キノの旅 大人の国のあらすじネタバレ!アニメの感想や原作小説も紹介

人気ライトノベル作品であるキノの旅には、「大人の国」というストーリーがあります。「大人の国」では主人公のキノではなく、とある少女と「キノ」と名乗る男性の旅人が登場します。この話はキノの原点ともいわれており、人気のストーリーでもあります。ここでは、「大人の国」がどんなストーリーなのか、あらすじのネタバレや感想などを紹介します。また、キノの旅の原作やアニメなど基本情報もまとめています。

キノの旅 大人の国のあらすじネタバレ!アニメの感想や原作小説も紹介のイメージ

目次

  1. キノの旅とは?
  2. キノの旅 大人の国のあらすじネタバレ
  3. キノの旅 大人の国の原作小説を紹介
  4. キノの旅 大人の国のアニメのお菓子
  5. キノの旅 大人の国は滅んだ?
  6. キノの旅 大人の国に関する感想や評価
  7. キノの旅 大人の国のあらすじネタバレまとめ

キノの旅とは?

キノの旅の作品情報

「大人の国」はキノの旅に収録されているストーリーの一つです。キノの旅の中でも好きだという感想が多い人気作品でもあります。ここではキノの旅の「大人の国」のあらすじやネタバレ、感想を紹介する前に、まずはキノの旅がどんな作品なのか作品概要を紹介します。

キノの旅の概要

キノの旅は電撃文庫のライトノベル作品です。著者は「一つの大陸の物語シリーズ」などで知られる時雨沢恵一です。2000年に第1巻が刊行され、現在では原作の他にスピンオフ作品の「学園キノ」も刊行されています。また、2003年と2017年にはアニメ化もされました。

キノの旅の世界観

キノの旅の世界は、多くの都市国家が存在する架空の世界です。国ごとに技術の発展や価値観も違います。国同士が近いと、戦争中である場合もあります。反対に、周りとは全く接点を持たない閉鎖的な国も存在します。中には発展している国だけでなく、既に滅亡している国や新しい国家もあります。ほとんどの国は高い城壁で囲まれており、門をくぐる前に入国審査が行われます。

国の外は獣や盗賊などがいる危険地帯です。基本的にストーリーの時系列はバラバラで、キノ達が訪れた土地や国の正式な名前も明かされていません。また、人間だけでなくごく一部の動物や機械も人間の言葉で喋る事ができるファンタジーな世界です。

少女とバイクの物語

キノの旅は、旅人のキノとその相棒の喋るモトラドのエルメスが旅をするファンタジーです。旅の中では、あらゆる国を訪れることになるのですが、多くの国では独特の文化や価値観を持っておりキノ達がその国の人々と関わることで、寓話的な解釈のできるストーリーとなっています。

キノの旅では主にキノとエルメスを中心とした話が展開されますが、稀に過去にキノ達が出会った人物を主人公としたストーリーも存在します。キノとエルメス以外では、キノの師匠、シズ、陸、フォト、ソウなどが主人公として書かれたストーリーが存在します。

キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series 公式サイト

キノの旅 大人の国のあらすじネタバレ

あらすじネタバレ①キノと少女

アニメキノの旅の「大人の国」の冒頭のあらすじをネタバレします。キノはモトラドを走らせていました。モトラドのエルメスはキノに「ねえキノ、これからどうするの?」と尋ねました。キノは少し考えた後「歌おうかな」と言って真っ赤な花畑の中でエルメスを止めて寝転びました。そしてとある少女の回想に移ります。少女がキノという旅人に出会ったのは、まだ生まれていた国に住んでいた11歳のころのことです。

少女はそのころの名前を覚えていませんでしたが、名前を少し変えるといやな表現になるので、それでよく男の子達にからかわれていました。噴水の前にいた少女の前に、キノと名乗る男性の旅人がやって来て挨拶をしました。キノはホテルがあれば教えてほしいと言います。すると少女は自分の家を案内しました。少女の家がホテルを経営していたのです。

次の日、少女が目を覚ますと外から何かを叩く音が聞こえてきました。キノが外でモトラドを直していたのです。少女はキノの元へ行き、「近くで見てもいい?」と尋ねるとキノは「どうぞ」と快く承諾しました。キノは「後一日もするとこいつも元気に動き回るだろう」と言いました。少女は「動き回る」という表現に疑問を持ちます。するとキノはモトラドが動くには、人がまたがってバランスを取る必要があると言いました。

バランスを取る代わりに、早い足を手に入れることができるのだと説明します。だからお互いに助け合う約束をするのだとキノは言いました。キノは少女にモトラドの名前を決めさせることにしました。少女は、キノが昔乗っていたモトラドの名前を尋ねます。キノが「エルメス」という名前だと言うと、少女はそれがいいと言いました。

キノは嬉しそうに「そうしよう」と言いました。最初は人見知りだった少女でしたが、話していくうちにキノになついていきます。少女はキノに「何をしている人なの?」と尋ねました。キノは「旅をしている」と言い、旅は辛いこともあるが楽しいことのほうが圧倒的に多いと語りました。すると少女は、「それは仕事じゃないよ」と言いました。少女は仕事はとてもつらくて嫌なものなのだと思っていました。

少女はそのために、明後日に大人になるための手術を受けると言いました。キノは詳しく話を聞くことにします。少女の住む国では、子供を11歳までのびのびと育てていました。しかしいつまでも好き勝手が許されるわけではありません。そこで国では12歳になると頭を開けて、頭の中の子供を取る手術をしていました。

そうすると、嫌なことでもなんでもきちんと出来る立派な大人になれるのだというのです。そのかわり、11歳の最後の一週間は大人からは話しかけられず、好き勝手に過ごすことができます。さらに毎日特別なお菓子を1個ずつ食べることができると少女は嬉しそうに言いました。それを聞いたキノは顔をしかめ、「随分と乱暴な話だな」と言いました。

少女は手術のおかげでちゃんとした大人になれるのに、なぜ乱暴なのかと不思議に思いました。キノは「嫌なことが出来るのがちゃんとした大人なのかな?」と言います。キノには、嫌なことを続ける人生が楽しいのか疑問だったのです。少女は「キノは大人なの?」と尋ねると、キノは「君のいうところの大人では全然ないね」と言い、逆に「君のいうところの子供でも全然ないね」と言いました。

キノは一体何者なのか、少女は不思議に思います。するとキノは「僕はキノさ、キノって名前の男」と言いました。そして「旅をしてやりたいことや好きなことをしている」と言うと、キノは少女に好きなことを尋ねました。少女は「歌を歌うこと」と答えます。それを聞くとキノは歌い出しましたが、その歌はとても下手でした。

すると少女も歌を歌い出しました。少女の歌はとても上手で、キノも絶賛します。歌手になればいいと提案しますが、少女は「歌手にはなれない」と言いました。少女は家を継がなければならず、それは昔からの決まりだというのです。キノはそれを聞いて「お国の事情ってやつだな」と悲しそうに呟きました。

あらすじネタバレ②新しいキノ

ここからはアニメキノの旅の「大人の国」の中盤のあらすじをネタバレします。朝少女が起きると、複数の人と両親が話していました。その人達は少女の親に「子供を育てることは立派な仕事だ、あなたたちは立派な大人だと証明された」と言います。両親はその言葉に喜びます。少女はそんな両親に声をかけました。

少女は両親に「大人になるための手術は受けたくないの」と言いました。そして「今の自分のままで大人になる方法はないのかな?」と聞きます。すると、父親は「馬鹿野郎!」と少女を怒鳴り散らしました。父親は今まで皆が受けてきた手術をバカにするのかと憤慨し、母親は「そんな愚かな考えを持って申し訳ありませんでしたと国中の皆に誤りなさい」とヒステリックになります。

少女があっけにとられていると、次は周りの人々が両親を責め立てました。両親はキノが少女に愚かな考えを吹き込んだのだと怒り、キノに「お前みたいのがいるから世の中がダメになっちまうんだ!」と怒鳴りました。しかしキノは父親の後ろにいた少女にウインクをしてほほえみ、父親には「なんですか?」と知らぬふりをしました。

父親の怒りは増しますが、それを一人の老人が止めました。そしてキノに「この国にもこの国のしきたりがあります」と諭します。キノはこの国にいると殺されそうだと感じ、早々に国を出るつもりでいることを老人に伝えました。すると老人は、キノは正式に入国しているので、この国にいる間は身の安全を保証すると不敵な笑みを浮かべながら言いました。少女はキノとの別れを惜しみます。

キノは「一つの国には3日だけって決めているんだ」と少女に言いました。少女に「元気で」と言うと、キノは少女の後ろで父親が笑顔で包丁を持っていることに気づきます。「何故包丁なんか持ってるんです?」とキノが問いかけると、老人はそこの少女を処分するためだと言いました。「大人の国」では子供よりも大人が上位とされており、大人に逆らうと処分されるという決まりがありました。

さらには親が子供を作ったのだから、子供は親の所有物であるという考え方をしていました。親は失敗作を処分する権利を持っていたのです。父親が少女に包丁を向けた瞬間、キノは少女を庇って心臓を一突きに刺されてしまいました。

あらすじネタバレ③決断

ここからはアニメキノの旅の「大人の国」のラストのあらすじをネタバレします。父親は「この人が飛び込んでくるからガキを刺すはずの包丁が刺さってしまいました」と悪びれもなく老人に相談します。少女はあっけに取られてしまいました。老人は「これは事故だ」と言います。

皆も違いないと賛同しました。父親はキノに刺さった包丁を抜こうとしており、少女は黙って見ることしかできません。そんな少女にモトラドは「自転車に乗ったことはあるかい?」と話しかけます。少女が返事をすると、「ここにいると君死ぬんだろ?」とモトラドは少女に聞きました。少女は「生き残って手術受けるよりは死んだほうがマシ、ていうか同じ」だと言いました。

モトラドはその答えを聞いて、自分に乗って逃げることを提案をします。そしてモトラドが「逃げるんだよ!」と言うと少女はモトラドに飛び乗って国の門を出ることができました。後ろを振り向くと住んでいた国はもう遠くになっていました。少女は赤い花畑に差し掛かると、モトラドごと倒れました。モトラドが起こしてくれと少女に頼むと、少女はやっと自分に声をかけていたのが乗ってきたモトラドだったことに気が付きます。

モトラドは少女のことを「キノ」と呼びました。なんでキノなのかと聞くと、「さっき名前を聞いたときそう言ったよ」とモトラドは言います。たまたま少女が起き上がった時にキノと呟いただけでしたが、モトラドは少女の名前が「キノ」なのだと勘違いしていました。少女はポケットに入っていたお菓子を割り、「私はキノ、いい名前でしょ」と笑顔でモトラドに言いました。

モトラドもまた自分の名前を知りませんでした。キノが「エルメス」という名前を教えると、エルメスは自分の名前を気に入ったようでした。そしてエルメスは「これからどうするの?」とキノに尋ねました。

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キノの旅 大人の国の原作小説を紹介

大人の国はキノの旅の起源

キノの旅の原作やアニメのあらすじのネタバレを読むと、「大人の国」はキノがなぜ旅を始めたのか、その原点が描かれていることが分かります。「大人の国」で少女はキノという旅人の男性と出会い、キノの命と引換えに「大人の国」から脱出することができました。そして自分の好きなことをして生きることができるようになったのです。そして国から出た後はそれまでの自分を捨てて、キノの名前を引き継いでいます。

「私」で語られる大人の国

キノの旅の原作やアニメを見ると分かるのですが、「大人の国」では少女は自分のことを「私」と言っていました。現在のキノの一人称は「ボク」に変化しています。そのため「大人の国」は、現在のキノが少女時代を振り返っているというようなストーリーとなっています。ちなみに原作の「大人の国」は、叙述トリックが巧妙で、現在のキノ以外の人物なのではないかとも思わせるストーリーになっていました。

2017年のアニメでは物語の始まりと終わりに現在のキノが登場しており、声優も同じなのでキノと少女が同一人物だとわかりやすい演出がされています。もし現在のキノがあの少女であるのなら、一人称が先代と同じ「ボク」に変化しているので、"旅人キノ"として先代キノのやり残したことを引き継いでいるかのようにも考察できます。

大人になる手術とは?

キノの旅の原作やアニメのあらすじのネタバレにもあるように、「大人の国」では12歳になると大人になる手術を受けることが国で決まっていました。そもそも「大人の国」では、嫌なことや辛いことでも文句を言うことなく使命を果たすことが大人だといわれています。おそらく外科的な手術を受けて脳の感情を操作し、やりたくない仕事もできるようになるのだと考察できます。

キノと言う男

キノの旅の原作やアニメのあらすじのネタバレを読むと、キノは少女の常識を覆すきっかけを与えたことが分かります。大人になることは嫌なことをすることではなく、自分の好きなこともできるという新しい選択肢を少女に与えました。

子供だった大人

キノの旅の「大人の国」では、強制的に大人になった人々は、大人とは思えないような言動をしていました。原作やアニメのあらすじのネタバレにもあるように、少女が手術を受けたくないと言うと大人達は「大人をバカにするのか!」と問答無用で激昂しています。手術を受けないと選択した少女のほうが、一歩大人として成長したとも考えられます。

キノの死

キノの死は少女にとって決断のきっかけとなりました。元々少女は手術は受けたくないが、「大人の国」を出るつもりはありませんでした。殺されると知っても、「手術を受けるよりも死んだ方がマシ」と考えており、どこか諦めていました。しかし、キノの旅人としての生き方には強い憧れを持っていました。だからこそエルメスの「逃げるよ!」の一声で少女はとっさに逃げることを選択できたのです。

贈り物

キノの旅の原作には、刺されたキノから父親が包丁を抜くシーンがあります。父親は包丁がなかなか抜けず、てこずります。ここで時間がかかったおかげで、エルメスと少女は話す時間がとれ、逃げる決断をすることができました。少女は原作で、「その時間は、キノが最後に私にくれたプレゼントのような気がする」と語っています。

本当の大人

世の中は大人と子供で区別されています。「大人の国」では、本当の大人がどんなものなのかを考えさせるような作品です。20歳になれば強制的に大人だと判断されますが、20歳を越えてもまだ子供のような大人もいます。大人は強制的されるものではなく、様々なことを経験して成長することで大人になっていくということを伝えているのではないかと考察されています。

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キノの旅 大人の国のアニメのお菓子

アニメの特別なお菓子

「大人の国」のアニメでは手術を受ける1週間前の子供たちに、特別なお菓子を渡していました。少女は毎日1個お菓子を取り出し、嬉しそうに食べていました。ちなみに原作には、このお菓子は描写されていませんでした。

お菓子は感情をコントロールする?

「大人の国」のアニメでは、そのお菓子を見たキノは、悲しそうな複雑な表情をしています。作中ではお菓子の意味が語られることはありませんでしたが、おそらく少女にとって良くないものだと思われます。1週間後に大人になるための手術を受けるので、感情をコントロールするためのお菓子なのではないかと考察されています。

お菓子を割ることの意味

アニメの最後には、国から脱出した少女が持っていたお菓子を二つに割りました。これは、過去の自分との決別を表し、キノとして生きていく覚悟を決めたのではないかといわれています。

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キノの旅 大人の国は滅んだ?

4巻に出てくる廃墟の国

キノの旅の原作4巻には、エピローグとプロローグに「紅い海の真ん中で」というストーリーがあります。このストーリーに登場する国は、既に滅んでおり廃墟となっていました。

国の外の紅い花

「紅い海の真ん中で」のあらすじをネタバレすると、キノが訪れた国は崩壊した建物や骨があり、生きている人はいませんでした。キノが国の外に出ると、外は真っ赤な花が咲き乱れていました。「紅い海の真ん中で」というタイトルの「紅い海」は紅い花のことを指していました。

滅んだキノの故郷

この原作4巻の紅い花の描写は、「大人の国」の最後の描写と似ています。そのため、原作4巻の「紅い海の真ん中で」という話は、「大人の国」が滅んだ様子を描いているのではないかといわれています。また、2017年のアニメでは、「紅い海の真ん中で」と「大人の国」をリンクさせた演出となっています。さらに原作6巻の「寄付の国」ではキノは「故郷は滅んだ」と言っています。

キノの旅 大人の国に関する感想や評価

「大人の国」は2003年版と2017年版のアニメ両方で放送されました。両方の「大人の国」を見た方の感想には、2003年版の方が怖かったという方がいました。アニメではキノのキャラクターデザインが変わっているだけでなく演出も異なります。「大人の国」の感想では2003年版派と2017年版派で意見が分かれているようです。

子供の頃と大人の頃で感想が変わったという方もいました。子供の頃に「大人の国」を読んだ時は、こんな国は嫌だという感想を持ったのに、実際に大人になると不幸にならないならそれでも良いかもしれないという感想を持つようになったそうです。大人の方の感想の中には、「大人の国」で手術を受けたいという感想もありました。

「大人の国」の感想では、キノのように楽しいことをして生きていけることを喜んでいる方もいました。また、多くの人が働くことや大人の定義について改めて考えさせられたという感想を持っています。その他の感想の中には、まさしく「大人の国」に登場する大人達のように、嫌なことをしながら働いているのではないかと気付かされたという感想を持っている方もいました。

キノの旅 大人の国のあらすじネタバレまとめ

キノの旅の「大人の国」のあらすじのネタバレを見ると、大人とは何なのかということを考えさせられるストーリーとなっていました。そのため、「大人の国」を読んだ方の感想には様々な意見がありました。「大人の国」はキノの原点にもなっているストーリーなので、ぜひ読んでみて下さい。

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