ、兵庫県出身の声優・歌手・女優で、1994年から声優活動を行っています。声優・宮村優子さんの主な出演作品は、アニメ「愛天使伝説ウェディングピーチ」珠野ひなぎく(エンジェルデイジー)役、「名探偵コナン」遠山和葉役等です。また、2018年からは、インターナショナル・メディア学院の講師を務めています。
綾波レイ役/林原めぐみ
綾波レイ役の林原めぐみさんは、1967年生まれ、東京都出身の声優・歌手・ラジオパーソナリティで、1986年から活動を行っており、第3次声優ブームの源流、後の声優アーティストの礎を築きました。声優・林原めぐみさんの主な出演作品は、アニメ「らんま1/2」女らんま役、「ポケットモンスター」ムサシ役、「名探偵コナン」灰原哀役等です。
葛城ミサト役/三石琴乃
葛城ミサト役の三石琴乃さんは、1967年生まれ、東京都出身の声優・ナレーターで、1989年から活動を行っています。声優・三石琴乃さんの主な出演作品は、アニメ「美少女戦士セーラームーン」月野うさぎ(セーラームーン)役、「どらえもん」野比玉子役(2代目)、「機動戦士ガンダムSEED」マリュー・ラミアス 役等です。
渚カヲル役/石田彰
渚カヲル役の石田彰さんは、1967年生まれ、愛知県出身の声優・俳優で、1988年から活動を行っています。声優・石田彰さんの主な出演作品は、アニメ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」アスラン・ザラ役、「NARUTO」我愛羅役、「七つの大罪」リュドシエル役、「Dr.STONE」氷月役、「ドラゴンクエスト ダイの大冒険(2020年版)」ラーハルト役等です。
真希波・マリ・イラストリアス役/坂本真綾
真希波・マリ・イラストリアス役の坂本真綾さんは、1980年生まれ、東京都出身の声優・歌手・ラジオパーソナリティで、1988年から活動を行っています。声優・坂本真綾さんの主な出演作品は、アニメ「鬼滅の刃」珠世役、「七つの大罪」マーリン役、「Cutie Honey Universe」キューティーハニー(如月ハニー)役、「攻殻機動隊 ARISE」草薙素子役等です。
シン・エヴァンゲリオン公開騒動の経緯
ファン待望の上映となった「シン・エヴァンゲリオン」でしたが、公開までの道のりは決して平坦ではなかったと言われています。以下では、シリーズ最高傑作と評された、「シン・エヴァンゲリオン」の公開までの経緯を紹介します。
経緯①監督の庵野秀明のコメント
2012年に「新劇場版:Q」の公開後、庵野監督の体調不良が心配され、一部では新作が公開されないのではという噂がささやかれました。しかし、2015年4月1日に、ホームページ上で庵野監督のメッセージが公開され、「シン・エヴァンゲリオン」の制作が進められていることが明かされました。
経緯②偽予告公開
2016年1月26日、YouTubeにて、株式会社カラーによるエヴァの最新作に関する特報が投稿され、大きな話題を呼びました。しかし、この特報は、アニメ制作作会社・カラーからの公式情報ではなく、第三者によるデマと判明しました。
経緯③「シン・エヴァ」の制作が進んでいると判明
第三者による偽予告公開や、前作から5年の経過を受け、ファンの間では、「シン・エヴァ」の制作が断念されたのではと不穏な噂がささやかれました。しかし、2017年4月5日に、「シン・エヴァ」の制作を担う株式会社カラーの公式Twitterが更新され、「シン・エヴァ」の制作が進んでいることが明かされました。
経緯④未来のミライの本編上映前に突然の特報公開
2018年7月20日は、細田守監督のアニメ映画「未来のミライ」の公開初日であり、本編上映前に、突如、「シン・エヴァ」の特報が映し出され、Twitterのトレンド入りを果たすなど、大きな話題を呼びました。
経緯⑤シンジ役の緒方恵美のツイート
「シン・エヴァ」の特報解禁は、碇シンジの担当声優・緒方恵美さんもネットニュースで知り、2018年10月19日には、「シン・エヴァ」の収録に関する事前打ち合わせを行ったことを、Twitter上で報告しました。
経緯⑥コロナで公開延期に
一時は制作中断もささやかれた「シン・エヴァンゲリオン」は、2020年6月27日公開が予定されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念して同年4月17日に、株式会社カラーの公式サイトにて、公開延期が発表されました。その後、2度目の公開再延期を経て、2021年3月8日に「シン・エヴァンゲリオン」が公開され、空前のヒットを記録しました。
シン・エヴァンゲリオンの前作のあらすじ
以下では、シン・エヴァンゲリオンを視聴する前におさらいしたい、新劇場版シリーズ、「序」「破」「Q」のあらすじを紹介します。
あらすじ①ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
地球規模の大災害・セカンドインパクトから15年後、NERV本部がある第3新東京市に来た少年・碇シンジは、突然、エヴァンゲリオン初号機の搭乗を命じられ、「使徒」と呼ばれる謎の生命体との戦いに身を投じます。戦うことへの恐れと葛藤を抱えながらも、上司の葛城ミサトからリリスと使徒の接触によるサードインパクトを防ぐ目的を聞かされたシンジは、使徒と戦う決意を固めます。
あらすじ②ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
第三使徒の目覚めや、マリやアスカがエヴァの新パイロットとして加入し、新たな使徒との戦いに挑みます。第10使徒の襲撃や、レイの零号機が捕食される事態を受け、シンジは初号機は覚醒し、サードインパクトを発動します。しかし、エヴァMark.06に乗るカヲルが、初号機のコアを槍で貫いたことでサードインパクトは食い止められ、レイ・シンジを取り込んだエヴァ初号機は凍結されました。
あらすじ③ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
二アサードインパクトから14年後、人類補完計画を目指すネルフと、葛城ミサト率いるヴィレが対立し、フォースインパクトの鍵を握るシンジの争奪戦が行われていました。シンジは、渚カヲルと共にエヴァ13号機に乗り込り、フォースインパクトを起こします。しかし、カヲルもゲンドウの目的に利用されており、使徒への生贄としてカヲルは絶命、ショックを受けたシンジはアスカに救出され、アヤナミレイと共に旅に出ます。
シン・エヴァンゲリオンに関する感想や評価
以下では、ファンを中心に大きな反響を呼んだ、「シン・エヴァンゲリオン」に関する感想や評価を紹介します。
感想1:エヴァとの出会いに感謝
ほんとに最後の最後まで楽しめた、
— 莉 (@rabupenko) July 21, 2021
最後まで誰も立たずに音楽も終わり
みんなで拍手して、、
ほんとにエヴァに出会えてよかった😖
25年間お疲れ様です🙇🏻#エヴァンゲリオン #シン・エヴァンゲリオン劇場版 #さよなら全てのエヴァンゲリオン#ありがとう全てのエヴァンゲリオン pic.twitter.com/hxIbkR4XJ1
全国の映画館で「シン・エヴァ」の上映終了が行われる中、「シン・エヴァンゲリオン」の人気は冷めることなく、映画館の次は配信サービスでの視聴を楽しみにする声も見られます。また、25年間、エヴァシリーズを追ってきたファンの中には、シリーズラストに相応しい最後だったとの感想も寄せており、ヱヴァンゲリヲンという作品に出会えたことへの感謝のメッセージも投稿されています。
感想2:「シン・エヴァ」の名シーン
シン・エヴァの電車のシーンでゲンドウがシンジに「人の死を受け入れられるようになったのか、大人になったな。シンジ。」って言うシーンエヴァ史上2番目に好き
— 💩U.K.快便はmagiaなのか?💩 (@magia16696759) July 24, 2021
空前のヒットを記録した「シン・エヴァンゲリオン」でも数多くの名言・名シーンが誕生し、これまで敵キャラだった碇ゲンドウのセリフも注目を集めています。アディショナル・インパクトの阻止と、シンジとの対話を通じて、息子の成長を認めたゲンドウの心境の変化も、多くの感動を呼びました。
感想3:ラストに登場した駅を訪ねる
今日は夏季の青春の18切符使って鳥栖と下関と宇部で乗り換えて宇部新川へ行きます。コロナ落ち着いてる間にシンエヴァンゲリオンのラストで出てくる宇部新川に行きたかったからやっと行ける
— 十津川 YouTubeで登録者1000人目指してます (@totsugawa67) July 23, 2021
ラストシーンで登場した駅は、庵野監督の出身地である山口県宇部市に実在する宇部新川駅をモデルとし、「シン・エヴァ」の上映をきっかけに、エヴァシリーズの聖地として注目を集めました。ファンの中には、コロナが落ち着いている時期に駅を訪れたり、シン・エヴァを通じて、宇部新川駅に来たファンを見かけるなど、エヴァの聖地として広く知られるようになりました。
シン・エヴァンゲリオンの考察まとめ
「シン・エヴァンゲリオン」から、マリ・カヲルの正体やループ説、ラストの意味、ループ世界説がささやかれるエヴァの世界の謎などを考察しました。シリーズ完結作となった「シン・エヴァンゲリオン」では、これまで謎だった事象の解明や、ループ説を証明する伏線が登場した一方で、新たな謎も浮上し、考察ポイントの多さも、「シン・エヴァンゲリオン」の魅力でしょう。