ハガレン（鋼の錬金術師）のスカーの本名は？傷の男の強さや腕の能力を考察

2001年から月刊少年ガンガンで連載されていたハガレン（鋼の錬金術師）は最終回を迎えた現在も人気の高い作品となっています。少年から青年に向けて成長する主人公・エドとその弟・アルが自分達の体を取り戻す旅をしながら大切な事を学ぶという内容は多くの年代に共感を生む事ができました。

また、軍や戦争などという現代社会にも関わる問題を取り扱う事で読者にも様々な考えを張り巡らせる事ができる作品となっていました。その中でも戦争被害者ともいえる人物・傷の男（スカー）はその後の行動がとても意味深である事からファンの間ではどういった人物であるのかが考察されています。ここでは本名や能力などの素性が分からない傷の男（スカー）についてまとめていきます。

ハガレン（鋼の錬金術師）とは「錬金術」と呼ばれる化学とは似て非なる秘術を扱う事ができる世界が舞台となっています。主人公はそんな錬金術師達が集う軍隊に最年少で所属する事になったエドワード・エルリックとその弟アルフォンス・エルリックです。子供の頃から錬金術の際を持っていた２人ですが、ある日病気で亡くなった母を錬成してしまいます。

しかし、錬金術師の最大の禁忌とされる「人体錬成」は人ではなく、人ならざるものを作り出してしまう恐ろしいものだったのです。また、禁忌を犯した代償としてエドは左足を、アルは体全てを失う事になります。このままでは弟も失ってしまうという絶望からエドは自分の右腕を犠牲に、弟の魂を呼び戻し鎧に定着させるという奇跡を起こします。

そこから自分達の体を元に戻すための旅をするため、エドは「鋼の錬金術師」として国家錬金術師と呼ばれる軍に所属する特別な錬金術師になります。そして、自分達の体を取り戻すために様々な秘密や過去を知る事となり、やがて大きな力の渦に巻き込まれる事になります。数々の事件を解決して、エドとアルは自分達の奪われた体を取り戻すのです。

ハガレン（鋼の錬金術師）では錬金術師の他にも様々な国が登場します。国によっては肌の色や目の色、生活文化など様々な点に違いがあります。例えばエドやアルはアメストリス国出身、後半から仲間になるリン達はシン国出身です。そんな中、傷の男（スカー）はアメストリス国に住んでいますが、エドやアル達とは違い褐色の肌に赤い目が特徴的です。

実はアメストリス国には「イシュヴァールの民」と呼ばれる人種もアメストリス人と共に暮らしていました。しかし彼らには「イシュヴァラ教」という独自の宗教があり、生きとし生けるモノは自然から生まれ自然に帰るという考え方を持っています。そのため、元あるものを別のものに変える錬金術師に関してよい印象を持ち合わせていませんでした。

その事もあり、たびたびイシュヴァールの民とアメストリス軍の間で領土問題で衝突が絶えませんでした。しかし軍人も一般市民のイシュヴァールの民に国家武力を使うわけにはいかないと頭を悩ませている際に起こったのが軍将校によるイシュヴァールの少女殺害事件でした。この事件をきっかけにイシュヴァールの民の怒りが最高潮になります。

この暴動を鎮めるためにアメストリス国では国家錬金術師を筆頭とした国家武力による強制制圧が行われました。それが「イシュヴァール殲滅戦」と呼ばれるハガレン（鋼の錬金術師）の世界の中でも巨大と言われる内部戦争が引き起こされました。この時に殆どのイシュヴァールの民が命を落とす事となり、生き残った住人はアメストリス人に恨みを抱えていると言われています。傷の男（スカー）はその中でも復讐鬼と化してしまいます。

傷の男（スカー）は作中ではとても残忍な殺人鬼・復讐鬼として描かれていますが、元々傷の男（スカー）は神を信仰し人々が平和である世界を望んだ僧侶の一人でした。そのため、子供や小動物に優しいなどの一面を見る事ができます。その他にも禁欲的な場面なども見られています。

また、傷の男（スカー）は本来錬金術をよしと思っていない僧侶だった事もあり、イシュヴァール殲滅戦などは武術により家族や友人、同じ町の人間を守ろうと頑張っていました。そのため、エドやアルが体術で防戦一方だったのはそのためでした。傷の男（スカー）はイシュヴァラ教の僧侶の中でもなかなかの腕前で「アメストリス軍人10人を1人で相手取る」事ができると言われるほどです。

その他にも傷の男（スカー）には実の兄が一人います。家族は兄のみで両親などは描かれていない事から、兄と二人だけの家族という事がわかります。また、自分自身が復讐に駆り立てられている事から、相手の復讐にも肯定するシーンが描かれています。そしてこの兄こそが傷の男（スカー）の右腕の能力に深く関係している人物になります。

傷の男（スカー）は最初から錬金術を使う事はありませんでした。むしろ錬金術に対して劣等感を抱いていた人物でした。しかし傷の男（スカー）の兄には新しい文明を取り入れる事で進化する事ができると考えるグループにいたために、何度か弟である傷の男（スカー）と衝突していました。そんな兄がイシュヴァール殲滅戦で錬成陣が彫られた右腕を移植する事で傷の男（スカー）の命を救うシーンが描かれています。

この右腕の能力で破壊の錬金術が可能となった傷の男（スカー）はその能力でアメストリス人もといい国家錬金術師に復讐するという道を選ぶ事になります。こういった点から見ると「目には目を、歯には歯を」という真面目な部分も垣間見える事が出来ます。

ハガレン（鋼の錬金術師）でも重要となる傷の男（スカー）ですが、本名に疑問を感じているファンも多くいます。ここでは傷の男（スカー）の本名についてまとめていきます。

ハガレン（鋼の錬金術師）を読んでいるファンの中ではこの傷の男（スカー）についていろいろと調べている事が多いです。その中でも不明確になっているのが彼の本名です。実はこの傷の男（スカー）という名前は作中でマース・ヒューズが国家錬金術師を狙った殺人事件が多発しており、犯人の特徴からつけられた偽名となっています。

その後も数々の場面で登場する傷の男（スカー）ですが、作中の中では彼自身が「名は捨てた」と発言しているシーンが描かれています。その事もあり、作中では彼の事は最初から最後まで本名ではなく、偽名としてつけられた傷の男（スカー）と表記されています。

作中では最後まで傷の男（スカー）として描かれていましたが、何度か本名を聞かれるシーンがありました。その事もあり、ファンの中には傷の男（スカー）の詳しい設定が知りたいと考えている人も多くいます。その点について作者に傷の男（スカー）に関する質問が多く寄せられていたようですが、ハガレン（鋼の錬金術師）が最終回を迎えた今でも詳しい設定は公開されていません。

作者曰く「設定は考えているが教えない」というコメント通り、現在も傷の男（スカー）に関しての詳しい設定が不明なままとなります。最終回でも同じイシュヴァール人に名前を聞かれたりしましたが、本人が答える気がない点などを考慮した設定未公開とファンの間では考えられています。

何かと謎の多い傷の男（スカー）ですが、実は彼に秘められている能力はとても高いものとなります。ここでは彼が使用する能力について細かくまとめていきます。

まず傷の男（スカー）は類まれなる戦闘能力の高さが注目されます。元々イシュヴァラ教の武僧としてストイックな訓練を受けていた事が過去の描写で描かれていた事や「1人で一般的軍人10人分の武力に相当する」と説明されるほどの実力を持っています。

そのため、主人公のエド達と初めて戦闘になった際にも素早い動きと強烈な格闘技を披露しています。また、筋肉美を象徴するアームストロングとの戦闘でも武術を使っていたり、至近距離からの弾丸をスレスレでかわしてしまうなどの能力の高さを見せている事から武術も達人クラスであったと考察できます。

傷の男（スカー）が作中で危険視されている大きな理由がこの「破壊の右腕」にあります。実は傷の男（スカー）自身はイシュヴァラ教の僧侶という事もあり、錬金術には精通していませんでした。しかし、作中では右腕でのみ「破壊の錬金術」を使用する事が可能となっています。

エドやアルのように錬金術で「何かを錬成する」というイメージが強い錬金術ですが、実は「理解→分解→再構築」というのが錬金術の基本となります。エドやアルなどの錬金術師はこの3つの工程を行いますが、傷の男（スカー）の右腕に書かれている錬成陣にはこれの「分解」部分で強制的に止まるようにされています。

過去のシーンなどで傷の男（スカー）の兄が登場する場面を確認してみると彼は両腕に錬成陣の入れ墨を入れているようです。その事から、右腕と左腕の錬成陣が合わさる事により「理解→分解→再構築」の本来の流れが出来上がると考察されています。しかし、復讐鬼となってしまった傷の男（スカー）にとってはこの分解までの能力が最も適していたという事になります。

本作で復讐鬼として描かれている傷の男（スカー）ですが、元々は僧侶としてとても人望の厚い人であったと過去のシーンでは描かれています。ではなぜ彼が復讐に走ってしまったのか、その過去や因縁などをまとめていきます。

傷の男（スカー）がイシュヴァールの民であると説明しましたが、実は作中でも大きな戦争として描かれていた「イシュヴァール殲滅戦」での生き残りでもあります。彼はこの殲滅戦により、多くの友人や実の兄を失います。また、それだけでなく傷の男（スカー）と呼ばれる原因となった顔のバツ印の傷もこの時につけられます。

そして錬金術師ではない彼が破壊の錬金術を利用できるようになった大きな理由となる「右腕」は、この時に受け継ぐ事になります。その理由が彼がいた地区を殲滅した「ゾルフ・J・キンブリー」によって瀕死の重体になった際に自分自身の右腕を失ってしまったのです。それを見た彼の兄は自分の腕を移植する事で弟を救う事にしました。

しかしこの時点で傷の男（スカー）と同じく瀕死の重体になっていた兄はこの移殖行為により命を失います。その後目を覚ました傷の男（スカー）は混沌とした意識の中で「アメストリス人」「錬金術師」に深く強い恨みを抱いてしまい、その後復讐を誓い自分自身を助けてくれたアメストリス人の医師を殺害してしまうのです。

錬金術師を敵と考えていた傷の男（スカー）ですが、自分が殺してしまった夫婦の娘と会ってから自分の中にある復讐という概念に揺るぎが見えてきました。そんな時に自分の家族や友人達を殺害されたイシュヴァール殲滅戦を巻き起こした元凶がキング・ブラッドレイやその背後にあるホムンクルスだった事を傷の男（スカー）は知る事になります。

そのため傷の男（スカー）にとっては最も復讐心を向けるべき相手がキング・ブラッドレイという事になります。真実を知った傷の男（スカー）はホムンクルス達と戦う事を決意します。また、この時「お父様」と呼ばれるもののために展開された「血の錬金術」によって錬金術師が錬金術を使用できなくなる中、右腕の錬金術だけでなく、体術にも長けているのが傷の男（スカー）です。

他の錬金術師達は肝心の錬金術が使用できませんでしたが、実は傷の男（スカー）の右腕の錬成陣は「錬金術」ではなく「練丹術」と呼ばれるシン国で使われている技術がモチーフとなっている事が判明します。そのため、体術に加えて破壊の錬金術も使える事から血の錬金術を解除するためにキング・ブラッドレイと戦う事になります。

キング・ブラッドレイは「憤怒」のホムンクルスで、ウロボロスの入れ墨が入っている目で「すべてを見切る」力を持っています。また、見切った瞬間に攻撃ができるほどの高い戦闘能力を持っている事からホムンクルスの一人でもあったグリードも勝つ事ができませんでした。しかし、傷の男（スカー）はブラッドレイの身体能力に対抗する事が出来ます。

傷の男（スカー）の破壊の錬金術はブラッドレイにも有効な攻撃手段となっていたので、本作では距離を取りながら戦闘を行っていました。そのため、傷の男（スカー）が不利だと考えられていましたが、傷の男（スカー）は兄が左腕に入れていた再構築の錬成陣を再現していました。この事で破壊と再構築の通常の錬金術師と同じ流れを作り出すことが出来ました。

その事によりブラッドレイを倒す兆しを得た傷の男（スカー）は、自分自身も傷を負いながらも宿敵を倒す事ができました。また、その後生き残っていたイシュヴァール人達の協力を得て、「血の錬金術」を上書きする事に成功し、エド達錬金術師が錬金術を使用できる状態を作り上げてくれました。この事がハガレン（鋼の錬金術師）では重要なシーンとなります。

作中では後半から大きく活躍を見せてくれた傷の男（スカー）ですが、実は主人公の幼馴染であるウィンリィと深く関係があります。それは傷の男（スカー）が助かったイシュヴァール殲滅戦の終盤で起こった事件です。強い復讐心だけを糧に目を覚ました傷の男（スカー）は目につく「アメストリス人」を軍人一般人関係なしに殺してしまいました。その中には彼を助けてくれたアメストリス人医師夫妻もいました。

実はこのアメストリス人医師夫妻こそが、ウィンリィの両親だったのです。ウィンリィや祖母であるピナコには戦死という連絡がされていましたが、真実は自分達の手で助け出したイシュヴァール人により命を落とすという結果になりました。その真実を知ったエドやアルは何とかウィンリィが傷の男（スカー）に接触する事を回避しようとします。しかしウィンリィは傷の男（スカー）と遭遇し、またこの時に真実を知ります。

この事から傷の男（スカー）は自分への復讐心を向けてくる事は悪ではないと肯定します。事実自分自身が復習のために多くの人を殺害している事からその怒りや復讐心が自分自身に向く事も理解していたようです。しかしその時に銃を向けていたウィンリィに対して「その引き金を引けば敵とみなす」という言葉を発しています。

ハガレン（鋼の錬金術師）では様々なキャラクターが様々な名言を残しています。傷の男（スカー）もその中の一人で多くの名言を残しています。ここではその名言をまとめていきます。

このセリフは傷の男（スカー）がウィンリィに対して放った言葉になります。文面だけを見るととてもきつい言い方のように感じますが、これはウィンリィが人を傷つける人間になってしまえば自分と同じようになるという意味が込められているのではないかと考察するファンは多くいます。

このセリフは本来は僧侶として復讐を止めなくてはいけない立場にいた傷の男（スカー）が、復讐鬼と化してしまったために止める資格がないと伝えているシーンになります。この事から自分に銃口を向けたウィンリィに対しても復讐を肯定する事を伝えています。

このセリフはヒューズを殺害したのがホムンクルスである事を知って激高したロイ・マスタングに対して傷の男（スカー）が放った言葉になります。自分自身が復讐に身を投じたために多くのモノを失っている事からこのままでは自分と同じ末路を辿るであろうと伝えたセリフになります。この事からロイの側近であるリザはロイより先にホムンクルスを倒す覚悟を決めます。

最終回を迎えたにも関わらず人気の高いハガレン（鋼の錬金術師）は、たくさんの感想や評価を確認する事が出来ます。その中には傷の男（スカー）に関するものも多くあります。ここではそういった感想をまとめていきますのでチェックしてみてください。

傷の男（スカー）に関する感想の中にはやはり明かされていない本名についての疑問点もあります。また、傷の男（スカー）以外にも実兄も本名が明らかにされていません。その事から作者に対して傷の男（スカー）の詳しい設定を希望しているファンの声もまだ多くいます。

ハガレン（鋼の錬金術師）は最終回を迎えても人気が高いために様々なゲームでコラボされています。そのコラボの中には傷の男（スカー）VSキング・ブラッドレイの戦いを演出しようとするファンも多くいます。また、その演出をSNSで感想と共に載せるファンも多いのでいまだにハガレン（鋼の錬金術師）が愛されているのがわかります。

傷の男（スカー）に関する感想の中には、やはりウィンリィとの対面が多くあげられています。自分自身がウィンリィの両親を殺してしまった事から自分に向けられる復讐を否定する事はありませんでした。

しかし、甘んじて受ける事は考えていないようでウィンリィが引き金を引けば敵とみなすと伝えました。この時にエドがウィンリィに伝えた言葉も傷の男（スカー）の名セリフと共に人気があります。

ここではハガレン（鋼の錬金術師）でも人気度の高い傷の男（スカー）の本名や素性についてまとめてみましたがいかがだったでしょうか。ハガレン（鋼の錬金術師）が最終回を迎えている現在でも本名などの不明点が多い傷の男（スカー）ですが、それでも多くのファンがいる事がわかります。また、作品内でも名言を多く残しています。

主人公やハガレン（鋼の錬金術師）に登場する重要なキャラとも関係性が強くある傷の男（スカー）だからこそ、最終回を迎えた今でも多くのファンを生み出していると考えられます。また、原作とアニメでは設定にわずかな違いなどもあるようですので、その点も踏まえてアニメ版ハガレン（鋼の錬金術師）も楽しんでみるといいかもしれません。