【エヴァンゲリオン】イロウルは微生物集合体の使徒!最後はどうなったのか考察

『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する使徒の中で、一際異質な使徒がいます。イロウルという名前の使徒は、それまでの使徒とは違って「進化」「共存」「ウイルス」などをテーマにしていると考えられた、独特な使徒です。イロウルの最後も、それまでの『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する使徒とは違って、独特な最後になっています。『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する、第11使徒のイロウルについて、名前の由来や名場面、最後はどうなったのかなどをご紹介します。

【エヴァンゲリオン】イロウルは微生物集合体の使徒!最後はどうなったのか考察のイメージ

目次

  1. エヴァンゲリオンとは?
  2. エヴァの使徒イロウルは微生物集合体の使徒!特徴を紹介
  3. エヴァのイロウルの最後はどうなった?
  4. エヴァのイロウルの名前の由来
  5. エヴァのイロウルの登場
  6. エヴァのイロウルの攻撃方法
  7. エヴァのイロウルに関する感想や評価
  8. エヴァのイロウルまとめ

エヴァンゲリオンとは?

日本のアニメ界に大きな影響を与えた作品がいくつか存在します。1970年代の『宇宙戦艦ヤマト』、1980年代の『機動戦士ガンダム』、そして1990年代の代表は『新世紀エヴァンゲリオン』です。これらの作品に共通することは、爆発的なアニメブームを牽引する作品であったことと、社会的な現象にまで発展したことです。さらに『新世紀エヴァンゲリオン』は、現在では一般化されている制作委員会方式を成功させた作品の代表例です。

それまでのロボット系アニメは玩具売り上げを意識したところが多々見られましたが、『新世紀エヴァンゲリオン』はメディアミックス商法が成功した作品でもあります。一般的には、漫画版が原作としてあり、それをアニメ化しますが『新世紀エヴァンゲリオン』はアニメが先でメディアミックス化していった点も大きな特徴となっています。精神世界と現実がシンクロするセカイ系と呼ばれるアニメジャンルの源流ともいわれています。

新世紀エヴァンゲリオンの概要

『新世紀エヴァンゲリオン』は1995年10月4日から1996年3月27日にテレビ東京系で放映されました。当時の放映時間帯は夕方6時半からでしたが視聴率はあまりよくなく、全26話で終了しました。『機動戦士ガンダム』などと同じく、放映終了から人気となり再放送で視聴率が高まった作品でした。ストーリー展開が難解で、特に最終二話については当時流行していたパソコン通信などで様々な意見が飛び交う現象が起きました。

最終二話を企画案通りに作った旧劇場版と呼ばれるアニメ映画が1997年に公開されました。さらに漫画版も作られ、18年の年月をかけ連載が終了しました。また、リビルドされた作品として、2007年公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』、2009年公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』、2012年公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』、そして2021年に公開予定の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 』があります。

新世紀エヴァンゲリオンのあらすじ

2000年9月13日にセカンド・インパクトといわれる南極での謎の大爆発が発生します。地軸が狂い日本は常夏の国となり、疑心暗鬼になった国々が紛争を起こします。この結果、地球人口の半分が失われました。それから15年後、日本に使徒と呼ばれる謎の生命体が飛来します。使徒と戦えるのは人型兵器のエヴァンゲリオンだけです。しかもパイロットは14歳の少年少女たちです。戦いの中で、様々な謎が解明されていきます。

エヴァンゲリオン公式サイト

エヴァの使徒イロウルは微生物集合体の使徒!特徴を紹介

使徒という言葉は、特にキリスト教などに使われているキリストの弟子たちを指したり、広い意味ではキリスト教布教活動者を指したりします。エヴァの世界では神(第1使徒のアダム)の使いという意味で使われており、テレビアニメ版エヴァと漫画版エヴァでは18の使徒が登場します。新劇場版エヴァでは13の使徒に減っています。謎の生命体であり、その目的やなぜ日本にばかり飛来するのかが重要なカギになっています。

使徒の名前は、聖書偽典の『エノク書』に使われている天使の名前からつけられています。このため、英語版のエヴァでは使徒にはAngelと訳されています。第1使徒のアダムと第2使徒のリリスは物語を理解するうえで非常に重要な存在です。それ以外の使徒の中で、第11使徒のイロウルは他の使徒とは大きな違いがあります。コロナウイルス騒動の現代において、使徒イロウルはリアルな存在だとネットを中心に話題になっています。

イロウルの特徴①集合体

ほとんどの使徒は人間よりも遥かに大きな怪物として存在しますが、第11使徒のイロウルは非常に特殊な使徒であり、大きさは微生物サイズです。もともと使徒は、人類と共存することができません。使徒が生き残るためには第3新東京市の地下深くに幽閉されている第1使徒のアダム(実は第2使徒のリリス)と融合してサード・インパクトを発生させ、人類を滅亡させる必要があるのです。イロウルは微生物形状の使徒です。

この小さな使徒は群体(集合体)であり、いわばナノマシンのような小さな使徒が膨大な数が集まって共存しあい形を作っています。このためイロウルは決まった形を持たず、常に状況に合わせるように共存しあい変形しています。ハッキングするときは電子回路に似た形に集合体を変形させています。イロウルはシグマユニットD-17の第87蛋白壁の搬入時に侵入し、ネルフ本部にあるスーパーコンピューターMAGIシステムに感染しました。

イロウルの特徴②アダムとEVAに直接対決していない?

第11使徒のイロウルが他の使徒と異なっているのは、ナノマシンの集合体であるだけではありません。最も異なっている点は、人型最終兵器エヴァンゲリオンで撃退されていない点です。もとより、第11使徒のイロウルは微生物サイズのナノマシンの集合体なので、巨大なエヴァがどうこうできるものではありません。テレビアニメ版『新世紀エヴァンゲリオン』では、第11使徒のイロウルは唯一エヴァと対決していない使徒なのです。

また、第11使徒のイロウルは、第3新東京市にあるネルフ本部地下に幽閉されている第1使徒のアダムに接触しようとはしていません。このことも他の使徒とは異なる、第11使徒イロウルの最大の特徴であるといえます。他の使徒は物理的にアダムに近づこうとしていますが、第11使徒のイロウルだけは単にスーパーコンピューターシステムのMAGIの破壊・支配だけを行動目的としているのです。

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エヴァのイロウルの最後はどうなった?

多くの他の使徒は、人型最終兵器であるエヴァンゲリオンによって最後には撃破されます。物理的に身体を破壊され最期を迎えた使徒もいれば、アダム系の使徒の場合はコアと呼ばれる体内にある赤い球体を破壊されて活動を休止され、最後を迎えた使徒もいます。第11使徒のイロウルは微生物サイズの集合体使徒なので、全長40mを超すエヴァンゲリオンを使用すること自体できません。人類に撃退された唯一の使徒が、イロウルです。

使徒が殲滅された後については、様々なものがあります。例えば第4使徒のシャムシエルはコアを破壊されて活動を休止しましたが、コア以外はダメージがほぼ無かったためにネルフによって使徒のサンプルとして回収されています。第11使徒のイロウルはコンピューターウイルスのようにネルフのスーパーコンピューターシステムMAGIに侵入しました。第11使徒のイロウルの最後は、どうなったのでしょうか?

リツコの作ったプログラム

赤木リツコはネルフの技術開発部技術局第一課に所属している、エヴァンゲリオン開発の総責任者です。また、赤木リツコはネルフ本部の中枢ともいえるスーパーコンピューターシステムのMAGIを運営・管理する技術者でもあります。第11使徒のイロウルは、MAGIに侵入しハッキング・クラッキングをしました。MAGIに搭載されているネルフ本部自爆装置を作動させようとしていたのです。

3つの独立したコンピューターで構成されているMAGIシステムのうち、2つのシステムがイロウルにより汚染されました。残る最後の1つもイロウルに乗っ取られる直前まで行きますが、寸前のところで赤木リツコが食い止めました。赤木リツコは3つ目のコンピューターからイロウルに対して自滅促進プログラムを投与したのです。つまりイロウルは、赤木リツコによって最後には駆除されたのです。

イロウルは「進化し続けると自滅する」を選んだ?

第11使徒のイロウルは、特殊な性質を持っていました。イロウルは、環境に適応する速度が異常に早い共存集合体です。弱点に遭遇しても、共存している群体が自己進化することで、弱点を弱点ではないものに置き換えます。また、第11使徒のイロウルは単体の使徒ではなく共存集合体の使徒なので、体の一部を切り捨てて生き残ることもできるのです。後天性免疫不全症候群のように、ワクチンが効かないウイルスのようなものです。

そのような特殊な性格をしていた第11使徒のイロウルも、最後を迎えます。進化が早いということは、進化の行き着く先に到達してしまえば良いのです。それは死を意味します。このことに気が付いた赤木リツコは、進化を促進させるプログラムを作り、イロウルを過剰進化させることに成功しました。イロウルは自滅することを自ら選択してしまって、最後には自死を選択したことになったのです。

イロウルがMAGIと共存している説も?

赤木リツコが作り上げた、第11使徒のイロウル殲滅のためのプログラムである自滅促進プログラムは、実はイロウルに二つのうちのどちらかを選択させるように作っていたという説があります。自滅促進プログラムの選択肢の一つは「進化の終着点が死である」ということです。このため、環境に合わせて異常な速度で進化できるイロウルは、MAGIとは共存できないために、最後には自滅を選択してしまったというわけです。

もう一つの説は、共存説です。つまりイロウルが環境に合わせて進化する際に、自滅を回避したという説です。自滅を促進させようとするリツコのプログラムに対して、それならば取り込まれて共存するほうが安全とイロウルに判断させたのです。命ある使徒であるからこそMAGIとの共存を選択したのです。MAGIに取り込まれて自らを無害化し、共存することで生き延びようとすることが、生命の本能だからというのが「共存説」です。

イロウルの名場面

『新世紀エヴァンゲリオン』では、突然使徒が現れ、様々な方法でネルフ本部基地を攻撃してきます。そしてエヴァンゲリオンが出撃し、様々な攻撃方法で撃退していきます。これに対して第11使徒のイロウルは、ホラー系の映画の演出のように、徐々に恐怖を与えていきます。知らず知らずのうちにウイルス形状のイロウルはネルフ本部に侵入し、行動を進めていきます。庵野監督の、映画に影響された演出が光る回です。

赤木リツコがイロウルと戦うシーンは、『新世紀エヴァンゲリオン』の演出の中で、古典的な演出のひとつであるといえます。ハラハラドキドキする、まさに手に汗握り息をのむシーンは、『新世紀エヴァンゲリオン』の名場面のひとつとして挙げられます。赤木リツコの眼鏡の反射が、碇ゲンドウと同じようになり、冬月コウゾウの苦渋に満ちた顔が印象的です。MAGIが青く戻るタイミングが絶妙なのも見逃せません。

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エヴァのイロウルの名前の由来

『新世紀エヴァンゲリオン』には、キリスト教やユダヤ教などに関係する言葉が多く使われています。ただ名前を使うだけではなく、言葉の意味を踏まえたうえで使用されていることがほとんどであり、それゆえ「エヴァは難解」などと評価されてしまうことがあります。「使徒」はキリスト教ではキリストに使える12人の弟子を指したり布教活動する人に言葉であり、英語ではApostle(アポストル)といいます。

これに対して『新世紀エヴァンゲリオン』の英語翻訳版や、日本語版であってもMAGIのモニターに表示される英語では、使徒を「Angel」、つまり天使としています。天使といえば、一般的にはキューピットであったり、子供の可愛さを形容する言葉として使うことが多いのですが、キリスト教やユダヤ教では少し違っています。これらの宗教においての天使には、様々な天使が存在するのです。

使徒の名前はユダヤ・キリスト教の天使に由来している

旧約聖書の正典と外典に含まれないユダヤ教文書のことを聖書儀典といいます。例えば『アダムとイブの生涯』などです。これらは、内容が不確かなものとされており、このために儀典の中に含めます。つまり儀典にある話は教典としては数えないというのが、宗教的判断です。『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する使徒の名前は、この聖書儀典のひとつである『エノク書』に登場する天使の名前に由来しています。

例えば、第3使徒のサキエルは「水」をつかさどる天使です。他には第4使徒のシャムシエルは「昼」をつかさどる天使です。様々な物事に対して、天使が存在するという考え方です。つまり聖書儀典『エノク書』における天使に対しての考え方としては、日本の「八百万の神」と同じです。つまり、万物にはそれをつかさどる「神」や「神の使いの天使」がおり、万物を勝手に扱うことができないという教えになっているのです。

イロウルの名前の由来

イロウルはイロウエルと表記されることがある、ユダヤ教などに出てくる天使とされています。ところが、イロウルに関して記述されている文献が非常に少なく、聖書儀典の『エノク書』にさえイロウルの名前は登場していません。どうやら、イロウルは正式には認められていない天使のひとつで、特定の地域に口述伝承によって存在する天使のようです。現代でも天使イロウエルは、ドイツなどで信じられている天使のひとつです。

ユダヤ教などにおける天使イロウエルは、恐怖をつかさどる天使とされています。恐怖を与えるだけではなく、恐怖を取り除くこともできる天使という定義です。このため、特に初産を迎える妊婦が不安を取り除くために、イロウエルをかたどったお守りを持たせる風習が、ドイツを中心とした欧州の一部の地域に残っています。コンピューターウイルスの「恐怖」という点において、使徒イロウルの名前の由来になったと考えられます。

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エヴァのイロウルの登場

『新世紀エヴァンゲリオン』における敵キャラクターの使徒は、基本的に一度だけの登場です。エヴァンゲリオンに撃破されてしまうからです。ただし、第1使徒のアダムと第2使徒のリリスは除きます。アダムとリリスは物語を理解するための鍵なので、他の使徒とは別次元で考えておく必要があります。使徒は、テレビ版・漫画版・新劇場版で違いが見られます。使徒の登場回も使徒の外見細部についても、差が見られる使徒があるのです。

使徒がなぜ第3新東京市に飛来するのかなどの細かい設定は、2003年にリリースされた『新世紀エヴァンゲリオン2』の中で正式に設定され、以降、その設定が使われています。その設定では「使徒の名前は人類が勝手につけたもの」とされています。使徒は新劇場版では第1から第13使徒までしか登場しませんし、番号だけが振られ名前が付けられてはいません。テレビアニメ版は、名前がついた第18使徒まで登場します。

イロウルの初登場

第11使徒イロウルは、テレビアニメ版『新世紀エヴァンゲリオン』の第13話に初めて登場します。ネルフ本部の中枢ともいえる、スーパーコンピューターシステムのMAGIに侵入しようとした使徒として登場します。もともと、使徒はネルフ本部の地下に幽閉されている第1使徒のアダムと接触し、その接触をトリガーとしてサードインパクトを発生させることが目的で飛来します。

第1使徒のアダムが支配する世界と第2使徒のリリスが支配する世界は、共存できません。アダムとリリスが、一つの星で同時に存在してはいけないのです。アダムとリリスが共存できないため、アダムが生み出した使徒は、リリスの生み出した人類を殲滅させようと様々な方法でアダムに近づくのです。その点において、イロウルは特殊です。直接アダムには近づかず、MAGIを操り邪魔をするネルフ本部を自爆させようとしたのです。

イロウルは漫画版と新劇場版には登場しない?

第11使徒のイロウルは、エヴァシリーズの原点であるテレビアニメ版『新世紀エヴァンゲリオン』にしか登場しません。まず漫画版の『新世紀エヴァンゲリオン』では、第8使徒のサンダルフォン、第9使徒のマトリエル、第11使徒のイロウル、第12使徒のレリエルの各ストーリーが全面カットされていますので、登場しません。さらに第2使徒のリリスも「生命の卵」という表現で登場します。

新劇場版シリーズでは、使徒には名前がつけられていません。「第9の使徒」というような、番号でのみ呼ばれています。新劇場版の使徒のデザインは、テレビアニメ版に使われた使徒をもとにしていますが、例えば新劇場版の「第10の使徒」は、テレビアニメ版の第14の使徒のゼルエルと見た目は同じですが、大きさや戦闘能力は全くの別物として書き換えられています。そして漫画版同様、新劇場版ではイロウルは登場しません。

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エヴァのイロウルの攻撃方法

第3新東京市に飛来する謎の生命体が、「使徒」と呼ばれる『新世紀エヴァンゲリオン』の敵キャラクターです。使徒はそれぞれの独特の武器を使って、第3新東京市のネルフ本部を襲います。使徒をもとに人類が作り上げた人型兵器のエヴァンゲリオンは、使徒と戦える唯一の兵器です。時には人型最終兵器であるエヴァンゲリオンを苦しめる、強敵の使徒もいますが最終的には、どの使徒も撃破されてしまいます。

テレビアニメ版に登場した第11使徒のイロウルは、他の使徒とは異なった使徒でした。定番のロボットアニメに登場する敵キャラクターのような使徒が多かったそれまでに対し、第11使徒のイロウルはコンピューターウイルスのように攻撃してきました。しかもエヴァンゲリオンに対しての攻撃ではなく、また幽閉されているアダムに近づこうとしたものでもありませんでした。

攻撃方法①ウイルスの如く浸食する

ネルフ本部の中枢神経ともいえるスーパーコンピューターのMAGIは、赤木ナオコが開発した第7世代有機コンピューターです。システムは赤木ナオコの人格を移植したオペレーションシステムで動いています。それは赤木ナオコの科学者の思考パターンをもとにした部分、母をもとにした部分、女をもとにした部分で独立形成されています。その3つのコンピューターが合議制をとって結論を出すのが、MAGIの最大の特徴です。

イロウルは、頭脳派の使徒です。MAGIの人格移植有機システムである点を利用して、MAGIをハッキング・クラッキングしました。まず、MAGIは人格移植OSのため蛋白壁が必要であり、イロウルはその搬入時に寄生しました。そして、プリブノーボックスの模擬体を浸食してセキュリティーユニットに入りました。この時点で使徒の侵入と分かったネルフ技術班は、レーザーを撃ち込みますがイロウルのATフィールドではじかれます。

攻撃方法②ハッキング

さらにイロウルは、サブコンピューターの経路からネルフ保安部のメインバンクを経由して、ついにMAGIに侵入しました。ここまでの間、第11使徒のイロウルは、自分自身をその場の環境に合わせて、様々な形態に進化させています。蛋白質に取りついた時点では微生物に擬態していましたが、コンピューター回路に侵入した時点では、電子回路などに擬態しています。生き残るために異常な速度で進化してしまう性質を持つのです。

第11使徒のイロウルは、まず、MAGIの科学者としての人格移植OSコンピューターであるメルキオールをハッキングします。場面では、MAGIのモニターのメルキオール部分が徐々に赤くなることで、イロウルがハッキングしていることがわかります。そして次に母としての人格移植OSコンピューター部分であるバルタザールをハッキングし、最後のユニットであるカスパーも、ぎりぎりのところまでハッキングされます。

攻撃方法③増殖

第11使徒のイロウルの攻撃パターンで特徴的なのは、イロウルが微生物が共存している集合体であったことも挙げられます。他の使徒にも、生命の実を持って生まれているので、体の一部が失われても再生する能力がある使徒がいます。第11使徒のイロウルは、集合体なので全体としての生存・共存を重視します。例えば「トカゲのしっぽ切」のように、攻撃された一部は切り離すことが可能です。

そして複数のコンピューターウイルスが共存するのと同じように、増殖することで集合体の大きさを変えることもできます。このため、決まった形を持たない特殊な使徒ということができます。対象を支配下に置くためには数の理論も必要であり、そのためにナノマシンが共存している集合体使徒のイロウルは取りついた部分が重要と判断すれば増殖を繰り返し、拡大化います。そして使徒イロウルは完全支配を目指すのです。

攻撃方法④自己進化

そして第11使徒のイロウルの最大の特徴であり、最大の弱点となったことが、異常な速度での進化ができるということです。イロウルは、イロウルの弱点を見つけ攻撃してくる相手であっても、自身のその弱点部分を進化させて弱点ではないものに変えます。弱点を指摘されたら弱点自体を変えてしまうので、攻撃されるたびに弱点が無くなっていくのです。異常な速度で環境に適応し、弱点と共存してしまう能力を保持しているのです。

イロウルの最後は、この性質を赤木リツコに逆手に取られたということになります。進化の速度が異常なまでに早いということは、進化の最後を与えてしまえば進化しなくなるという理論です。進化の最後とは、それ以上は進化をしなくて良い状態になること、つまり死でした。イロウルは赤木リツコがカスパーに投与したプログラムによって自滅することを進化の最後と判断してしまい、ついには活動を停止してしまったのです。

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エヴァのイロウルに関する感想や評価

テレビアニメ版『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する第11使徒のイロウルは、他の使徒と違ってリアルな存在といえます。現代社会では誰もが持つようになったスマホはコンピューターであり、ウイルス侵入の危険性に常にさらされているといえます。また、世界中に蔓延している新型コロナウイルスも、イロウルのような進化が早いウイルスとされています。その点が、イロウルのようであり、リアルに感じる理由です。

テレビアニメ版『新世紀エヴァンゲリオン』が放映されてから長い時間が経っても、その人気が衰えないのは現代社会にも通じる内容が含んでいるからだともいわれます。第11使徒のイロウルはテレビアニメ版にしか登場しないマイナーな使徒ですが、微生物形状であるため、コロナウイルス蔓延の現代社会で再び注目された使徒です。ネットでは第11使徒のイロウルについて、様々な意見や感想などが見られます。

つい、言ってしまう

「イロウルってカビみたいに見える」「水たまりイロウル、あちこちにあるよね」「イロウルってMarburgとかと同じウイルス系みたい」「何かを例える時、使徒を使うことって、ない?」など、ネットには「クスっ」と笑えるネタが見られます。特にイロウルは微生物のようにみえる使徒なので、カビやシミ、水たまりの形などに「イロウルみたい」と形容されていることが多いようです。

コロナウイルスと比べてしまう

第11使徒のイロウルは、新型コロナウイルスとイメージが重なることが多いようです。「イロウルをPCウイルスじゃなくて、コロナウイルスみたいな病原菌と考えると怖い」「マギが赤くなるシーンが、コロナウイルスのニュースみたいに見える」「リツコ博士にコロナウイルスのワクチン作っておいて欲しかった」など、新型コロナウイルス発生と同時にイロウルが注目ワードとなりました。

イロウルの最後

「進化の最後が死って、やっぱエヴァの理解は難しい」「イロウルの最後って、人類の最後を語っているのか?」「庵野、実はイロウルの最後で言いたいこといっちゃった?」など、イロウルの最後についての意見や感想が多くみられます。ほとんどの使徒は最後に殲滅されるものですが、自滅を選択してしまったという第11使徒のイロウルの判断が「衝撃的だった」という意見や感想が多く見られます。

ウイルスの見えない恐怖

第11使徒のイロウルをウイルスのような微小生物にしたところが、『新世紀エヴァンゲリオン』のリアルさ追求の部分といえるでしょう。「イロウルが肉眼で見えるギリのサイズだったら、もっとヤバい」「見えないから気にしないんだよね」「イロウルが他の使徒みたいに見えたら、どうだったんだろ」などという声がネットに見られます。マイナー使徒のイロウルが再注目された理由が、これらの意見や感想にあると考えられます。

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エヴァのイロウルまとめ

新型コロナウイルスの蔓延が、世界中に甚大なる被害を生み出しています。謎の微生物という点でコロナウイルスとイロウルには、多くの共通点があります。このことが、『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する第11使徒のイロウルが改めてクローズアップされるきっかけとなりました。『新世紀エヴァンゲリオン』は難解なアニメといわれますが、このような背景を調べることでもっと深く楽しむことができるともいえるアニメなのです。

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