【チ。-地球の運動について-】ラファウは生きてる?最終回に出てきた人物を考察

漫画「チ。」のラファウは、第1章の主人公であり、地動説の美しさに魅了された12歳の少年です。1巻にて死亡したものの、最終回では青年となって登場しました。ラファウの再登場とも言われ、生きてるとの考察されるも、果たして青年の正体はラファウ本人なのでしょうか。本文では、「チ。-地球の運動について-」のラファウの死亡シーンや生きてると言われた理由、最終回に出てきた青年の正体などを考察しました。

【チ。-地球の運動について-】ラファウは生きてる?最終回に出てきた人物を考察のイメージ

目次

  1. チ。-地球の運動について-のラファウとは?
  2. チ。-地球の運動について-のラファウは死亡した?
  3. チ。-地球の運動について-のラファウは生きてる?最終回で登場?
  4. チ。-地球の運動について-のラファウの生い立ち
  5. チ。-地球の運動について-のラファウの性格
  6. チ。-地球の運動について-の最終回はひどい?
  7. チ。-地球の運動について-のラファウに関する感想や評価
  8. チ。-地球の運動について-のラファウまとめ

チ。-地球の運動について-のラファウとは?

「チ。-地球の運動について-」のラファウの紹介・イメージ画像

「チ。」の主人公であり、己の信念を貫くために命を絶ったラファウ。しかし、最終回では青年となって再登場しており、ラファウが生きてると考察されました。名前や外見も似ている2人のラファウは、果たして同一人物なのでしょうか。以下では、「チ。-地球の運動について-」のラファウの死亡や生きてる説を考察しました。その他、最終回での再登場や、ラファウの性格などもまとめました。

チ。-地球の運動について-の作品情報

魚豊先生の漫画「チ。-地球の運動について-」は、2020年~2022年にかけて「ビックコミックスピリッツ」にて連載された作品です。単行本は全8巻で構成され、国内累計発行部数は2022年6月時点で250万部を突破しました。

チ。-地球の運動について-の概要

15世紀のヨーロッパを舞台に、地動説の研究に人生を捧げた人々の生き様を描いた「チ。-地球の運動について-」。物語はフィクションですが、史実を思わせる壮大な世界観や圧倒的なストーリーが注目されました。また、漫画界からも高く評価され、第26回手塚治虫文化賞・マンガ大賞をはじめ数多くの賞を受賞しています。

チ。-地球の運動について-のあらすじ

15世紀のヨーロッパ・P王国では、C教の教義に反する思想に対する弾圧が行われ、地動説の研究もその対象に含まれていました。地動説を唱える者は異端者とみなされ、逮捕された者は拷問の末、処刑されました。しかし、人々は危険を冒しながら地動説の研究を続けており、ラファウ少年も魅了されます。そして、ラファウと地動説の出会いが、後の時代の研究者の運命も変えていきます。

ラファウのプロフィール

漫画「チ。-地球の運動について-」の第1章の主人公で、神父のポツトキの養子、12歳で大学進学を認められた神童です。養父の職業から、大学では当然のように神学の専攻を考えていました。しかし、父の知り合いのフベルトとの出会いをきっかけに、地動説に目覚めます。物事を合理的に考え、それらを美しいと感じるラファウ。地動説も彼には美しい理論に思え、極秘で研究を始めました。

ラファウのモデル

ラファウのモデルを考察・イメージ画像

漫画「チ。」の始まりの人物といえるラファウですが、彼のモデルとなった人物はいるのでしょうか。作者・魚豊先生へのインタビューから、ラファウには特定のモデルはいないことが判明しています。一方、ラファウというキャラクターは、魚豊先生が考える「器用な人」を具現化した存在とも言えます。物事を合理的に考えるラファウ。自身の将来も、いわゆる「勝ち組」として生きることを目指していました。

合理的な生き方を良しとし、そのような生き方にしか希望を見いだすことができなかったラファウ。しかし、地動説との出会いは、本当にやりたいと思える欲求を刺激しました。計算を捨ててまで地動説の研究に打ち込むラファウの姿からは、彼の人生が始まったようにも思えるでしょう。

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チ。-地球の運動について-のラファウは死亡した?

ラファウが死亡した経緯をネタバレ考察・イメージ画像

「チ。」の物語全体の主人公だと思われていたラファウでしたが、わずか1巻で死亡する想定外の結末を迎えました。危険と知りながらも、地動説の美しさに魅了されてしまったラファウ。異端者として逮捕されても、彼は自分の信念を曲げることなく、最後まで貫き通しました。以下では、漫画「チ。-地球の運動について-」のラファウが死亡した経緯についてネタバレ紹介します。その他、ラファウの死亡後に起きた出来事もまとめました。

ラファウは1巻にて自殺?

大学への進学が認められたラファウ・イメージ画像

神父の養子として引き取られ、神童と言われて育ったラファウ。わずか12歳で大学への進学が決まった彼は、合理的との理由から専攻は神学と考えていました。そんなある日、養父・ポツトキに頼まれて、城に収監されていたフベルトの迎えに行きます。フベルトは、C教の教えに反する地動説の研究者であり、異端者として捕まっていました。

異端者として捕まった者には、壮絶な最期が待っていたものの、地動説の研究を捨てるなど改心を示せば解放されました。フベルトも異端尋問官の前で改心したことで自由の身となったものの、それは表面的なことでした。実際は全く改心しておらず、知人の家に身を寄せてから地動説の研究を再開します。研究に携わることは死亡を意味するにも関わらず、それを覚悟で研究に打ち込むフベルト。

また、身柄の引き取りに来たラファウが天文学に詳しいと知ると、彼に目を付けます。一方のラファウは、天文学の研究にそれほど熱心ではありませんでした。フベルトに脅される形で、地動説の研究を手伝わされる羽目に遭います。しかし、この出来事がラファウの考えを大きく変えました。C教では、地球が宇宙の中心であり、地球の周りを惑星が回っている「天動説」を掲げ、人々はその思想を信じて疑いませんでした。

しかし、星の動きを説明するには、天動説では複雑になりすぎる欠点があります。そこで浮上したのが「地動説」であり、天動説では複雑だった星の動きが合理的になります。物事を合理的に考えるラファウにとって、美しさも感じる魅力的な定義だったでしょう。地動説の合理的な美しさに惹かれ、ラファウも地動説の研究に打ち込むようになります。

天文学の研究を始めたラファウ・イメージ画像

そんなある日、ラファウの研究が異端尋問官に知られ、ノヴァクが訪れます。C教の教えに反する者は、例え子供であろうと異端者とみなされます。ラファウに危機的状況が訪れる中、フベルトが庇いに出ました。研究は自分1人でやったと言い、ラファウを守ろうとするフベルト。自身の死を悟り、ラファウにネックレスを託しました。そして、異端者として火あぶりの刑に処されました。

一方、残されたラファウは、形見のネックレスに描かれた3つの点の意味について考え、フベルトとの会話からある山を示していると気が付きます。その場所には、フベルトの研究資料とラファウに宛てた手紙が入った箱がありました。手紙には、地動説の証明は自分の力では不可能だったことや、研究資料を燃やすようにとの内容が書かれていました。故人の遺言に従って一度は資料に火をつけたものの、すぐさま消化します。

これまでのラファウであれば、資料を燃やすことが合理的な行動でした。しかし、今のラファウは、理屈よりも自分の直感を信じたいと思います。そして、フベルトの意思を受け継ぎ、地動説の証明に向けた研究を始めました。その後、隠れながら研究を続けてきたラファウでしたが、ある人物に密告されて研究がばれてしまいます。ある朝、目覚めると異端尋問官のノヴァクが目の前に立っていました。

ラファウを密告した人物は、養父のポツトキであり、彼もまた地動説の研究者と判明します。実は、過去に逮捕された経歴があり、2度目の逮捕では死刑が確定してしまいます。これらを脅しにノヴァクに迫られたポツトキには、養子を庇うだけの勇気がありません。己の保身のためにラファウを売る行動に出てしまい、現在に至りました。

ノヴァクに逮捕され、異端尋問所に収監されたラファウ。明日には裁判が予定され、そこで改心を宣言して、研究資料の在処を教えれば釈放すると言い渡されます。ノヴァクの言う通りにすれば無傷で自由の身になれるし、大学にも通えます。しかし、ラファウの考えは変わることはありませんでした。翌日の裁判でも堂々と地動説を信じることを宣言します。

改心を宣言しなかったラファウは拷問にかけられることとなり、その前夜、ノヴァクが訪ねてきます。彼の忠告を無視した理由について、かつて味わった地動説の感動を自分の命に代えて生き残らせるためだと言いました。そして、拷問前夜にふるまわれるワインに毒を混ぜ、ワインをあおって死亡しました。しかし、ラファウの意思は次の主人公に引き継がれ、地動説の証明を完成させます。

ラファウの遺体は焼かれた?

ラファウの遺体を焼く・イメージ画像

自らの信念を貫くため、毒を入れたワインをあおったラファウ。彼の遺体は、ノヴァクの命令によって焼かれました。しかし、遺体の身元は本当にラファウだったのか、顔が見えないように描かれたためラファウではない可能性も浮上しています。12歳で大学進学を認められたラファウならば、何とか知恵を絞って逃げ延びることは可能でしょう。しかし、ノヴァクの目をごまかすことはできるでしょうか。

異端尋問官として、ストーリー全体に関わるノヴァクは、地動説の研究者の死を見届ける役目を担っています。ヴァクの性格から、遺体の身元がラファウ本人だと確認したうえで火をつけ、燃え尽きるまで見届けるでしょう。仮に遺体がラファウではないと知れば、血眼になって彼の行方を探しだすため、ラファウの死亡は確実と考えられます。

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チ。-地球の運動について-のラファウは生きてる?最終回で登場?

ラファウが生きてる説を考察・イメージ画像

1巻で壮絶な最期を迎えたラファウでしたが、最終回では彼にそっくりな同名の青年が登場しました。瓜二つの容姿から生きてるとも言われたラファウ。再登場したとも考えられたものの、彼はすでに死亡しています。果たして1巻のラファウは生きてるのか、再登場と言われた青年とはどのような関係でしょうか。以下では、漫画「チ。」のラファウは生きてる説や再登場説が浮上した、最終回での登場シーンを考察しました。

ラファウが最終回で再登場?

1巻で自ら命を絶ち、遺体も焼かれて灰になったラファウでしたが、最終回で再登場したとも噂されています。再登場時には立派な青年へと成長し、アルベルト少年の家庭教師として雇われたラファウ。1巻の主人公と瓜二つなキャラから、2人は同一人物とも考えられました。果たして、最終回で再登場したラファウは何者なのか、1巻のラファウ少年との関係も気になるでしょう。

最終回に出てきた人物はラファウではない?

最終回で再登場したと言われたラファウですが、彼の正体は1巻のラファウ少年とは別人説が有力視されています。「チ。」は、ラファウが死亡して約35年の出来事が展開され、もし、ラファウが生きてる場合、彼の年齢は47歳になるでしょう。一方、再登場と噂されたラファウは青年であり、年齢があわない矛盾が生じます。実年齢より若く見えると想定しても、無理があるでしょう。

また、ラファウの死亡はノヴァクが見届けており、彼の命令で遺体は焼かれているため蘇生も不可能です。そのため、2人のラファウは別人であり、青年になったラファウの再登場ではないと考えられます。では、2人のラファウはどのような関係にあるでしょうか。まず、2人が登場した世界線を元に考察すると、前者は15世紀のP王国、後者は1468年のポーランド王国と説明され、2人がいた世界は別々であることが示唆されています。

最終章で登場したラファウのイメージ画像

つまり、後者の世界線は、ラファウ少年からドゥラカまでの世界線のパラレルワールドに位置付けられると考えられます。このような考察から、青年ラファウの正体は、前の世界線とは別の運命を辿ったもう1人のラファウともいえるでしょう。しかし、青年ラファウは、地動説の美しさに魅入られた少年ラファウとは、別人のように描かれています。

どこまでも真理を追究していくラファウ青年は、己の欲望を満たすためなら人を殺めることも厭いません。その結果、アルベルトの父親を殺害し、人の道を踏み外しました。真理を追い求めた者が必ずしも正義ではない、身を滅ぼすことを表現しているでしょう。

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チ。-地球の運動について-のラファウの生い立ち

ラファウの生い立ちを考察・イメージ画像

最終回にて瓜二つの青年が登場し、生きてる説や再登場説がささやかれたラファウ。作中では、優れた頭脳から神童と呼ばれ、彼の両親の正体も気になるでしょう。一方、ラファウの過去は本人のセリフからも明かされておらず、多くが謎めいています。果たして、彼はどのような出自を秘めていたのでしょうか。以下では、「チ。-地球の運動について-」からラファウの生い立ちや、ポツトキの養子になった経緯を考察しました。

ラファウは元々孤児だった?

養子に入る前は孤児だったラファウ・イメージ画像

神父のポツトキの養子として迎え入れられ、神童ともてはやされたラファウ。しかし、彼がどのような幼少期を送ってきたのかは分かりません。唯一分かっていることは、元々孤児だったところを養子として引き取られたことでした。孤児だった過去は、ラファウ自身のセリフから説明されているため間違いはないでしょう。

ラファウの本当の両親や養子になった経緯は不明?

ラファウの両親や養子になった経緯を調査・イメージ画像

孤児から神父の養子となったラファウでしたが、彼の両親や孤児になった理由、ポツトキの養子になった経緯などは一切明かされていません。一方、ポツトキに引き取られた事実から、彼とラファウの父親は知り合いだった可能性もあります。もしかしたら、共に地動説の研究を行っていた仲間だったとも考えられます。

ラファウの父親が地動説の思想者だった場合、異端尋問官に捕まり、拷問や処刑で命を落としたと想定できるでしょう。一方で、病気や不慮の事故が原因で両親が亡くなった可能性も否定できません。赤ん坊の頃に両親を失い、引き取り先もなく孤児となったラファウ。教会の前に捨てられていたところをポツトキに拾われ、養子として育てられたとも考えられます。

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チ。-地球の運動について-のラファウの性格

ラファウの性格を考察・イメージ画像

最終回で生きてる説や再登場説が登場したラファウは、作中でも人気のあるキャラクターです。わずか12歳で、己の信念のために死亡したラファウの最後は大きな衝撃を与える展開となりました。果たして、ラファウとはどのような人物・キャラクターだったのでしょうか。以下では、漫画「チ。-地球の運動について-」のラファウの性格について、地動説に出会う前と出会った後の2つの視点から考察しました。

ラファウの地動説と出会う前の性格

12歳で大学へ進学するほど、非常に頭の良いラファウ。周囲からは神童とたたえられ、聡明で謙虚な人柄で尊を集めるも、これらは表向きの顔でした。実際は、利発ゆえに計算高く、自分の思い通りに動いてくれる世界をチョロイとも考えています。また、ラファウの人柄を説明するうえで、「合理的」というワードは外せません。

合理的に生きることを信条とし、合理的な事象に美しさを見いだすラファウ。大学での専攻も、合理的との理由から神学を考えていました。このまま通りに生きていれば、ラファウには勝ち組としての人生が待っていたでしょう。しかし、フベルトと地動説との出会いが、彼の人生を大きく変えていきました。

ラファウの地動説と出会った後の性格

フベルトに脅されるまま地動説の研究に入ったラファウ。C教の天動説を信じる彼は、地動説自体が愚かで理解できないものと捉え、興味がわきませんでした。しかし、フベルトの研究を通じて、地動説の合理性を発見します。それはラファウにとって美しいものであり、彼の根本的な考え方にも影響を与えました。これまでは自身の感情は無視してきたラファウでしたが、地動説への興味だけは押さえることができません。

合理的よりも直感を信じたいと思えた瞬間、ラファウの人間性も大きく変わりました。地動説に関わることは死亡を意味するも、死の恐怖よりも地動説に対する興味が勝ります。一度は燃やそうとした研究資料を保管し、フベルトの意思を引き継ぐ決意を固めたラファウ。彼の形見であるネックレスを堂々とつける姿からは、死を恐れないラファウの情熱を感じさせるでしょう。

地動説を思わせるネックレスやポツトキの密告により、ラファウは異端者として逮捕されるも、地動説への情熱は失せることはありませんでした。最後は自ら毒をあおって死亡したものの、それは地動説の美しさを生き残らせるための、彼なりの手段でもありました。

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チ。-地球の運動について-の最終回はひどい?

「チ。」の最終回をネタバレ紹介・イメージ画像

読者の予想を上回る展開で締めくくられた漫画「チ。」でしたが、突然すぎる場面転換に多くの読者が戸惑いを覚えたでしょう。また、最終回では、成長したラファウも登場しています。一部では生きてる説がささやかれ、ラファウの再登場とも言われるも、青年は別人と判明しています。以下では、漫画「チ。-地球の運動について-」の最終回のあらすじネタバレや、賛否両論が飛び交った理由などを考察を交えながら紹介します。

チ。-地球の運動について-の最終回のあらすじ

漫画「チ。」の物語は、ラファウからオクジーとバデーニ、ヨレンタ、そして遊牧民のドゥラカへと繋がります。ノヴァクの弾圧に屈し、命を落としながらも地動説の研究に人生を捧げた彼らの奮闘は、ドゥラカによって報われました。遊牧民に生まれ、天才的な商才に恵まれていたドゥラカ。ある日、異端解放戦線が集めていた本を発見したことが、彼女の運命を一変させます。

地動説の本は、C教ではタブーとされていたものの、娯楽として売れば問題はないだろうと考えます。また、地動説の本はかなり刺激的な内容なので、出版に成功すれば大金を稼げる見込みもありました。一方、異端解放戦線のリーダー・ヨレンタも、地動説の本を大量に出版して世間に広めることで、C教に打撃を与えようと考えていました。そして、両者の目的の一致から、ドゥラカも異端解放戦線に加入します。

教会でアントニと対面するドゥラカ・イメージ画像

その後、何とか出版にこぎつけた一行でしたが、あと一歩のところで裏切りが発生しました。窮地に陥る中、一行はドゥラカの考えに未来を託し、彼女をある場所に向かわせます。そこは教会であり、司教のアントニに本の儲け話を持ち込みます。以前、廃村で出会い、ドゥラカの聡明さに惹かれていたアントニ。最初は、刺激的な娯楽として地動説の本を売り出すことに躊躇します。

しかし、ドゥラカの説得を聞き、C教の弾圧について疑問を覚えます。歴史上、地動説への弾圧は例がなく、近年になってP王国で始まったものでした。もちろん、周辺諸国でも地動説を異端とみなし、弾圧する動きはありません。考えた末、アントニはドゥラカの提案に乗ることに決め、地動説の本の出版が認められました。一方、ドゥラカを追いかけるノヴァクは、受け入れることが出来ずにいました。

自身の勘違いだと気がつくノヴァク・イメージ画像

地動説を異端と考え、異端者の弾圧に人生を捧げてきたノヴァク。しかし、何を根拠に地動説を異端と考えていたのか、肝心なところは分からずじまいでした。つまり、地動説の研究者に対する弾圧は、ノヴァクの勘違いと判明します。そして、教会には異端者として弾圧された人々の記録は残されていません。それは地動説が「悪」という概念すら存在しなかったことを意味します。

一体、自分は何のために人生を捧げてきたのだろうと絶望的になるノヴァク。全てを悟った彼は、教会のまわりにお酒をばらまき、火をつける準備もしていました。2人を地動説主義者の容疑で始末するべく、アントニを刺しました。その後、ドゥラカと差し違いになるも、彼女は辛うじて教会を脱出します。一方、残されたノヴァクは、かつて自分が処刑したラファウの幻影をみます。

ラファウを皮切りに地動説主義者を次々と死に追いやったノヴァクは、自分は物語の悪役だったと評します。しかし、ラファウの考えは違っていました。同じ思想を持つよりも、同じ時代に生まれたことが奇跡だと話すラファウ。そして、どんなに憎んでも、同じ時代を作った仲間だと励まします。己の信念のために12歳の少年を死に追いやった出来事は、ノヴァクの心の痛みとなっていました。

そして、心の痛みに気づくことができていれば、娘・ヨレンタは死ななかったと懺悔します。一方、火の手が回った教会は今にも崩れそうになり、ノヴァクは最後に自分がすべきことをします。異端解放戦線の女ボスの正体が娘だときがついたノヴァク。娘が天国に行けるように最後のお祈りをし、息を引き取りました。

ヨレンタが天国に行けるように祈りを捧げる・イメージ画像

その頃、ドゥラカは身体に鞭をうち、ヨレンタから託された手紙を伝書場鳩につなげて飛ばしました。自分の命が尽きるのを悟ったドゥラカ。太陽が昇る瞬間の美しさに感動し、力尽きました。

チ。-地球の運動について-の最終回は賛否両論?

登場人物全員が死亡する異例の結末を迎えた「チ。」の漫画。もし、このまま物語を終えれば感動のラストになったでしょう。しかし、物語はまだ続きます。舞台は15世紀のP王国から1468年のポーランド王国に移り、アルベルト青年の視点で展開されます。パン屋で働くアルベルトは、天体観測が好きな聡明な青年でした。しかし、過去の出来事から探求心を悪と考えるようになります。

少年時代、ラファウと名乗る青年が家庭教師としてやってきました。彼もまた、天体観測が好きであり、知的好奇心が旺盛でした。しかし、ラファウの好奇心はやがて悲劇を生む結果となり、その原因を作ったのが地動説でした。アルベルトの父親もまた、探求心に富んだ人物であり、知的好奇心は疑うことを信条としています。底知れない探求心は、取返しのつかないことを生み出すと考えていたアルベルトの父親。

ラファウに襲われるアルベルトの父親・イメージ画像

反対にラファウは、好奇心は信じることをモットーにしていました。地動説の研究はまだ一般的ではなく、家族に危険が及ぶとの考えから、父親は研究資料を燃やそうとします。しかし、知への探求に歯止めが利かなくなったラファウと口論になり、彼に殺されました。知を巡る醜い争いは少年だったアルベルトの脳裏に焼き付き、大学進学にも乗り気ではありませんでした。

しかし、教会の告解室の神父との対話が、アルベルトの知への考えを変えさせます。その後、大学へ進学を果たした彼は、数学と自然科学の教授として教鞭をとりました。彼の教え子の中にはコペルニクスがおり、彼によって地動説が唱えられました。最終章で突然、世界線が変更された「チ。」の漫画。フィクションと史実をつなげるための演出と捉えられるでしょう。

最終回について賛否両論が飛び交う・イメージ画像

しかし、読者の中には想定外の出来事に混乱した方も多く、最終回に関する評価は賛否両論となっています。その中には、ラファウの再登場を思わせた家庭教師の青年も含まれています。1巻で死亡が確定したラファウでしたが、最終章の世界線では生きてるシナリオでした。しかし、殺人を犯した青年ラファウのその後は分からず、殺人罪で罰せられたでしょう。

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チ。-地球の運動について-のラファウに関する感想や評価

「チ。-地球の運動について-」のラファウに関する感想や評価・イメージ画像

最終章に登場したアルベルトの家庭教師は、成長したラファウの再登場を彷彿させました。ラファウが生きてると喜びも束の間、彼は少年ラファウとは別人のように描かれています。このような描写からも、2人のラファウは別人であり、ラファウが生きてる説は否定的な見方が有力でしょう。以下では、「チ。-地球の運動について-」のラファウに関する感想や評価を紹介します。

感想1:表紙のラファウがかっこいい

奇抜なタイトルとアストロラーベで観測するラファウの姿が目を引く「チ。」の漫画。物語を知らない方がみれば、彼は何をしているのかと想像を掻き立てるでしょう。また、ラファウの首の後ろから天上に向かって伸びたロープも気になります。一方、SNSでは、観測するラファウのポーズがかっこいいとの感想もみられ、ジャンプのキャラクターのようだと評されています。

感想2:青年ラファウは別人と考察

瓜二つの容姿と同じ名前から生きてるとも考えられたラファウ。しかし、最終章はパラレルワールドのため少年ラファウとは別人と考えられ、ラファウの再登場にはなりませんでした。一方、ノヴァクがいなければ、ラファウも最終章の青年のように成長していたという意見も見られます。また、最終章に出てきたラファウは同じルートを辿ったもう1人のラファウと捉えられ、少年ラファウとは別人だと考えられています。

感想3:最終章のラファウにショック

アルベルトの視点から物語が進行する最終章では、ラファウに瓜二つの青年が登場し、ラファウが生きてるとも考えられました。後に、青年は別人だった説が濃厚となるも、成長したラファウの再登場は、ファンにとって嬉しいサプライズになったでしょう。しかし、青年ラファウは、あくまで少年ラファウとは別人であり、青年ラファウの悪役ぶりを見て悲しくなったとの感想も見られます。

感想4:ラファウは転生した?

最終章に登場した青年ラファウの正体について、パラレルワールドに存在する別人との見方が有力視される中、SNSでは転生説も見られます。ラファウ青年が少年ラファウの転生後の姿であれば、2人が非常に似ている点に納得がいきます。前の世界線ではわずか12歳で死亡したラファウ。しかし、もう1つの世界線では青年に成長しており、ラファウが生きてると感じられるシーンとなったでしょう。

感想5:ラファウが殉教した意味が分からない

地動説の感動を生き残らせるために自らの死を選んだラファウでしたが、読者の中には彼の考えを理解できないとの声も見られます。現代では、殉教という概念すら古いとの考えが広まっており、ラファウの死についても賛否両論が飛び交っています。SNSでは、ラファウの死は殉教ではなく、知性と人生から逃げ出したと捉ええる意見もみられます。このように、ラファウの死は、読者にとって捉え方が変わるでしょう。

感想6:ラファウの名言に胸が熱くなった

異端尋問官のノヴァクのその後の人生に大きな影響を与えたラファウ。これまでに多くの人間を異端者として弾圧してきたノヴァクでしたが、その中で特に印象に残ったいたのがラファウでした。ラファウの言葉はノヴァクに衝撃を与えつづけ、死んでから35年が経過しても、彼の記憶に留まり続けました。ラファウのセリフはノヴァクからも「強い」と称され、読者の胸を熱くさせる名シーンにもなっています。

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チ。-地球の運動について-のラファウまとめ

「チ。-地球の運動について-」のラファウまとめ・イメージ画像

漫画「チ。-地球の運動について-」のラファウのプロフィールや死亡した経緯、生きてる説が浮上した最終回の青年との関係などをネタバレ考察しました。地動説との出会いはラファウの考えだけでなく、運命も大きく変えました。己の信念を貫くべく、死亡することを選んだラファウ。しかし、彼の思いは次の主人公へ引き継がれました。そして、ラファウの地動説の感動は彼らの手で生きのこらせることができたでしょう。

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