ナウシカ役の声優・島本須美とジブリの関係とは？他のキャストも一覧で紹介

「風の谷のナウシカ」は、1984年3月11日に公開された宮崎駿監督による第二段の長編アニメーション映画です。数あるジブリ作品の中でも屈指の人気を集める作品「風の谷のナウシカ」のヒロインのナウシカ役を演じたのは、ベテラン声優の島本須美です。島本須美は、「風の谷のナウシカ」以外にも多くの宮崎駿監督作品のキャラクターの声優を務めています。

今回は、美しく正義感の強いヒロイン・ナウシカ役を上手く演じている人気声優の島本須美とジブリとの関係や、「風の谷のナウシカ」に出演している声優キャスト達を一覧にまとめて紹介していきます。

「風の谷のナウシカ」は、宮崎駿監督が徳間書店のアニメ情報誌「アニメージュ」1982年2月号で発表したSF・ファンタジー漫画作品です。1984年3月11日 に劇場版アニメとして公開されました。2019年には、歌舞伎化も予定されている人気作品です。

単行本の発行部数累計1,200万部を超える大人気作品となった「風の谷のナウシカ」は、海外でも翻訳して発売され、1994年には第23回日本漫画家協会賞大賞、1995年には第26回星雲賞コミック部門を受賞しています。

「風の谷のナウシカ」は、最終戦争によって科学文明が崩壊し、瘴気を生み出す腐海と巨大昆虫(蟲)が人類を脅かす異形の生態系に覆われた終末世界で、辺境の「風の谷」の族長代理を務めるヒロインであるナウシカが、人と自然の歩むべき道を求めていく姿を代記の形で描いていくストーリーとなっています。

スタジオジブリの前身、トップクラフトによって製作された「風の谷のナウシカ」は、正確に言うとジブリ作品とは言えませんが、スタジオジブリの設立のきっかけとして大きな功績を残した重要な作品として、ジブリを語る上では欠かす事の出来ない存在であると言えます。

「風の谷のナウシカ」の原作は、アメリカの漫画家リチャード・コーベンの映画「ロルフ」をベースに、日本の古典文学である「堤中納言物語」に登場する「虫愛づる姫君」をモデルにして作成されたとされています。

ヒロインのナウシカの名前は、ギリシアの叙事詩「オデュッセウス」の王女である「ナウシアカ」に由来してつけられました。作品内の人名や地名には、様々な歴史的事項や、手塚治虫や諸星大二郎などの漫画家、中尾佐助の唱えた照葉樹林文化論などが大きく影響しているとされています。

「火の7日間」である最終戦争から1000年、汚染された大地には「腐海」が広がり、「腐海」を守る巨大な昆虫である「蟲」達が生息するようになってしまいました。「腐海」から発生する猛毒の「瘴気」は、人間達を死に至らしめます。「風の谷のナウシカ」は、トルメキアと土鬼（ドルク）という敵対する二大列強国と、トルメキアの同盟国「風の谷」および、工業都市ペジテ市を舞台に描かれています。

「風の谷」の族長である病気のジルに変わり代理で国を治めているのが，ジルの娘のナウシカでした。ある日、腐海のほとりに墜落した輸送船に搭乗していた瀕死のペジテ王女ラステルは、最終戦争で使われた生物兵器である「巨神兵」を蘇らせる鍵となる「秘石」をナウシカに預けます。巨神兵を得ようと風の谷を訪れたトルメキアの第四皇女クシャナは、ナウシカと一騎打ちをすることに…。

旅の剣士ユパの仲裁で停戦し、一度は風の谷を去ったクシャナですが、土鬼との戦争のために辺境諸国に盟約を盾としての出征を迫ります。ナウシカも、五人の老従者とともにクシャナ支隊へ合流しました。乱戦の中で、腐海に不時着水してしまった風の谷の輸送グライダーを回収しようと降下したナウシカは、蟲に襲われているラステルの兄のアスベルを助けましたが、マスクが外れたまま腐海の下層部に迷い込んでしまいます。

ナウシカは、そこで腐海が汚染された世界を浄化しているという真実に気が付いたのでした。劣勢になった土鬼軍は、腐海の植物を品種改良して、蟲を死に至らせるほど強力な瘴気を吐き出す生物兵器を製作。トルメキア軍を撃退することに成功しましたが、輸送していた菌類の苗の突然変異によって収拾不能な事態を招く結果となってしまいます。

粘菌の発生を予知していた蟲たちは、粘菌に自信を吸収させることによって無毒化させることで事態を収束。しかしながら、腐海の胞子が蟲の死骸を介して広がっていき、腐海の領域をより拡大させる結果に…。土鬼の主要な国土が滅亡に向かってしまいます。奔走するナウシカは、「森の人」と呼ばれる種族に出会い、巨神兵や腐海の植物群、蟲たちが腐海の汚染を浄化する目的で作られた旧世界の技術による人工生命である事を知ります。

土鬼が復活させた巨神兵と邂逅したナウシカは、秘石を掲げ覚醒させました。人格を持つ巨神兵を、ナウシカは「オーマ」と名付けました。腐海の生態系と旧世界の関係を知ったナウシカは、作られた計画よりも自然と共に生きることを選び、「墓所」に向かい、旧文明の計画に反発して、オーマに「墓の主」を握り潰させます。これによりオーマは絶命し、ナウシカは生存することとなるのでした。

ここからは、美しくて正義感の強いヒロインであるナウシカを演じた、声優キャストの島本須美とジブリの関係について考察していきます。

「風の谷のナウシカ」でヒロインのナウシカ役を演じたのは、80年代から90年代にかけて人気を集めるベテラン声優の島本須美です。強さと優しさを兼ね備えたナウシカを演じた事が高く評価された島本須美は、その後も数々の人気作品に出演しています。

島本須美は1954年12月8日生まれの高知県出身の人気声優です。1979年2月17日放送の「エデンの園だよ!ゼンダマン」のイブ役で声優デビューを果たしています。その後もジブリを始めとした様々な人気作品に出演し、2010年頃からはプロ・フィット声優養成所の専任講師としても活動。2017年には、第11回声優アワードで高橋和枝賞を受賞されています。

1979年、世界名作劇場シリーズ「赤毛のアン」のアン役のオーディションでの島本須美の声に感銘を受けた宮崎駿監督に指名され、「ルパン三世 カリオストロの城」のヒロインのクラリス役に抜擢された島本須美。

これを皮切りに、自主的にオーディションに参加した「風の谷のナウシカ」ではナウシカ役、「となりのトトロ」の母親役や「もののけ姫」のトキ役などにも選ばれ、島本須美はジブリ作品に欠かせないお馴染みの声優となりました。

「ルパン三世 カリオストロの城」のクラリス役や「もののけ姫」のタタラ場の女衆のリダー的存在・トキ役に抜擢された島本須美。「となりのトトロ」では、当初はサツキ役のオーディションを受けていましたが、サツキとメイの母親の草壁ヤス子役として抜擢されました。「もののけ姫」では、宮崎駿監督から20回もリテイクを出されたなど、苦戦したエピソードもあります。

宮崎駿監督が声優を専業以外の俳優から起用する事にシフトチェンジした為、残念ながら「もののけ姫」以降の島本須美のジブリ出演はありません。

島本須美は、吐息のみでも自在に感情表現できる圧倒的な演技力の高さを評価されて、2017年1月9日にテレビ朝日にて放映された「人気声優200人が本気で選んだ!声優総選挙!3時間SP」で第25位に選ばれています。番組内で実際に表現力豊かな吐息の演技を披露した島本須美には、会場から多くの感嘆の声があがりました。

島本須美の夫は、お笑い芸人や俳優としても活動している7歳年下の越川大介です。越川大介は島本須美が所属していた劇団青年座の後輩として入団し、1984年に結婚しました。人気コントグループ「ちびっこギャング」として活動していた越川大介は、1994年にグループを解散した後も、「スタイリッシュ・コメディー」という新ジャンルを掲げて「D.K.HOLLYWOOD」を設立し、精力的に活動しています。

島本須美の娘である越川詩織も「D.K.HOLLYWOOD」の一員です。声優としても活動している越川詩織は、「アンパンマン」のクロワッサン姫や、シャボンダマン役を務めています。

ここからは、清楚で癒される声が評判の、島本須美が声優キャストを務めた有名キャラたちを一覧にまとめて紹介していきます。

「アンパンマン」で島本須美が演じるのは、トースター山から生まれた食パンの顔をしたキャラクターであるしょくぱんまんです。紳士的でイケメンなしょくぱんまんは、ドキンちゃんから想いを寄せられています。この頃から、ヒロイン以外の役柄の出演も増えて、島本須美の演技の幅が広がっていきました。

「名探偵コナン」で島本須美が演じるのは、主人公である工藤新一の母である工藤有希子です。新一が幼児化してしまったこと知る数少ない人の1人です。工藤有希子は、しょくぱんまんの次に担当期間が長いキャラクターです。

泉かなたは、島本須美が「らき☆すた」で演じる人気キャラクターです。泉そうじろうの妻で泉こなたの母親であり、こなたと見間違うほど瓜二つです。こなたを産んで亡くなってしまいましたが、現在でも天国から泉家を温かく見守っています。癒しの声の島本須美は、母親役に抜擢されることも多いです。

「めぞん一刻」で島本須美が演じるのはヒロインの音無響子です。音無響子は若くて美人でスタイル抜群な未亡人の管理人です。独身男性の理想のマドンナ像として当時大人気になった音無響子は、島本須美の演じるキャラの中で一番好きだというファンの声も多いです。

ここまでは、「風の谷のナウシカ」ヒロインのナウシカ役声優の島本須美が演じたキャラクターを一覧にまとめて紹介してきました。ここからは、ナウシカ役以外の注目キャラクターのキャスト達を一覧で紹介していきます。

ジルは、ナウシカの父親で、風の谷の族長です。腐海にやられて病床に伏せていたジルは、トルメキアが攻めて来た際に殺されてしまいます。そんなジル役を演じたのは2018年に亡くなられた超ベテラン声優の辻村真人です。辻村真人は、「仮面ライダー」関連作で数々の怪人を演じた際の金切り声が特徴的な声優です。声優業だけでなく、俳優やナレーターとしても活躍されていました。

大ババは、ナウシカの父親のジルが居なくなってから、実質的に村を支配しています。そんな大ババを演じるのは、低音の声質を生かした老女役が好評で、老女役の筆頭としても知られる京田尚子です。

放浪の旅をしながら伝説を追い求めている、ナウシカの師であるユパ・ミラルダ。そんなユパ役を演じるのは、「ルパン三世」の銭型警部や「宇宙戦艦ヤマト」の艦長沖田十三役などの名作アニメや洋画の吹き替えを務める大ベテラン声優の納谷悟朗です。

ミトは、ナウシカが人質に取られそうになった時について行った、老人5人衆のメンバーです。そんなミトを演じたのは、「サザエさん」の磯野波平役としてもお馴染みの声優界の重鎮、永井一郎です。永井一郎は、主に中年から老人役を演じることが多く、大きな存在感を放つ脇役の演技に定評がありました。

ミトと同じく、老人五人衆のメンバーであるゴル役を演じたのは、老人役を得意とする声優の宮内幸平です。宮内幸平は、「アルプスの少女ハイジ」のアルムおんじや「ドラゴンボール」の亀仙人役などで知られ、厳格な師父と温かみのある好々爺の両面の両方を持ち合わせた幅広い演技が魅力です。

ギックリも、老人五人衆のメンバーの一人です。ギックリ役の声優は、「ドラゴンボール」のナレーションや北の界王・バビディ役やブリーフ博士役でも知られる八奈見乗児です。八奈見乗児は「八奈見節」と呼ばれるユーモラスな演技を得意とし、コミカルな役やとぼけた役から悪役まで幅広くこなします。

声優キャスト一覧の最後は、老人五人衆のニガです。ニガを演じたのは、様々なアニメやテレビドラマで活躍する矢田稔です。タレント養成スクールや宝映テレビプロダクション付属養成所の講師を務める矢田稔は、声優としても俳優としても活躍されています。

「風の谷のナウシカ」の声優キャストたちに対する評価や感想はどうなっているのでしょうか？ここからは、声優キャスト達への評価を一覧にまとめて紹介していきます。

ナウシカ役の島本須美の声に癒されるという感想が多かったです。島本須美は、ジブリ作品以外に演じるキャラクターも、優しい声の印象が強いです。

監督や演出、声優など、「風の谷のナウシカ」に関わる全てのキャストが完璧だと絶賛する声もありました。

声優キャスト一覧を見てもわかるように、「風の谷のナウシカ」は全てのキャラクターをプロの声優だけで作り上げている為、クオリティの高い作品に仕上がっているようです。

「風の谷のナウシカ」の最後の声優一覧の際に流れる、大塚忠義モブ声に感動した人も多かったようです。

今回は、宮崎駿監督の人気作品「風の谷のナウシカ」の主人公であるナウシカ役を演じた人気声優・島本須美についてや、ベテラン声優がそろった声優キャストたちを一覧にまとめて詳しく紹介してきました。宮崎駿監督が惚れこんだ清楚で癒される声の持ち主である島本須美は、ナウシカ以外にも様々なジブリ作品で活躍されていました。

島本須美意外にも豪華ベテラン声優キャストがそろった「風の谷のナウシカ」は、日本のみならず、世界からも絶大な人気を集めていました。ジブリ作品の声優キャストとして欠かせない存在の島本須美。この機会に、島本須美の声に注目しながら人気のジブリ作品を見直ししてみてはいかがでしょうか？島本須美の今後の活躍にも目が離せません。