【チェンソーマン】岸辺は最強のデビルハンター？マキマとどっちが強い？強さや過去を考察

『チェンソーマン』に登場する岸辺は、デンジとパワーを子供扱いするほどの強さを誇るキャラクターです。そして「最強のデビルハンター」と自称しているのですが、本当に最強のデビルハンターに相応しい実力を持っているのでしょうか？ここからは『チェンソーマン』の作品情報を交えつつ、岸辺の強さに迫っていきます。

『チェンソーマン』は、藤本タツキによるサスペンス漫画です。『週刊少年ジャンプ』にて第1部が2019年から2021年まで連載され、2021年1月時点で既刊10巻となっています。そして第2部が『少年ジャンプ＋』にて連載予定です。また2021年1月時点で累計発行部数が640万部を突破する人気によって、MAPPA制作によるテレビアニメ化が決定しています。

ここでは『チェンソーマン』の第1部「公安編」のあらすじを簡単に紹介していきます。舞台は日常に悪魔と呼ばれる化物が存在する世界です。主人公・デンジは、チェンソーマンの悪魔であるポチタと共に悪魔を駆除するデビルハンターとして活動していました。しかしある日、デンジは仕事の斡旋をしていたヤクザに裏切られたことで、悪魔から殺害されてしまいます。

そこでポチタはデンジの心臓となることで彼を復活させ、チェンソーマンへと変身する力を与えました。こうしてチェンソーマンへと変身する力を得たデンジは、偶然現場で出会った公安のデビルハンターであるマキマに身を管理されることとなり、東京の公安本部のデビルハンターとして活動することになります…

『チェンソーマン』に登場する岸辺は姫野とアキの師匠です。左口にある裂けた傷跡と日常的に酒を飲んでいるのが特徴。初登場時は公安対魔特異1課に所属するデビルハンターでしたが、後に特異課のデビルハンターが銃の悪魔の手下による襲撃で多くの死者が出たため、合併された特異4課の隊長を務めることになっています。

まず岸辺の最強のデビルハンター説を「最強のデビルハンター」と自称する点から考察していきます。特異4課の隊長を務めることになった岸辺は、姫野と早川アキの師匠として初登場を果たしました。そしてデンジとパワーの特訓に付き合うことになるのですが、その時に最強のデビルハンターと自称しています。

自称とはいえ、実際にデンジとパワーの2人を相手にしても圧倒できるほどの強さを見せつけ、さらにマキマも岸辺のことを「4課で最強」と言っています。頭のネジが飛んでいるような言動が見受けられるのですが、かなりの強さと能力を持っているのは確かです。

次に岸辺の最強のデビルハンター説を「悪魔の力」に関する点から考察していきます。岸辺はデンジに向かって「人間様」と言うなど、悪魔や魔人に該当するような人外の存在ではありません。特殊な能力を持つ悪魔とは違い、人間のデビルハンターは「悪魔との契約」によって悪魔の能力を使うことができるようになります。

そこで岸辺の契約悪魔について見てみると、クァンシに付き従う魔人・フタクチによれば爪・ナイフ・針の悪魔とのことです。しかし、悪魔との契約には何かしらの代償を支払う必要がありますが、岸辺の体には契約の対価として払えるものは残っていません。

ただ、第30話にて岸辺が「俺はガキの頃から力が強くておもちゃをすぐに壊しちまう」と言っており、実際に悪魔の能力を使わずにデンジとパワーを圧倒していることから、純粋な人間の状態でもかなりの強さを持っていることが分かります。もし、岸辺が未来を見通す未来の悪魔や特殊な武器を生み出せる天使の悪魔と契約すれば、最強のデビルハンターになっても不思議ではありません。

最後に岸辺の最強のデビルハンター説を「マキマの強さ」と比較して考察していきます。最強のデビルハンターを自称する岸辺個人は最強になり得る力を持っているとしても、彼の上司にあたるマキマより強くなければ最強とは言えません。『チェンソーマン』の第1部「公安編」の最終回までに岸辺とマキマが戦うシーンが描かれていないため、実際にどちらが強いのか明らかになりませんでした。

ただ岸辺とマキマは、マキマがデンジの指導を岸辺に任せ、岸辺がきな臭さを感じながらも彼女の実力を認めて命令に従っていることから、互いに実力者であることを認め合っているのが分かります。そして岸辺はマキマの強さと恐ろしさを理解しているような描写がありました。にもかかわらず最強のデビルハンターを自称するのはなぜでしょうか？これにはマキマの正体と深く関係しています。

岸辺は第32話でマキマに向かって「人間様の味方でいる内は見逃してやる」と言っていました。このように言ったのは、マキマが特異課襲撃事件を知っていてそれを対処しなかったことと、マキマが人間ではないことを見抜いていたからだと考えられます。

そして、何かを画策しているマキマに釘を刺しただけでなく、人間に害をなす存在だと認識すれば「容赦なくお前を殺す」ということを暗に示しているのでしょう。マキマよりも岸辺が強いのかは明確ではありませんが、マキマをけん制できるだけの強さを持っていると言えます。

本編で登場した岸辺は50歳を過ぎており、老いを隠しきれていない様子でした。しかし、単行本8巻巻末で若い頃の岸辺が描かれており、かなりのイケメンであったことが分かります。8巻巻末では岸辺の過去が描かれており、中国の刺客として登場したクァンシとバディを組んでいる模様。そこで描かれた岸辺の見た目は高校生のデビルハンターである吉田フミヒコにそっくりで、状況判断能力に長けた優秀なデビルハンターを思わせます。

その後、年齢を重ねたことで顔に渋さが増していますが、それでも若い頃の見た目に磨きがかかったかっこよさがあると言えるでしょう。ただ、クァンシのことを好きだったようですが、彼女は女性にしか興味が無かったため、告白する度に殴られています。もしかすると、本編で描かれている頬の傷跡は悪魔との戦いではなくクァンシに殴られた時についた傷だったりするのかもしれません。

中国からやってきた刺客・クァンシと岸辺は、クァンシに付き従う魔人を人質にして話し合いの場を設けているのですが、その時に2人がかつてバディを組んでいたことが明らかになっています。クァンシは「最古のデビルハンター」と言われる人物です。また、正体は明らかになっていませんが、矢のような刺々しい頭部を持つ悪魔に変身しているため、人間でも悪魔でもない存在であることが分かります。

そんなクァンシと岸辺の過去シーンは、岸辺がクァンシに告白して殴られている姿しか描かれていないためどのような経緯でバディを組み、なぜバディが解消されたのかは明らかになっていません。しかし、クァンシの強さは岸辺曰く「素手の殴り合いなら人類最強」とのことなので、クァンシとバディを組んでいた岸辺もかなりの強さを誇る人物だと言えるでしょう。

マキマは内閣官房長官直属のデビルハンターであり、デンジの上司にあたる人物です。岸辺が本編に登場するきっかけを生んだ人物でもあり、デンジとパワーを鍛えるために岸辺に預けたことが岸辺の登場回に繋がっています。第32話では高級料亭のようなところでマキマと岸辺が会食をしている様子が描かれているのですが、そこで岸辺の本音が語られているためマキマのことをある程度信頼しているのがうかがえます。

岸辺とマキマの強さを比較した際は、第32話で岸辺がマキマに向かって「人間様の味方でいるうちは見逃してやる」と言っていたことに触れました。実はその後、75話でマキマの正体が支配の悪魔であることが明らかになっています。マキマは総理大臣と契約した悪魔であり、チェンソーマンを使ってより良い世界を作ることを目的にしていたことが明らかになるわけですが、結果的にはデンジに殺害されてしまいました。

その時に岸辺がマキマの殺害に加担しているのですが、32話で描かれた会食事には既にマキマのことを怪しいと感じていたようです。しかし、第84話で岸辺がマキマに向かって「お前は一体何なんだ？」と言っているため、マキマの正体まではつかめていなかったのが分かります。それでも公安のデビルハンターの中で唯一疑っていたのが岸辺だったため、鋭い洞察力を持っていると言わざるを得ません。

岸辺は初登場から最終回に至るまで、顔に表情らしきものが浮かぶことがありませんでした。8巻の巻末に描かれた過去の岸辺も無表情なので、過去から現在まで鉄壁の無表情を貫いていることが分かります。

仲間の死を多く見るデビルハンターとして活動していく内に、感情が少しづつ麻痺したことで無表情になっていると捉えることもできますが、彼は過去から現在に至るまで無表情を貫いているため、「悪魔が恐れるデビルハンターは頭のネジがぶっ飛んでるヤツ」という彼の持論が関係している可能性が高いです。岸辺は無表情を貫くことで、頭のネジがぶっ飛んだデビルハンターを演じようとしているのかもしれません。

無表情で感情が読みにくい岸辺ではありますが、実は人情深い性格をしています。弟子である姫野に対して「毎月バディの墓参りに来ているようじゃダメだ」と言っているのですが、それは自分自身に言い聞かせた言葉でもあると言えます。なぜなら、岸辺自身もお墓参りに来ているからです。

姫野が死亡した直後にデンジとパワーがマキマに連れられて岸辺の元を訪れていますが、その時もお墓にいました。また国からの依頼でデンジの心臓を奪いに来日したクァンシに「いう通りにすれば逃す。安全を保証する」と言っているため、過去にバディを組んでいたクァンシの身を案じているのが分かります。

姫野の過去が描かれたシーンで、彼女と会話をしている岸辺の姿がありました。そして姫野に対して岸辺が「まともだったからなぁ。だから死んだ」と言っているのですが、これは悪魔の存在と死に対して恐怖を感じるまともな人間だったらこそこのような分析をしているのです。悪魔という存在は、人間が名前に抱く恐怖・嫌悪によって力を増します。

そのため悪魔と対峙したデビルハンターは、少しでも恐怖・嫌悪の感情を抱くことで悪魔を強くしてしまうという悪循環に至るのです。確かに、ぶっ飛んでいる主人公・デンジはあらゆる悪魔に心臓を狙われているものの、全く恐怖しないためか最後まで生き残り続けていました。

第32話で描かれた岸辺とマキマの会食では、岸辺が「育てた犬が死ぬたびに酒の量が増える」と言っていました。岸辺が酒に溺れる理由にはこの一言が大きく関係しています。岸辺の若い頃が描かれた過去と50歳となった現在から見ると彼は公安の古株と言えるでしょう。

姫野やアキ、そしてデンジとパワーを指導していたように、彼には多くの弟子たちがいるはずです。岸辺は姫野とアキが死んだように、酒を飲むことでその死を忘れたかったのでしょう。多くの死人が出るデビルハンターの仕事において、弟子が死ぬということは当たり前であり、当然そのことは覚悟しているはずです。しかし、人情深い岸辺にとっては酒を飲まなければ耐えられないほど堪えているということが分かります。

岸辺のかっこいい名言の1つ目は、第32話でマキマとの会話中に放ったセリフです。このセリフで岸辺がおもちゃであれば情も湧かないだろうと、敢えて弟子をおもちゃ扱いしていたのが判明します。どうやら、デンジとパワーを稽古で痛めつけていたのは、2人をおもちゃ扱いしていたからのようです。

デンジとパワーは悪魔の力を持つ不死身の存在なので、岸辺におもちゃ扱いされても仕方がないと言えますが、このセリフは姫野が死亡した直後に放たれています。そのため、おもちゃと言って無感情を装っているようで、根が優しい性格をしているのが分かります。実際にデンジとパワーの稽古を付けている内に、2人に対して愛情を感じ始めていました。

岸辺のかっこいい名言の2つ目は、デンジとパワーと初めて会った日に放たれたセリフです。岸辺はデンジとパワーと出会った瞬間にさまざまな質問を投げかけているのですが、2人は完全に倫理観が壊れた回答を述べました。ところが岸辺はこの名言を放ちそれを肯定しています。本来であれば壊れた倫理観を聞かされた方がドン引きするはずですが、逆にこのセリフを聞いたデンジとパワーが引いてしまいました。

岸辺のかっこいい名言の3つ目は、不死身のデンジに向けて放ったセリフです。デンジとパワーを鍛えて欲しいと依頼された岸辺は、早速デンジとパワーに技をかけて2人を失神させます。岸辺の特訓方式はスパルタ方式で、ひたすらボコボコにされるデンジとパワー。そんな2人を見て岸辺がこの名言を放ち、完全におもちゃとして扱っているようです。

岸辺のかっこいい名言の4つ目は、岸辺がデンジとパワーに「今回は良かったからもう終わりだ。俺は飲みに行く」と言った後に放ったセリフです。岸辺に手も足も出ずボコボコにされたデンジとパワーは、岸辺に対して武力ではなく、知力で勝負を仕掛けました。その結果、岸辺を一瞬でも追い込むことに成功します。

そこで岸辺は「良かった」と評価し帰ろうとしたため、2人は完全に安心しきっていました。しかしその瞬間、突然岸辺の方向からナイフが飛んできます。岸辺は2人を安心させた上で攻撃を仕掛けてきたのです。そして岸辺がこの名言を放ちました。実はこの言葉はサムライソード戦で活かされており、サムライソードを倒した後にデンジがこの名言を引用しています。

岸辺のかっこいい名言の5つ目は、銃の悪魔討伐遠征の直前でアキに対して放ったセリフです。岸辺はアキから銃の悪魔討伐遠征を外して欲しいと依頼されました。過去に家族を銃の悪魔に殺害されたことで復讐心に燃えていたアキでしたが、デンジとパワーと生活をしていく内に今の幸せを失いたくないと考えるようになったのです。

岸辺もアキが過去を引きずっていたのを知っていたため「それでいいのか？」と問いかけています。こうしてアキの現在の心境が語られ、それを聞いた上で岸辺がこの名言を放ちます。残念がっているような印象を受けるセリフですが、内心ホットしているはずです。このシーンでも弟子を思う岸辺の気持ちを感じ取ることができます。

ここでは『チェンソーマン』に登場する岸辺とマキマに関する感想があがっています。どうやら岸辺がマキマに対して言っていた「人間様の味方でいる内は見逃してやるよ」という言葉が気になっているようです。

この頃はマキマの正体が悪魔であることを確信している段階ではなかったようですが、いつマキマの正体に気付いたのかも明らかになっていません。もしかすると、このセリフを放った時には既に確信に近づいていたと捉えることもできるでしょう。

ここでは『チェンソーマン』に登場する岸辺とクァンシに関する感想があがっています。どうやらこの方は岸辺のことを良い人間だと認識しているようです。また、クァンシと岸辺の関係性にも触れられており、クァンシの強さを信じていた所も大きいと言われています。これは岸辺隊長が「おもちゃにも情が湧く」と言っていたことと関係しているのでしょう。

壊れないおもちゃが欲しいというのは、圧倒的な強さを持つ人物でなければまた自分の周りから誰かがいなくなってしまうという哀しみの気持ちが隠されていると言えます。そしてクァンシがマキマに殺害された時は岸辺が「何も見たくねえ」と言っているため、絶対に死ぬことが無いという強さを信じていた人物の死から目を背けたいという岸辺の深層心理が働いていることが分かります。

ここでは『チェンソーマン』に登場する岸辺の強さに関する感想があがっています。どうやら岸辺が契約している複数の悪魔から強さを計っているようです。また、個の強さでどうにかなる段階じゃなくなったとも言われています。

おそらくこの段階というのは物語終盤のことを言っているのでしょう。中盤までは岸辺を含めた人間のデビルハンターでも活躍する様子が描かれていましたが、終盤では悪魔や魔人の活躍が多く描かれるようになっているため、岸辺はサポートする役割を担っていました。

『チェンソーマン』に登場する岸辺の強さについて、マキマの強さと比較し、近接戦最強と言われるクァンシとバディを組んでいた過去を交えつつ紹介していきましたいかがでしたか？最強のデビルハンターを自称する岸辺ですが、実際にマキマをけん制したり最古のデビルハンターとされるクァンシとバディを組んでいた過去を考慮すれば作中屈指の実力者であることは間違いないでしょう。

過去に描かれた岸辺は吉田と顔や雰囲気がそっくりなので、立ち位置としては吉田に近いのかもしれません。今回のまとめで岸辺に興味を持たれた方は、ぜひ『チェンソーマン』で描かれる岸辺の活躍シーンに注目してみてください。