【チ。-地球の運動について-】ヨレンタはノヴァクの娘!処刑を逃れたその後は?

地動説に魅せられた市井の人々が命懸けで信念を貫いていく「チ。-地球の運動について-」で、異端審問官ノヴァクの娘ヨレンタが登場しています。「チ。-地球の運動について-」の舞台となる中世は、現代と比べ女性の立場が非常に弱かったのにも関わらず、ヨレンタがどのようにして地動説に関わり、なぜ異端者の嫌疑がかけられたのかをまとめながら、処刑を逃れた彼女のその後から死亡するまでの経緯をネタバレしていきます。

【チ。-地球の運動について-】ヨレンタはノヴァクの娘!処刑を逃れたその後は?のイメージ

目次

  1. チ。-地球の運動について-のヨレンタはノヴァクの娘
  2. チ。-地球の運動について-のヨレンタは死亡?その後は?
  3. チ。-地球の運動について-のヨレンタの人間関係
  4. チ。-地球の運動について-のヨレンタに関する感想や評価
  5. チ。-地球の運動について-のヨレンタまとめ

チ。-地球の運動について-のヨレンタはノヴァクの娘

チ。-地球の運動について-の作品情報

史実に基づいたフィクション漫画は数多くありますが、そんな中で「チ。」はどちらかと言えばフィクション要素が強いようです。最終巻で「チ。」はフィクションから、私たちが知っている史実に落とし込んでいるネタバレになっているようです。

チ。-地球の運動について-の概要

マッドハウス制作によるアニメ化が決定している魚豊氏原作の漫画「チ。」は、連載がスタートした翌年の2021年から連載が終了する2022年にかけて、「マンガ大賞」「次にくるマンガ大賞」「このマンガがすごい!」「全国書店員が選んだおすすめコミック」などでベストテンにランクインするだけでなく、手塚治虫文化賞のマンガ大賞に選ばれた面白さ折り紙付きの大ヒット漫画です。

チ。-地球の運動について-のあらすじ

15世紀前半のヨーロッパ。「P王国」は混沌とする世の中を「C教」という宗教で成立させていたようです。国家の根幹を成す「C教」の教義に反すれば、異端者として拷問や火あぶりの刑が待っていましたが、一部の人々の間では「C教」の教えに反する地動説が広まっていました。そんな彼らは、命に代えても地動説を後世に伝えようと戦い続けていました。

ヨレンタのプロフィール

「チ。」3巻から登場するノヴァクの娘ヨレンタは、ラファウが死亡した10年後に登場しています。ヨレンタは14歳という年齢にも拘わらず、理数系分野に類まれなる才能を発揮しているリゲジョでした。ヨレンタの類まれなる才能は、当時の男尊女卑が色濃い時代に埋もれてしまうはずでしたが、宇宙論の大家ピャストに評価されたことで、彼女は彼の施設で雑用係として働くようになります。

ピャストに才能を認められたとはいえ、男性社会でのヨレンタの仕事は雑用係止まりでした。それでもヨレンタは、キャリアアップするために論文を作成するものの、先輩名義で論文を横取りされてしまう憂き目にあってしまいます。そんな状況に絶望しながらも、溢れる知的好奇心を抑えられないヨレンタは、密かに研究内容を盗み聞きしたり、バデーニが出題した難問を解いたりするなど実に涙ぐましい努力をしていたようです。

ヨレンタとノヴァクの関係

超絶ハードモード過ぎる「チ。」の中で、ノヴァクとヨレンタの父娘関係は微笑ましいと言えるかもしれません。ヨレンタを心配するノヴァクの姿は紛れもない父親の姿ですが、彼は異端者を容赦なく処刑する異端審問官でした。ノヴァクは「P王国」のために、残虐非道な異端審問官であることをヨレンタに隠し続けながら、普段は娘を大切に思っている優しい父親であり続けているようです。

ノヴァクのもう一つの姿を知らないヨレンタは、ピャストの施設で才能が十分に発揮されない現状に不満を持ちつつも、父親の前では普通の娘でいられるようです。そんなヨレンタは、幼い頃に父親がプレゼントしてくれた手袋を大切に使っているのでした。

Thumb【チ。-地球の運動について-】あらすじをネタバレ解説!漫画の魅力や感想・評価も | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]

チ。-地球の運動について-のヨレンタは死亡?その後は?

ネタバレ①ヨレンタは処刑を逃れる

「チ。」の4巻でノヴァクが異端審問官とは知らないヨレンタが、父親にオクジーとバデーニを紹介してしまったことで、「チ。」の5巻では二人は異端者として処刑されてしまいます。ヨレンタは地動説研究に直接関わっていなかったものの、二人と一緒に居たことで異端者の有無を問う審問が待っていました。彼女は酷い拷問を耐え、なんとか審問を乗り切ろうとしていたようです。

ところがノヴァクを敵視する司教の差し金で、ヨレンタの処刑が決定してしまいますが、処刑前にノヴァクが世話をしていた新人のひとりの手引きにより逃亡します。ヨレンタを助けた新人が拷問されたその後、娘が死んでしまったとノヴァクに見せつけたい司教によって、身代わりとして火あぶりにされてしまいます。司教はノヴァクに娘が異端者として処刑されたと嘘を言い、その証拠としてヨレンタの手袋を渡したようです。

②ヨレンタはその後父との再会も叶わず死亡?

その後ヨレンタは、25年後となる「チ。」の6巻のラストで異端解放戦線の組織長として再登場しています。異端審問官たちに見つかる前に、ヨレンタは地動説について書かれた本の製作を仲間に託します。仲間が移動したのを確認した後、ヨレンタは追ってきた異端審問官たちの中に父親がいるとは知らずに、自分が異端解放戦線の組織長と言い自爆してしまいます。

異端審問官としてその場にいたノヴァクは、組織長が娘だったとは知らなかったのですが、吹き飛んできた手の残骸に何かを感じていたようでした。ノヴァクも異端解放戦線メンバーを追い詰めた際に死亡するのですが、死の間際に彼は、そのまま持っていた手の残骸が娘の手袋にぴったり合ったことで、組織長が娘だったと悟ります。後悔の念が押し寄せるノヴァクは、娘が天国で安らかに眠っていると願いながら亡くなっていくのでした。

ネタバレ③ヨレンタの死亡理由は自死?

地動説を知ってしまったことでヨレンタも、オクジーとバデーニと同じく死亡してしまいます。しかし、ヨレンタ死亡のネタバレは、火あぶりや絞首刑ではなく、当時の最新技術であった爆薬を使用して自爆となっているようです。

史実をヒントにしたフィクションとされる「チ。」で、ヨレンタたちの生活基盤と考えられるC教とは、キリスト教だと考えられます。「チ。」で描かれているC教がキリスト教と推定すると、当時の感覚では自死は神に背く行為と言えるかもしれません。しかし、彼女にとってはC教の教えよりも、地動説布教が最重要任務だったのです。

Thumb「チ。-地球の運動について-」の感想は面白い?評価やおすすめポイントをネタバレ | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]

チ。-地球の運動について-のヨレンタの人間関係

ヨレンタとオクジーとバデーニとの関係

「チ。」の2巻から登場している地動説解明に行き詰った元代闘士オクジーと修道士バデーニは、「チ。」の3巻で知的交友を目的とした街の掲示板に難問を記した紙を掲示します。二人はその問題を解いた者が、地動説解明の手助けをしてくれると考えたようです。その問題を解いたのは、才能を持て余しているヨレンタだと分かり二人は驚くのですが、彼らは性別や身分を越え、天文学を志す同志として共鳴したようです。


ヨレンタはオクジーとバデーニに、天動説の完成に人生を捧げている自分の上司であるピャストを紹介します。ヨレンタはピャストの研究資料が、地動説解明に役立つと考えたからです。ピャストはオクジーとバデーニにより天動説の矛盾を受け入れ、彼らに研究資料の閲覧を許可します。その後、バデーニにより地動説が完成したことで三人は集まるのですが、そこへヨレンタの父親が現れたことで思わぬ悲劇が起こることとなります。

ヨレンタとコルベの関係

ピャストにスカウトされ彼の施設で働くヨレンタは、男性社会であるために才能が認められず悶々とした日々を送っていますが、先輩のコルベだけは彼女を差別せず才能を認めているようです。そんなコルベの姿は見せかけで、彼はヨレンタの才能を利用して出世しようと目論んでいたのです。ヨレンタはコルベに薦められるがまま論文を書くのですが、その論文はピャストにも褒められる程のレベルに達していたのです。

しかし、自分の論文がコルベ名義で提出されていたことを知り、ヨレンタは愕然とします。自分の論文を盗んだと抗議するヨレンタにコルベは怒りを見せることなく、研究者らしくヨレンタの取り巻く社会構造と、女性が知識を持ってしまうことの危険性を語りながら言葉巧みに彼女を言いくるめてしまいます。自分を騙したコルベに怒りながらも、無力なヨレンタは何も言い返すことができなかったのです。

チ。-地球の運動について-のヨレンタに関する感想や評価

ヨレンタも「チ。」の5巻で、処刑されると思っていましたが運よく逃亡に成功しています。その後のヨレンタは、どうなっているかと思われた読者も多かったことでしょう。まさか25年の月日を経て、異端解放戦線の組織長になっているというネタバレだったとは誰も想像しなかったことでしょう。

「チ。」の時代背景を考えると、ヨレンタは現代に生まれていれば思う存分勉強ができたことでしょう。しかし、ヨレンタがなりたがっていた研究職は、今も昔もシビアな競争があるようです。それでもヨレンタは、競争とか関係なく我が道を進んでいくことでしょう。

「チ。」でキャラクターたちが発する数々の名言は、読者のハートを揺さぶっていますが、ヨレンタが言った「文字はまるで奇跡」は、名言の宝庫「チ。」の中でダントツかもしれません。

チ。-地球の運動について-のヨレンタまとめ

「チ。-地球の運動について-」の天才少女ヨレンタは、知を追求するためにC教と男性社会の狭間で必死にもがいていたようですが、地動説完成を目指しているオクジーとバデーニと出会ったことで、知を追求することに希望が持てたようです。その矢先、異端者の嫌疑がかけられたヨレンタは逃亡し消息不明となります。

25年後、ヨレンタはオクジーとバデーニの意志を引き継き、異端解放戦線の組織長となっていました。地動説布教を模索し続けていたヨレンタは、その意思を仲間に託し異端審問官たちの前で自ら爆死してしまいます。そこには父親ノヴァクがいたのですが、父娘は互いがいるとは知らないまま永遠の別れとなるネタバレとなっています。

関連するまとめ

新着一覧

最近公開されたまとめ