キングダムの時系列をまとめて解説!最新刊までの主な戦い・登場人物を紹介

長く連載しているだけに分かりにくくなっていると言われるのがキングダムの各出来事の時系列です。キャラクターの初登場、どの戦いでどんな人物が大将を務めどんな人物活躍したのかを把握する事でキングダムはより面白くなるという声も多くなっています。今回はキングダムの原作漫画における時系列をあらすじのネタバレありでまとめると同時に、史実での時系列なども合わせて紹介していきます。

キングダムの時系列をまとめて解説!最新刊までの主な戦い・登場人物を紹介のイメージ

目次

  1. キングダムとは?
  2. キングダムの時系列・主な戦いをまとめて解説~1巻から10巻まで~
  3. キングダムの時系列・主な戦いをまとめて解説~11巻から30巻まで~
  4. キングダムの時系列・主な戦いをまとめて解説~31巻から46巻まで~
  5. キングダムの主な登場人物
  6. キングダムの面白い魅力
  7. キングダムと史実の違いは?時系列で紹介
  8. キングダムに関する感想や評価
  9. キングダムの時系列まとめ

キングダムとは?

キングダムの概要

キングダムは2006年から週刊ヤングジャンプにて原泰久先生によって連載されている古代中国の春秋戦国時代を舞台にした時代劇漫画です。日本ではあまり馴染みのない時代背景故に連載開始当初こそ人気は低迷していましたがキャラクター性の高さや壮大な物語で徐々に人気を高め、2020年10月現在59巻発売時点で電子版も合わせて6800万部も発行された人気漫画です。

メディアミックス展開も積極的に行われた作品で、2008年に行われたVOMIC化を皮切りに、2012年と2013年にそれぞれ2度のアニメ化が行われ、2019年には実写映画化も行われました。2020年に入っても3度目となるアニメ化が行われている他、実写映画の続編が製作される事も決定しています。

キングダムのあらすじネタバレ

下僕の身分でありながら天下の大将軍を夢見る少年、信。同じ境遇の漂と共に日夜剣術の仕合を行い腕を磨いていました。ある日、漂が昌文君に見いだされて仕官する事になり2人は離れ離れになりますがしばらくして重傷を負った漂が信の元に戻ってきます。自身の腕の中で息を引き取った漂から託されたメモの場所に信が出向くとそこには漂と瓜二つの少年、秦王の贏政が隠れていました。

TVアニメ「キングダム」公式サイト

キングダムの時系列・主な戦いをまとめて解説~1巻から10巻まで~

時系列のあらすじ①王弟反乱編(1〜5巻)

贏政と出会った信はそこで漂が贏政の影武者として仕官した事、贏政が弟である成蟜に反乱を起こされ追われる身になっている事、その結果漂が死亡する事になった事を知ります。当初は「王が誰でも民には関係ない」と言い漂が死ぬ原因を作った贏政に対して怒りを露わにします。しかし漂から託された「天下の大将軍への夢」を実現する為、信は贏政を助ける事を決意するのです。

贏政と信は道中に道案内として河了貂を引き入れ、追手と戦いながらも一路西を目指します。秦の西には山の民の世界が広がっており、過去に秦王と山の民の間で行われた同盟を頼りに助けを求める事になったのです。そこで出会った山の民の王楊端和とその軍勢の力も借りて信と贏政は王都咸陽の奪還を目指し、成蟜を王位へと推す竭氏の勢力を倒し王都奪還を成し遂げる事に成功します。

王都奪還を成し遂げた事により王位は贏政の元に戻り、信は報酬として家を与えられます。家を与えられた事で信は平民となり、戦場に出る事が可能になりました。元々報酬目当てで道案内を申し出た河了貂もこの冒険の中で仲間意識が生まれ信と共に暮らすようになります。一方で楊端和率いる山の民とは強固な同盟を結んだ上でそれぞれの世界で力を着けていく事になります。

時系列のあらすじ②初陣・対魏戦争編(6〜7巻)

信が平民になって三ヶ月後、秦は魏との国境線にある蛇甘平原にて戦いが開始され、信は一兵卒としてこの戦争に参加する事になります。信は千人将・縛虎申が率いる部隊に組み込まれていざ戦闘が開始します。信は本能型として戦場を駆ける麃公の戦術に圧倒されながらも魏軍の副将・宮元を倒す事に成功し武功を上げる事に成功しました。さらにここで偶然、六大将軍として戦場を駆けた大将軍、王騎と話す機会を得る事になります。

ネタバレすると蛇甘平原の戦い自体は、秦軍の総大将である麃公と魏軍の総大将である呉慶の一騎打ちにより決着し秦側の勝利でこの戦いは終わります。そして信はこの戦いでの武功により一気に百人将に昇進する事になります。加えてこの戦いで始めて羌瘣が登場、初登場時から圧倒的な武力と集団で戦う術を用いて信の所属した伍で活躍しました。

時系列のあらすじ③暗殺者襲来・政の過去編(8〜10巻)

戦場から帰った信の元に、贏政を狙う暗殺者が放たれたとして連絡が入ります。城に守りに入った信はそこで戦場を共にした羌瘣と再会、羌瘣の強さの秘密が伝説の刺客一族「蚩尤」に由来するものである事を知り、交戦する事になります。しかし奇しくも蚩尤の名を狙った他の暗殺者と羌瘣が交戦する事になった事で信と羌瘣は共闘、結果的に他の暗殺者達を撃退する事に成功します。

後日、暗殺者を雇った首謀者が秦の丞相の呂不韋である事がネタバレされます。しかしまだ正式な王ではない贏政は絶大な権力を持つ呂不韋に手を下す事が出来ませんでした。少しでも力を増すべく、贏政は反乱以降換金していた王弟成蟜を自身への協力を条件に解放し少しずつですが着実に陣営としての力を着けていきます。

贏政と呂不韋による政争が本格化する一方、信や河了貂の感情にも少しずつ変化が訪れます。信は暗殺者として戦った羌瘣との戦いの中でまだまだ自身が非力である事を痛感、王騎の元を訪れ修行を着けてくれるように頼み込み秦国内にある「無法地帯」の平定をするように命じられる事になるのでした。信はここで人を率いて戦う「集の力」を体感する事になります。

河了貂は上記でもネタバレしたように王都奪還編以降信と共に暮らしていましたが、贏政や信が王都奪還以降もどんどん進んでいくのに対し自身が何も出来ない事を痛感していました。そして信と共に戦場に出るべく紆余曲折を経て軍師となる道を選び一時的に信の元から離れる事になるのでした。

この暗殺者襲来編のあらすじの中でもう1つネタバレされたのが贏政の過去のエピソードです。贏政は趙で生まれました。奇しくもその頃、秦と趙の間に「長平の戦い」が起こり、趙人の秦人への憾みはかなり強い物になっており、その憾みをぶつける対象として贏政は蔑まれる生活を送っていたのです。その生活は贏政から感覚や感情を奪うのに十分な程で他人を一切信用しない性格になっていました。

そんな生活を送る中、秦では昭王が崩御し、公子となった贏政を秦に帰らせる計画が行われます。その計画の中で贏政が出会う事になったのが趙の闇商である紫夏です。贏政は趙から秦への道中で紫夏の優しさに触れる事で感情や感覚、人を信じる気持ちを取り戻させる事になります。

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キングダムの時系列・主な戦いをまとめて解説~11巻から30巻まで~

時系列のあらすじ①秦・趙決戦編(11〜16巻)

各々の思いが渦巻く中、秦では変わらず各国に対しての攻勢が行われていました。秦が韓を攻めるべく軍を興した際、その隙を狙っていたかのように趙が秦に攻め込みます。急遽対応軍を作る事になった秦ではそれまで一線を退いていた六大将軍最後の生き残りである王騎が突如復帰、総大将王騎、副将蒙武という布陣で趙を迎え撃つ事になり、馬陽の地で秦軍と趙軍は衝突する事になります。

この戦いには百人将となった信も参戦しています。信は王騎から特命を与えられ、初戦で趙の将軍の1人である馮忌を討ち取る事に成功します。この特命の成功により信率いる百人隊には王騎から「飛信隊」という名前が与えられる事になります。初戦は蒙武の活躍もあって秦側優勢の形で終わります。しかしその日の夜、単騎で秦側の野営地を襲撃する者が現れます。それが龐煖でした。

信と羌瘣は龐煖と対峙する事になりますが、重傷を負います。加えて龐煖の襲撃に合わせて動いた万極軍の襲撃により飛信隊は離散、飛信隊は追撃を加える万極軍からなんとか逃れながらも山の中で集合、しかしその道中では尾到を始め多くの仲間を失う事になりました。一方で戦い自体もこの夜襲により秦側の有利は一気に趙有利への形成が代わります。

進撃する蒙武とその進撃に合わせて本陣を前に進める王騎、しかしそれは巧妙に仕込まれた罠でした。罠を仕掛けたのは李牧でこの罠により追い込まれた王騎軍は活路を見出すべく、趙軍総大将でもある龐煖と王騎の一騎打ちに賭けるしかありませんでした。

この一騎打ちの中で王騎と龐煖に過去の因縁がある事がネタバレされます。そのネタバレされた内容は六大将軍の1人である摎(きょう)が実は女であり王騎の婚約者であった事、王騎と摎(きょう)が100個の城を奪取したら結婚するとなっていた事、そしてその100個目の城を摎(きょう)が攻略していた最中に突如現れた龐煖が摎(きょう)の命を奪ったというものでした。

この一騎打ちは壮絶な戦いになりながらも王騎が優勢でした。しかし趙軍の魏加の捨て身の弓での攻撃によって生まれた隙を突かれた王騎は致命傷を負う事になってしまいます。王騎を敵に渡さない為、決死の覚悟で趙軍の包囲網を破った王騎軍。王騎は王騎軍を謄に託し、信には自身の矛を託して死亡する事になりました。趙軍は王騎の死を手土産に馬陽から撤退するも秦は大きな物を失う事になり、同時に李牧の名が中華に知れ渡る事になるのでした。

時系列のあらすじ②山陽攻略編(17〜23巻)

李牧にしてやられた形になった秦。そんな李牧に興味を持ったのが呂不韋でした。呂不韋はなんと李牧を秦に呼び寄せるのです。この時の李牧は王騎を討った功績で趙の宰相にも任命されていました。そんな李牧は手土産という形で秦趙同盟を成立させます。これにより秦は趙に軍勢を割く必要がなくなり他国により攻勢を仕掛けやすい状況を作る事になるのでした。

趙将馮忌を討ち取った武功で三百人将に昇進した信。ここで信と同じく若くして三百人将を務める王賁、蒙恬と出会う事になります。そんな3人は蒙驁を総大将とする魏を攻める軍に加わる事になります。ここで対峙する事になるのが元趙の三大天であり魏に亡命していた廉頗と彼を支える四天王です。秦軍が順調に城を攻め落とす中、廉頗四天王の1人、輪虎により秦軍の部隊長クラスの者が次々暗殺される事件が発生します。

秦軍はこの事態に対処するべく穴を埋める形で臨時に信・蒙恬・王賁を千人将に昇格、信率いる飛信隊には道中で出会い輪虎に殺されてしまった千人将の1人である郭備の元で副長を務めていた楚水が率いる元郭備が加わる事になりました。そして秦軍と魏軍は山陽の地で衝突する事になります。

蒙驁と副将の桓騎・王翦が廉頗四天王それぞれと対峙する事になる中、信は王賁と蒙恬と協力して輪虎の首を狙い一騎打ちの末にこれを打ち破る事に成功します。山陽攻防戦自体は、廉頗が秦軍の裏側に現れ蒙驁が罠で対抗する戦いや廉頗四天王の1人玄峰と桓騎の知略戦などが展開され、最終的には桓騎が魏軍の本陣を落とした事で終焉する事になるのでした。

桓騎が魏軍本陣を落とした際、蒙驁と廉頗による一騎打ちが行われており、同時に廉頗は信から王騎の最期を聞かされる事で六大将軍と三大天の時代の終焉を悟る事になります。この戦いにより秦は要地である山陽の奪取に成功、廉頗は責任を問われ、元々亡命先であった魏からさらに楚へと亡命する事になりました。信は輪虎を討った武功により正式に千人将へと昇進する事になります。

時系列のあらすじ③軍師合流編(23〜24巻)

順調に昇進していく信、それに伴って大きくなっていく飛信隊にあってその要となっていたのが副長を務める羌瘣でした。未来へと進んでいく飛信隊にあって唯一過去を向いている事を認識していた羌瘣は当初の目的であった復讐を果たす事で自身も前を向くべく一時的に飛信隊を離脱する事を決意し信もそれを承認します。しかし羌瘣の離脱は飛信隊に思わぬ影を落とす事になります。

元々飛信隊の活躍は羌瘣の軍略の元に成り立っていた物であり、その羌瘣の離脱で飛信隊は各地で連戦連敗、あまりにも負けすぎて信にも降格の話が出る程でした。これに苦心していたのがライバルとしてしのぎを削る蒙恬でした。蒙恬の助言を受け外から軍師を入れる事になった飛信隊。そしてここで軍師として飛信隊に加わる事になるのがあの河了貂でした。

ネタバレすると元々蒙恬は軍師学校に通っていた弟の蒙毅を送るつもりでいました。しかし蒙毅は既に昌平君の元に行く事が決まっていた為、蒙毅が紹介した形で河了貂が飛信隊の元に送られる事になったのです。こうして飛信隊に加わった河了貂でしたが、当初は飛信隊のメンバーからも信からも軍師として認められませんでした。

河了貂に本陣にいる事だけは許可して次の戦いに赴いた飛信隊。しかし変わらず相手の軍師に手玉に取られてしまい劣勢を強いられます。そこで河了貂は自身の実力を示し相手の軍師を打ち破る事で信と飛信隊のメンバーに軍師として認められる事になるのです。河了貂の加入で再び軍略を得た飛信隊は持ち前の力を再び発揮出来るようになり、勝てるようになった降格の話もたち消えました。

余談ですがキングダムの漫画序盤から登場しながらもまだ幼く、嵩をかぶっていた事で性別不明だった河了貂の性別が女性であると始めて信が知ったのがこの軍師としての合流編での出来事になっています。漫画としては王都奪還編の中で既にネタバレされていましたが、壁が河了貂の怪我の治療の為に行う形であった為、信に伝えられる事はなかったのです。

信も振り返ってみれば思い当たる節はあったものの、軍師として戻ってきた河了貂が成長して女性らしくなっても本人の口から直接聞くまで全く思いもしませんでした。それまでキングダムの漫画の中でもキャラによっては性別不明として扱われる事が多かった河了貂ですが、以降は基本的に女性として扱われる事になります。

時系列のあらすじ④合従軍侵攻編(25〜30巻)

秦が山陽を奪取した事が秦による中華統一の「詰みの一手」である事を見抜いた李牧と楚の春申君を中心として合従軍が起こります。秦を除く戦国七雄の六カ国が協力して秦を滅ぼそうと同時侵攻を開始したのです。強国秦といえど六カ国同時に相手にする事など出来ず、次々と秦の城や要塞が突破されていきます。これに対し、秦は外交官蔡沢によって斉を離脱させる事に成功、残り5カ国と秦の国門「函谷関」での防衛戦に挑む事になります。

秦では主だった大将軍が集められ函谷関の防衛網が構築され、信率いる飛信隊は麃公軍に組み込まれ趙軍と衝突する事になります。4つある主だった戦場全てで数的不利の秦でしたが、初日には信により趙軍の万極が、謄により臨武君が討たれる事になります。国家存亡の危機という状況に数的不利を覆す程の戦意を持つ秦軍に、楚軍の媧燐が本営に消耗戦に移行する事を献策し合従軍ではその策が採用される事になります。

こうして消耗戦を仕掛けられた後開戦から15日後に全軍による総攻撃を受けた秦軍、韓将成恢による毒攻撃により張唐を失いつつも張唐が成恢を道連れにする、蒙武が楚軍総大将の汗明を打ち破るなどの戦果を上げた事、媧燐による函谷関の裏側を取ろうとした精鋭部隊にも王翦が対応した事により函谷関を守り切る事に成功します。

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キングダムの時系列・主な戦いをまとめて解説~31巻から46巻まで~

時系列のあらすじ①蕞防衛編(31〜33巻)

総力を決してなんとか函谷関の戦いを有利に進めていた秦でしたが秦の本営、咸陽に急報が入ります。函谷関がある北道の南にある細めの南道を進む軍があるというのです。実は李牧は函谷関を落とせなかった時の為に別働隊を率いて南道を進んでいたのです。ほぼ全ての戦力を函谷関に出している秦としては守る手立てがありません。そこで秦は秦王贏政自らが出陣、咸陽の1つ前の城である蕞で防衛戦をする事になるのでした。

一方で函谷関の戦いにて一番南道に近い戦場で戦っていた麃公が持ち前の本能で李牧の別働隊の動きを察知、飛信隊を含む少数の軍を率いて南道に渡り、李牧の別働隊を猛追していました。別働隊に追いついた麃公軍でしたが、そこに立ちふさがったのが龐煖でした。龐煖は一騎打ちにて麃公を打ち破り、麃公軍は李牧軍から追撃を受ける形で蕞に入ります。そこで信は贏政と再会する事になるのでした。

生き残った信と麃公軍、贏政が咸陽から連れてきた僅かな兵だけではとても蕞は守りきれるものではありませんでした。そこで贏政は蕞の民達の前に姿を晒し、民達を鼓舞して民達にも戦いに立つように促します。こうして死力を決した蕞防衛戦が行われる事になりました。しかし民達の異常な程の士気の高さから李牧には贏政がここにいる事を悟られる事になります。

既にボロボロだった信達と、元々戦いには不慣れな民達による防衛戦は日に日に消耗していきます。打開策はないと思われたこの防衛戦の展開を変えたのは楊端和率いる山の民の援軍でした。贏政達によって徹底的に秘匿された秘密兵器山の民との繋がりは李牧さえも知る由もなく李牧の別働隊は撤退を余儀なくされます。こうして合従軍と秦との戦いは秦の勝利で幕を閉じるのでした。この合従軍での活躍により信は三千人将へと昇進します。

時系列のあらすじ②王弟謀反編(34〜35巻)

合従軍で信達が死力を決して戦う中、別の場所で死力を賭して戦っていたのが羌瘣です。羌瘣は復讐相手であった幽連の居場所を突き止め、飛信隊との繋がりを持って幽連を倒す事に成功、飛信隊への復帰を果たします。秦では合従軍からの復興が進む中、蒙驁が寿命を全うするなど世代交代が進んでいく形になります。

合従軍からしばらくが経過した頃、趙の国境にある成蟜の妻瑠衣の出身地である屯留が趙軍に攻められます。成蟜が自ら軍を率い出陣しますが、その後贏政の元に届いたのは「王弟謀反」の知らせでした。しかし成蟜の人間的な成長を感じていた贏政にはその知らせを信じる事ができません。事実その謀反は呂不韋と屯留の代官を務めた蒲鶮の策謀によるものでした。

贏政は壁を総大将に討伐軍を向かわせます。その中には飛信隊の姿もありました。贏政は信に鎮圧する中で成蟜を救い出してほしいと要請、信はそれに向けて行動します。しかし信が成蟜の元に辿り着いた時には成蟜は刺客によって瀕死の重傷を負わされ、妻の瑠衣に成蟜一派を取りまとめて贏政を支えるように託して息を引き取る事になりました。反乱は無事に鎮圧されますが、贏政はまた1つ失う事になってしまうのでした。

時系列のあらすじ③著雍攻略編(36〜37巻)

合従軍からの復興期を経て再び攻勢に出た秦は謄を総大将とした魏の著雍に狙いを定めます。そして普段は独立遊軍として動く飛信隊と玉鳳隊も加わり行われた攻勢に対し、魏軍は呉鳳明や「魏火龍七師」の生き残りなども加えた防衛網を構築、秦軍は大いに苦しめられる事になります。

しかし謄が信と王賁を軸に据えた攻勢を行った事で「著雍」の奪取に成功、信と王賁自身もそれぞれに三人参陣した「魏火龍七師」を1人ずつ討ち取る大功を上げた事で著雍の戦い後、信と王賁は五千人将に、飛信隊復帰後瞬く間に千人将になっていた羌瘣も三千人将に昇格する事になります。

時系列のあらすじ④嬴政加冠~嫪毐の乱編(37〜40巻)

獲得した著雍の地の要塞化を進める秦では太后が費用の負担の見返りに「太原」の長官に嫪毐を据えそこで暮らす事を要求、これを大王派、呂不韋派双方に認めさせます。さらには守衛を太原に集めさせ、「毐国」と国を宣言するようになります。不穏な情勢の中、年が開け、贏政が成人し正式な王となった事を国内外に示す「加冠の儀」が行われる年を迎えます。

しかし加冠の儀が迫る中ついに毐国が秦に対して反乱を起こします。飛信隊は咸陽にて防戦を行い、贏政の子である麗と妻である向を守る事に成功、対して贏政は呂不韋との弁戦に勝利しその成長を呂不韋に痛感させます。反乱軍の鎮圧を持って贏政は呂不韋から全ての実権を取り戻す事に成功し、贏政と呂不韋による9年にも及ぶ政争はこれにて幕引きとなります。

時系列のあらすじ⑤黒羊攻防戦編(41〜45巻)

都合八千人隊となっている飛信隊が次に出陣したのが城のない趙国の黒羊の地でした。今回の飛信隊は自分達とは真逆の性質を持つ桓騎の元で戦う事になるのです。信は激闘の据えに慶舎を破る程の活躍を見せ、桓騎はお得意とも言える非情な戦術で想定されていた被害を大きく下回る大戦果をあげます。しかし桓騎のあまりにも非情なやり方に信と羌瘣は桓騎と衝突、殺傷沙汰を起こして武功取り消しとなってしまうのでした。

時系列のあらすじ⑥斉王・入隊選抜試験編(45〜46巻)

飛信隊が楽華隊と交代で黒羊の地から帰還する頃、蔡沢の手引で斉王と李牧が咸陽には訪れていました。贏政は斉王との密談で中華統一に向けての現実的な統治方法などを示して感服させると非公式ながらも事実上の降伏宣言を受けます。対して李牧との会談では「七国同盟」という贏政の用意した道とは別の道を示されますがそれを一蹴する事になるのでした。

内地に戻った飛信隊ではより強固な隊を作るべく、入隊試験が行われる事になります。厳しい入隊試験に脱落者も続出する中、中華十弓と言われた蒼源の子、蒼仁と蒼淡の兄弟、干斗、平来などの新兵を新たに加える事になります。

時系列のあらすじ⑦鄴攻略戦編(46巻〜)

度重なる抵抗を続け時に侵攻までしてくる因縁の敵である趙に対し、贏政の構想である「十五年で中華統一」を達成するべく昌平君の考案の元、趙の王都邯鄲の喉元である「鄴」を攻略する戦術を建てます。最悪軍が全滅する事もあり得る奇策でしたが、この策を贏政は承認。王翦を総大将に楊端和、桓騎を副将にした三軍連合軍による鄴攻めが行われる事になります。そこには飛信隊、楽華隊、玉鳳隊の姿もありました。

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キングダムの主な登場人物

信は史実では贏政の中華統一に貢献した将軍の1人で、キングダムでは下僕の身分から天下の大将軍を目指す主人公として描かれています。武功を上げて兵卒から百人将、三百人将、千人将と順調に駆け上がっていき、ついには将軍の座にまで上り詰める事になりました。格上の相手に対して実力を底上げする事で討ち取ってきたある種の天才である、本能型の将軍としての才覚も露わにしていきます。

嬴政・漂

そんな信と同じ境遇にあり共に天下の大将軍を夢見ていたのが漂です。戦争孤児であった信にとっては唯一の家族と言える存在であり、当初はその漂が死ぬ事になった原因を作った贏政を恨む程でした。そんな贏政は過去には感情を失っていた時期もありましたがキングダム作中では信や昌文君の事を信頼し信が昇格するのを待ちわびています。

楊端和

様々な部族がいる山民族において、女性の身でありながらその武力で統合していったのが楊端和です。そのあまりの武力の高さで山民族からは「山界の死王」と呼ばれています。王都奪還編、合従軍編で贏政を助けた後は大将軍の爵位をもらい秦軍の一員として攻勢にも加わっています。ちなみにネタバレすると意外にも史実にも名前が残っている人物です。ただ女性であったという記述はなく男性であった可能性が高いと考えられています。

河了貂

元々は山民族の1つ「梟鳴(きゅうめい)」族の生き残りでした。当初は金の為に贏政と信に協力しますが仲間意識が芽生えていき王都奪還編後は信と共に暮らしていました。軍師として旅立った後軍師として飛信隊に加入、なくてはならない存在へと成長していきます。軍師としてはもちろん幼少期より得意としていた料理の腕は一級品であり、飛信隊の男達の胃袋までがっつり掴んでいます。

成蟜

成蟜は元々は傲慢で、王族は崇高な血筋であるべきという考え方から平民の母親から生まれた異母兄、贏政が王になった事を憾み、反乱を起こすなどしました。しかし後に人間的に成長し贏政を支える存在へとなっていきます。

名家の出身で贏政に忠誠を誓い、反乱が起きた際にも贏政と共に脱出したのが壁です。信に漂の死に際を伝えた人物であり、以降信からも兄のように慕われています。王都奪還以降は大王派の将軍として常に信よりも少し上を行く形で昇進を続け、王弟謀反編の時点で将軍にまで上り詰めていました。基本戦術を得意とする一方で奇襲や奇策に弱い一面を持っています。

バジオウ

楊端和がまとめる山民族軍の中でも筆頭の強さを誇るのがバジオウです。山民族の中でも珍しく初期から山の民の言葉、秦の言葉両方を話す事ができ、信との交友も深くなっていました。王都奪還編では信にランカイを倒させるアシストをした上で自身はシュンメンと共に竭氏を打ち取りました。

朱凶

キングダムには羌瘣の一族「蚩尤」以外にも暗殺一家や暗殺一族が登場しており、その1つが「朱凶」です。キングダムの物語の時点では燕程が族長を務めている暗殺一族で、呂不韋の依頼によって咸陽に潜入、1度は捕縛されたものの後に脱走しています。朱凶としては他に漂に致命傷を与えた張本人である徐完が登場しています。

昌文君

元々は将軍として、キングダムでは主に文官として贏政を支えているのが昌文君です。贏政の筆頭家臣でもあります。王都奪還後は勢力として力を持つべく大王派、或いは秦王派と言われる自身の派閥を作り出し、自身は文官の極みである丞相を目指すとしました。史実にも名を残している人物です。

元々は王騎の側近として登場したのが謄です。王騎自身からも自分に迫る実力者であるとされており王騎の死後は王騎軍を騰軍としてまとめ上げ贏政に尽くしています。ネタバレすると実は史実にも名を残している人物ですが、元々は韓の将軍であり、後に秦に降ったというのが史実での謄でありキングダムにおいて史実とは全く別の人物として描かれる形になった代表例の1人となっています。

王騎

キングダムという漫画において主人公の信はもちろん、謄や蒙武など様々な人物に強い影響を与えたのが王騎です。六大将軍の生き残りとして絶対的な力を誇りながらも最後には実質的に龐煖に討たれる形で死亡してしまいました。史実には直接的には名前が登場しませんが史実に登場し同一人物説がある「王齕」と「王 齮」という2人のモデルをかけ合わせる形になっているのでは?と考察されている人物でもあります。

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キングダムの面白い魅力

面白い魅力①個性あふれるキャラ

キングダムはとかく個性豊かなキャラクターが多く登場する作品です。登場するキャラクター達の多くは個性と共に強い信念を持ち合わせそれによって行動したり悩みを抱えたりしています。それらの思いを胸に戦場で命がけで戦う姿が面白いと言われる要因になっています。

面白い魅力②キャラたちの成長

キングダムに登場するキャラクターの多くは上記でネタバレした漫画のあらすじの中でどんどん成長していきます。主人公の信や河了貂、羌瘣などの主要人物はもちろん、十分に大人である蒙武などにも考えの変化が訪れる場面があるなど形は様々で、なれどキングダムという漫画作中の中で成長を感じさせる場面が非常に多いのです。それもまたキングダムという漫画の魅力に繋がっています。

面白い魅力③将軍たちの戦略

キングダム最大の魅力とも言えるのがそれぞれの戦いの中で行われる戦略、戦術の数々です。上記でネタバレしたように最終的に総大将同士の一騎打ちが行われるような戦いにあってもそこに至るまでの経緯などがしっかり描かれ、双方の思惑が複雑に絡み合う場面が多く描かれているのです。これらの上でそれぞれが戦う事がキングダムという漫画の面白さになっています。

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キングダムと史実の違いは?時系列で紹介

キングダムの舞台は中国の春愁戦国時代

キングダムという漫画は史実を元にした物語です。ベースとなっているのが中国の春秋戦国時代です。この時代はそれまで中華をまとめていた周という国の権力が弱くなった事で各諸侯が争うようになった時代をベースにしています。春秋戦国時代はあくまでも周という国の中での権力争いという形であった「春秋時代」と諸侯が完全に国として独立して覇を争った「戦国時代」に大きく分ける事が出来ます。

キングダムではそんな春秋戦国時代の中でも末期に当たる紀元前245年から物語がスタートします。もちろんそれ以前にも戦国時代は続いてきており、キングダム作中なのでも触れられている長平の戦いなども実際に行われた戦いです。とはいえキングダムという漫画で描かれた全ての戦い、出来事が史実かと言われるとそうではなく史実の情報をベースに進めながらも必要に応じてオリジナルの出来事や設定を組み込む形になっています。

キングダムの史実年表

2020年10月現在キングダムの中で既に描かれている出来事の中で史実の物をピックアップすると、「贏政と太后が趙で虐げられた事」「贏政の父荘襄王の即位と呂不韋の丞相就任」などキングダムでも回想で描かれているこれらの出来事は史実の出来事です。秦国内で発生した王弟謀反編の反乱、嫪毐の反乱に関しても史実通りの出来事になっています。

キャラクターエピソードに近い上記のエピソードは史実ベースが多いのに対し、キングダムで描かれている戦いには実は史実に則った戦いはあまり多くありません。秦が関わっている戦いでは「合従軍編及び蕞防衛戦」「鄴攻め」が行われた事は史実通りですが、戦いの経過や関わっているキャラクターなどはキングダムオリジナルの要素になっているものが多いです。

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キングダムに関する感想や評価

ここかからは既にキングダムを視聴している人の時系列に関しての感想をネタバレありで紹介していきます。キングダムでは様々な戦いが描かれている一方で、時系列が覚えられないという声も非常に多いです。その兼ね合いでどのキャラクターがどのタイミングで登場したのかも覚えられないという声も多くなっています。

ただ元々歴史では断片的に戦いだけをクローズアップされている場合が多く合間を埋める形でしっかり描かれているキングダムは普通に歴史を学ぶよりも断然分かりやすいという声も多いです。時系列は分からずともそれぞれの戦いでの出来事は覚えているという声も多く、それも一重にキングダムが1つ1つの戦いを漫画の中で丁寧に描いているからだとする声も多いです。

キングダムは漫画としての時系列はもちろん、古代中国史を扱う漫画の中での時系列でも重要な位置に見られる事が多くなっています。これまでにも古代中国史を扱う漫画はあったものの、それぞれが独立している故に繋がりが見えにくいという声も多くちょうどすっぽり抜けていた春秋戦国時代を埋めたキングダムはそういう意味でも大きな意味を持っているとする声も多くなっています。

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キングダムの時系列まとめ

キングダムは春秋戦国時代の末期を舞台にした漫画として高い人気を誇る漫画です。とはいえ元々馴染みのある歴史ではないだけに時系列が覚えられないという声が多い漫画になっています。今回ネタバレしたように信の昇進タイミングやそれぞれのキャラクターの登場タイミングなどを見ると比較的覚えやすいという声も多くなっています。

古代中国史の流れを知る意味でもいい位置を取っていると言われる漫画なのでまだキングダムを視聴していないという人は今回ネタバレした時系列を意識しながらキングダムを視聴してみてはいかがでしょうか?

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