【黒執事】アニメ3期のあらすじをネタバレ！声優キャストやOP・ED主題歌も紹介

『黒執事』とは、枢やなが生み出した人気漫画作品です。枢やなの高い画力で描かれる魅力的なキャラクターと美しくもどこか怪しいゴシック調の世界観は多くのファンを獲得しました。

『黒執事』はいくつかのまとまったエピソードで構成されており、そのどれもが高い人気を得ていますが、今回ネタバレあらすじを紹介するアニメ『黒執事』第3期の元になったエピソードは、その中でも特に評価の高い人気エピソードです。アニメ『黒執事』第3期のネタバレあらすじを見ていく前に、まずは『黒執事』という作品の基本情報から見てみましょう。

アニメ『黒執事』の原作は、漫画家・枢やなが2006年から「月刊Gファンタジー」で連載をしているダーク・ファンタジー漫画です。2007年にドラマCDで初めてキャラクターに声が当てられ、2008年に初めてテレビアニメ化。2015年にはOVA化され、2017年には劇場アニメ化もされました。また『黒執事』はアニメ以外にも実写映画化、舞台化、ゲーム化など様々なメディアミックスを展開。そのどれもが高い支持を得ています。

舞台は19世紀末の英国。12歳ながら名門貴族ファントムハイヴ家の当主であるシエル・ファントムハイヴの傍らには、優秀な黒い執事が付き従っていました。彼の名はセバスチャン・ミカエリス。我儘なシエルの無理難題を全てこなし、ドジな使用人たちの失敗をフォローする彼の動きは、とても人間とは思えません。

それもそのはず。セバスチャンはシエルが復讐という目的を果たすために契約した悪魔だったのです。両親を殺害し、自分をも殺そうとした敵を見つけて復讐を果たすその日まで、シエルはセバスチャンと共に英国裏社会の秩序を守る「女王の番犬」としての任務をこなしながら、日々を過ごしていきます。

『黒執事』という魅力的な作品を世に送り出した漫画家・枢やなが、元々は同人活動をしていたというのは有名な話です。昔は自身の同人サイトを持っており、そこで『テニスの王子様』などのイラストを掲載していました。

好きな作品に刺激を受けながら創作するという同人活動で楽しみながら腕を磨いてきたことが、今日の枢やなの高い画力に繋がっているのでしょう。後に枢やなは簗緒ろくのペンネームで商業BL作品を手掛け始めましたが、そちらの名義での活動は現在休止しています。

枢やなは自身のブログやツイッターなどで、趣味として他作品に対するコメントや絵を投稿してきましたが、数ある作品の中でも特に熱く語られており、多くのイラストがアップされていた作品が『黒子のバスケ』でした。

友人知人からのリクエストを受けて描いた黒バスキャラの落書きがブログにアップされ、そのイラストの美しさはファンから高い評価を受けたようです。さらに枢やなは同ブログでアニメ『黒子のバスケ』のOP「The Other self」のカットについての考察も投稿しており、黒バスには特別ハマっていたということがわかります。

アニメ『黒執事』は2008年10月から2009年3月まで第1期が放送され、続いて2010年7月から同年9月まで第2期が、2014年7月から同年9月まで第3期が放送されました。アニメ『黒執事』の第1期と第2期はほとんどがアニメオリジナルストーリーとなっており、第1期と第2期は物語が繋がっていますが、原作に忠実な第3期とは繋がっていません。

今回ネタバレあらすじを紹介するのは、2014年放送開始の第3期『黒執事 Book of Circus』です。本作はアニメオリジナルの要素が強かった第1期、第2期と違い、原作で高い人気を誇る長編エピソードの1つ「ノアの方舟サーカス編」に比較的忠実であるということが特徴。テレビアニメシリーズの中で一番、枢やなの描く世界観を堪能できるのが第3期です。それでは早速、ネタバレあらすじを見ていきましょう。

ある日、ファントムハイヴ家当主シエル・ファントムハイヴの元に、女王から手紙が届きました。内容は、英国内で何人もの子供が失踪するという事件が発生しており、事態は深刻だというもの。子供たちはまるでハーメルンの笛吹き男に連れ去られたかのように、真夜中こつ然と姿を消すそうです。

児童失踪事件が起きるのは、とあるサーカス団が立ち寄った町ばかり。手紙に同封されたチケットには「ノアの方舟サーカス」の文字がありました。シエルは裏社会の秩序を守り女王の憂いを払う「女王の番犬」として児童失踪事件を解決するべく、執事のセバスチャン・ミカエリスと共に「ノアの方舟サーカス団」の調査に乗り出します。

サーカスを視察したシエルとセバスチャンですが、失踪した子供たちがサーカスで見世物になっている様子はありません。子供たちの失踪とサーカス団は無関係なのか。シエルとセバスチャンは詳しくサーカス団を調べるため、サーカス団への潜入捜査を決行。入団テストを突破し、2人は無事サーカス団の一員になります。慣れない生活で喘息がぶり返すなど苦戦するシエルですが、潜入捜査のおかげで様々なことがわかりました。

サーカス団をまとめるジョーカーを筆頭とする1軍メンバーは幼なじみで、義手や義足を必要とするなど身体に障害があるメンバーが複数いる訳あり者の集まりであること。サーカス団には「お父様」と呼ばれるパトロンが存在しており、彼が精巧な義手や義足の開発に協力してくれたこと。「お父様」が児童失踪事件に関与していること。そしてセバスチャンはついに「お父様」とは慈善活動家のケルヴィン男爵であると突き止めます。

シエルとセバスチャンは、ケルヴィン男爵の屋敷に向かいました。そこで待っていたケルヴィン男爵は、シエルに会いたくてたまらなかった様子。シエルが晩餐の席に着くと、興奮したケルヴィン男爵はただ食事をするのではつまらないからと、その場に同席していたジョーカーに余興を命じます。命じられたジョーカーは浮かない顔。

ケルヴィン男爵が命じた余興とは、失踪した子供たちが綱渡りなどサーカスのマネごとをし、失敗して死ぬという残虐なものだったのです。子供たちは薬漬けにされ、自我を失い人形のような状態でした。残虐な行為に嫌悪感を露わにするシエル。ケルヴィン男爵はそんなシエルを屋敷の地下に案内します。そこには檻に入れられた自我のない子供たちと、禍々しい儀式の祭壇が用意されていました。

その様子はかつて両親を殺され、何者かに囚われたシエルが置かれていた状況と瓜二つです。ケルヴィン男爵は昔幼いシエルとシエルの父親に会っており、彼らに魅了され歪んだ執着心を持つようになりました。どうしたら「特別な人間」であるシエルたちに近づけるかを考えた結果、自身を美しく整形するといった異常な行動を取るようになるのですが、そんな最中ファントムハイヴ家が何者かに襲撃され、シエルの両親は死亡。

シエルも死んだと思われました。しかしシエルは生きており、ケルヴィン男爵はシエルがある儀式の生贄として利用されることを知ります。しかし彼は整形手術の影響で屋敷から出ることができず、儀式には参加できませんでした。ケルヴィン男爵はシエルの関心を引くため、そしてシエルを迎えてあの日の儀式を再現するために、ジョーカーたちサーカス団の面々を使って子供を拐っていたのです。

ジョーカーたちは身体に障害があるため親に捨てられた孤児だったのですが、まだまともだった頃のケルヴィン男爵に救われ、彼が建てた孤児院で成長しました。ケルヴィン男爵に恩があるため、そして孤児院にはまだたくさんの兄弟たちがいるためケルヴィン男爵を失うわけにはいかず、心を殺して子供たちを拐っていたのです。

拐われ殺された子供たちの骨は、ジョーカーたちサーカス団員の義手や義足に使われていました。全てを知ったシエルはセバスチャンに、ケルヴィン男爵、ジョーカー、そして義手義足を作っていた医者を殺し、屋敷を燃やすよう命令します。何1つ残さず、それは拐われた子供たちもでした。薬漬けになった子供たちはもう元には戻らないことを、過去に拐われたシエルは知っていたのです。

こうして児童失踪事件は、犯人と子供たちが死亡するという形で幕を閉じます。後日、シエルはセバスチャンを連れケルヴィン男爵が建てた孤児院を訪ねました。ケルヴィン男爵の死によって孤児院が運営できなくなり、孤児たちが路頭に迷ってしまうのを防ぐためです。

しかし到着した場所には、かなり前にそうなっただろう孤児院の廃墟がありました。ジョーカーは孤児院にいる子供たちのためにケルヴィン男爵に従っていましたが、そもそも彼が守るべきものは存在していなかったのです。

ビーストたちサーカス団の仲間も、秘密を知ったシエルたちを殺害しようとファントムハイヴ邸に侵入して返り討ちに遭い殺されてしまいました。誰も救われない残酷で悲劇的な、しかし強く惹き込まれる珠玉の物語と言えるでしょう。以上、ネタバレあらすじでした。

『黒執事』で主要キャラクターであるシエル・ファントムハイヴを演じたのは、声優・女優・歌手・エッセイストなど幅広く活動している坂本真綾です。坂本真綾は1980年3月31日生まれ、東京都出身。所属事務所はフォーチュレストです。『黒執事』では過去の悲惨な出来事のせいで子供らしさを失ったシエルの声を、威圧感のある低い声音で見事に演じていました。

『黒執事』の主人公であるセバスチャン・ミカエリスを演じたのは、声優・歌手の小野大輔です。小野大輔は1978年5月4日生まれ、高知県出身。フリーで活動しています。『黒執事』で彼が演じるセバスチャンは、悪魔で執事というキャラクター。小野大輔はセバスチャンの丁寧な口調や立ち居振る舞いの合間に見え隠れするサディスティックな面、得体のしれない気味悪さを見事に表現しています。

ビーストを演じたのは、声優・舞台女優の甲斐田裕子です。甲斐田裕子は1980年1月14日生まれ、神奈川県出身。所属事務所は賢プロダクションです。彼女が演じたビーストは、ノアの方舟サーカス団の1軍団員である美しき猛獣使い。気の強さとジョーカに対する想いで揺れる愛らしさが魅力的なキャラクターでした。

ジョーカーを演じたのは、声優・歌手・俳優の宮野真守です。宮野真守は1983年6月8日生まれ、埼玉県出身。所属事務所は劇団ひまわりです。彼が演じたジョーカーは、エセ関西弁を喋る飄々としたキャラクター。しかし本当は、恩人と孤児院の家族のために犯した罪の重さに苛まれ続けている悲しい青年でした。ジョーカーの抱える切なさを、宮野真守は見事に声で表現しています。

ドールを演じたのは、声優・歌手・舞台女優の高垣彩陽です。高垣彩陽は1985年10月25日生まれ、東京都出身。所属事務所はミュージックレインです。彼女が演じたドールは、綱渡りを得意とするサーカスの1軍団員。サーカス開演中は真っ白な衣装を身に纏った可愛らしい人形のようですが、素顔は男勝りな女の子です。彼女とシエルの交流は、物語最後の切なさを増幅させました。

スネークを演じたのは、声優・歌手の寺島拓篤です。寺島拓篤は1983年12月20日生まれ、石川県出身。所属事務所はアクセルワンです。彼が演じたスネークは、サーカスの1軍団員である蛇使い。何匹もの毒蛇を飼っており、身体に纏わせた蛇の代弁という形で他者と会話をします。蛇によって喋り方を変えなくてはいけないという難しい役柄でしたが、寺島拓篤は見事に演じ切りました。

ダガーを演じたのは、声優・歌手の岡本信彦です。岡本信彦は1986年10月24日生まれ、東京都出身。所属事務所はプロ・フィットです。彼が演じたダガーはサーカスの1軍団員で、担当する演目はナイフ投げ。明るく元気な性格で、ビーストのことを「姐さん」と呼んで慕っていました。

ケルヴィンを演じたのは、声優・俳優・ナレーターの茶風林です。茶風林は1961年12月4日生まれ、埼玉県出身。所属事務所は大沢事務所です。彼が演じたケルヴィンは、ファントムハイヴ一家との出会いがきっかけで変態的になってしまった狂気の男。かつてはジョーカーたちのようなみなしごを保護する善良な貴族でした。子供のようなあどけなさで狂気的な振る舞いをするケルヴィンを、茶風林は見事に声で表現しています。

アニメ『黒執事 Book of Circus』を彩ったOP・ED主題歌を紹介していきます。美しい作画で好評だった『黒執事』第3期ですが、OP・ED映像もまた美しく素晴らしいものでした。またOP・EDそれぞれが第3期の世界観・空気感を見事に表現しており、作品全体のクオリティーを大きく引き上げています。では早速、OP・EDについて見ていきましょう。

アニメ『黒執事』第3期のOPは、第1期のOPも担当したSIDによる楽曲「ENAMEL」です。サーカスがキーとなる物語のOPということで、OP映像はショーをイメージさせるものとなっています。曲のイントロもサーカスを彷彿とさせるものになっており、歌詞もエピソードにマッチしたものとなっていました。まさに『黒執事 Book of Circus』のためのOP主題歌です。

アニメ『黒執事』第3期のEDは、AKIRAが歌う「蒼き月満ちて」です。シエルが黒い液体が張られたバスタブにセバスチャンの手で沈められ真っ黒に染まり、バスタブから上がった真っ黒なシエルをセバスチャンがタオルで包み込むというシーンが印象的なED映像でした。アニメ『黒執事』のOP・ED映像は毎回美しくて好評ですが、第3期のOP・EDは特に評判が良かったです。

2009年9月、『黒執事』初となるミュージカルが披露されました。その名も『音楽舞闘会 黒執事～その執事、友好～」。セバスチャン・ミカエリス役に歌手であり俳優でもある松下優也を迎えたオリジナルストーリーの舞台は大成功に終わり、その後も度々舞台が上演されることになりました。第2弾はオリジナルストーリー『黒執事 The Most Beautiful DEATH in The World 千の魂と堕ちた死神』。

第3弾は原作のエピソード「切り裂きジャック編」の舞台化である『黒執事 地に燃えるリコリス』が上演されています。『地に燃えるリコリス』の再演からセバスチャン役が俳優・歌手の古川雄大に変更。その後第4弾で原作エピソード「ノアの方舟サーカス編」の舞台化である『黒執事 NOAH'S ARK CIRCUS』、第5弾で原作エピソード「豪華客船編」の舞台化である『黒執事 Tango on the Campania』が上演されています。

2016年2月、漫画『黒執事』の人気エピソード「豪華客船編」が劇場アニメ化されました。タイトルは『黒執事 Book of the Atlantic』。キャストはアニメ版と同じです。シエルとセバスチャンは女王の番犬として「死者蘇生」の噂を確かめるべく、豪華客船「カンパニア号」に乗船し、そこで大きな事件に巻き込まれます。

アニメ『黒執事』の第1期と第2期は時系列的に繋がりがあるものの、一気に見なくても大丈夫なようになっています。第1期で『黒執事』のあらすじ、キャラクターを把握し、より原作に近い第3期を見るのもいいでしょう。

アニメ『黒執事』の第1期を見てあらすじやキャラクターを把握した後に、劇場版アニメとOVAを見るというパターンもおすすめです。劇場版アニメの『黒執事 Book of the Atlantic』は原作の「豪華客船編」。

OVAの『黒執事 Book of Murder』は原作の「ファントムハイヴ邸連続殺人事件編」を元に製作されています。映画は1本、OVAは上下巻と、テレビアニメに比べると短い時間で最後まで見終えることができるので、手早くより原作に近いストーリーを楽しみたい場合に良いでしょう。

普通に第1期から第2期を続けて視聴するパターンです。原作にないオリジナルストーリーがかなりの割合を占めますが、アニメオリジナルはアニメオリジナルでまた魅力的。原作では見られないキャラクターの様子や、アニメにしか登場しないオリジナルキャラクターの活躍を見ることができます。第1期後の物語が第2期になりますので、一気に見てアニメ版の『黒執事』の結末を見届けるのも良いでしょう。

気になって「ノアの方舟サーカス編」のネタバレあらすじを見てしまったという人のコメントです。ダークファンタジーらしく重い終わり方をするエピソードなので、バッドエンドに耐性がない人はあらすじネタバレで心の準備をしておくと良いでしょう。

『黒執事』第3期のOPとED映像の美麗さに対するファンのコメントです。ずっと見ていたくなるようなハイクオリティな映像に感心したファンはかなり多かったようです。

『黒執事』第3期に登場した声優への評価のコメントです。かなり独特な演技が求められるジョーカーとスネークですが、担当声優の宮野真守と寺島拓篤は役を見事に演じ切っていました。

ネタバレになりますが「ノアの方舟サーカス」編には、今後の物語に関係する重要な伏線が張られています。アニメや漫画をチェックして、どこが伏線なのか考察してみるのも面白いでしょう。

『黒執事』第3期のOP・EDに関するコメントです。OPもEDも『黒執事』という作品の魅力であるダークな世界観を見事に表現していました。ファンからの評価が高いOP・EDは必見です。

アニメ『黒執事』の第3期『黒執事 Book of Circus』のネタバレあらすじや出演声優、OP・ED主題歌などを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか？ダークファンタジーである『黒執事』は1つ1つのエピソードが重く、バッドエンドで終わることが多いですが、第3期は特に救いのない物語です。しかしその救いのなさや、描かれる人間の醜悪さなどが『黒執事』の魅力。美しくも歪な物語を、ぜひ一度見てみてください。