【キングダム】読み切り作品「李牧」をネタバレ紹介！あらすじや感想・評価は？

漫画キングダムの前に読み切りとして公開された漫画｢李牧｣。読み切り漫画｢李牧｣はその名の通り趙国三大天の李牧を主人公にした作品であり、趙国の北部を襲う匈奴との戦いやカイネが李牧を慕う理由といった本編に描かれていない内容が収録されています。この読み切りが高く評価されたことで漫画キングダムの連載が決まりました。本記事ではそんな読み切り漫画｢李牧｣のあらすじネタバレや読者の評価などをまとめてご紹介します。

では読み切り漫画｢李牧｣のあらすじネタバレや読者の評価などをご紹介する前に、漫画キングダムの概要と物語の簡単なあらすじについてネタバレ紹介していきます。キングダムとは春秋戦国時代の中国を描いた原泰久の長編歴史漫画作品です。春秋戦国時代を描いた漫画キングダムは2006年に漫画雑誌｢週刊ヤングジャンプ｣で連載がスタートし、2020年10月現在までに合計59巻もの単行本が刊行されている長編作品となっています。

そんな漫画キングダムは2013年にNHKでアニメ化されたことにより注目を集め、これまで合計3期ものアニメが制作されています。さらにアニメの他に漫画キングダムは実写映画やゲーム、イベントとのコラボといった様々なメディア展開が行われています。メディア作品を多数輩出している漫画キングダムの人気は日本を代表する歴史漫画になるほど凄まじく、これまでの累計発行部数は6800万部という驚異的な数字を記録しています。

春秋戦国時代を舞台にした漫画キングダムは後に天下を統一して秦の始皇帝となる嬴政の下、戦争孤児の主人公・信が天下の大将軍になるまでの生涯を描いた作品となっています。信の生涯を描いた漫画キングダムは壮大な世界観や国の命運を賭けた熱いバトル、涙無しで見れない感動ストーリーといった少年漫画の王道的要素を多数詰め込んだ珍しい歴史漫画となっており、老若男女問わず、様々な世代の読者に愛され続けています。

本記事で物語のあらすじや読者の評価などをネタバレ紹介する｢李牧｣とは漫画キングダムが｢週刊ヤングジャンプ｣で連載される前に公開された読み切り漫画作品です。漫画キングダムの読み切り作品である｢李牧｣はそのタイトルの通り、趙の三大天である李牧を主人公にした作品となっており、物語本編で彼の側近を務めている女剣士のカイネとの出会いが描かれています。そんな読み切り漫画｢李牧｣は公開時、非常に高い評価を集めました。

この高い評価によって漫画キングダムが連載されることになりました。なのでもし読み切り作品｢李牧｣が無ければ、漫画キングダムもこの世に出回ることは無かったことでしょう。｢李牧｣は読み切り作品となっているものの、2010年に刊行された漫画キングダムの総集編に蒙武と昌平君の読み切り漫画と共に収録されています。これについて作者の原泰久は物語のネタバレになるものの、李牧とカイネの出会いが分かる作品だと評してます。

ではここからは漫画キングダムの読み切り作品｢李牧｣の結末に至るまでのあらすじをネタバレ紹介していきます。時は春秋戦国時代、中国の北部には匈奴という異民族が一つの部族国家を形成していました。この匈奴は度々中国北部に侵入し、長年に渡って大きな戦いが勃発していました。そんな匈奴の侵入を守っていたのが春秋戦国時代に河北に位置していた趙国です。趙国は鴈門という北方の地を対匈奴の前線基地にしていました。

北方から南下してくる匈奴は義や人徳を一切考え無い部族で知られており、一度でも中華の領土に入ると略奪や強姦を繰り返す存在です。また匈奴は非常に優れた騎馬民族であり、あの三国時代の魏国を築いた曹操ですら頭を抱えるほどでした。春秋戦国時代に匈奴の侵攻を防いでいた趙国の鴈門もその圧倒的な力に敗戦を繰り返してしまいます。そこで趙国は匈奴との戦いを終わらせるべく、ある1人の将軍を鴈門の地に配置しました。

趙国の首都である邯鄲から送られた将軍の名は李牧です。李牧は優男の代表ともいえる容姿をした将軍であり、匈奴と戦えるような人材に一切見えませんでした。しかしその容姿に似合わず、李牧は漫画キングダムの本編で趙国の守護神となる三大天の1人であり、人並み外れた智略の持ち主です。実際の史実においても李牧は大きく歴史に名を残す名将であり、趙国に攻め寄せる匈奴や秦といった強敵を度々打ち倒しています。

そんな趙国の英雄である李牧が鴈門に派遣されたのは、趙国が匈奴を完全に倒す決意をしたからに他なりません。鴈門は激戦区であり、これまで好戦的な猛将が将軍として派遣されていました。しかし李牧は上述の通り温和な容姿をした将軍であるため、鴈門の守備兵達に少なからず驚きを与えました。鴈門に派遣された李牧は早速とある命令を行い、その内容に兵士や住民達を更に驚かせることになるのでした。

匈奴の侵攻を守る前線基地の鴈門に配属された趙国の将軍・李牧。鴈門の守備に就いた李牧は兵士や住民達に｢不戦逃避｣という命令を行います。｢不戦逃避｣とはその文字の通り、敵が来ても戦わずに逃走しろといった命令でした。趙国の鴈門を守る兵士や住民達にとって全てを奪い尽くしていく匈奴は非常に憎き相手となっていました。そのため、鴈門の兵士や住民達は李牧が出した｢不戦逃避｣という命令をあまり高く評価出来ませんでした。

しかし李牧は鴈門の統治を任された将軍です。なので｢不戦逃避｣の命令を評価しないものの、鴈門の兵士や住民達は渋々受け入れ、匈奴が侵攻して来た用に砦へ逃走する訓練を行うことにします。それでも匈奴に強い恨みを持つ人間はどうしても李牧の命令を受け入れることが出来ませんでした。特に両親を匈奴の手によって惨殺された女剣士のカイネは｢不戦逃避｣に強い不満を抱いており、同じ陣中内で総大将の李牧と対立してしまいます。

そんな中、突如として匈奴の軍勢が鴈門の地へ侵攻を開始しました。これは李牧にとって匈奴との初めての戦いになりました。鴈門の人々は｢不戦逃避｣の命令に反し、攻め寄せる匈奴と戦おうとします。しかし李牧は｢不戦逃避｣を守るように鴈門の住民達に指示しました。李牧は｢不戦逃避｣の中に勝機を見出そうとしていたのです。しかしそれを理解出来ない女剣士のカイネは激昂し、戦わずに逃げようとする李牧に猛反発しました。

すると李牧は自身の命令に従わない者は斬首に処すと断言します。実際斬首という大きな罰が無ければ、カイネのような反発する兵士を率いることが出来ません。この罰則を聞いた鴈門の兵士や住民達は李牧の命令に従い、匈奴と戦わずに砦へ逃走しました。この時家財や家畜を連れていったため、匈奴は火を付けるだけで撤退します。誰一人死傷者を出さなかった李牧は土地の再生を率先することで、住民達の信頼を集めるのでした。

誰一人死傷者を出すこと無く匈奴を追い返した李牧は率先して破壊された土地の再生を行うことにしました。しかし一ヶ月後、再度匈奴が鴈門の地に来襲しました。鴈門に攻め寄せた匈奴は全てを持って逃走を図った李牧に強く腹を立てていました。なので匈奴は砦の軍勢を釣るため、カイネ達に侮辱的な罵倒による挑発を行うことにしました。前線で戦う女剣士であるカイネは匈奴の挑発に激怒し、砦から出陣しようとしてしまいます。

特に両親を侮辱されたことはカイネにとって許すことが出来ませんでした。暴走するカイネの姿を見た李牧は鴈門を匈奴の手から守護するため、一旦彼女を牢屋に閉じ込めることにします。もちろん馬鹿にされているのに戦わない李牧をカイネは認めることが出来ませんでした。その日の夜、カイネがいる牢屋に昭という名の人物が訪れます。この昭という人物は両親を匈奴に惨殺されて1人残されてしまったカイネの幼馴染みでした。

なのでカイネにとって昭は最も信頼出来る存在となっていました。昭が牢屋を訪ねてきたことに気付いたカイネは匈奴と戦うこと無く逃げてばかりの李牧に対する不満を吐露します。昭はそのカイネの怒りを静かに受け止めました。その後昭はカイネの不満を解決するため、自ら趙王の下に足を運んで李牧のやり方を全てぶちまけようとします。しかしこの昭が趙国の王に謁見したことにより、鴈門の地に危機が訪れることになるのでした。

李牧は実際戦わなかったものの、犠牲者を出さずに再び匈奴の軍勢を追い返してしまいます。これにはさすがの鴈門の兵士や住民達も李牧のことを評価するようになりました。しかし暴走して牢屋に入れられてしまったカイネはどうしても李牧を評価することが出来ませんでした。不満を抱くカイネは誇りを持たずに敵に背を向けて逃走し、肉体では無く趙人の魂を殺したと李牧に苦言します。確かにカイネの言うことには一理あります。

この苦言を聞いた李牧は自身の過去をある男の過去と称し、カイネに語り始めるのでした。昔、その男はカイネと同じく、戦いで家族を全て失ってしまいました。男は家族を殺した憎しみで命令違反を犯し、敵を全て討ち取る功績を挙げました。しかし男の仲間達もまた無謀な戦いで命を落としてしまっていました。家族以外に共に戦う仲間すら無くした男には何も残っておらず、ただ失意と虚無感に満たされた亡霊となってしまいます。

これを聞いたカイネは李牧の過去であることを察しました。過去を打ち明けた李牧は強大な軍勢を持つ匈奴に戦争で勝つことは不可能だと話します。李牧にとって誰一人死傷者を出さすに鴈門を守ることが唯一残された存命の方法だったのです。そして最後に李牧は復讐よりも生き続けることが何よりも大事だとカイネに伝えます。過去と鴈門を守る趙人への思いを聞いたカイネは李牧の言葉を重く受け入れ、ようやく改心するのでした。

ここまで漫画キングダムの読み切り作品である｢李牧｣の結末に至るまでのあらすじをネタバレ紹介しました。ではここからは漫画キングダムの読み切り作品｢李牧｣の結末のあらすじをネタバレ紹介していきます。上述のあらすじネタバレの通り、反発していたカイネは真意を聞いて李牧を認めるようになりました。しかしカイネの幼馴染みである昭は彼女の李牧に対する思いを解決するため、密かに趙国の王に謁見しようとしていました。

趙国の王は李牧が台頭した春秋戦国時代後期、暗愚の象徴ともいえる存在でした。そんな趙王に謁見した昭は李牧が匈奴と戦わずに逃げていることを密告しました。その後突然鴈門の兵士や住民全てから高く評価されて認められた李牧は将軍の地位を剥奪されてしまいます。これは趙国の首都である邯鄲に呼び戻して李牧を尋問するためでした。これが昭の趙王への密告が原因だと知ったカイネは怒り、昭に強い怒りを表わします。

もうここにかつてのカイネの姿はありませんでした。李牧が更迭された後、鴈門の地に新たな将軍が派遣されてきます。その将軍は総力を決して匈奴と戦おうとする非常に好戦的で無能な将軍でした。結局新任の将軍は匈奴との戦いに大敗を喫してしまいます。さらに将軍は戦死、鴈門の地も見るに堪えないほど蹂躙されてしまいました。カイネは生き延びた兵士達と共に南へ撤退を開始するものの、絶望的な状況に陥ってしまうのでした。

無能な将軍が原因で匈奴に全てを蹂躙された鴈門。その絶望的な状況から撤退を開始したカイネは途中で戦死した昭の亡骸を発見します。今回の騒動は全て昭に責任がありました。しかしたった1人の友人である幼馴染みの昭を失ったカイネはその場で号泣してしまいます。またカイネと共にいた趙国の兵士達も李牧の存在を思い出して涙を流し始めました。もう既に鴈門の生き残りはわずかしか残っておらず、カイネは絶望してしまいます。

するとその時カイネは暗闇の中から姿を現す1人の人影を発見し、剣を抜きました。なんとその人物は本国に更迭されたはずの李牧だったのです。鴈門に戻った李牧は｢ただいまカイネ。残念ですけど今日からまた腰抜け作戦の始まりですよ。｣とカイネに伝えます。そして鴈門に戻った李牧は匈奴を打ち破り、自身が生きてる限り匈奴の侵入を一切許しませんでした。この戦いで李牧は｢史記｣に名を残し、趙を代表する英雄になるのでした。

ではここからは読み切り作品｢李牧｣のあらすじの中で李牧が戦った匈奴についてネタバレ紹介していきます。読み切り作品｢李牧｣のラストで対匈奴との前線基地である鴈門に戻ってきた李牧。その後のストーリーである漫画キングダムの本編で楊端和は8万もの｢山の民｣を率い、匈奴討伐のために北方の地を訪れました。しかし北方の地を訪れた楊端和は既に全滅してしまった匈奴軍の姿を目撃します。

楊端和は秦の首都である咸陽に行き、秦王嬴政に匈奴が武力では無く、何らかの策で全滅してしまったことを打ち明けます。この時楊端和は匈奴を全滅させたのは趙軍であると予想します。もしそうであれば、秦軍にとって驚異となる将軍が趙にいることになります。匈奴の全滅は何らかの情報操作によって嬴政が知るよしもありませんでした。では最強の騎馬民族である匈奴を全滅させたのは一体誰なのでしょうか？

楊端和は匈奴を全滅させた将軍の名を知るため、生き残りを捜索します。そして楊端和は李牧という名の将軍が匈奴を全滅させたという情報を手に入れました。そう、李牧は鴈門に戻ってから、カイネ達と共に匈奴を全滅させる功績を挙げていたのです。実際の史実においても李牧は匈奴と戦い、完勝した人物と大きく名が残っています。この事実が明らかになった後、李牧は秦軍の最強の敵として再び姿を現すことになるのでした。

ではここからは読み切り作品｢李牧｣の主人公である李牧の史実についてご紹介していきます。李牧が歴史に登場するようになったのは、匈奴を守る鴈門の国境軍の指揮官になった時です。国境軍を指揮していた李牧は烽火台作りと諜報網構築に力を入れ、匈奴の侵攻にいち早く対応出来るようにします。また李牧は宴会などで国境軍の信頼を得ます。そして馬に乗りながら弓を撃つという匈奴の戦い方を国境軍の兵士達に学ばせました。

そんな中で李牧は読み切り作品の｢李牧｣と同じく、匈奴が侵攻して来ても討って出ず、籠城するよう命令します。もしこれを破れば斬首するといった罰則も作りました。そのため、李牧は匈奴兵と趙国の兵士両方から臆病者扱いされてしまいます。また趙国の王からも不満を抱かれ、鴈門の指揮官の地位を剥奪されてしまいました。その後李牧の代わりに鴈門へ赴任された指揮官は匈奴との戦いで大敗北を喫し、土地を蹂躙されてしまいます。

新たな指揮官が大敗北を喫したことで、趙の王は李牧を再度用いることにしました。しかし不満だけで指揮官の地位を奪われた李牧は復帰の命令を拒否します。だが李牧は自身のやり方を変えないという条件で再度鴈門の指揮官を務めることになります。指揮官に復帰した李牧は家畜と数千人の国境守備隊を鴈門の城外に出させます。これを見た匈奴の兵隊達は城外に出た部隊に攻撃を仕掛けました。

しかし李牧は城外の部隊と家畜を見捨てて城内に逃げてしまいます。匈奴の王である単干は李牧を臆病者だと断じ、十万人にも及ぶ大軍で鴈門に攻め寄せます。しかしこれは油断を誘う李牧の策であり、伏兵による挟撃で10万人の匈奴軍を全滅に追いやる大戦果を挙げます。この敗北を受けて匈奴の王・単干は李牧の恐ろしさを知ることになりました。これにより、匈奴の軍勢は何十年にも渡って趙国の領土に入ることが出来なくなりました。

匈奴の大軍勢を破った李牧は紀元前243年に燕との戦いに参戦します。この戦いで李牧は方城と武遂の攻略に成功するという戦果を挙げました。しかしその後趙は廉頗と藺相如が死去したことにより、長平の戦いや鄴の戦いなどで秦に敗北を続けていきます。戦力的大拠点である鄴が陥落したことにより、趙は滅亡寸前になってしまいました。そこで趙の王は多大な戦果を挙げている李牧を大将軍に任じ、秦軍を倒すよう命令します。

趙王の命で趙国の大将軍になった李牧は宜安という場所で秦軍を撃退しました。さらに肥下の戦いにおいて李牧は鄴を陥落させた秦軍の将軍である桓騎を打ち破る功績を挙げます。この時一説には桓騎が李牧によって討ち取られて戦死したと考えられています。その後李牧は数々の戦で勝利を収め、趙国の領土の奪還に成功します。しかし秦国に買収された郭開の讒言を聞いた趙王により李牧は捕縛され、そのまま殺されてしまいました。

漫画キングダムの読み切り作品｢李牧｣に関する感想・評価では｢李牧｣が面白いといった感想・評価が多く寄せられていました。漫画キングダムの前日譚となる読み切り作品｢李牧｣は李牧とカイネの出会いが描かれた作品であり、李牧の智略の恐ろしさや命の大事さなど魅力的な内容が多数詰め込まれています。このことから読み切り作品｢李牧｣は漫画キングダムファンから非常に高く評価されています。

漫画キングダムの読み切り作品｢李牧｣に関する感想・評価では李牧が好きになったといった感想・評価も多数寄せられていました。読み切り作品｢李牧｣は本編で敵役となる李牧が主人公の作品となっており、本編に見せない魅力が数多く描かれています。なので敵キャラの李牧は特に読み切り作品｢李牧｣を読んだ方に高い人気を博しています。

漫画キングダムの読み切り作品｢李牧｣に関する感想・評価では李牧の筋肉に笑ったといった感想・評価も多数見受けられました。本記事でご紹介した通り、李牧は貧弱な容姿をした優男です。しかし読み切り作品｢李牧｣の作中で実は李牧の肉体は非常に屈強であることが判明しました。この筋骨隆々の李牧の姿は多くの読者を笑わせました。

本記事では漫画キングダムの読み切り作品｢李牧｣について物語のあらすじや史実の姿、読者の評価などをまとめてネタバレ紹介しました。読み切り作品｢李牧｣は漫画キングダムの本編に描かれていない李牧の魅力が数多く収録された作品です。2020年10月現在読み切り作品｢李牧｣は総集編で読むことが出来るので、是非未読の漫画キングダムファンは一度チェックしてみて下さい。