【銀魂】地雷亜の本名や名言・元ネタを紹介！顔の傷の理由と地雷亜篇の内容は？

「銀魂・地雷亜編」で登場した地雷亜は、吉原自警団百華の頭領・月詠の師匠に当たり、百華の初代頭領です。「地雷亜編」はコミックでは29巻〜30巻、アニメでは177話〜181話、DVDではシーズン其ノ四の7〜8巻で描かれています。

先代将軍の御庭番衆随一の地雷亜は、クナイと蜘蛛の糸を彷彿させる極細のワイヤーを自由自在に操る使い手で、圧倒的な攻撃力で他を制します。己を捨て去り、顔を傷つけた地雷亜はさまざまな変装をしているが、その素顔は非常にグロテスクなものになっています。かつて御庭番衆として裏仕事も厭わなかった地雷亜は、いつしか狂気という名の蜘蛛の糸に囚われていきます。

御庭番衆を追放処分となった地雷亜は、吉原自警団百華頭領となり幼い月詠に持てる全ての技を叩きこみ二代目百華頭領をして育てていきます。地雷は月詠を庇って死んだはずだったが、実は死を偽装しており、吉原の支配者・鳳仙の亡き後、非合法薬物の元締めとして裏社会に暗躍していたようです。地雷亜は、銀時と薬物の出所を調査している月詠の前に再び姿を現します。 

月詠と再会した地雷亜は、かつての愛弟子が自分の理想と違ってきているのに気づきます。修羅の人として育て上げた月詠が、銀時たちを心の拠り所にしていると悟った地雷亜は、町を火の海にして月詠の大切な人たちを奪う計画を立てます。自分の理想とかけ離れてしまった月詠に憎しみをぶつける地雷亜は、銀時との壮絶な一騎打ちを繰り広げます。銀時に破れ計画を阻止された地雷亜は、最期の時を月詠に見守られます。 

謎多き地雷亜の本名は鳶田段蔵といい、伊賀でも有数の名家の生まれで、忍の神童と呼ばれていたそうです。鳶田一族は敵対一族に襲撃され、段蔵と妹だけが生き残ります。妹は人質となった自分のため、憎い仇に仕える段蔵の姿に耐えられなくなり自ら命を絶ってしまいます。地雷亜こと段蔵が命がけで護ろうと妹は、月詠を瓜二つの顔立ちだったようです。この壮絶な過去が、地雷亜という狂気を生み出したのでしょう。

百華初代頭領時代から遡ること、先代将軍御庭番衆時代の地雷亜は「蜘蛛手の地雷亜」の異名を持っており、歴代最強と謳われた服部全蔵の父に並ぶ最強の忍だったようです。汚れ仕事も厭わない病的とも言える地雷亜の忠誠心が、主君を護る立場であるにも関わらず、先代将軍を殺めようとする歪んだ思想に傾倒していきます。

地雷亜による先代将軍の殺害計画は、全蔵の父に阻止され御庭番衆から追放されます。その後、吉原に流れついた地雷亜は、百華初代頭領となり、4年前の吉原の大火事で月詠を庇い亡くなっています。地雷亜は心血を注いだ愛弟子の月詠が、自分の理想通りに成長させるために死を偽装したのです。

目鼻立ちがしっかりした顔立ちの月詠は、日輪のような高級花魁になっていたかもしれません。しかし、月詠は恩人である日輪に人生を捧げようと決意します。そして幼く無力な月詠は、地雷亜の投げかけられた名言によって突き動かされていきます。

地雷亜の教え通りに従い孤高の修羅道を突き進む月詠は、地雷亜にとって最高傑作となります。しかし、銀時たちとの交流する月詠の変化を察知した地雷亜が、思わず言ってしまった名言は月詠に辛く突き刺さります。

地雷亜ではなく、「スターウォーズ」のヨーダみたいな人が言うとありがたく立派な名言に聞こえます。この名言を言い放った地雷亜は、一族を皆殺しにされ、唯一生き残った妹までものが自害したという悲劇的な背景があります。そんな地雷亜の目の前には、救いのない果てしない闇が広がっているのでしょう。

「地雷亜編」に登場する地雷亜の元ネタとなった作品は、作者4代に亘る長編合巻作品「児雷也豪傑譚」で、江戸時代後期の天保10年（1839年）〜明治元年（1868年）にかけて刊行されていましたが未完となっています。現代風に置き換えると、小説家やイラストレーターらが担当している作品と言えるでしょう。「児雷也豪傑譚」は、文化3年（1806年）に刊行された感和亭鬼武の読本「自来也説話」が元となっています。

雷獣を退治した勇敢な主人公は、妖術を身につけ児雷也と名乗ります。ナメクジを操る術の使い手や蛇を自在に操る宿敵も登場し、三つ巴の展開が繰り広げられます。和製ファンダジー小説とも言える「児来也豪傑譚話」は、歌舞伎や映画という形で現代に受け継がれています。アニメ「NARUTO」やゲーム「天外魔境」などでは、児雷也たち主要人物の設定をモチーフにしたキャラクターが登場しています。

地雷亜の本名である鳶田段蔵の元ネタとなった戦国時代の忍者・加藤段蔵は、文亀3年頃（1503年頃）の生まれのようですが詳細は不明です。加藤段蔵は「銀魂」以外のアニメ「Fate」や「忍たま乱太郎」では、鳶田段蔵の設定をモチーフにしたキャラクターが登場しています。若き日の加藤段蔵を主人公にした「鳶の空跡」という漫画があります。

忍の神童として謳われた段蔵は、戦で大切なものを失ったことにより狂気の人・地雷亜に変貌してしまいます。孤独に負け拠り所を求める者を弱者だと考えてる地雷亜は、私情を捨て護るべきものに尽くすことを信条としています。すなわち滅私奉公を信条としている地雷亜は、愛弟子の月詠にもこれを徹底的に叩き込みます。月詠はそれに応えるかのように、「死神大夫」と恐れられる修羅の人に成長していきます。

地雷亜は、心血全てを注ぎ込んで育て上げた愛弟子・月詠を自身の「芸術品」と称しています。 地雷亜と月詠の関係は、往年アニメ「エースをねらえ」の宗方コーチと岡ひろみを超ハードにした関係と言えるかもしれません。

今や吉原自警団百華頭領として向かう所敵なしの月詠は、幼くして吉原に身売りされた過去があります。そこで果てしなく続く辛い日々の中、絶望していた幼い月詠の前に吉原最高級の花魁・日輪に現れます。意地悪な遊女の下働きだった月詠は、最高級の花魁であり「吉原の太陽」と親しまれ尊敬されている日輪に救われます。

日輪の恩義に報いるため月詠は、自身の顔に縦横2本の傷を刻み付け、「ベルサイユのばら」のオスカルのように女を捨て吉原の番人に徹します。日輪と吉原を護ると誓った幼い月詠に自分を重ねた地雷亜は、月詠に自身の顔を傷つけるように諭しています。

原作に忠実にアニメ化された「地雷亜編」で、180話で一部原作にはなかったシーンが盛り込まれています。幼少時の銀時と吉田松陽との出会いとなる過去回想シーンと銀時VS地雷亜の殺陣のクライマックスは、陰影の濃いモノクロによる作画で放送されています。

銀時VS地雷亜のモノクロの殺陣シーンは、細やかに描かれた殺陣の動きに、残像の残るエフェクトをかけるなど大変な手間暇をかけた作画となっています。作画スタッフの力量を試されたモノクロ作画は、カラーよりも生々しい迫力がある見応え満点となっており、ファンの間でも評価の高い良質な作画となっています。

「地雷亜編」は地雷亜と月詠の師弟対決だけでなく、いままで語られることのなかった銀時の過去と吉田松陽との出会いも織り込んでいます。天涯孤独で誰も頼るものがいない銀時、幼い身で戦乱の世を一人で生き抜いています。そんな銀時は、安心してその身を預けられる吉田松陽と出会い今までにない安心感を得ます。地雷亜と月詠に、自分と吉田松陽を重ねた銀時は、何としても地雷亜の暴走を止めたかったに違いありません。

吉原最強の番人・月詠は、「地雷亜編」から遡り「吉原炎上篇」で初登場以降、「銀魂」の準レギュラーキャラクターの一人となっています。コメディタッチなエピソードの月詠は大ボケをかましますが、百華頭領だけあって情に厚く頼りになります。しかし、誰が見ても銀時に片思いしているのは間違いないでしょう。

顔の傷があっても美人顔な月詠なのですが、クールな性格が災いして猿飛あやめのような積極的過ぎるアプローチとは無縁のようです。しかし、「地雷亜編」で地雷亜に極限まで追いつめられて月詠は、無意識に銀時への恋心を醸し出すようなセリフを発しています。

常に百華の頭領として月詠は吉原を護り闘ってきましたが、「地雷亜編」では師匠・地雷亜の前に心身ともに傷つき倒れてしまいます。そんな月詠をお姫様だっこする銀時は、いつものチャラ男ではなく少女漫画のイケメンキャラクターのようです。いつもは気丈な月詠も、今回は珍しく銀時に体を預けているようです。猿飛あやめだったら、喜びのあまり狂喜乱舞しそうですね。

「銀魂・地雷亜編」に登場した地雷亜と、国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」のさくらひろしの声優が同一人物だと知ったら大半の方は驚くことでしょう。国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」のさくらひろしは、屋良有作さんにとって「名刺代わり」と発言する程の代表作となっているようです。

声優・屋良有作さんは、高校卒業後社会人経験を経て、俳優・声優の活動を開始します。シリアスな役や冷酷な悪役などを担当しているようですが、とぼけた役や父親役やイケメン役など幅広い役柄をこなしています。洋画吹き替え声優としては、スティーブン・セガール、アーノルド・シュワルツェネッガーという、ハリウッドを代表するアクションスターのデビュー作を最初に担当しています。

屋良有作さん出演のアニメ作品は、国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」のさくらひろしを筆頭に、「ハイスクール!奇面組」「キテレツ大百科」などがあります。「魔法使いサリー」「ドクタースランプ」「ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空」などのリメイクや続編などで、声優・内海賢二さんの担当キャラクターを受け継いでいます。

声優界の巨匠であった内海賢二さん没後、「第3次スーパーロボット大戦Z」では内海賢二さんの担当キャラクターを引き継いでいます。屋良有作さんはアニメや特撮の声優だけでなく、ナレーターとしても活躍しておりTBS系列「NEWS23」やテレビ朝日系列「報道ステーション」など報道番組のナレーションを受け持つことも多いようです。

地雷亜だけでなく、「銀魂」の悪役は個性的で強烈なキャラクターが数多く登場しています。主人公に立ちはだかる敵役としてだけでなく彼らの内面も深く掘り下げ、その生きざまは見る者の共感を得ているようです。「銀魂」長編エピのメインキャラクターだけで、スピンオフ作品で出来てしまいそうです。「地雷亜編」の地雷亜以外では、「吉原炎上編」の鳳仙や「かぶき町四天王編」の次郎長などは強烈な印象を残しています。

確かに言われなければ、「銀魂」の地雷亜と「ちびまる子ちゃん」のさくらヒロシが同一人物の声優さんが担当しているとは気づきません。ベテラン声優・屋良有作さんによる渋〜い地雷亜と昭和っぽい父親キャラ・さくらひろしのギャップが埋まりそうにもありません。ちなみに「アンパンマン」のバイキンマン役の声優・中尾隆聖さんも、洋画の吹き替えでイケヴォを披露しており、こちらもギャップが埋まりそうにもありません。

安田顕さんは、「銀魂」の実写映画1作目で徹子の兄者・鉄矢の役で出演しています。兄者もマッチしていましたが、地雷亜の方が断然マッチしているでしょう。どことなく顔立ちが地雷亜に似ており、普段テレビで拝見する安田顕さんは上品な地雷亜に見えます。「銀魂」の実写映画3作目があったと仮定し、もし「地雷亜編」だとしたら、安田顕さんが髭と髪を多少伸ばせば、地雷亜を演じても違和感がなさそうです。

「銀魂・地雷亜篇」で登場する地雷亜の本名や名言・元ネタとまとめましたがいかがだったでしょうか。戦乱の世で妹を失い狂気の塊となった地雷亜は、再会した愛弟子・月詠を巻き込み暴走していきます。地雷亜の暴走を食い止めるべく銀時との壮絶な死闘の末、呪縛から解放された地雷亜は月詠と和解し、心の平安を得ることができたのです。

「週刊少年ジャンプ」で2004年2号から連載がスタートした空知英秋原作の「銀魂」は、2018年42号で完結とはならず、その続きが「ジャンプGIGA」(2019WINTER・vol.1〜vol.3)で掲載されました。しかし、それでも完結とはならず、今後は「銀魂公式アプリ」で掲載されていきます。ファンの皆さんは待ちきれませんね。