風の谷のナウシカ原作のあらすじ・ラスト!映画とは違う衝撃の結末と内容は?

1984年3月11日に封切された宮崎駿作品の一作、風の谷のナウシカには実は原作漫画があります。名前は映画と同じ「風の谷のナウシカ」ですが、その内容は映画とは比較にならないほどの長さと規模です。今回は、その原作漫画風の谷のナウシカと映画風の谷のナウシカをネタバレを交えてラストまで紹介しつつ、原作漫画風の谷のナウシカとのキャラクター達の違いや、さらなる宮崎駿ワールドの奥深さを紹介します。

風の谷のナウシカ原作のあらすじ・ラスト!映画とは違う衝撃の結末と内容は?のイメージ

目次

  1. 風の谷のナウシカ原作のあらすじ・ラストをネタバレ紹介!
  2. 風の谷のナウシカ原作のあらすじ・ラストをネタバレ解説!
  3. 風の谷のナウシカ原作と映画の違いをネタバレ解説!
  4. 風の谷のナウシカの衝撃的なラストが待っている原作を読んでみよう!

風の谷のナウシカ原作のあらすじ・ラストをネタバレ紹介!

映画風の谷のナウシカとは

世界的に有名な宮崎駿監督が「ルパン三世カリオストロの城」の次に、「天空の城ラピュタ」の前に作成した、上演時間116分の長編アニメーション映画です。1984年3月11日に封切りされ、配給収入は7億4000万円にも及び、日本以外に9か国で公開されました。ビデオテープの時代から、ブルーレイディスクが主流の現在でも最新の媒体で視聴できるように何度も販売されている超人気作品です。

その風の谷のナウシカには、実は原作漫画がありました。題名は映画と同じ「風の谷のナウシカ」です。しかし、全7巻にも及ぶ漫画ですが、その濃密なシナリオに、ナウシカに関わるキャラクター達の物語、そして国家間戦争の愚かさと巻き込まれる人の嘆きを描き出す、映画監督としての宮崎駿の才能と技術を惜しみなく使い表現された漫画原作は、映画を凌駕する面白さがあると称賛する声が多いです。

原作漫画風の谷のナウシカの作者は宮崎駿監督

原作漫画風の谷のナウシカの作者は映画と同じ宮崎駿監督です。風の谷のナウシカの映画を作り始めた当時は、アニメ映画は原作がなければ映画作品会議で却下される風潮にありました。そこで、アニメーション映画を作成する合間に「アニメージュ」により1982年2月号にて風の谷のナウシカの原作漫画の連載を開始し、映画制作などのため4度の中断期間を挟み、12年経過した1994年3月号にてラストまで完結しました。

「漫画として描くならアニメーションで絶対できないような作品を」と執筆を開始した原作漫画風の谷のナウシカは、すべてのコマが宮崎駿の肉筆により、繊細なタッチで描かれています。そのため、まるで綿密な絵コンテを見ているような感覚に陥ります。しかし、独特なコマ割りに、ナウシカの住む世界が蠢き、人々が生きている輝きが生き生きと描き出されています。

宮崎駿ワールドを煮詰めた原作漫画風の谷のナウシカと、宮崎駿が作り出した渾身の一作映画風の谷のナウシカのネタバレを含めたラストまでの物語を、ナウシカの軌跡をたどりつつ紹介します。

スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

風の谷のナウシカ原作のあらすじ・ラストをネタバレ解説!

映画風の谷のナウシカのあらすじ・ラストを含むネタバレ紹介

谷からの風により腐海の毒から守られた風の谷で暮らす、王妃のナウシカと風の谷の人々の静かな生活に、ある夜にペジテ市の輸送船が墜落します。ペジテの姫君と多くの避難民、そして過去に七日間で世界を焼き尽くしたと伝説が残る巨神兵の卵が眠っていたのです。さらにそれを求めて、同盟国であるトルメキア軍が襲撃してきます。

巨神兵を得ようとペジテを滅ぼしたトルメキアの第四皇女クシャナが風の谷を占拠します。そして巨神兵の卵をトルメキア本土に持ち帰るために、ナウシカと数名の従者を人質にしてクシャナ率いる本隊は風の谷を後にします。しかし空送中にペジテ市の生き残りで、墜落で死亡した王妃の兄のアスベルが襲撃し、ナウシカ達とクシャナが乗った船は腐海へと墜落します。

王蟲の導きにより同じく墜落したアスベルと共に、腐海の深淵に触れたナウシカは、腐海が毒に満たされた世界を清浄に作り変えていることを知ります。そしてアスベルの故郷で、トルメキアに滅ぼされたペジテ市へと赴きます。しかし、ペジテ市はすでに蟲たちにより崩壊していました。そこへペジテ市の生き残りの人々が現れます。トルメキア軍への復讐のために、風の谷ごと蟲達に襲わせる計画を聞いたナウシカは阻止しようとします。

紆余曲折あり、王蟲の群れが迫る風の谷へ還ったナウシカは、風の谷とクシャナ殿下に危機を知らせます。その危機を聞いて、クシャナ殿下は巨神兵の卵をふ化させて、火を使い王蟲の群れを焼き払おうとします。しかし、火では王蟲の怒りをより強くするだけでおわり、孵化が不完全だった巨神兵は、他の巨神兵と同じく骨の残骸へと崩れ落ちます。

そこへ傷ついた王蟲の幼生を連れたナウシカが現れます。己の身を犠牲にして王蟲達の怒りを覚ましますが、王蟲の攻撃を受けたナウシカは空高く舞い上げられ、倒れます。しかしナウシカの友愛に触れた王蟲達は金色に輝く触手を伸ばし、ナウシカを癒します。その光景は、伝説の救世主伝説を具現するかのようでした。ラストに巨神兵を失ったトルメキア軍は撤退し、風の谷はナウシカにより守られたのです。

以上が映画風の谷のナウシカのラストまでのネタバレあらすじでした。しかし原作漫画風の谷のナウシカにとっては、これらのネタバレあらすじは、全7巻中のたった2巻の出来事を、シンプルにわかりやすくしたのものでしかありません。ナウシカの旅路はいま始まったばかりなのです。

映画とは違うネタバレを含むあらすじ:王蟲の暴走のその後

クシャナ殿下率いるトルメキア軍は、南の宿営地を王蟲により襲われるも、ナウシカが王蟲の子を助けたことで止まります。そこで王蟲により、南方で異変が起こっていることを知ります。今回の王蟲の暴走は、自分達にはわからない何かとてつもない恐ろしいことがどこかで始まっている最初の兆しだと察します。そしてナウシカはどうしても南に行って調べなければならないと決意します。

クシャナ殿下が乗る船以外は全て全滅の憂き目にあいました。その後、作戦が漏れていたことから、トルメキア軍の南下作戦は中止し、辺境の同盟国は従軍を解かれ、クシャナ殿下たちは風の谷へと一時的に着陸します。そして、ナウシカは自らの意志でトルメキアの軍務を続けることを決意し、それを風の谷の人々へと知らせます。ここからは、原作漫画風の谷のナウシカのラストまでのネタバレを含めたあらすじを紹介します。

原作漫画ネタバレを含むあらすじ2巻:ナウシカの軌跡

ナウシカはクシャナ殿下たちと共に風の谷を旅立ち、土鬼(ドルク)の地に入ります。そして参謀のクロトワから叔父のヴ王が暗殺を画策していると知ったクシャナ殿下は、全線で戦う兄王の船を襲撃します。しかしナウシカは戦いを無視し、戦火の村へと降り立ちます。そこで、戦争で死んだのではない、まるで瘴気で死んだような死体を見ます。謎は謎のままに、村の生き残りの赤子を二人、ナウシカは助け出します。

原作漫画ネタバレを含むあらすじ3巻:人の愚かさを見る

さらに先に進むと、腐海から離れた地に瘴気と腐海ができ始めている現場を目撃します。それも猛毒の腐海の植物ばかりで、腐海の生物の蟲すらも死ぬ瘴気です。ナウシカの不安が形になって横たわっているのです。戦争で兵器利用を考えられた毒が強い瘴気が使われていることを悟り、ナウシカはクシャナ殿下の元を離れてさらに南へと飛び立ちます。

原作漫画ネタバレを含むあらすじ4巻:多くの死を目の当たりにする

ナウシカは森の中で一人の少年チククと出会います。そして彼を育てた僧侶から「皇帝たちがシュワの封印を解いたのです」と聞きます。さらに蟲達が狂う異常な瘴気を目の当たりにし、さらに土鬼の船の中で人工的に作り出された粘菌の苗を見ます。そして粘菌により土鬼の土地にいる生き物や人々も村ごと全滅しているのを、いくつも目の当たりにします。

原作漫画ネタバレを含むあらすじ5巻:南の異変の正体を知る

粘菌と王蟲が合流する場所を見下ろす丘で疲れ果てたナウシカは疲れ果てて眠ります。そこで腐海の奥深くで森と共に暮らす「森の人」と出会い、介抱されます。王蟲達が来て、ナウシカは何故人間の愚かな行為のために、蟲達が死で癒そうとしているのかを問いかけます。そして人間が愚かなことはわかっているが、それでも蟲達は行動するのだと悟り、その行為に共に殉じようとします。

原作漫画ネタバレを含むあらすじ6巻:巨神兵の母となるナウシカ

ナウシカの友愛を見た王蟲は、ともに腐海の苗床になろうとしたナウシカを助けます。眠りナウシカは、精神世界を森の人の案内で歩き、誰も入れない腐海の終わりを見ます。腐海がすべての毒を結晶にして安定させた場所では、自分たちが暮らす死にゆく大地ではなく、蘇ろうとしている世界が広がっていたのです。

ナウシカは「1000年かもっとたって、あなたがもっと広く強くなっていて、私達が亡(ほろ)びずに、もう少しかしこくなっていたら、その時こそあなたの元へやって来ます」と腐海の終わりへ別れを告げます。こうしてナウシカは眠りから目覚めます。過去に滅びた技術が再び愚かな戦争に使われ、戦地で戦いに関係ない人々や蟲達が死んでいくのを目の当たりにしてきたナウシカは、そのシュワの墓所を封印することを誓うのです。

その道の途中で巨神兵を持つ土鬼の皇兄ナムリスと対峙します。「巨神兵もヒドラたちも来た所へ帰す」と言うナウシカに、皇帝は嘲笑して言い放ちます。「お前は百年前の弟と同じだ」「巨神兵をくれてやろう。ヒドラもお供につけてやる。みんな清浄の地へとやらに連れて行くがいい。腐った土鬼の地も土民共もみんなくれてやる。全部しょってはいずりまわって世界を救ってみせろ!」と愚行が繰り返されると言い放ちます。

そこへ巨神兵が動き始めます。ナウシカが持つ秘石を差し出すと、言葉を解するようになりナウシカのことを「ママ」と呼び始めます。その近くで、皇兄ナムリスは「もう生きあきた。何をやっても墓所の主のいうとおりにしかならん。あとはあの小娘がしょっていけばいい」と皇帝の座に座ります。その体は、シュワの墓所の技術により、内臓がこぼれても生きていけるヒドラのものに変化していたのです。

原作漫画ネタバレを含むあらすじ7巻:世界の真実を知る

ナウシカは知識を持つ巨神兵にオーマ(古代エフタル語で無垢を意味します)と名付け、シュワの墓所へと向かいます。その途中で、旧世界の遺産が保管されている庭とその管理人と遭遇します。そして、土鬼の初代王が「人間を救いたい」と書き残してヒドラを連れて出た過去を聞きます。皇兄ナムリスがナウシカに放った言葉と同じことが繰り返されている。

庭の管理人は「みな自分だけは過ちをしないと信じながら、業が業を生み、悲しみが悲しみを作る輪から脱け出せない」とこの庭に残るようにナウシカを諭します。そこへ森の人が意思を飛ばしてナウシカの助けをします。その二人の問答を聞くうちに、ナウシカは自分たちが毒に耐性を持ち、しかしわずかな毒がなくては生きていけない肉体に改造された人間だということを知ります。

ナウシカは墓所を閉じるだけではなく、なぜ新たな世界に伝えるに値しないものが墓所に眠っているのか、この世界のさらなる真実を知るために、自らの足で庭を出ます。墓所へ至ったナウシカは、旧世界の人類の「世界を浄化する」計画を聞きます。しかしナウシカはそれらをすべて否定します。「私達は腐海と共に生きて来たのだ。亡びは私達のくらしのすでに一部になっている」と、オーマに墓所の破壊を命じます。

墓所から出た青い血を浴びて青い服を着て、夕日の光を浴びて金色に染まった灼けただれた大地、ナウシカはそこに帰ってきます。それらの光景を見た人々は、映画にもあった予言「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。失われし大地との絆を結び、遂に人々を青き清浄の地に導かん」と伝えられている古い物語を想起します。こうして漫画原作風の谷のナウシカはラストを迎えます。

風の谷のナウシカ原作と映画の違いをネタバレ解説!

映画で描かれなかった風の谷のナウシカ:国家間戦争

あらすじで書いた通り、ペジテ市の輸送船が墜落しますが、巨神兵の卵はありません。しかし姫君が持っていたのは、巨神兵を目覚めさせる鍵とされる秘石でした。そしてその秘石を追ってトルメキア軍がやって来ます。ナウシカが怒りに燃えて装甲兵と戦うが、辺境一の剣士ユパの仲裁によりすぐさま戦闘は中止し、クシャナ殿下率いるトルメキア兵は引き上げます。

西方に位置するトルメキアと東の大陸を納める土鬼諸侯国連合との国家間戦争が勃発するのです。ナウシカはトルメキアと同盟国であり、戦争が起これば戦線に立つことを条件に自治権を持つ小国です。ナウシカはその戦役のために飛び立つのです。原作漫画の風の谷のナウシカは、この国家間戦争を舞台にして物語が展開していくのです。

そして王蟲を使いトルメキア軍を襲撃しようとするのは、映画ではペジテ市の人々でしたが、原作漫画では土鬼に属する小さな国の一つで、かつてトルメキア軍により人々を殺された過去から、この作戦を実行するのです。しかし王蟲を操る作戦は、あらかじめクシャナ殿下率いるトルメキア軍が南下作戦をすることを知っていなければできない作戦です。そこで、映画では語られなかったもう一つの対立が浮き彫りになります。

映画で描かれなかった風の谷のナウシカ:クシャナ殿下と敵対するヴ王と兄王達

現在トルメキア王国は、ヴ王とその息子王子達によって統治されています。彼らとクシャナ殿下の関係は、クシャナ殿下の父親の弟がヴ王なのです。しかし、過去にクシャナの父親が死亡し、幼い第一王妃のクシャナ殿下は王にされず、弟のヴ王が王になったのです。つまり、正当な王の血を引くのはクシャナ殿下のみなのです。彼女の存在はヴ王とその王子にとっては、邪魔者でしかありません。
 

そこでヴ王をはじめ二人の王子は、あらすじにあった情報漏洩以外に、クシャナ殿下の飲む杯に毒を仕込み、裏切る可能性が高い辺境の地へ配属させ、自分の息がかかった参謀を送り込むなど様々な画策をしているのです。あらすじにて、トルメキア軍の南下作戦の宿営地に王蟲による襲撃ができたのは、意図的にクシャナ殿下を殺そうとしたヴ王達の策略だったのです。

映画で描かれなかった風の谷のナウシカ:蟲を使う蟲使いの存在

クシャナ殿下が率いる部隊には蟲を使い、匂いを追跡し、秘石を探す部隊が存在します。彼らは差別対象として虐げられ、腐海の奥深くで暮らしています。そして、トルメキアや土鬼に兵隊や蟲使いとして、それぞれ出向しているのです。彼らの存在がなければ、映画の風の谷のナウシカも別の展開になっていたと考えられます。そのため、映画では描かれなかっただけで、蟲使いも映画の世界の裏舞台では存在していると考えられます。

王蟲の襲撃の戦闘を導く王蟲の子供は、映画では森で捕まえたのだとされて、特に触れられませんでした。漫画ではナウシカはその事実に疑問を持ちます。「王蟲の子を捉えるなんて不可能だわ」と蟲を愛するナウシカ自身も言います。王蟲の襲撃から少しして、ユパがその秘密を探ります。ネタバレですが、蟲使いの村では、土鬼から技術提供された培養技術で、王蟲の子を作り出すことに成功していたのです。

映画で描かれなかった風の谷のナウシカ:超常の力

ナウシカの世界では、私達が超能力と呼ばれる力に目覚める者達がいます。その力は念話と呼ばれるテレパシーや、周囲の物を弾き飛ばす念動力、他人の心を読むなどなど、多岐にわたります。ナウシカも原作漫画の序盤で、その力の片鱗を見せることがありました。トルメキア軍が来た時に、蟲使いがナウシカが持つ秘石を探るために、蟲を使ってナウシカを調べるのです。その時に蟲達が一斉にナウシカから弾かれたのです。

しかし映画版ではラストまで超常的な力を使った描写や、言及されることはありませんでした。唯一近いことは、アスベルがトルメキア軍を空中で撃った時に見た、嘆くナウシカの幻影がありました。その描写のみとなっています。

映画原作漫画の違い:ラストの青き衣の者の伝承の表現方法

映画のラストでは、王蟲が出した触手が金色の光を放ち、王蟲の体液に染まったナウシカが歩きます。その光景が「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。失われし大地との絆を結び、遂に人々を青き清浄の地に導かん」と表現されました。しかし原作漫画では、ネタバレあらすじにあったように「墓所の主の体液で染まったナウシカの青い服」と「焼けただれただ大地が夕日を浴びて金色にかがやいている」という場面でした。

その他にもネタバレあらすじの中にあった伝承の意味が、森の人は青き衣の者に率いられて腐海へと入ったため、青き衣の者が「道を指し示す者」となっています。しかし土鬼では「世界を救う救世主」とされていました。

映画と原作漫画の違い:映画では破壊兵器で終わった巨神兵オーマの正体

映画では巨神兵はやって来る王蟲を撃退するためにクシャナ殿下が使った「火」を象徴するものでした。しかし、原作漫画のネタバレあらすじにあったとおり、オーマには役割がありました。旧世界が亡びようとした時に、人々はありとあらゆる混乱を納める裁定者として、神を作り上げたのです。それが巨神兵の正体です。

映画と原作漫画の違い:クシャナ殿下とクロトワ

映画ではクシャナは風の谷に攻め入る略奪者や蟲を憎む人物としての側面が強かったです。しかし原作漫画風の谷のナウシカでは、彼女は多くの兵に慕われる王としての器を持つ女性でした。彼女が指揮を取れば兵たちの目に輝きが戻るカリスマ性と、敗戦の色が濃かった場所に勝利が導く卓越した戦術的能力、敵の土鬼からは「トルメキアの白い魔女」とまで呼ばれて恐れられています。

映画では体を蟲に食われたと左腕の義手を見せる場面がありました。しかし原作のクシャナ殿下には、そのような描写は見られません。そのかわり、幼い頃に自分の母親がヴ王が盛った毒により狂わされ、母親に自分を認識してもらえない経験から心に深い傷を負っています。ラストにナウシカと旅をしたチククとクシャナが出会った時、ナウシカは彼女のことを「深く傷ついた鳥。本当は心の広い大きな翼をもつやさしい鳥」だと伝えました。

参謀のクロトワも映画ではコミカルな役割を担うことがおおかったです。しかし原作での彼は、平民出身のたたき上げの参謀で、コルベットを自在に操る腕を持つ、優秀な人物です。その能力でヴ王にクシャナ殿下のお目付け役に抜擢され、王の秘密を知るまでになっています。さらにそのことから思い上がらず、冷静に自分の立ち位置を見据え、いずれ射殺か毒殺されると判断して、クシャナ殿下の元につくことを決める知恵者です。

風の谷のナウシカ : 作品情報 - 映画.com

風の谷のナウシカの衝撃的なラストが待っている原作を読んでみよう!

ナウシカの原作漫画は非常に濃密なもので、今回の記事ではナウシカの側面のみのあらすじをネタバレ紹介してきました。ラストは映画をさらに超えて、壮大な物語の一節として完結していました。しかし、この物語にはさらに主軸となる登場人物がいます。一人は腐海の謎を追う辺境一の剣士ユパと、トルメキア王国の第四皇女クシャナの二人です。彼らの側面からの物語は、また違った魅力とにあふれています。

ユパの物語はトルメキアと土鬼の民族間の物語を、クシャナ殿下は国家間戦争と血縁者で殺し合う王族の対立をそれぞれ毛色が違う物語を見ることができます。特にクシャナ殿下のりりしさと、彼女が背負う悲しみと怒りは映画の比ではありません。是非とも、原作漫画風の谷のナウシカを読んでみてください。

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