【キングダム】ランカイは実在した？生い立ち・強さや実写版映画のキャストも紹介

成蟜の子飼いとして登場したランカイは、化猿とも呼べる巨体や素手で敵を倒すほどの怪力を持つ「キングダム」序盤のラスボス的存在であり、現在は山の民として楊端和軍に所属する武人です。以下では、キングダム・ランカイの正体や性格、実在の有無、ランカイの悲しい過去、強さや弱点、実写版「キングダム」ランカイ役のキャスト等を紹介します。

男女問わず幅広い読者層に支持されている「キングダム」は、原泰久先生の大ヒット漫画で、2006年から「ヤングジャンプ」で長期連載されている同誌の看板作品です。「キングダム」は、中国・春秋戦国時代を舞台に、秦王・政（後の始皇帝）による史上初の中華統一を成し遂げるまでを描き、実在の将軍をモデルにした主人公・李信と政を軸に、秦国と近隣諸国との戦いを壮大なスケールで描いた作風が人気に火を付けました。

また、「キングダム」は、2011年～2013年にかけてアニメ化が放送され、2018年には単行本・第50巻達成を記念して実写版映画の制作と豪華キャスト陣の出演が発表されました。実写版「キングダム」では、迫力ある演出やキャスト陣の演技力が評価され、多くのキングダムファンを魅了しました。

「キングダム」は、春秋戦国時代を記録した中国の歴史書「史記」を基にストーリー構成がなされ、主人公・李信や嬴政（始皇帝）を始め、登場キャラクターの大半は、史実に記録が残されている実在の人物をモデルに描かれています。一方で、今回紹介するランカイや後に彼が引き取られた山の民のように、実在人物をモデルとしない作者・原先生の完全オリジナルキャラクターも少数ながら登場しています。

「史記」をベースにストーリー展開される「キングダム」は、史実を調べることで簡単にネタバレを知ることが出来る一方で、結末に辿り着くまでのシナリオや実在しないオリジナルキャラクターの活躍のように、他の作品とは異なる予測不能な展開が、キングダム読者を虜にしています。

時は、秦・韓・楚・趙・魏・斉・燕の7つの大国がしのぎを削り合う春秋戦国時代末期。下僕から天下の大将軍を目指して修行に励む李信の下へ若き秦王・政が訪ねてきます。運命の出会いを果たした信と政は、天下の大将軍と史上初の中華統一を成し遂げるべく、お互いに手を取り合います。そして、様々な戦や困難を経験しながら、秦国を中華一の大国へとのし上げていきます。

キングダム・序盤のラスボスとして登場したランカイは、秦王・政の異母弟にあたる成蟜の側近として猛威を振るいました。母親の身分が低い政とは対照的に、高貴な血筋を鼻にかける成蟜は、自分こそが秦王に相応しいと豪語し、現秦王に対して反乱ののろしを上げます。そして、人間離れした巨体と怪力の持ち主である化猿・ランカイを従え、秦王側と激戦を繰り広げます。

成蟜の命令には絶対服従するランカイは、キングダム・第1巻から登場し、兄・政の首を討ちとれないことに苛立つ成蟜の姿を察して、主人の機嫌を損ねた部下の頭を鷲づかみにする光景が描かれました。その後、竭の機転によりその場は一旦おさまりを見せたものの、あと一歩遅ければ部下の頭をひねりつぶしかねないランカイの怪力は、その知れない強さと恐怖を漂わせました。

成蟜の命令に忠実な姿勢を見せるランカイには、鋼と表現される強靭な肉体も秘めており、剣で体を斬りつけるだけでは、ダメージを負わせることが出来ず、信や山の民に苦戦を強いらせます。そして、政と反乱軍との戦いは、信の機転により政側の勝利に終わり、深手を負ったランカイはその場に倒れ込んでしまいます。

成蟜の子飼い時代にみせた人間離れの怪力と残忍さ、化猿とも呼べる巨体から、キングダム屈指の悪キャラとも呼べるランカイの性格ですが、成蟜のお仕置きに対する異常な恐怖心から、子供のような純粋さを秘めていると推測されています。作中では、人間をモノでも扱うように残酷な方法で殺害していくランカイの姿が強調され、キングダムの読者に大きな衝撃を与えました。

しかし、ストーリーを追うごとに明かされていったランカイの過去を紐解くと、ランカイの残忍さは、彼の意思ではなく、事あるごとにお仕置きと称した調教を繰り出してきた成蟜に対する恐怖心が根底にあると考察されます。そして、王宮での戦いでの成蟜の命令に対して半狂乱をひき起こすなど、気弱な性格も指摘されます。

また、赤ん坊の頃から、成蟜の意思で動くことを強制されて育った経緯から、ランカイには自我が芽生えておらず、山の民として秦国の救援に向かう姿勢もおそらく、自らの意思ではない可能性も考えられています。その一方で、山の民として迎えられてからは、1人の人間として生活を送ることが出来ていると推測されるため、少しずつではあるものの、ランカイの自我の目覚めつつあるとも考察できるでしょう。

秦王・政の王宮奪還の成功を受けて、主人の成蟜は幽閉生活に入り、ランカイは楊端和将軍率いる山の民に迎え入れられ、バジオウたちと共に秦国の危機を救います。成蟜の子飼い時代は、人間として扱われず、動物のような鳴き声を発していたランカイでしたが、噂では少し喋ると言われており、山の民との触れ合いを経て、少しずつ人間の心や自我を取り戻しているでしょう。

史実を基にストーリー展開される「キングダム」では、登場人物の多くは、実在の人物または、実在の人物をモデルにキャラクター設定が施されている一方で、作者・原泰久先生による完全オリジナルキャラクターも少数ながら登場しています。以下では、山の民となったランカイの実在の有無や、ランカイのモデルについて考察しました。

人間離れした巨体と怪力で多大なインパクトを残したランカイは、史実に記述がないことから、キングダムオリジナルキャラクターだと推測されます。また、ランカイのモデルと推測される実在の人物も史実に見当たらないことから、原先生によって生み出された完全オリジナルだと断定されるでしょう。

原先生が生み出した完全オリジナルキャラクター・ランカイは、「キングダム」での活躍や人間離れした特性から、一部の読者からは、実在の人物の有無よりも、ランカイの正体に多くの関心が寄せられています。ランカイが人間以外の存在ではないかと考察される背景には、人身売買された時に珍種の猿の赤子として売られていたこと、王宮で繰り広げた信・山の民バジオウとの戦闘時に判明した、人間離れした頑丈な皮ふが挙げられます。

また、人間の赤ん坊だったと推測されるランカイを、珍種の猿の赤子と宣伝した闇商人の宣伝文句や、ペットのように調教する成蟜の行動、そして、王宮戦での敗北後に見せた強靭な生命力からも、ランカイの正体が人間ではなく、化猿であることを示唆しているでしょう。

原先生のオリジナルキャラクターであるランカイは、人間を大きく上回る巨体と猿にも似た顔だちから、鳥山明先生の代表作「ドラゴンボール」に登場するサイヤ人がモデルではないかと考察されています。「ドラゴンボール」のサイヤ人には、満月を見ると巨大な猿へと変貌する特性があり、「キングダム」で描かれたランカイの暴れぶりは、満月の夜のサイヤ人を彷彿させるでしょう。

「キングダム」では、序盤のラスボスとして多くの衝撃を与えたランカイでしたが、彼の生い立ちを紐解くと、キングダムの登場キャラクターで一番過酷な人生を送ってきたことが判明しました。以下では、壮絶な過去が明らかにされたキングダム・ランカイの生い立ちを紹介します。

人身売買目的で闇商人の手に渡ったランカイでしたが、その出自やどのような経緯で闇商人の手に渡ったのか、出生は謎に包まれています。しかし、珍種の猿の赤子というネーミングや成人男性の倍以上の巨体に成長した姿から、両親も人間でない可能性も高く、人間の手で誘拐されて闇商人の手に渡ったと考えられます。

一方、自分のペットとして使える人間を探していた成蟜も、ランカイの人間離れした容姿と、闇商人の宣伝文句に興味を抱きます。そして、成蟜に売られたランカイは、成蟜に逆らえることが出来ないように、赤ん坊のうちから過酷な調教を受けることとなります。

ランカイを飼いならすべく、成蟜が繰り出す調教は「お仕置き」と称された過激な拷問でした。そして、お仕置きを通じて恐怖心を植え付けられたランカイは、次第に成蟜に対する恐怖を芽生えさせ、常に成蟜の顔色を伺いながら行動するようになります。一方、成蟜も、ランカイを意のままに操るべく、自分の存在カ価値は人間を暗殺することを、お仕置きを通じてランカイに叩きつけます。

高貴な生まれで、プライドの高い成蟜は、母親の身分が低い異母兄・政をはじめ、自分より格下の存在が、自分の近くにいることが我慢ならない、傲慢な性格の持ち主でした。そして、「キングダム」では、自分が気に入らない部下を、ランカイを使って粛清に追い込むなど、暴君ぶりを見せつけています。

そして、成蟜の子飼いとして成長したランカイも、指鳴り1つで成蟜の意図を汲み取れるほどに成長し、自分の意思を持つことが許されない、成蟜に対する絶対服従の日々は、王宮の戦いで、成蟜側が敗北を期するまで続きました。

成蟜の操り人形のように育てられたランカイは、通常の剣攻撃では太刀打ちできない強靭な肉体と生命力が備わっていることから、キングダム屈指の最強キャラクターとも称されています。以下では、「キングダム」のランカイの強さと、ランカイの以外な弱点について考察を交えて紹介します。

知能面では、キングダム登場キャラクターの中では最も劣るランカイですが、武力面ではそれらを補うかのように、高い数値を誇っています。そして、多くの読者にインパクトを与えたランカイの怪力ぶりは、武器を用いて戦う武将たちに劣らぬ強さを見せつけ、キングダム屈指の強さを誇っています。

ランカイの怪力は、成蟜が気に入らない人物をたった一撃で人を叩き潰してしまったり、成蟜の本殿での戦いでは、戦いに挑む山の民の胴体を軽々引き裂いてしまうように、人間離れした破壊力を秘めています。このように、他の登場キャラクターにはない強さや残酷さは、キングダム読者に衝撃を与えました。

長身を誇る武将が数多く登場するキングダムの中でも、化け物とも称されるランカイは、大人の身長の2倍は軽く超えるような巨体の持ち主です。桁外れな巨体に、化猿のような容姿、「ボエエエ」と不気味な鳴き声は、成蟜の本殿に到着した信を驚愕させました。そして、巨体をハンディとしないランカイの俊敏な動きは、当時、戦初心者だった信が太刀打ちできるものではなく、信を体ごと吹き飛ばし気絶させます。

秦王・政との戦いでは、常人を超える惨酷さで敵を次々と一掃していったランカイでしたが、彼の強さの秘密は、幼少時代が受け続けてきた、成蟜の拷問に対する恐怖が原動力となっていると考察されます。

雑兵相手ならば赤子の手をひねるように、次々と倒していくランカイの戦闘能力は限界を知りません。そして、山の民最強の戦士・バジオウの攻撃すらものとしない強靭な肉体は、通常の戦いでは歯が立たないことを見せつけました。また、ランカイの強さは、バジオウが、本気で挑まなければ太刀打ちできないほどと言われています。

ランカイと信・山の民の戦いは、信の機転によりランカイが敗北を期しましたが、肩口を突き通されても、うめき声を上げるランカイの姿から、並みならぬ生命力も秘めていることも推測されます。現在は、成蟜の元を離れて山の民として活躍するランカイですが、猛者4人を相手に4対1で戦いを繰り広げたランカイの実力は、未知数の可能性を秘めているでしょう。

戦闘面では、バジオウに劣らぬ強さを見せつけたランカイでしたが、意思を持たずに育った経緯からメンタルの弱さが弱点に挙げられます。成蟜からの執拗な拷問に対する恐怖心が、ランカイの戦闘威力の原動力となっていました。しかし、自分を打ち負かした信の気迫は、ランカイに本当の恐怖を与え、成蟜の脅しは、もうランカイの足元にも及びませんでした。

その後、楊端和の元へ引き取られたランカイは、これまでのように恐怖による支配から解放されたことで、少しずつ人間らしい感情を取り戻しつつあると考察されます。そして、本当の意味で戦う意思を芽生えさせたランカイの姿は、楊端和軍屈指の武力となりうるでしょう。

俳優・山崎賢人さんや長沢まさみさんら豪華キャスト陣の出演が話題となった実写版「映画キングダム」には、強烈な存在感で多くのファンにインパクトを残した実写版ランカイにも注目が集まりました。以下では、実写版「映画キングダム」のランカイ役キャストのプロフィール・出演作、ランカイとキャストの共通点を紹介します。

実写版「キングダム」でも、原作に劣らぬ強さで信たちを圧倒したランカイ役を演じたキャストは、阿見201さんです。芸人から俳優に転向した経歴を持つ阿見さんのランカイも、原作に劣らぬバケモノ級の破壊力と強靭な肉体を披露し、ファンの期待を裏切らない迫真の演技に注目が集まりました。

実写版「キングダム」にてランカイを演じた阿見201さんは、1979年生まれ、埼玉県出身、芸人活動を経て2015年からは俳優として活躍しています。2004年から2014年にかけてお笑いコンビ・デコボコ団として活動し、持ち前の長身を生かした芸を披露しました。デコボコ団は、2015年に解散され、阿見201さんも芸人から俳優に転向しました。

芸能界屈指の長身を生かした演技が話題となったランカイ役のキャスト・阿見201さんの主な出演作品は、2016年公開の劇場版「仮面ライダーゴースト 100の眼魂とゴースト運命の瞬間」の石川五右衛門役、2019年1月公開の「映画刀剣乱舞-継承-」等です。また、2019年度のNHK大河ドラマ「いだてん～東京オリムピック噺～」では、実在の人物である伝説の柔道家・徳三宝役として出演しています。

キングダム原作のランカイと阿見201さんは、他の登場キャラクター及びキャストと比較して、ずば抜けて体が大きいことが共通点に挙げられます。原作のランカイは、大柄の男性キャラクターの2倍以上の巨体に描かれており、その圧倒的な存在感で小柄な信を威圧していました。

一方、ランカイ役のキャストに起用された阿見201さんの身長は201cm(198cmとも）と、他のキャストと比べてもかなりの長身の持ち主です。一方で、190cm近くの長身を誇る俳優は、阿部寛さん・東出昌大さんの189cmを筆頭に多く見られますが、ランカイ役を演じた阿見さんのように、2m近い長身を持つ俳優は珍しいでしょう。

また、実写版「キングダム」について、一部のファンからは、原作と実写版キャストとのビジュアルの相違に違和感を覚えたという意見が飛び交う中、ランカイ役の阿見201さんを始めとする脇役のキャストは、原作に似せた雰囲気が良いとの感想も見られます。そして、長身だけでなく、ふくよかな体形もランカイに似ていることから、阿見さん演じるランカイも、高い評価を得ています。

原作での迫力ある巨体と圧倒的なパワーから、実写版「キングダム」では、キャスト起用の有無が注目されたランカイに関する感想や評価を紹介します。

原作では、成人男性の２倍以上の身長を誇るランカイの巨体から、実写版「キングダム」の上映を楽しみにするキングダムファンからは、ランカイの配役はキャストではなくCGが使用されるのではないかと推測されていました。また、ランカイ役に阿見201さんの起用が発表された時には、どのような形でランカイの巨体を表現するのか、キャストの役作りにも注目が寄せられました。

原作では、人間離れした出で立ちと振舞いで読者にインパクトを与えたランカイは、映画「キングダム」でも多くの注目を集めました。そして、201mの長身を持つ阿見201さんを起用した実写版ランカイは、原作にも劣らぬ迫力ある存在感を見せつけ、キングダムファンの期待を裏切らないキャストの演技力が高く評価されています。

壮大なスケールで人気を博した実写版「キングダム」は、豪華な舞台装置とキャスト陣の起用だけでなく、原作をそのままスクリーンに映し出した再現度の高さも、高評価を獲得しました。ランカイ役を演じた阿見201さんの役作りも、全身に特殊メイクを施したとは思えない完成度の高い姿は、映画「キングダム」の必見シーンです。

推定身長3メートルと言われるランカイの巨体は、作中の登場キャラクターだけでなく、読者も驚きを隠せないほどの巨体と力を秘めています。一方で、ランカイよりはるかに小柄でありながら、脅威のジャンプ力でランカイを倒した信の機転や身体能力にも多くの注目が集まっています。

キングダム・ランカイの正体と性格、実在の有無、知られざる悲しい過去、ランカイの強さや弱点、実写版「キングダム」のランカイ役のキャスト等を紹介しました。成蟜の子飼いとして人間以下の扱いを受けていたランカイでしたが、現在は楊端和率いる山の民に迎え入れられ、バジオウに次ぐ戦力として、今後の活躍や期待が寄せられているキングダムの注目キャラクターの1人です。