紅の豚でポルコ・ロッソはなぜ豚になった?理由・真相やその後について考察

1992年に公開されたアニメ映画『紅の豚』。当時既に有名になっていたスタジオジブリの作品ということもあり、大ヒットしました。『紅の豚』の主人公はマルコ・パゴット。その昔イタリア空軍のエースパイロットとして名を馳せた人物でしたが、ある日顔が豚に変化。それを機にポルコ・ロッソ(紅の豚)という通称で呼ばれるようになります。しかし、マルコは何故豚になってしまったのでしょうか?今回の記事では主人公が豚になってしまった理由や真相、そして映画のその後について考察していきます。

紅の豚でポルコ・ロッソはなぜ豚になった?理由・真相やその後について考察のイメージ

目次

  1. 紅の豚でポルコ・ロッソはなぜ豚になったのか考察!
  2. 紅の豚とは?
  3. 紅の豚のポルコ・ロッソはなぜ豚になったのか?理由や真相を考察!
  4. ポルコ・ロッソが豚になったことに明確な理由なんてない?
  5. 紅の豚のポルコ・ロッソが劇中で人間の顔に戻った理由は?
  6. 紅の豚のポルコ・ロッソのその後について考察!
  7. 紅の豚でポルコ・ロッソはなぜ豚になったのかまとめ!

紅の豚でポルコ・ロッソはなぜ豚になったのか考察!

『となりのトトロ』や『天空の城ラピュタ』、『ハウルの動く城』等で有名なスタジオジブリ。新しい作品を生み出すたびに毎回大きな話題となり、ニュースでも大きく取り上げらます。その話題性と言えば「最早日本でその名を知らない人はいない」とまで噂される程。そんなスタジオジブリが作成した長編アニメーション映画の1つに『紅の豚』という作品があります。

『紅の豚』が公開されたのは1992年。当時既に有名だったスタジオジブリの作品ということもあり、公開当時から大きな話題となっていました。そんな『紅の豚』の主人公はそのものずばり豚。正確に言うと豚人間となっています。作品の舞台は1920年代初頭のイタリア。主人公である豚人間は普段『ポルコ・ロッソ(紅の豚)』と呼ばれていますが、本来は人間。作中では賞金稼ぎとして名の通った人物として描かれています。

元々彼はイタリア空軍でエースパイロットとして名を馳せた人物でした。彼の本名は『マルコ・パゴット』。彼はどういうわけなのか、ある日突然豚人間へと変化してしまったそうです。『紅の豚』の作品では、冒頭から彼は豚人間として描かれており、彼が何故豚人間へと変化してしまったのか等、理由は描かれていません。更に、映画のエンディングでは「人間に戻ったのでは?」という描写がなされていました。

主人公が豚人間であるという設定は当時かなりインパクトがある作品として扱われ、大きな話題に。ストーリーを含め、紅の豚は大きな注目を集めることとなりました。しかしながら、映画の作品内でポルコ・ロッソが何故豚になってしまったのか、そして映画のその後人間に戻れたのか等について描かれておらず、明確な答えは用意されておりません。

このことから「ポルコ・ロッソは何故豚になってしまったのか」、「果たして人間に戻れたのか」という点に関して、『紅の豚』のファンの間では長年話題となっています。今回の記事では、そんなポルコ・ロッソについて考察。ポルコ・ロッソが豚になってしまった理由や真相、そして映画のその後について考察していきます。

紅の豚とは?

ポルコ・ロッソが何故豚になってしまったのか、理由を考察する前に、『紅の豚』という作品がどのようなものなのかを先に紹介していきます。先程述べた通り、『紅の豚』は1992年に公開されたスタジオジブリによるアニメ映画作品となっています。元々は日本航空で機内上映用の作品として製作されていましたが、作成段階で長編映画となった事により、劇場で公開されることが決定したそうです。

原作は『宮崎駿の雑想ノート』に描かれている『飛行艇時代』という作品で、「疲れて脳細胞が豆腐になった中年男のためのマンガ映画」をコンセプトに作成されたとのこと。本編作成中にプロデューサーが作成した予告動画では戦争映画のような過激な空戦が描かれており、その際宮崎監督はその予告映像を観て激怒したというエピソードがあります。

紅の豚のあらすじを紹介

作品の主人公は深紅の飛行艇を乗りこなすマルコ・パゴット。かつてイタリアの空軍でエースパイロットとして名を馳せた人物でした。しかしながらある日何故か豚人間へと変化してしまった人物でもあります。物語の中では既にマルコは豚人間として描かれており、主に空中海賊退治を請け負う賞金稼ぎ『ポルコ・ロッソ』として活躍。その為、周辺の空賊からは目を付けられており、かなり嫌われていました。

そんなある日、愛艇のエンジン整備のためミラノに向かって飛んでいたポルコ・ロッソでしたが、空賊が雇った用心棒・カーチスと遭遇し撃墜されてしまいます。飛行艇は大破したものの、無事だったポルコ・ロッソは愛艇をミラノの工房ピッコロ社に移送。そこでポルコ・ロッソはピッコロの孫で17歳の少女であるフィオと出会います。

話を聞くと、フィオは普段から飛行艇の整備や作製に携わっており、ポルコの飛行艇の設計も行ってみたいとのこと。最初は乗り気でなかったポルコですが、やがてフィオの熱意に絆されて愛機の設計を任せるようになります。その後フィオの手によって愛艇が無事修復され、ポルコがアドリア海に帰還すると、そこにはカーチスを含め、空賊連合の姿が。

空賊連合は再びポルコの愛艇を破壊しようと試みますが、フィオの制止によって、その場での破壊は阻止されました。しかしながらポルコへ恨みを持つ空賊連合はかなり不服なようで、不満を口にします。そこでフィオは、ポルコとカーチスの決闘を提案。ポルコはフィオを、カーチスはポルコの愛艇の修理代金を賭けて戦うことになります。ポルコとカーチスとの決闘当日は、イタリア中の飛行艇乗達が見物に集まるというお祭り騒ぎに。

一方で、以前よりポルコと交流のあった女性・ジーナは、空軍の大編隊がポルコを含め、空賊達を一網打尽にしようと作戦を計画していることを知ります。ポルコとカーチスの決闘は飛空艇での空中戦では決着がつかず、やがて殴り合いに。危機を知らせにジーナが駆けつける頃には、二人とも気絶していましたが、僅差でポルコが立ち上がり、勝利を収めました。

紅の豚|ブルーレイ・デジタル配信|ディズニー

紅の豚のポルコ・ロッソはなぜ豚になったのか?理由や真相を考察!

史実の戦争についても触れつつ、且つ飛行艇での戦いをコミカルに描いた『紅の豚』。大人の恋愛要素も含む作品だと評価され、紅の豚は公開後すぐ話題の人気作品となりました。しかしながら、「(作品のおもしろさとは別に)未だに紅の豚には謎が残されている」というファンも数多くいらっしゃいます。その謎というのは「ポルコ・ロッソは何故豚になってしまったのか?」というものでした。

確かに作品を確認すると、元々人間だったマルコ・パゴットが豚人間であるポルコ・ロッソになってしまった理由について、詳しく描写されている場面はありません。ポルコ自身が「戦争に参加した」「その時に友人を亡くし、自分だけが生き残った事による呪い」といった旨を口にしているシーンはあるものの、その詳細については一切説明されていませんでした。

公式では「ポルコ自身による魔法」と設定されていますが、ポルコは一体何故豚になってしまうことを望んだのでしょうか?ここからは何故ポルコが豚になってしまったのか、その理由について考察していきます。

ジーナと恋仲にならない為?

ポルコが何故豚になってしまったのか、その理由としてよく挙げられるのが「ジーナと恋仲にならない為」というものです。ジーナというのは、紅の豚の中でヒロインとして描かれている女性。ポルコとは昔からの知り合いで、ホテル・アドリアーノを経営する美女として登場します。過去3度、飛行艇乗りと結婚したものの、その3人ともと死別。

彼女の経営するホテルには空賊を含め、数多くの飛行艇乗りが訪れますが、そのほとんどが彼女をマドンナとして大切に思っているようです。ジーナ自身は以前より交流のあるポルコに惹かれているようで、作品の中で「昼間にポルコがホテルを訪ねて来たら、今度こそ彼を愛する」という賭けをしているということが明らかにされていました。

ポルコも彼女に対してはかなり好意的ではあるのですが、ジーナが過去結婚した3人は全てポルコの友人。しかも、その内の1人はポルコの親友であったベルリーニだったことが作中で明らかにされています。この事から、「ポルコはベルリーニへの遠慮があって、ジーナへの気持ちに踏み込めないでいる」といった解釈がファンの間で広がっているようです。

その為、「無意識のうちに自分自身を呪い、豚人間になってしまったのではないか?」と考える方も沢山いらっしゃいます。戦争中に友人を失い、自分だけが生き残った上、亡くなった友人の恋人と恋仲になるというのは、ポルコとしては中々認められるものではないのかもしれません。ポルコ自身が作中で自分だけが生き残った事に対して公開しているような言葉を発している事を考えると、この説は有力なのではないでしょうか?

戦争で自分だけが生き残ったことが理由?

ポルコが何故豚になってしまったのか、その理由の2つ目として考えられるのは『人間である事が嫌になった結果』というものです。既に何度か触れていますが、ポルコは過去戦争に参加し、そこで友人を失った上、自分だけが生き残ったという過去を持っています。友人が亡くなり、自分だけが生き残るという出来事は、充分ショッキングな出来事といえるでしょう。

戦争に参加した時には、ポルコは人間だったことが作中で明らかにされています。また、戦争に参加した時に親友ベルリーニが『飛行艇の墓場』と思われる不思議な光景の一部となる瞬間を目にしていることも描かれていました。夢か幻とも言えるシーンではありますが、たとえ夢のような直接的ではない光景であったとしても、親友が目の前で死んでしまうというのはポルコにとって大きな傷になってしまったのではないでしょうか。

その為、ファンからは「目の前で親友が亡くなってしまい、生き残ってしまった自分に対する罪悪感により、自分自身を呪ってしまったのでは?」という意見も出ています。更に「親友の妻であったジーナともまだ交流があるからこそ、親友を忘れられないのでは?」という声も。どちらにせよ、ポルコが罪悪漢から自身に魔法をかけてしまった可能性も充分あると言えるかもしれません。

人間であることが嫌になった結果?

ポルコが何故豚になってしまったのか、という疑問に対して考えられる3つ目の理由は「人間である事が嫌になった」というものです。ポルコはかつてエースパイロットとして戦争に参加していました。詳しい描写はありませんでしたが作中でのポルコのセリフには「戦争ではないから殺しはしない」と言ったセリフも登場します。この事から考えると、ポルコは人を殺したこともあるし、殺されそうになったこともあるのでしょう。

更に、目の前で人が死んで行くところを目にした可能性もかなり高いと言えます。また、ポルコ自身が『ポルコ・ロッソ』と呼ばれていますが、この言葉はイタリア語で『紅い豚』という意味であり、イタリアではかなり過激な蔑称として使用される言葉となっています。しかしながらポルコはその名前を拒否する様子はありません。むしろ「飛ばねえ豚はただの豚だ」などと、この蔑称を受け入れるような言葉を口にしています。

これらの事を踏まえると、ポルコは人間や国家に幻滅してしまっており、かつ自分が人間である事が嫌になってしまっていると考えられるのではないでしょうか。ファンの間では「人間である事が嫌になって、自分自身に魔法をかけて豚になった」という意見を持っている方もいらっしゃるようです。

ポルコ・ロッソが豚になったことに明確な理由なんてない?

ポルコが何故豚になってしまったのか、その理由についてはファンの間で様々な考察がなされています。しかしながら「豚になったことに明確な理由なんてない」という声も。こういった意見は一体どうして出てきたのでしょうか?

実はこの解釈には紅の豚を作成した宮崎監督の言葉が大きく関わっています。紅の豚を鑑賞したファンの多くは「何故ポルコ・ロッソは豚になってしまったの?」「豚になった理由は?」と疑問に思うようで、宮崎監督の元にも、そういった質問が多く届いたそうです。この質問に対して、宮崎監督はうんざりしている様子をみせている、という情報があります。

宮崎監督の回答は?

ポルコが何故豚になってしまったのかという質問について、うんざりした様子を見せたという宮崎監督。その様子から考えると、ポルコが豚になってしまった理由について、宮崎監督が明確な理由を考えていない、ということも充分考えられます。

また、紅の豚の生みの親である宮崎監督は、漫画を描く際に擬人化された動物をよく描くことでも知られています。紅の豚はそもそも宮崎監督が描いた漫画「雑想ノート」の中に収録されている「飛行艇時代」が原作となっていますが、「雑想ノート」には実に様々な擬人化された動物が登場しています。更にいうなら元々が15分の短編アニメとして作成された作品であった為に、細かく設定されていない可能性もあるのです。

また、元々日本空港での機内上映用に用意していた15分短編映像を観た鈴木プロデューサーが「そもそもなんでこいつは豚なんですか?」と宮崎監督に質問したところ「すぐ原因と結果を明らかにしようとする!」と怒ってしまった、というエピソードものこされています。こういった宮崎監督の言葉から「ポルコが何故豚になってしまったのかについて、明確な理由なんてない」と考えるファンも大勢生まれたようです。

実際作品を鑑賞してみると、明確な理由こそ描かれてはいないものの、ポルコが自分自身に対して豚になる魔法をかけた動機のようなものが度々登場します。ポルコが豚になった理由として明確な理由はないものの、「作品を鑑賞したファン自身の想像にまかせる」という宮崎監督の意志もあるのかもしれません。

実は監督が飛行機に憧れを持っていた可能性も

宮崎監督の言葉から、ポルコが豚になった理由については、「明確な理由はない」と一部のファンから噂されています。しかしながら、ポルコを豚として描いた理由として「宮崎監督が飛行機に憧れを持っているから」と考えているファンも。その理由として挙げられるのが、「スタジオジブリが作成したアニメ映画には何らかの形で飛行機が登場する」というものです。

実際、宮崎監督始め、スタジオジブリは実に様々な映画を作成していますが、その多くに飛行機や飛行艇等が登場します。「風の谷のナウシカ」には「メーヴェ」という飛行機のような乗り物が登場していますし、「天空の城ラピュタ」には「フラップター」が。さらに「魔女の宅急便」でも「飛行船」が登場。映画の主題がそのものずばり飛行機という「風立ちぬ」という映画も存在します。

これらの事から考えると、宮崎監督は飛行機に関してかなり強い関心をいだいているのではないか、というのがファンの意見のようです。また「風の谷のナウシカ」や天空の城ラピュタ」、「風立ちぬ」では人間同士の争いや戦争について描かれており、独特の生々しさがあると言われています。しかし、紅の豚では、戦争という単語が登場するものの、そういった生々しい印象が薄い作品だと評価を受けているようです。

これは主人公を豚として描いたことにより、「怖さ」や「生々しさ」といったものが排除されたからではないでしょうか?紅の豚は、主人公が人間ではなく豚であるために、現実世界の歴史背景を踏まえながらもどこかユーモラスで、ファンタジー要素が含まれているようにも見えるという感想もあります。

宮崎監督が紅の豚を作成する際「疲れて脳細胞が豆腐になった中年男のためのマンガ映画」をコンセプトにしたということを踏まえると、主人公を豚にすることによって、生々しさを取り除こうとした宮崎監督の意志が反映されているようにも考えられるのかもしれません。

スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

紅の豚のポルコ・ロッソが劇中で人間の顔に戻った理由は?

何故豚になってしまったのか、理由が明確にされていないポルコ。しかしながら、その理由については作品中にヒントが散りばめられていることが分かりました。しかし、映画の終盤ではポルコと決闘していたカーチスのセリフから、人間に戻ったのではないかという描写もなされています。これはいったいどういう事なのでしょうか?

映画の最終場面では、ポルコを始め、紅の豚で活躍した人物達がその後どうなったのか、簡単に説明がなされています。しかしながら、ポルコがその後人間に戻ったのかどうかは明らかにされていません。ポルコとの決闘を終え、意識を取り戻したカーチスが「おめえ、その顔…!」と驚いたように呟いてはいるのですが、肝心のポルコの顔は映されていませんでした。

ポルコがその後人間に戻れたのかどうかは、いまいちはっきりしないラストとなっていますが、カーチスの反応からして、ポルコがカーチスとの決闘の後、人間に戻っていたのはまず間違いないでしょう。しかし、何故ポルコは豚から人間にもどったのでしょうか?ここからはポルコが人間に戻った理由について考察していきます。

おとぎ話のオマージュ?

ポルコが何故人間に戻れたのか、その理由として考えられている1つの要因は「紅の豚の終盤はおとぎ話のオマージュとして描かれているから」ということです。紅の豚の終盤で、ポルコは愛艇を修復してみせたフィオを守る為にカーチスと戦うことになりました。激闘の末、辛うじて勝利したのはポルコです。決闘後には見事勝利を収めたポルコが、その後フィオからキスを受けている場面が描かれていました。

この一連の流れについて、「昔読んだおとぎ話と似ている」と指摘する声があります。確かに、おとぎ話には「動物に姿を変えた王子様が、お姫様からのキスを受けて人間に戻る」といったお話や「愛する人を守る為に戦った男性が勝利をおさめ、その後愛する人からキスを受ける」といったお話が存在します。

こういった要因を踏まえ、ポルコが人間に戻ったのは「おとぎ話のオマージュとして描かれているから」「宮崎監督がおとぎ話のようなハッピーエンドを意識して紅の豚を作成したから」と解釈するファンもいるようです。

もう1度人間を信じたくなったから?

ポルコが人間に戻った理由として挙げられている要素はもう1つあります。それは「ポルコがもう1度人間を信じたくなったから」ということ。実際、紅の豚を確認してみると作品の中でポルコが「フィオを見てるとな、人間も捨てたもんじゃねぇって、そう思えてくるぜ」と発言しているシーンが描かれています。先の項目でも紹介しましたが、ポルコは元イタリア空軍のエースパイロットとして戦争に参加していました。

「その結果ポルコが豚になってしまった」と解釈するファンが生まれる程度には、作品中でポルコが国や政治を嫌い、人間を信じられなくなっしまった様子が作品内で描かれています。そんな人物がフィオとの交流を通して、「人間も捨てたもんじゃねぇ」と発言しているのですから、ここは紅の豚という作品にとって重要な場面だと言えるのではないでしょうか。

そうした場面が重要視されている以上、ポルコが人間に戻った理由の1つとして「ポルコが人間を信じてみようと思った」と捕らえられるこの場面が取り上げられるのは自然なことなのかもしれません。ポルコが人間に戻った明確な理由として描かれているわけではありませんが、物語の終盤でポルコが人間に戻った理由にこうした要因が関係している可能性は十分にありえると言えるでしょう。

紅の豚のポルコ・ロッソのその後について考察!

物語の終盤で人間に戻ったと思われるポルコ。紅の豚のエンディングでは、フィオを始め、カーチスやジーナがその後どのように過ごしたのかが語られています。しかしながら、ポルコがどうなったかについては描かれていません。果たして、ポルコは物語のその後、どのように過ごしたのでしょうか?

ファンの一部からは、「物語の終盤、ポルコは人間に戻ったものの、それは一時的なものであって、すぐに豚に戻ってしまった」という意見も出ています。また、「豚に戻ったかどうかよりも、ジーナとその後どうなったのかが気になる」という意見も。

ここからは、「ポルコがきちんと人間に戻れたのかどうか」「ジーナとの関係はどうなったのか」等、ポルコがその後どのように過ごしたのか、どうなったのかについて考察していきます。

また豚に戻った?

まずは、ポルコがその後きちんと人間に戻れたかどうかについて考察していきます。ファンからは「きちんと人間に戻って、人間として過ごしていて欲しい」という意見と、「人間に戻ったのは、一時的なもので、その後豚に戻ってしまったのでは?」という意見の両方が出ているようです。

「きちんと人間に戻った」という意見を持つファンは、その根拠としてポルコが「フィオを見てるとな、人間も捨てたもんじゃねぇって、そう思えてくるぜ」と発言していることをあげています。先の項目でも紹介しましたが、ポルコが豚になってしまった原因を「ポルコは人間であることが嫌になったから」と考えているファンも大勢います。

ポルコが豚になったのは、自分自身に魔法をかけたからという公式設定がある事を踏まえると、「人間を信じるようになったポルコは、その後人間に戻った」と考えるのは自然な事なのかもしれません。しかし同時に「そんなに簡単に自分自身を許せないのでは?」という意見もあり、そちらの意見を持つファンは「また豚に戻った」と考えているようです。

ジーナは賭けに勝った?

物語のその後で気になる点としてよく挙げられるのが、ポルコとジーナのその後について。紅の豚の中で、ジーナは「私、賭けをしてるから」「私がこの庭にいる時、その人(=ポルコ)が訪ねてきたら、今度こそ愛そうって決めてるの」と発言している姿が描かれています。しかしながら、作中ではポルコが昼間にジーナの店へと向かう場面は描かれていませんでした。

物語終盤では、フィオやカーチスを始め、それぞれのキャラクターがその後どうなったのかについて簡単に説明されていますが、ジーナの賭けの結果については秘密のまま物語は終わってしまいます。その為、紅の豚のファンからは「2人がどうなったのか、ますます気になってしまった!」という声が上がるようになりました。更にこの疑問に関係して、物語の終盤描かれているワンシーンがちょっとした話題となりました。

その話題となったワンシーンというのは、物語の最終場面。紅の豚が終わる直前で「ジーナさんの賭けがどうなったのかは、私たちだけの秘密」とフィオの声でナレーションが入ります。その時描かれている画面をよく見てみると、ホテル・アリドアーノの裏庭の辺りに赤い飛行艇が停泊している様子が描かれているのです。

この場面に気付いたファンからは「やっぱりハッピーエンドだった!」と喜ぶ感想や、「確かに赤い飛行艇があるけど、ポルコの飛行艇と決まったわけでは…」と疑問視する声が上がっており、現在のところジーナがかけに勝ったかどうかについては未だ不明のままとなっています。

宮崎監督からの回答

ご紹介した通り、「ポルコはその後人間として生活できるようになったのか」「ジーナは賭けに勝ったのか」という謎について、ファンの意見は分かれています。では、紅の豚の制作者である宮崎監督から、この謎についての回答はないのでしょうか?実は、宮崎監督はこれらの質問について答えたことがあります。

まずポルコが人間に戻ったのかどうか、という問いに対してですが「人間に戻るということがそれほど大事なことなんでしょうか?」というのが宮崎監督の答えです。これは「その後について考えていない」ともとれますが、同時に「ファンの想像に任せる」という意味を含めているらしく、「人間の顔に戻ってしまうこともあるかもしれないけど、(庭で)ジーナが出てきたら、また豚になって飛んでいっちゃいますよ」

「僕はそのほうが、(ポルコが)自分を許さないというほうが好きです」と答えています。このことを考えると「完全に人間に戻ったわけではない」「ジーナとはなかなか恋仲にならない」と考えるほうが自然なのかもしれません。しかし監督はこの回答とは別に、興味深いことを話しています。ポルコの回想シーンで、ポルコが乗っている飛行機の番号が「4」であり、親友のベルリーニが「1」であったことが描かれています。

この事について宮崎監督は「ジーナの最初の結婚相手のベルリーニが1番」「ポルコが4番なのはジーナの4番目の亭主だから」と話していたのです。宮崎監督は「ポルコは人間に戻る事があるかもしれないけど、基本的には豚のまま」「ポルコは自分を許さない方が良い」と考えていらっしゃるようですが、この回答から「いつか2人は恋仲になるかもしれないけれど、それまでかなり時間がかかる」と見なすファンが大多数のようです。

紅の豚でポルコ・ロッソはなぜ豚になったのかまとめ!

今回の記事では、紅の豚の主人公であるポルコ・ロッソが何故豚になったのか、その理由の考察を始め、ポルコのその後等についてもまとめてみました。今回の記事で紹介した通り、ポルコが何故豚になってしまったのか、明確な理由は作中では描かれていません。しかしながら、制作者である宮崎監督からの回答が大きなヒントとなっています。

紅の豚のその後について語った宮崎監督の言葉から、ポルコが何故豚になってしまったのか、また、その後ポルコがどう過ごしたのかについは、紅の豚を鑑賞した方それぞれの想像の中にあるというのが正解のようです。ただし、宮崎監督はこの紅の豚への思い入れが強いらしく、「借り暮らしのアリエッティ」の制作時のインタビューで「紅の豚の続編をやりたい」と発言しています。

もし、宮崎監督の希望が現実のものとなったなら、その時にはファンの想像に任されていた「ポルコが豚になった理由」や、「ポルコのその後」について描かれる可能性もあるのかもしれません。今のところ紅の豚の続編について、スタジオジブリや宮崎監督からの公式発表はありませんが、「もしかしたら」という期待をしながら、もう1度紅の豚を鑑賞してみるのも良いかもしれません。

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