【紅の豚】あらすじ・結末や感想をネタバレ解説!ポルコはなぜ豚になった?

スタジオジブリ制作の「紅の豚」は、イタリア・アドリア海を舞台に、真っ赤な飛行艇を相棒に空を飛び回るポルコ・ロッソ(紅の豚)と人々の交流を描いた、大ヒットアニメ映画です。本文では、「紅の豚」のあらすじネタバレ解説や、結末ラストのあらすじネタバレ解説、なぜポルコは豚になったのか、作品の謎の考察や、登場人物・キャラ、アニメ声優、「紅の豚」に関する感想などを、あらすじネタバレ解説しました。

【紅の豚】あらすじ・結末や感想をネタバレ解説!ポルコはなぜ豚になった?のイメージ

目次

  1. 紅の豚とは?
  2. 紅の豚の映画あらすじ・結末とラストをネタバレ解説
  3. 紅の豚のポルコはなぜ豚になった?謎を考察
  4. 紅の豚の声優一覧
  5. 紅の豚の登場人物・キャラ一覧
  6. 紅の豚の名言や名セリフ
  7. 紅の豚に関する感想や評価
  8. 紅の豚のあらすじまとめ

紅の豚とは?

「紅の豚」のイメージ画像

異国情緒あふれる世界観や、異色の主人公が話題を呼んだ「紅の豚」は、大二次世界大戦前夜のイタリアを舞台とした飛行艇乗り・ポルコ・ロッソの物語です。以下では「紅の豚」のあらすじネタバレ解説や結末ラストのネタバレ解説、ポルコはなぜ豚になったのか、ジーナの賭けの結果など劇中の謎の考察、「紅の豚」に関する感想や評価をあらすじネタバレ解説しました。

紅の豚の概要

アニメーション映画「紅の豚」は、1992年に公開されたスタジオジブリ作品で、「モデルグラフィックス」にて連載された漫画「飛行艇時代」を原作にして制作されました。「紅の豚」は、当初は、日本航空・国際線の機内上映作品として制作されるも、長編作品となったため劇場公開となり、前作「魔女の宅急便」を上回る興行収入・47.6億円を記録し、国内1位となりました。

紅の豚の舞台や時代背景

「紅の豚」は、第二次世界大戦直前のイタリア・アドリア海を舞台とし、西暦1929年頃と言われています。当時のイタリアは、第一次世界大戦での戦勝国としてもてはやされたものの、1922年に起きたローマ進軍によりムッソリー二のファシスト党が政治の実権を握り、世界恐慌の影響がイタリア経済にも広がりつつありました。

紅の豚の主題歌

「紅の豚」の主題歌は、劇中歌でも使用された「さくらんぼの実る頃」、エンディング曲「時には昔の話を」で、2曲共にマダム・ジーナ役の加藤登紀子さんが歌いました。ジブリシリーズ初の試みとなる、ヒロイン役による主題歌の歌唱は後の作品にも引き継がれたものの、OP・ED主題歌の両方を兼任した声優は、加藤さん1人だけです。

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紅の豚の映画あらすじ・結末とラストをネタバレ解説

紅の豚の映画あらすじ・結末とラストをネタバレ解説・イメージ画像

真っ赤な飛行艇を相棒にアドリア海の上空を自由に飛ぶポルコの姿は、誰もが一度は憧れる光景であり、ポルコの生き様を表現しているでしょう。以下では、アドリア海の美しい風景や、ポルコの生き様がかっこいいとの感想が寄せられた「紅の豚」の映画あらすじや、結末ラストのあらすじをネタバレ解説しました。

あらすじネタバレ①「紅の豚」と呼ばれるポルコ

時代は世界恐慌が起きた1929年代、イタリアではムッソリーニによるファシスト政権が勢力を拡大し、イタリアにも次の戦争に向けた不穏な空気が漂っていました。世界情勢が不安定の一途を辿る中、アドリア海の小島では赤い飛行艇と共に、1人の退役軍人がひっそりと暮らしていました。その男は、かつてイタリア空軍のエースパイロットであり、その外見からポルコ・ロッソ(紅い豚)と呼ばれていました。

空賊を狙った賞金稼ぎとして活動するポルコは、その日もマンマユート団を相手に人質の子供たちの救助に成功するも、ポルコの手柄を快く思わない空賊連合は、アメリカから来たパイロット傭兵・カーチスを雇います。マンマユートとの一件を受け、空賊連合とカーチスはマダム・ジーナが営むお店で会合を開き、カーチスは彼らがめの敵とするポルコと対面します。

その後も、空賊連合はあらゆる手を使ってポルコを挑発するも、ポルコは彼らを無視し、飛行艇の修理のためにミラノへ向かうことにしました。しかし、単独でポルコを追いに来たカーチスとの一騎打ちに巻き込まれ、戦いの最中にエンジントラブルを起こし、近くの小島に不時着しました。一時は、ポルコの死亡も心配されるも、後に生存が確認され、船や汽車を乗り継ぎながらミラノを目指します。

あらすじネタバレ②フィオとの出会い

カーチスとの一騎打ちで大破した愛機・サボイアS.21試作戦闘飛行艇は、ミラノにある飛行艇の整備工場・ピッコロ社に運ばれ、修理を依頼します。ピッコロ社の主人はポルコの昔馴染みであり、飛行艇の再設計には、彼の孫娘・フィオが担います。はじめは、17歳の少女という理由から難色を示していたポルコでしたが、彼女が徹夜で書き上げた設定図に感心し、飛行艇の修理を託すことを決意します。

不景気の波はピッコロ社にも影響を与え、男性陣が出稼ぎに出てしまっているため、工場は親戚の女性たちで稼働することになったものの、フィオ達の奮闘によりサボイアの修理は完成します。その頃、ファシスト政権への非協力的な態度から、ポルコは秘密警察などに追われており、サボイアのテスト飛行を待たずに、フィオを乗せてミラノを旅立ちました。

途中、ホテル・アドリアーノへ向かい、ジーナとカーチスに無事を知らせた後、アドリア海にある小島のアジトへ到着します。戻ってくるのを待ち構えていた空賊連合に絡まれ、一時はサボイアを壊されそうになるも、フィオの一喝により事態は収まったと思いきや、今度はカーチスが目の前に現れ、ポルコは修理代の肩代わりを、カーチスはフィオとの結婚をかけて再戦を約束します。

あらすじネタバレ③ポルコとカーチスの最終決戦

カーチスとの再戦前夜、一時的に人間の顔に戻ったポルコは、フィオにせがまれ昔話をします。内容は、第一次世界大戦の最中、空軍パイロットとして従事していたポルコは、激しい戦いにより意識が朦朧とする中、雲の上に到達し、頭上を一直線に飛ぶ飛行艇の列を目の当たりにします。その中には、ジーナと結婚したばかりの戦友・ベルリー二もおり、ポルコの飛行艇はやがて雲の下へ降り、現実世界に引き戻されました。

そして、カーチスとの再戦会場には、空賊連合の他、マフィア等の見物客が来ており、緊迫した空気が漂う中、運命の再戦が始まります。ポルコは、アドリア海のエースと呼ばれる所以となった「捻り込み」と呼ばれる空中技でカーチスを追い込み、最後は彼の機体を撃墜させて勝負を付ける予定でしたが、肝心な時に弾詰まりが起きてしまい、とどめを刺すことが出来ませんでした。

一方のカーチスの機体は弾切れとなってしまい、空中では決着がつかないと見た2人は地上に降り、殴り合いで勝負を決めることにしました。お互いに顔をボコボコにしながら戦い続けるも、ついに力尽きて倒れ込んでしまいます。しかし、遅れて会場入りしたジーナの一言を受け、海中から起き上がったポルコが、この勝負を制します。

ジーナから空軍がやってくることを聞かされた見物客は次々と会場を後にしていく中、フィオはジーナに託されることになり、別れ際、フィオはポルコにキスします。風で飛ばされたフィオの帽子を拾い、フィオを乗せた飛行艇を見守るポルコでしたが、カーチスに顔が変わったことを指摘されます。

あらすじネタバレ④その後

数年後、フィオは祖父が営むピッコロ社を引き継いでおり、ポルコとの縁でジーナとも親しい友人となり、夏の休暇はホテル・アドリアーノで過ごすようになっていました。ホテルには、かつてポルコと戦った空賊たちも訪れており、穏やかな日々を過ごしていました。また、アメリカに帰国したカーチスは、映画俳優として活躍し、大統領になるための布石を固めていました。

一方、ポルコとはあの日に別れて以来、フィオとの再会することはなかったものの、愛機・サボイアと共に空を飛び続けており、ジーナの賭けの結果も、フィオとジーナの秘密ということにされました。

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紅の豚のポルコはなぜ豚になった?謎を考察

「紅の豚」の謎を考察・イメージ画像

飛行艇に人生を捧げる男たちの誇り高さや、美しい女性との淡いロマンスが魅力的な「紅の豚」には、多くの謎が秘められており、ポルコはなぜ豚になったのか、変身したのがなぜ豚だったのか、様々な考察が飛び交っています。以下では、「紅の豚」から、ポルコはなぜ豚になったのか、劇中の謎について、あらすじネタバレ解説を交えながら考察しました。

考察①ポルコが豚になった理由

「紅の豚」の主人公・ポルコがなぜ豚になったのか、その理由は劇中で明かされませんでした。一方、ジーナの「魔法を解く」というセリフから、ポルコは自らに魔法をかけて豚になったと推測されています。しかし、なぜ、ポルコは豚になる必要があったのか、その理由はポルコの過去にあると考えられます。

第一次世界大戦に参戦したイタリアは戦勝国となったものの、この戦いにパイロットとして従事したポルコは、戦友であり、ジーナの最初の夫であるベルリー二を戦死という形で失いました。また、第一次大戦は犠牲者の多さからもっとも悲惨な戦いとも言われ、良い人間が次々と死んでいく中で、自分だけが生き残ってしまったことへの罪悪感が、ポルコを豚に変身させたでしょう。

ポルコはなぜ豚になったのか、それは、戦争という名目で殺戮を繰り返す人間への絶望や、自らもパイロットとして人の命を奪ってしまったことへの苦しみから、人間であることをやめるという意味で、豚になったと考察されるでしょう。

考察②ポルコのモデルは宮崎駿監督自身?

宮崎監督は、自画像に豚を描くことや、大のミリタニーマニアであり、かつ現実世界での戦争に対して否定的な考えを持っていることから、ポルコ・ロッソのモデルは、宮崎監督自身と推測されています。ポルコ自身も、戦友を何人も失ってきた経緯から戦争には反対しており、命の奪うことはしないというスタンスを貫いています。

また、「紅の豚」のエンドロールは、飛行機の黎明期を描いており、なぜか登場人物全員が豚で表現されています。その理由は、黎明期にはキラキラして見えても、現実では資本や国家に飲みこまれてしまうとの考えや、戦争に勝つための武器ではなく、純粋に飛行艇を愛する存在として豚が用いられ、戦争という醜い・汚いものを生み出す人間との差別化を図るためと考えられるでしょう。

考察③ドナルド・カーチスの元ネタ

映画の結末ラストでアメリカに帰国したカーチスは、人生の最終目標・大統領になるための布石として映画俳優に転身し、西部劇で主演を演じました。主演映画のポスターのデザインは、レーガン元大統領の主演映画のポスターを彷彿させ、カーチスの元ネタは、映画俳優から大統領となったロナルド・レーガンではと推測されます。

「紅の豚」のあらすじ結末ラストでは、まだ大統領になっていないことが言及されたものの、かつてのレーガン元大統領を彷彿させる活躍は、カーチスがアメリカ大統領になることを示唆しているでしょう。

考察④ポルコは人間に戻る

「紅の豚」では、ポルコが人間に戻るシーンが確認でき、アジトに泊まり込むフィオがふと目を覚ました時に、人間に戻ったポルコの姿が一瞬描かれるも、フィオが声をかけると同時に、豚の顔に戻ってしまいます。また、フィオとのキスを交わした後、カーチスに顔を指摘されたことから、このシーンでもポルコが人間に戻ったと推測されるも、顔が意図的に伏せられているため、真相は不明です。

なぜ、彼は豚になったのかという疑問が浮かぶと同時に、なぜ、フィオとのシーンで人間の姿に戻れたのか、「紅の豚」の最大の謎として数多くの考察が飛び交っています。

考察⑤ポルコの魔法を解く方法

一瞬ではあったものの、豚から人間に戻れることが判明したポルコでしたが、人間の顔に戻ったシーンや、ジーナが魔法を解く方法を探していることから、何かしらの条件を満たすことで人間に戻れると推測されます。その条件とは、ポルコと他者との繋がりの深さや距離感が縮まることであり、それは、フィオに語った戦争体験や、あらすじ結末ラストのフィオとのキスに隠されていると考えられます。

「紅の豚」の結末ラストは、ポルコが人間に戻ったことを示唆するような場面で締めくくられるも、宮崎駿監督のインタビューから、ポルコは再び豚に戻ることが示唆されています。また、ポルコは、自分の意思で人間に戻るとも発言しており、あらすじ結末ラスト時点では、ポルコの呪いは完全に解かれていないと推測されます。

ポルコにかけられた魔法を解く方法とは何か、彼の戦争体験や人間に戻ったシーンから考察すると、心から人を愛し、その人と向かうことが出来た時に、魔法が解かれるでしょう。そして、ポルコが心から愛する女性と言えばマダム・ジーナであり、彼女との関係の進展が、ポルコの魔法を解く鍵となるでしょう。

考察⑥飛行艇乗りの描き方

「紅の豚」の飛行艇乗りは、悪党でありながらどこか憎めないキャラばかりであり、時には悪役らしからぬ一面も見せるなど、物語全体を通じて肯定的に描かれており、それらは、空賊連合を相手に啖呵を切るフィオのセリフからもみることができます。ポルコや空賊たち飛行艇乗りは、宮崎駿監督の憧れを反映させたキャラと呼べ、映画のあらすじラストでは、老齢にさしかかった彼らがジーナのホテルでつくろぐシーンが描かれています。

考察⑦ジーナが歌う挿入歌の意味

ホテル・アドリアーノのシーンにてジーナが歌った挿入歌は、フランス語のシャンソン「さくらんぼの実る頃」で、この曲は映画冒頭のポルコのアジトのシーンでも、ラジオを通じて流されています。「紅の豚」を通じて知った方も多い「さくらんぼの実る頃」は、1866年にパリ・コミューンの一員だった銅工職人・クレマンが作曲、テノール歌手が作曲して発表されるも、当初は、さくらんぼの実る頃の儚い恋を歌ったものでした。

「さくらんぼの実る頃」のイメージ画像

その後、フランスでは1871年に樹立されたパリ・コミューンと、自治政府に反対する第三共和政との戦いで多くのパリ市民が犠牲となり、彼らの死を悼むと同時に、新政府への批判をこめてパリ市民の間で「さくらんぼの実る頃」が歌われました。また、この戦いの犠牲者には、看護婦だったクレマンの恋人も含まれ、恋人の死を悼み、4番目の歌詞が付け加えられ、現在の形になりました。

かつては、さくらんぼの季節のように儚い恋を歌ったこの曲は、やがて戦争や争いの悲惨さ、大切な人を失った悲しさを歌う曲となり、劇中では、戦争によって夫を失ったジーナの想いを表現しているでしょう。

考察⑧ジーナの賭けの結果

ジーナの賭けとは、昼間にホテルの私庭へポルコが訪ねてきたら、今度こそ彼を愛することでした。しかし、ポルコはいつも夜の営業にした訪れたことはなく、昼間に訪ねてきたと思いきや、降りることなくどこかへ去ってしまうなど、ジーナの賭けは負けてばかりでした。その後、ジーナの賭けの結果は、フィオとの秘密とされるも、実はジーナは賭けに勝ったことが示唆されています。

そのシーンはエンディングで確認でき、ホテル・アドリアーノの庭の近くに、赤い飛行艇が停泊しているコマが一瞬だけ登場しています。

考察⑨ジーナとの結婚が示唆される?

ジーナが賭けに勝ったことは、ポルコとの結婚も予想されるものの、本編では2人の関係がその後どうなっかたは描かれませんでした。しかし、宮崎駿監督へのインタビューから、ポルコとジーナは最終的に結ばれることが言及されています。また、劇中では、ポルコとジーナの結婚を示唆する描写もあり、イタリア空軍時代にポルコが乗っていた機体の番号は「4」となっています。

一方、ジーナの最初の夫で、ポルコの戦友でもあったベルリー二の飛行艇の番号は「1」であり、これはジーナの1番目の夫ということを示す伏線となっています。また、ジーナの2番目・3番目の夫も共に飛行艇乗りだったことが判明しており、ポルコの機体番号「4」は、ジーナの4番目の夫になることを表しているでしょう。

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紅の豚の声優一覧

紅の豚の声優一覧・イメージ画像

「紅の豚」と言えば、ネタバレ解説のようにストーリーの面白さや、ポルコはなぜ豚になったのか等の考察ポイントの多さだけでなく、キャラ達の声も人気に拍車をかけています。以下では、「紅の豚」の声優キャストのプロフィールなどを、ネタバレ解説しました。

ポルコ・ロッソ役/森山周一郎

渋い声質がかっこいいポルコ・ロッソの声優・森山周一郎さんは、1934年生まれ、愛知県出身の俳優・声優・ナレーターで、2021年2月8日に86歳で逝去されました。俳優業のかたわら声優業にも携わり、吹き替えの草創期から活躍しました。ポルコ役への起用は、海外ドラマ「刑事コジャック」のテリー・サバラス役の吹き替えが決め手と言われ、渋くてかっこいいポルコのイメージを植え付けました。

フィオ・ピッコロ役/岡村明美

フィオ・ピッコロ役の声優・岡村明美さんは、1969年生まれ、東京都出身の声優で、「紅の豚」のフィオ役は、岡村さんのデビュー作となりました。アニメ「ワンピース」のナミ役で広く知られる声優・岡村明美さんの主な出演作品は、アニメ「ロミオと青い空」ビアンカ役、「ふたりはプリキュア Splash Star」フープ役、「ポケモン ダイヤモンド&パール」サターン役等です。

マダム・ジーナ役/加藤登紀子

劇中歌「さくらんぼの実る頃」での美声が注目されたマダム・ジーナの声優・加藤登紀子さんは、1943年生まれのシンガーソングライターで、1966年に歌手デビューを果たしました。「知床情緒」や「百万本のバラ」などのヒット作を生み出しました。映画「紅の豚」では、主題歌及び劇中歌を担当しました。

ドナルド・カーチス役/大塚明夫

ポルコのライバル・ドナルド・カーチスの声優・大塚明夫さんは、1959年東京都出身の声優で、海外作品の吹き替えを中心に活躍し、スティーブン・セガールやニコラス・ケイジ等の担当声優として知られています。アニメ作品では、「ブラックジャック」や「ルパン三世」の次元大介役、ジブリ作品へは、「ハウルの動く城」で国王役を演じました。

マンマユート・ボス役/上條恒彦

どこか憎めないキャラが人気を集めるマンマユート・ボス役の上條恒彦さんは、1940年生まれ、長野県出身の声優・俳優です。ジブリ作品への出演回数が多く、「もののけ姫」のゴンザ役や、「千と千尋の神隠し」の父役にて独特の存在感を放っています。

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紅の豚の登場人物・キャラ一覧

紅の豚の登場人物・キャラ一覧の紹介・イメージ画像

以下では、個性的な飛行艇乗りの登場や、ポルコと女性キャラのロマンスが注目された、「紅の豚」の登場人物・キャラを、あらすじを交えながらネタバレ解説しました。

ポルコ・ロッソ

元イタリア空軍のエースパイロットであり、第一次世界大戦後に退役、現在は賞金稼ぎとして生活しています。豚の顔と赤く塗られた飛行艇から、イタリア語で赤い豚を意味する「ポルコ・ロッソ」と呼ばれるも、本名はマルコ・パゴットで、ジーナ等の昔馴染からはマルコと呼ばれています。戦争ではないとの理由から殺しはしない主義で、空賊に対しても相手の飛行艇を撃墜する程度に留めています。

愛機は、サボイアS.21試作戦闘飛行艇で、1920年代に1台だけ試作されたものの、離着水の難しさから軍用機として採用されず、倉庫で保管されていたものをポルコが購入したものです。後に、胴体は赤く塗装され、垂直尾翼には出身地・ジェノバ市の市章が描かれました。

フィオ・ピッコロ

ポルコが愛機の修理に持ち込んだピッコロ社の飛行機設定技師で、ピッコロのおやじの孫娘です。父親は元空軍パイロットで、ポルコと同じ部隊に所属しており、彼からポルコの活躍を聞いていました。アメリカでの修行経験があり、17歳でありながらサボイアの再設計を任されるなど、才能あふれる技師です。映画結末ラストで、ピッコロ社を継いだことが明かされました。

マダム・ジーナ

「ホテル・アドリアーノ」の女性経営者であり、ポルコを本名で呼ぶ昔馴染みです。「アドリア海の飛行艇乗りはみんなジーナに一度は恋をする」と評された美女で、空賊たちを虜にするものの、私生活では飛行艇乗りだった夫3人を戦争で亡くしています。ポルコに想いを寄せており、彼が人間に戻る方法を模索する一方で、昼間にポルコが訪ねてきたら今度こそ彼を愛するという賭けをしています。

ドナルド・カーチス

対ポルコ戦のために空賊連合に雇われた用心棒で、アメリカ・アリゾナの出身、イタリアは彼の祖母の故郷です。愛機はカーチス R3C-0非公然水上戦闘機で、ポルコからもパイロットの腕を認められるも、非常に惚れっぽく、美女に弱い面が玉にキズでしょう。アメリカ大統領になることを人生の最終目標とし、イタリアでの用心棒や、結末ラストでの映画俳優としての活動は、大統領になるための布石と考えています。

マンマユート・ボス

「紅の豚」の序盤に登場した空賊・マンマユート団のボスで、団員と共に飛行帽・ゴーグル姿が特徴です。マンマユートは、イタリア語で「ママ助けて団」と直訳されます。荒っぽい性格であるものの、女子供に対しては優しさをみせ、義理人情にあふれた振舞いが部下たちに慕われています。また、ポルコの空軍パイロット時代を知る数少ない人物です。

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紅の豚の名言や名セリフ

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なぜ、ポルコは豚になったのか、ジーナの賭けの結果など、観る者の想像を働かせるストーリー展開が人気を呼んだ「紅の豚」は、かっこいい名言の登場もファンを虜にしています。以下では、「紅の豚」の名言や名セリフを、あらすじを交えながらネタバレ解説します。

名言①「飛ばねえ豚は…」

映画「紅の豚」を象徴するポルコ・ロッソの名言であり、ポルコの飛行艇乗りとしての誇りが感じられる名セリフです。カーチスとの戦いに敗れ、愛機と共に海に墜落したポルコでしたが、辛うじて愛機と共に一命を取り留め、自分が無事であることと、飛行艇の修理のためにミラノへ向かうことを知らせるべく、ジーナに電話をかけます。

心配のあまり電話越しに怒るジーナに対して、ポルコは懲りることなく、これからも飛行艇に乗り続けることを言い放ち、電話を切られてしまいます。ポルコにとって飛行艇に乗ることは、自分の人生そのものだとも解釈できるセリフでしょう。

飛ばねえ豚は ただの豚だ

名言②「飛行艇乗りは…」

「紅の豚」の2つ目の名言は、電話越しにカーチスへの伝言を頼んできたポルコに対する怒りを顕わにする、マダム・ジーナの名セリフです。カーチスとの一件を受け、ポルコの行方を探しに出ようとした矢先、ポルコが無事だったとの一報を聞いて安堵したもの束の間、ポルコの話を聞いて呆れかえったジーナは、思わず大声を張り上げてしまいます。

いくら心配しても あんたたち飛行艇乗りは女を桟橋の金具くらいにしか考えてないんでしょう

名言③「仲間外れを…」

「紅の豚」の3つ目の名言は、空賊でありながら、子供たちへの優しさを忘れない、人間味あふれるマンマユート・ボスの名セリフです。映画冒頭にて、身代金目的で遊覧飛行を狙ったマンマユート団は、幼い子供たちを人質に取るも、仲間はずれを作ってはかわいそうだとの理由から、1人残らず自分たちの飛行艇に乗せます。

しかし、やんちゃざかりの子供たちは、怖がるどころか飛行艇に興味深々で、機内でも好き勝手に動き回り、大人たちを困らせてしまいます。それでも、団員たちは子供たちを厳しく叱ることはせず、怪我をさせてはいけないとの配慮から、子供たちのやんちゃぶりに手を余すなど、空賊らしからぬ一面が憎めないでしょう。

仲間外れをつくっちゃかわいそうだろうが!

名言④「今にローストポークに…」

「紅の豚」の4つ目の名言は、ポルコがいつか死ぬのではと不安に駆られるマダム・ジーナの名セリフです。過去に3人の飛行艇乗りと結婚したジーナでしたが、3人とも戦争で命を落としました。ジーナにとってポルコは、幼馴染であり古い飛行艇仲間、そして、愛する人であり、これ以上大切な人を失いたくないという、ジーナの悲痛な思いが込められた名言でしょう。

マルコ、今にローストポークになっちゃうから、私嫌よそんなお葬式

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紅の豚に関する感想や評価

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以下では、アドリア海の空を駆け巡る飛行艇乗りのカッコよさや、切なさを感じさせる結末ラスト、そして、ポルコがなぜ豚になったのか、見返すごとに新たな気づきが得られることも「紅の豚」の見どころでしょう。以下では、「紅の豚」に関する感想や評価を、あらすじネタバレを交えながら解説します。

感想1:歳を重ねて作品の奥深さに気が付いた

あらすじネタバレ解説のように、ジブリ作品では珍しい大人向けの作風である「紅の豚」は、大人ならではの視点で見ることで、作品をより深く楽しめるとして高い人気を誇っています。子供の時は難しく、内容を理解できなかったものの、大人になって見返したことで「紅の豚」の面白さに気が付き、ポルコのかっこよさや、あらすじ結末ラストの切ない展開が心にしみるとの感想も寄せられています。

感想2:フェラーリンとの手信号にグッときた

「紅の豚」では、ポルコとフェラーリンとのやり取りも人気の高いシーンであり、空軍将校でありながら、ポルコに秘密警察の存在を知らせたり、身の安全のために空軍に復帰するように助言するなど、蔭ながらポルコを気にかけています。また、ポルコがミラノを旅立つ際には、抜け道へ案内するなど協力的な姿勢を示し、ポルコとフェラーリンによる手信号のシーンにグッときたとの感想も見られます。

感想3:ポルコの生き方に憧れる

「紅の豚」と言えば、主人公ポルコ・ロッソの生き方も注目ポイントの1つであり、あらすじ結末では切ないラストを迎えたものの、純粋な飛行艇乗りとして空を駆け巡るシーンは、ファンの心をグッと掴みました。ポルコがなぜ豚として生きる道を選んだのかは、いまだ多くの考察が飛び交うものの、自由に生きるポルコがかっこいい、彼のような生き方をしたいとの感想が寄せられています。

感想4:カーチスは良い男

「紅の豚」を語る上で欠かせないカーチスは、ポルコの飛行艇ライバルであり、ジーナを巡る恋敵でもあります。惚れっぽい性格であるものの、愛する女性のためならどこまで戦い続ける勇ましさや、ジーナの本心をポルコに教えるなど優しさも兼ね備えた性格が高く評価されています。あらすじ結末ラストでは、映画俳優として活躍しており、カーチスのその後も気になるでしょう。

感想5:ジブリのヒロインで一番かわいい

17歳でありながら、サボイアの再設計を任されたフィオ・ピッコロは、ジブリ作品を代表する人気ヒロインであり、ジブリで一番かわいいとの感想が寄せられています。「紅の豚」では、ポルコがなぜ豚になったのかと聞いたり、あらすじ結末ラストではポルコが人間の顔に戻るきっかけけを作るなど、ポルコの謎に迫った重要キャラクターとしても注目されています。

感想6:ジーナは永遠の憧れ

マダム・ジーナの通称で呼ばれるジーナは、アドリア海の小島に建てられたホテル・アドリアーノの経営者であり、美人で歌が上手く、実業家という顔を持つ、理想の女性像を絵に描いたような人物であり、ジーナが永遠の憧れという感想も寄せられています。一方で、あらすじのように戦争で夫を相次いで亡くした過去や、結末ラストで示唆された賭けの結果など、ジーナの知られざる過去やポルコとのロマンスも、注目の的です。

感想7:「紅の豚」の主題歌が好き

「紅の豚」の魅力と言えば、ジーナ役の加藤登紀子さんが歌う「さくらんぼの実る頃」や、主題歌「時には昔の話を」も挙げられ、ヒロイン役の声優による劇中歌・主題歌も話題を呼びました。主題歌「時には昔の話を」は、本編の切ない結末ラストを彷彿させるメロディや歌詞、飛行機の黎明期を豚で描いたアニメーションが注目され、映画本編はもちろん、主題歌も好きとの感想も寄せられています。

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紅の豚のあらすじまとめ

紅の豚のあらすじまとめ・イメージ画像

「紅の豚」のあらすじネタバレ解説や結末ラストのネタバレ解説、ポルコはなぜ豚になったのか、劇中の謎の考察、「紅の豚」の声優・登場人物のネタバレ解説、作品に関する感想や評価などを、あらすじネタバレ解説しました。ポルコと人々の交流や飛行艇への憧れを描いた「紅の豚」には、ポルコがなぜ豚になったのか、謎多き要素の多さも作品の見どころであり、考察ポイントの多さも根強い人気の要因となったでしょう。

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