【キノの旅】船の国(第4話)の感想ネタバレ!ティーのシズへの行動の意味とは?

「キノの旅」という人気のライトノベル(若者を中心に読まれている小説)があります。今回はアニメ第2期第4話"船の国”というお話を取り上げてみます。通常はキノという少年の姿をしている少女と、エルメスという言葉を話すモトラド(バイク)が主人公のお話しですが、"船の国”では旅の途中で知り合ったシズという男がメインのお話しになっています。船で育ったティーとの出会いから船を降りるまで、そしてシズとティーの旅の始まりまで描かれる今回のお話しをネタバレで紹介します。また、このお話の感想も取り上げています。

【キノの旅】船の国(第4話)の感想ネタバレ!ティーのシズへの行動の意味とは?のイメージ

目次

  1. キノの旅とは?
  2. 船の国(キノの旅第4話)のあらすじネタバレ
  3. 船の国(キノの旅第4話)のティーの行動などを考察
  4. 船の国(キノの旅第4話)の「死ぬほど驚くかもね」の意味
  5. 船の国(キノの旅第4話)に関する感想や評価
  6. 船の国(キノの旅第4話)ネタバレまとめ

キノの旅とは?

キノの旅の原作情報

「キノの旅」とは時雨沢恵一作のライトノベル作品です。2000年3月に電撃文庫から発行されたこちらの作品は、ライトノベルということもあり、子供たちから青年層に人気のある作品です。2003年と2017年にはアニメ化、2003年にはPS2からゲーム、2006年には作者自身によるパロディ本の「学園キノ」が発売されています。

短編連作の形で2004年までで8巻、その後は毎年新刊発行されており2017年10月時点で21巻が刊行されています。しかし2018年以降は作者多忙ということで、発行はされていません。

キノの旅のアニメ情報

「キノの旅」のアニメは前述したように、2003年と2017年の2回制作されています。1期目とされる2003年4月から7月に全13話で放送されたキャストには、俳優で声優、現在は歌舞伎役者の妻になられた前田愛さんがキノ役に、また最終話に登場するさくらという女の子の役を声優・悠木碧さんが務めており、お2人とも今作品がデビュー作品になっています。

1期の全13話は次の通りです。第1話人を喰った話、第2話予言の国、第3話大人の国、第4話レールの上の三人の男、第5話コロシアム(前編)、第6話コロシアム(後編)、第7話魔法使いの国、第8話本の国、第9話機械人形の話、第10話彼女の旅、第11話平和な国、第12話優しい国、第13話人の痛みが分かる国。

2期目にあたる2017年のアニメのシナリオは前作からの続編ではなく2015年に15周年を記念して行われた人気投票の結果を参考に1巻~20巻よりピックアップされた内容のようです。また、キノが訪れる国ごとに微妙な違いを出すために制作会社や制作陣を変えているということです。キャストは一期目にゲスト出演した悠木碧さんがキノ役に、斉藤壮馬さんがエルメス役に、シズ役に梅原裕一郎さんが声を担当しています。

以降は2期目の全12話のタイトルです。第1話森の中で・b/人を殺すことができる国/森の中で・a、第2話コロシアム、第3話迷惑な国、第4話船の国/渚にて 旅の始まりと終わり、第5話嘘つき達の国/旅人の話、第6話雲の中で・b/雲の前で/雲の中で・a/あの日から、第7話歴史のある国、第8話電波の国/ティーの一日。

第9話いろいろな国(山賊達の話/徳を積む国/料理の国/ティーの願い/美しい記憶の国/アニメなあとがきの国)、第10話優しい国、第11話紅い海の真ん中で・a/大人の国/紅い海の真ん中で・b、第12話羊たちの草原/旅の終わり。

船の国(キノの旅第4話)のあらすじネタバレ

あらすじネタバレ①船の国へ

ここからは「キノの旅」アニメ2期の第4話になる「船の国」のあらすじをネタバレで紹介します。第4話は主役がキノではなく、国を捨てて新天地を求める元王子様のシズです。

シズと、話の出来る犬の陸が船の国に乗り込むところから始まります。船に乗ったシズ達は早速船の統治者がいる塔につれて行かれます。そしてそこで「国で仕事をすることを条件に、大陸まで乗船することを許しましょう。その仕事とは、国民の監視をする仕事。ただし、塔の民と呼ばれる権力者たちと同じ暮らしをすることができる。もしくは、国民と同じ扱いを受け、同じ労働をする。そして一緒に生活すること。どちらの仕事か選べ」

と、言われます。シズは迷わず、船の国の国民と同じ扱いを受けるほうを選択します。「旅人でそちらを選んだ人は初めてだ」「信じられない」等と囁かれながら、船の国の国民のいる下層階に案内されるシズと陸。そこは古びて錆びついた船の国の国民が住む場所でした。

あらすじネタバレ②ティーとの出会い

船の国の国民のいる場所は決して清潔で過ごしやすい所とは言えない場所でしたが、シズは動じることなくそれを受け入れます。ネタバレ2つ目、案内役として紹介されたティーという女の子との出会いでした。ティーは無口な女の子でした。案内役なのにほとんどしゃべらない女の子を付けるのは理解できない。と不思議に思う犬の陸をよそに、シズはティーを頼りに船の深いところまで案内してもらい、いつしか心を通わせていきます。

あらすじネタバレ③現れるキノ

ティーが案内するいくつかの場所は浸水していたり、用をなさなくなった船のシステムがある所でした。シズの違和感はいよいよ確信に変わっていきます。”この船はいずれ沈没する”シズの統治者としての血が騒ぎだします。国民の為に、塔の民と呼ばれる船の統治者達を糾弾しようとするシズですが、そのシズの前に顔の見えない者が立ちはだかります。

ネタバレの3つ目、塔の民と同じ衣装を身に付けた者が先にシズに気付きます。そしてマントを取ったその顔はなんと、第4話で初めて姿を現すことになったキノでした。

あらすじネタバレ④陸地へ

同じように船の国に乗り込んだキノ達は”国民を監視する仕事”を選んだようです。シズと再会し事情を把握したキノはシズを塔へ通します。塔に上ったシズとキノは塔の民の元へ行きこの船の欠陥を指摘しますが、その者達に実態はありませんでした。全てAI=人口知能だったのです。AIは最後に「この国の王にでもなるつもりか?」と問います。「必要なら」と答えるシズ。「いいだろう、次はお前だ。一緒に生きろ」と言い残し消滅します。

ネタバレ4つ目は、船の国の統治者はAIだったということです。AIが消えた船の国の国民を自由にしてあげようと、陸地に上げるシズですが国民は喜ぶどころか、シズに反論し船に戻ってしまいます。船でしか生きてこなかった国民にとって船が何よりの楽園だったようです。シズは国民を統治することに失敗しました。

皆が船に戻り、大陸に戻ったキノとエルメス、シズと陸とそしてティー。ティーはシズに「君も船に戻るといい」と言われると、おもむろに持っていたナイフでシズの腹部を刺します。「戻るところなんかない」というと手榴弾を引こうとしますが、間一髪キノがピストルで撃ち落としています。そして「その子がティファナだね」とエルメスが話しだします。

シズの傷は大事に至らなかったようです。シズはティーの過去を聴き一緒に生きていく事を決めました。キノとエルメスがいつものように旅に出発する時「またどこかで、僕が旅を続けていればきっとあなたが住む場所に辿り着けると思います。」とキノはシズに言って別れます。エルメスと走り出してからキノは「将来あの人と会うことがあったら、あの人は死ぬほど驚くかもね。」と言って次の国へ向かいます。

船の国(キノの旅第4話)のティーの行動などを考察

考察①シズが感じた違和感

ここからはアニメ版第2期の「キノの旅」第4話船の国についての考察を紹介します。まずは、シズが感じた違和感についてです。その一つ目は、国民が貧しい生活の中でも一貫して「楽しく生きている」と言っていることだそうです。貧しくても幸福感があること自体はおかしいことではないのでしょうが、食べる物も少なくあまり陽の当らない船底での生活は幸福感があるとは言えないのではないでしょうか?

違和感の2つ目は、船の欠陥と騒音です。船では度々騒音がしているようで、初めて乗ったシズには気がかりなことだとしても、国民は「塔の民がなんとかする。」の一点張りで何ら心配していない様子です。ティーに案内されて船の欠陥を目の当たりにしているシズは、この船がいずれ沈没すると確信しています。

国民の、真実から目を背けるような生き方と、シズの国民を助けたいという思いの温度差には、違和感しか感じないという感想が非常に多く寄せられていました。

そして、3つ目の違和感は統治しているはずの塔の民は何もしていないということのようです。船の壊れた箇所も放置していることから、各所での浸水も見られるこの船は沈没するのを待つばかりの様子です。統治しているはずの塔の民がその責務を果たしていないことに対して、いよいよ我慢できなくなったシズは塔に乗り込みその違和感を解消するために直訴します。

そして、その違和感は意外な結末で合点がいきます。シズが乗り込んだ塔には、塔の民の一族と呼ばれる人々がいるはずでした。ところが、それは人の形を模したゴム人形。その実はAI=人工知能だったのです。

考察②ティーがシズを刺した理由

2つ目の考察は、船の国の国民が結局船を選んで戻る中、シズの案内役だったティーにシズが「君も船に戻っていいんだよ」と促すも、ティーは黙ってシズに抱き着いたかと思いきや、あろうことかシズをナイフで刺してしまうのです。この衝撃的なシーンに視聴者、読者は疑問を抱いているようです。何故刺したのか?心が通ったかに思われた少女ティーと青年シズだっただけに、刺して傷つけるという行為は理解できない。と言う感想です。

そのことについての考察は、シズを刺した後「戻るところなんかない」といったティーは、シズと一緒に死ぬつもりで刺したのではないか。や、ティーはAIに育てられたということから人間としての倫理を育んでこなかったのではないか?痛みや、死という概念がないのではないか?という感想もあります。だからと言って刺すという行為に至ったティーに共感はできない。という感想が大半です。

エルメスが船の黒服に聞いた話だと、およそ600年前、放棄されて無人だった船の国に、流れ着いた漂流船ティファナ号。そこに乗っていたのは数百人の子供達だけで、大人は全員新種の疫病で死んだそうです。その子供たちの子孫が船の国の今の国民ということです。そして、ティファナ号を制御していたAIが今の船の国に乗り移って塔の一族になり人々をまとめ、生かそうとしたようです。

AIは陸に船をつけることも考えたようですが、船の国の国民は陸で生きる術を知らないし、他の国に攻め入られても守る術をAIは持たないことから断念したといいます。ティーは元々船の国の人間ではなく、旅人が船の国で産んで、捨てていったといいます。黒服がティファナと名付け大事に育てたのですが、船の国の国民は血のつながりのないティーと関わろうとしなかったようです。

同じ人間の船の国の国民からは疎まれ、育ててくれたAIはもういない。という中で、心を通わせてくれたシズ。そのシズに「国に戻れ」と言われ、自暴自棄になり心中を思ったか、単に自分の気持ちを理解してくれないシズへの逆恨みだったのか、答えは未だにわからないようです。

船の国(キノの旅第4話)の「死ぬほど驚くかもね」の意味

キノの「死ぬほど驚くかもね」のセリフ

第4話「船の国」で、もう一つ物議を醸し出したセリフがあります。それは、シズ達と別れてからのキノとエルメスの会話です。シズとキノは別れ際「またどこかでお会いしましょう。」というような言葉を交わします。それを受けて、エルメスがキノに問いかけます。「ところでキノ、将来又あの人と会ったら…」それに対してキノは「そうだね、その時は、あの人は死ぬほど驚くかもね。」と言って幕を閉じます。

どんな意味がある言葉なのか、その言葉の意味もまた答えは明言されていません。大方の感想は「その真意がわからない。」というものです。エンディング曲が終ってからのシーンということもあって、聞き流していたという方も多いのですが、そのセリフについて考察をまとめてみます。

「死ぬほど驚くかもね」の意味考察

それに対する考察は様々言われています。まず多いのは、男の子だと思っていたキノが将来会った時には、すっかり女性らしくなっているだろうから驚くだろう。という考えや、キノと言う名前だけ受け継がれていくので、今のキノとは全くの別人になっていて驚く。あるいは、小説では最初にキノとシズが出会ってから船の国で再会するまでだいぶ時間が経っている為今回でも驚きなのにまた再開があるとしたらそれは驚くでしょう。等です。

上記のように有力な説や突飛な説もありますが、アニメ化されたことで考察が覆されたものもあります。シズが実は死んでいるのではないかという説、「死ぬほど驚く」のセリフはエルメスの言葉説、あるいはシズと陸に対して言った説等々あります。シズとティーの後続のお話しがあることや、絵と音声が入ることで誰の言葉かまた、誰に向けての言葉だったかが明らかになり可能性が消えたものもあります。

船の国(キノの旅第4話)に関する感想や評価

ここからは「キノの旅」第4話「船の国」に関する感想や評価をTwitterを交えて紹介します。

上記のような感想です。モトラドのエルメスや犬の陸、そして船の国の塔の一族、話すことと考えることができる。そんな「意思を持った人間でないもの」達が存在する世界を再認識した感想のようです。

上記のように船の国については、日本の国家と船の国を重ねて見られた方の感想が多くみられます。ラノベといえども奥の深い話が多く、大人にも読んでもらいたいという感想も多くあります。

上記のような感想もあります。視点が違うとそれぞれの感想が違ってくるのは当然です。実は船の国のお話しは原作のライトノベルではもっと長めのお話しのようです。それをアニメの30分にまとめたことに感心している感想等もありました。

船の国(キノの旅第4話)ネタバレまとめ

以上、「キノの旅」第4話船の国はいかがだったでしょうか?予想以上に深いお話しでした。何故?なに?という考察ポイントも幾つかあるこのお話しですが、結局答えはわからないままのようです。原作を全て読んでみたらわかることもあるかも?これを機にもう一度読み返してみてもいいかもしれません。

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