【キノの旅】優しい国のあらすじと感想を考察!旅人たちに悪評の理由とは?

『キノの旅』には「優しい国」というエピソードがあります。「優しい国」は2度もアニメ化されるほどの人気エピソードです。キノは3日間しか1つの国にとどまらないと決めているのですが、キノがもう少し滞在したいと言った素敵な国でもありました。この記事では、「優しい国」がどんなエピソードなのか、あらすじを紹介します。また、「優しい国」が旅人から悪評だった理由や、アニメの感想などもまとめています。

【キノの旅】優しい国のあらすじと感想を考察!旅人たちに悪評の理由とは?のイメージ

目次

  1. 優しい国とは?
  2. 優しい国のあらすじ考察~序盤ネタバレ~
  3. 優しい国のあらすじ考察~中盤ネタバレ~
  4. 優しい国のあらすじ考察~結末ネタバレ~
  5. 優しい国が旅人に悪評な理由
  6. 優しい国を観た海外の反応
  7. 優しい国に関する感想や評価
  8. 優しい国のあらすじや感想まとめ

優しい国とは?

キノの旅の作品情報

『キノの旅』は、時雨沢恵一によるライトノベルです。1巻は2000年に刊行され、シリーズ累計820万部を超えるヒット作品です。イラストは黒星紅白が担当しています。『キノの旅』には、時雨沢恵一が描くパロディシリーズの『学園キノ』もあります。

作者の時雨沢恵一は男性のライトノベル作家で、代表作には『キノの旅』の他に『一つの大陸の物語シリーズ』などがあります。また、自身のオリジナルのライトノベルだけでなく、『ソードアート・オンラインオルタナティブ ガンゲイル・オンライン』など公式の二次創作を手掛けることもあります。時雨沢恵一はあとがきに凝っていることでも有名です。

キノの旅のアニメ情報

『キノの旅』は多くのメディア展開がされています。2003年にはアニメ化され、全13話が4月から7月まで放送されました。そして2017年10月から12月まで、第2作目となる『キノの旅-the Beautiful World- the Animated Series』が全12話放送されました。第2作目のアニメは第1作目の続きではなく、人気投票の結果から人気エピソードを選定し、放送されました。

ちなみに、第2作目である『キノの旅-the Beautiful World- the Animated Series』では、時雨沢恵一が脚本に参加しました。銃や絵コンテ、アフレコのチェックなど深く関わっています。そして時雨沢恵一の作風の一つであるあとがきも、『キノの旅-the Beautiful World- the Animated Series』でアニメ化されました。あとがきはキノがモトラドを走らせている大地に書かれ、これまでにない試みが話題となりました。

キノのプロフィール

キノは『キノの旅』の主人公です。キノは「大人の国」出身の女の子で、現在はエルメスと共に旅をしています。旅をする以前はキノという名前ではありませんでした。キノという旅人に命を救われ、「大人の国」をエルメスで脱出した後にキノと名乗って旅をするようになりました。旅を始めたものの、ただの12歳の少女には到底無理で、行き倒れていたところを師匠と出会います。

キノは師匠から銃の使い方や旅での生きる技を学びました。これにより、銃の扱いは達人級です。シズは銃弾を弾くほどの腕前を持っていますが、今の所キノには勝ったことがありませんでした。銃は師匠から譲り受けた「カノン」、「優しい国」で弟子からもらった「森の人」、「英雄の国」でもらった「フルート」の3丁を所持しています。旅の中で滞在する国には、基本的に3日しかとどまらないと決めています。

「大人の国」に居た頃は歌手になりたいという夢を持っていましたが、現在は特に目的を持たずに旅を続けています。ちなみに外見は男性のような格好をしており、一人称が「ボク」なのでよく男の子に間違えられます。シズと初めて出会った時も、陸から教えてもらうまでシズはキノが女の子だとは気づきませんでした。

優しい国はアニメ10話

「優しい国」は『キノの旅-the Beautiful World- the Animated Series』の10話で放送されました。実は、2003年のアニメ第1作目でも最終回の13話で放送されています。「優しい国」は、第1作目をリメイクされ、2回放送されるほど人気のエピソードです。ファンは原作の小説と、第1作目のアニメと、第2作目のアニメを見比べている方も多いようです。

ちなみに第2作目の10話で放送された「優しい国」では、キノが昔の自分とサクラを重ね合わせているシーンがあります。そしてその次に放送された11話のエピソードが「大人の国」でした。「大人の国」では、昔のキノのことやなぜ旅人になったのかが描かれています。「優しい国」と「大人の国」がリンクし、「優しい国」でサクラを見たキノが何を感じていたのか分かるようなストーリー構成になっています。

キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series 公式サイト

優しい国のあらすじ考察~序盤ネタバレ~

序盤あらすじ考察①サクラとの出会い

キノは旅人に冷たいと、評判の悪い国の情報を聞きました。本当であれば、旅人に冷たい国など避けるべきですが、キノは逆にどんな国なのか興味を持ち、その国を目指していました。国に到着すると、衛兵は何日間滞在するのかと聞いてきました。キノが3日間だと伝えると、衛兵はホッとしたような表情をして入国を許可しました。

キノは滞在日数を聞かれただけで、入国審査は何も受けませんでした。他の旅人から入国審査に1日はかかるとも聞いていたので、あっさりと入国を許されたことにキノは驚いていました。いざ入国すると、国の人々が盛大に出迎えてくれました。キノは前評判とは違い、国の皆から歓迎されたことにびっくりしました。キノは思い切って、安くて良い宿はないかと聞きました。

すると、国の人々はおすすめの宿を次々と教えてくれます。その中で1人の女の子が、自分の両親が経営している宿がまさにキノの要望に応えられると言いました。サクラという名前の女の子は宿の娘で、花の名前を持っていました。しかし、サクラは自分の名前を皆にからかわれてしまうと少し不満げでした。キノは昔の自分とサクラを重ね合わせていました。

キノも「大人の国」で宿の娘として生まれました。そして昔はサクラのように花の名前を持っており、皆からはその名前でからかわれていたのです。キノは国の方針で宿を継がなければならないという立場で、最終的にそれを拒んで国を出ましたが、それでもキノとサクラにはどこか似ているところがありました。

キノが案内された部屋はとても豪華な部屋でした。サクラは国の案内人を買って出てくれたので、キノはサクラに国の案内を頼みました。サクラは大人になったら両親の宿を継いで、国一番の案内人になることが夢でした。キノはまず、愛用している銃「カノン」の整備をしたいと思い、銃器店を案内してもらいます。「カノン」を預けると、サクラはキノを劇へと案内しました。

劇ではその国のがどうやってできたのか、国の成り立ちを劇で分かりやすく演じられていました。そのあとは皆でバーベキューをするなど、キノは「優しい国」を満喫します。

序盤あらすじ考察②師匠の弟子と対面

2日目、キノは預けていた「カノン」を取りに行きます。銃器店の店主はキノが持っていた「カノン」に見覚えがありました。店主は実は、昔キノの師匠と旅をしていた弟子(相棒)だったのです。店主は「カノン」を懐かしがり、師匠のことを知らないかと尋ねました。しかしキノは知らないフリをしました。店主はそんなキノに「森の人」というパースエイダーを譲りました。

「森の人」は、店主が若い頃に愛用していた銃です。キノがその銃を受け取ると、早速試し打ちをしようと店主は張り切りました。試し打ちが終わると、サクラは夕日が美しい場所へとキノを案内しました。そこでサクラは夢を語ります。サクラは旅を続けるキノにも興味を持っていました。ホテルに戻って一緒にお茶をしている時、サクラはキノから旅の話を聞きます。

すると、そこにサクラの両親がやってきました。両親はサクラに、旅をしてから家を継いでもいいと言いましたが、サクラはずっとこの国で案内人を目指したいと言いました。

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優しい国のあらすじ考察~中盤ネタバレ~

中盤あらすじ考察①山の噴火

3日目、キノはサクラと共に一組のカップルの結婚式を見に来ていました。とても若いカップルの結婚に、キノは驚きました。結婚式では小さな袋をたくさん投げる風習がありました。袋には欲しい子供の数だけ木の種が入れられた袋が混ざっています。その種を持って、明日の朝を迎える事ができた人が次の花嫁になれるといわれていました。

サクラは一度も種が入った袋を見つけたことがありませんでした。キノはその袋を探すのを手伝いました。たまたまキノが拾った袋には種が入っており、その種をサクラにあげました。そろそろキノは出国の準備をしなければなりません。キノは衛兵に、もう2、3日滞在を延期したいと言いました。しかし衛兵はルールなのでそれは許されないといいました。

キノは残念がりましたが、国の人々は最後までキノに優しくしてくれました。サクラの母は、キノに明日の分の軽食を持たせ、皆でキノを見送りました。衛兵はキノに、この先野宿がしやすい場所を教えており、キノはそこで休んでいました。するとキノは妙な胸騒ぎに襲われます。辺りを警戒していると、なんと先程まで近くにいた山が噴火したのです。

激しく噴火する山の麓には、「優しい国」があります。このままでは、火山の噴火による火砕流で国が巻き込まれてしまいます。しかし、キノには今更何かができるわけでもありません。あっという間に火砕流は国へと到達し、全てをのみこんでしまいました。キノは何もできずに見ているしかありませんでした。

中盤あらすじ考察②袋の中の手紙

翌朝、キノはサクラの母に持たされた軽食の入った袋を空けました。すると、そこには手紙が入っていました。手紙には、キノがこの手紙を読んでいる時には、既に自分達は死んでいるだろうと書かれていました。「優しい国」の人々は、1ヶ月前から大規模な噴火が起こることを知っていたのです。国の人々は、国を捨てて別の場所で暮らすか、ここにとどまるかの選択に迫られました。

中盤あらすじ考察③町の評判

国の人々は迫害された歴史をもっていたことから、これまで旅人を信用することができず、冷たい対応を取ってきました。そのせいで、国の評判は旅人にとって最悪なものになっていました。人々は、評判が悪いままこの国がなくなってしまうのを悲しみ、もっと旅人に優しくしようとしました。しかし、これまでの悪い評判のせいで旅人が国を訪れなくなっていました。

噴火まであと3日というところで、キノがやってきました。人々は、今までの旅人への対応を改め、キノに対して最大のおもてなしをしました。

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優しい国のあらすじ考察~結末ネタバレ~

結末あらすじ考察①大人達の決断

1ヶ月後に噴火が起こると知ると、人々は国に残ることを決断しました。人々は迫害された歴史を持っているので、やっと定住できたこの地を離れてまで逃げようとはしませんでした。しかし、このことは国の大人達しか知りませんでした。子供達は噴火して明日にも死んでしまうことを知らなかったのです。だから、サクラはキノに将来の夢を語っていました。

結末あらすじ考察②エゴと後悔

手紙には、もしサクラが旅人になりたいと言ったのであれば、キノにサクラを預けようと思っていたと書かれていました。しかし、サクラは旅人にはならず、国にとどまることを望みました。そのため、両親は何も言わず最後まで3人で一緒にいることを決意したのです。キノはサクラが自分についてこなくて良かったとホッとしていました。

キノはそんな自分の気持ちに後悔し、これはエゴだと言いました。エルメスはモトラドは1人乗りだから、サクラを預けられても旅は続けられないとフォローします。すると、袋の中にもう一枚手紙が入っているのを見つけました。そこにはサクラが書いた手紙と、結婚式で拾った種が入っていました。手紙には、「これは私が持っていても仕方がありません。あなたのです。お気をつけて」と書かれていました。

その種は、結婚式の翌日まで持っていると次に結婚できるという言い伝えのあるものです。サクラが「持っていても仕方がない」と思っているということは、サクラは翌日までに生きられないということを知っていたのだと思われます。それでもサクラは将来の夢を語り、毅然としていました。そして旅に出ても良いという両親の提案を拒否して、自分で国に残ることを選びました。

キノはこの手紙と種を見て、大きく息を吐きました。エルメスはキノに「いい国だったね」と語りかけます。キノはそれに同意し、「楽しかった、とても。文句の言いようもないさ」と言いながらモトラドを走らせました。キノの振り返る先には、火砕流にのまれてしまった国がありました。

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優しい国が旅人に悪評な理由

迫害された過去

「優しい国」は、旅人の間でも評判が悪いほど人気のない国でした。キノが知っていた評判では、「よそ者に冷たい」「とにかく不親切で嫌気が差す」「旅人が行くと店が閉まる」「まずい飯しか食べられない」「もう近づくのも嫌だ」「あんな国なくなっちまえ」と言われていました。なぜそこまで旅人に冷たく接していたのかというと、迫害されていた過去があるからです。

その昔難民となった「優しい国」の人々を、どの国も受け入れてくれませんでした。食べ物もつきてしまい、深い森の中へと迷い込んでしまいます。恐ろしい森かと思いましたが、その森は食べ物も豊富で獣もたくさんいる豊かな森だったのです。迫害されてきた人々はここで暮らすことを決め、「優しい国」を築き上げました。

このように迫害された経験があるため、「優しい国」の人々は他の国からやってきた人を信用することができませんでした。だから旅人達に冷たく接してしまい、評判の悪い国となってしまったのです。

最後は優しい国だった

「優しい国」はもともと評判の悪い国でしたが、最後には「優しい国」になりました。なぜ「優しい国」になったのかというと、大規模な噴火が起こることを知ったからです。「優しい国」の人々は、避難せずに国にとどまることを決めました。しかしこのまま消えると、評判の悪い国だと思われたまま人々の記憶に残ってしまいます。

そのため、人々はこれから国を訪れる旅人に優しくもてなしたいと思うようになりました。しかし、悪い評判が流れていることから、なかなか旅人は訪れませんでした。そんな時、噴火の3日前にキノが訪れました。だからキノにとっては「優しい国」だったのです。

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優しい国を観た海外の反応

悠木碧とキノの旅

実は、第1作目でサクラ役を演じたのは、第2作目でキノ役をしている悠木碧です。サクラはキノに似ているところがある少女で、このアニメ側の図らいについて海外の反応では、「アニメのスタッフ達もキノの旅が大好きなんだ」と評判でした。また、キノが「優しい国」でサクラと自分を重ねているシーンがあります。そのシーンを見た海外の方は、「悠木碧にも当てはまる」と感慨深く思っているようです。

予想外の全滅エンド

「優しい国」を見た海外の反応では、「絶滅エンドだとは思わなかった」という感想がありました。一瞬何が起こったのか分からなかったという方もいたようです。また、第1作目と第2作目を見比べてキノの反応が違うことに気づいている方もいました。ちなみに第1作目では、キノは感情を顕にしていました。しかし、第2作目では悲しみつつも冷静でいようとしていました。

感想の中には、「優しい国」には共感出来ないという方もいました。子供を巻き込むのは酷いと考える方もいるようです。しかし、元は迫害を受けた民がやっと築き上げた国です。その国の立場にならないと理解できないことだという意見もありました。海外でも様々な意見が交わされたストーリーでした。

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優しい国に関する感想や評価

『キノの旅』は、現在20巻を超える分のエピソードがあります。その中でも「優しい国」は、好きなエピソードとして挙げている方がたくさんいました。最後までエピソードを見た方の中には、このタイトルについても様々なことを考えさせると感想を書いている方がいました。

『キノの旅』の「優しい国」を小説と第2作目のアニメで見たという方もいました。どちらも最後には泣いてしまったそうです。アニメで初めて「優しい国」を見た方でも、後半からはずっと涙が止まらなかったという感想もありました。

「優しい国」で歓迎されたキノは、素直に「素敵」「親切」などと感想を言っていました。その言葉ひとつひとつに、これまで悪評が絶えなかった国の国民達は救われたのではないかという感想がありました。悲劇的な最後となってしまった国でしたが、素敵なエピソードだと評判でした。

『キノの旅』のアニメ第2作目の「優しい国」は、神回だといわれています。第1作目の作画から第2作目の作画はガラリと変わっており、作画の美しさに感激している方もいました。

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優しい国のあらすじや感想まとめ

『キノの旅』の「優しい国」は、旅の最後に火山が噴火してしまうという悲しいエピソードでした。感想の中には「優しい国」を見て号泣したという方がたくさんいました。その他にも、この話は『キノの旅』の中でも特にお気に入りだという感想もあり、とても人気が高いエピソードでした。実際に2回もアニメ化されています。

「優しい国」は、第1作目のアニメでは13話で、第2話のアニメでは10話で放送されました。原作のライトノベルでは2巻に収録されています。まだ「優しい国」を見たことがないという方は、ぜひ一度見てみてください。

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