2019年10月13日公開
2019年10月13日更新
【キングダム】慶舎は史実上も実在した?将軍としての強さ・実績と最期を考察
慶舎とは漫画キングダムに登場する趙国の将軍です。慶舎は趙国で「沈黙の狩人」とあだ名される将軍であり、黒羊丘の戦いで総大将を担当して秦国の名将桓騎将軍を苦戦させました。そんな漫画キングダムに登場する慶舎は史実でも実在しており、趙国の将軍として秦国と戦いました。本記事では趙国の将軍である慶舎について史実に実在した人物像や最期、将軍としての強さなどをまとめてご紹介していきます。
慶舎が登場!キングダムとは?
漫画キングダムにおいて「沈黙の狩人」とあだ名される趙国の将軍慶舎。慶舎は李牧と交代して合従軍の指揮を執るなど優れた実力を持った将軍であり、桓騎将軍を黒羊丘の戦いで苦戦させました。実は慶舎は史実でも実在しており、漫画キングダムの読者から実在した慶舎の史実や最期に注目が集まっています。本記事ではそんな「沈黙の狩人」とあだ名される趙国の慶舎将軍について史実や最期などをまとめてご紹介していきます。
キングダムの概要
出典: https://ynjn.jp
趙国の将軍慶舎が登場するキングダムとは日本の漫画家である原泰久が描く漫画作品です。漫画キングダムは中国の春秋戦国時代末期を舞台にした歴史漫画作品であり、2006年から2019年10月現在まで「週刊ヤングジャン」で漫画が連載されています。そんな漫画キングダムはこれまで累計発行部数3800万部を超える大ヒットを記録しており、漫画作品の他にアニメやゲーム、実写映画など多数のメディア作品が制作されています。
キングダムのあらすじ
漫画キングダムは古代中国史に実在した春秋戦国時代末期を舞台に、後の秦の始皇帝である嬴政と天下の大将軍を目指す李信の生涯を描いた漫画作品です。漫画キングダムは仲間との絆や別れ、成長など少年漫画の王道ともいえる要素に史実の歴史を融合させた漫画作品となっており、多くの歴史好きからも支持されている作品です。もし中国史が好きな方でまだ読んだことが無い方は是非漫画キングダムを一度チェックしてみてください。
慶舎は史実で実在?
慶舎は史実でも実在
漫画キングダムに登場する趙国の将軍慶舎は並外れた知力と武勇を持つ知勇兼備の名将であり、漫画キングダムの作中において黒羊丘の戦いで趙国の兵士を率い、秦国軍を率いる名将桓騎将軍を苦戦させる活躍をしました。そんな名将慶舎は「沈黙の狩人」とあだ名されており、敵味方から恐れられています。では漫画キングダムで「沈黙の狩人」とあだ名されるほどの強さを持つ慶舎は史実でも実在するのでしょうか。
慶舎は史実において、趙国の王である孝成王と悼襄王に仕えた実在の将軍であると中国の歴史書に記載されています。なので漫画キングダムの慶舎はこの趙国に仕えた史実に実在する慶舎をモデルに描かれたキャラクターなのです。史実においても実在した慶舎は秦国と戦う活躍をしており、漫画キングダムと同じく名将であったと考えられています。しかしそんな実在した慶舎の史実にはいくつかの不明点が存在しています。
個人伝がない実在の将軍
史実に実在した慶舎は孝成王が治めている紀元前256年に、秦国の信梁軍を打ち破りました。そして趙国の王である悼襄王が国を治めている紀元前240年に趙国の兵士を率いて黄河の梁を守護しました。この記録から慶舎は趙国に実在した将軍とされているのですが、上記以外の個人伝が存在していません。ほとんどの個人伝が存在しないことから漫画キングダムの慶舎はオリジナルキャラクターに近い存在といえるでしょう。
記録が途絶えた慶舎
上述でご紹介した通り、史実に実在した慶舎は紀元前240年に悼襄王が治めている趙国の兵士を率いて黄河にある梁を守護しました。黄河は中国の東西を大きく分ける境界線でもあり、慶舎はこの重要拠点の守護を任せられたのです。しかしその後慶舎は史実に一切登場しなくなり、その最期すらも不明となっています。この期限240年以降からの活躍や最期の記録が一切残っていないことから慶舎は謎が多い人物だといわれています。
史実①王齕と張唐を撃退
中国史に実在した慶舎は史実において、孝成王が趙を治めていた紀元前256年に楽乗という将軍と協力して攻め寄せる秦の信梁軍を撃破しました。しかしそれ以外の情報が一切残っておらず、戦場や戦いの内容などが不明となっています。それでもこの年に残っている歴史の記録を見ると慶舎の活躍が分かってきます。実は慶舎が史実で楽乗将軍と共に秦の信梁軍を破った紀元前256年の1年前に秦の名将である王齕が趙国へ攻め込んでいます。
この戦いの前に白起が長平の戦いで趙国を散々に破っており、趙国にとって敗北の危機に瀕していました。この危機を突いて秦の王齕は張唐将軍を従えて趙の首都である邯鄲へ攻撃を仕掛けたのです。おそらくこの戦で慶舎は楽乗と共に城を守り、信梁率いる秦軍を破ったと考えられます。また信梁が王齕であるという説もあり、慶舎と楽乗が協力して邯鄲で王齕将軍と張唐将軍を破った可能性も浮上しています。
史実②張唐とは?
趙国の首都邯鄲を攻めた王齕は漫画キングダムにおいて秦の最強組織である六大将軍の1人にあたる人物です。王齕は史実に実在した人物であり、史実において長平の戦いで白起の副将を務め、趙の将軍である武安君を討ち取る功績を挙げています。では邯鄲の戦いで王齕と共に参陣した秦国の張唐とはどういった人物なのでしょうか。張唐は漫画キングダムにおいて函谷関を合従軍から守った歴戦の秦国に仕える猛将です。
この漫画キングダムに登場する秦国の名将張唐ももちろん史実に実在している人物です。史実に実在した張唐は漫画キングダムと同じく秦国の王である昭襄王と始皇帝に仕えた秦の将軍です。張唐は史実において魏攻めの指揮を執り、都市である鄭を攻略する活躍を残しています。また趙国との戦いでは長平の戦いで邯鄲攻略に失敗した王齕と協力して寧新中を攻略する功績を挙げ、寧新中を安陽という国名に変えたと歴史に記されています。
史実③連合軍での反撃
慶舎が楽乗と共に秦国軍を破った時と同時期に起こった邯鄲の戦いはどのような最期を迎えたのでしょうか。秦国に首都である邯鄲を攻撃された趙国は長平の戦いで40万人もの兵士を失ったことで戦力はほとんど残っていませんでした。邯鄲の戦いで趙国の総大将は平原君が務め、少ない兵士ながら秦国相手に善戦しました。しかし王齕が率いる秦国軍は大軍であり、平原君は苦戦を強いられてしまって落城間近となってしまいます。
そこで平原君は全ての財産を売って邯鄲の戦力を増強し、必死に秦国の猛攻を耐え抜くことにします。それと同時に平原君は楚国の宰相である春申君を頼り、援軍を請う使者を派遣します。さらに平原君は魏国の平陵君と韓にも援軍を求めます。そして趙は韓・魏・楚の3国と連合軍を結成し、秦軍に反撃します。王齕率いる秦国は大軍だったのですが、連合軍に敵うことなく、王齕は趙国の首都邯鄲を攻略出来ずに撤退してしまいました。
史実④韓・魏・楚の援軍
韓・魏・楚の連合軍を組んで王齕率いる秦軍を撃破した平原君ですが、いったいどのような方法で包囲状態の中援軍を要請出来たのでしょうか。元々韓は秦国にほとんどの国を奪われており、弱小勢力の韓は趙国の属国となっていました。属国である韓は援軍を出すしかありません。平原君は韓とは別に楚国の宰相である春申君に手紙を送ります。その手紙には援軍要請について記載されており、承諾した春申君が援軍を出します。
また同じく救援要請を受けた魏も援軍を出すのですが、滅亡寸前の国のために戦うことを嫌がってしまいます。そんな中魏の信陵君は趙国を見捨てることを不義とし、自ら軍を率いて独断で邯鄲を包囲する秦軍を攻撃します。その隙を突いて平原君は出撃し、反撃を開始します。さらに春申君率いる楚国の軍隊が到着し、秦軍を撃破します。こうして平原君達は秦軍を撃破することができ、趙国の滅亡を免れました。
史実⑤傅抵も登場
紀元前256年に楽乗と共に秦国の信梁を打ち破った趙の慶舎は史実において紀元前240年に東陽の兵士と河外の兵士を率いて黄河にある梁を守護しました。当時、中国では合従軍が秦国に敗れた後となっており、勢いづいた秦国は各国の領土へ侵攻を開始していました。上記でご紹介した通り、黄河の地は秦と趙を隔てる重要拠点であり、失うことが出来ませんでした。そこに慶舎が任されたのを見ると、名将であったことが分かります。
その後慶舎の記録は最期まで残っていないのですが、おそらく趙国の最期まで黄河を守護したと考えられます。一方趙国の北にある平邑には漫画キングダムのイケメン武将である傅抵が兵を率いて斉国からの侵入を防いだといわれています。結局歴史の中で趙国は李牧を失ったことで滅亡してしまうことになります。しかし慶舎と傅抵は秦国軍と生涯を通して戦い、2019年10月現在でもその活躍が語り継がれています。
慶舎は将軍!強さは?
慶舎は有能な将軍
漫画キングダムに登場する慶舎は本能型の将軍であり、「沈黙の狩人」とあだ名されています。そのあだ名は伊達ではなく、慶舎は優れた知略と武力を持った趙国の中でも有能な将軍として描かれています。作中において慶舎は信に討ち取られて最期を遂げるものの、あの秦国屈指の名将である桓騎を苦しめる活躍をします。では史実の慶舎は有能だったのでしょうか。
史実において慶舎は楽乗と共に信梁を破った功績しかなく、他に目立った活躍をしていません。しかし無能であれば、重要拠点である黄河の梁の守護を任されるはずがありません。なので歴史には残っていないものの、史実の慶舎も漫画キングダムと同じく有能であったと考察出来ます。
黄河の橋を守った慶舎
上述でご紹介した通り、慶舎は秦の信梁を破った16年後、重要拠点である黄河の梁の守護を担当します。実は慶舎が黄河の梁を守った記録がなく、全く不明といわれています。慶舎が黄河の梁を守る前、趙国は函谷関の戦いで秦国に敗北しています。おそらくですが、慶舎は撤退する趙国軍の殿を担当して秦国と趙国を隔てる黄河の梁を守ったのではないでしょうか。
慶舎の強さについて
慶舎は漫画キングダムの作中において、趙の三大天である李牧から「本能型の極地」で「最も恐ろしい」と評価されています。慶舎は作中で黒羊丘の戦いの指揮を執り、桓騎を苦戦させるほどの知略を見せつけます。更に慶舎は信と渡り合うほどの武力も持っており、漫画キングダムでは趙国の中でも非常に強い将軍といえます。しかし史実での慶舎は実際漫画キングダムと同じように強かったかは不明です。
慶舎は秦の信梁を破っているものの、武力の高さや知略の高さを披露している歴史が存在していません。なので史実の慶舎が将軍として強いとは一概にいえないでしょう。それでも慶舎は史実で汚名を一切残しておらず、戦績は輝かしいものになっています。なので表舞台には出てないものの、史実の慶舎も将軍の中では強い部類にあったのではないでしょうか。
慶舎の最期
慶舎の最期について
漫画キングダムで慶舎は趙国の兵士を率い、黒羊丘で秦軍を迎え撃ちます。慶舎は桓騎兵を苦戦させる近衛兵を率い、並外れた知略で桓騎将軍を追い込みます。そこで慶舎は漫画キングダムの主人公である信と一騎打ちを繰り広げることになります。慶舎はその優れた武力で信と渡り合うものの、信に最期敗れて戦死してしまいます。
最期は史実と違う?
漫画キングダムで信に敗れて最期を遂げた慶舎。では史実で慶舎はどういった最期を遂げるのでしょうか。残念ながら慶舎の最期について記述が残っておらず、2019年10月現在も不明のままとなっています。考察の中にはハレー彗星が流れた紀元前240年に蒙驁や始皇帝の母親と同じく死亡したという説が浮上しているのですが、本当の所は分かりません。また慶舎の子孫についても不明であり、今でも多くの謎に包まれています。
慶舎と李牧の関係
李牧の人物情報
李牧は漫画キングダムにおいて趙国の三大天筆頭を務める武将です。李牧は天才的な知略を持つ名将であり、秦国六大将軍の王騎を打ち破り、燕国の大将軍劇辛を討ち取る功績を挙げています。また合従軍の総大将を李牧は務めており、秦国を滅亡寸前まで追い詰めました。しかし李牧は合従軍が秦国に敗北したことで失脚し、趙国内で立場を失ってしまいます。
そんな李牧は史実においても漫画キングダムと同じく趙国の名将であり、趙の大将軍として攻め寄せる秦軍を撃退し続ける活躍をしています。この活躍で李牧は守戦の名将として現代まで語り継がれています。しかし李牧は趙国の佞臣郭開の謀略で王様から遠ざけられることになり、最終的に謀殺されてしまいました。屈指の名将李牧を失った趙国は優秀な将軍が一切いなくなり、秦国に呆気なく滅亡させられました。
慶舎を信頼する李牧
李牧は慶舎のことを「沈黙の狩人」と評し、趙国の中でも特に優れた将軍として信頼していました。そして李牧は非常に高く評価している慶舎に合従軍に参陣している趙軍の指揮権を委ねました。指揮権を委ねられた慶舎は待機して罠を破る秦のヒョウ公将軍を罠に嵌めて打ち破り、黒羊丘の戦いでゼノウと雷土を追い込む活躍をします。もし慶舎が生き残っておれば、李牧と同じく趙国三大天の1人を担う存在となったことでしょう。
慶舎に関する感想や評価
慶舎がわいい...ルモサン...ケイシャ...
— しんしゅ🕷🕸 (@sinsyu_keeei) October 11, 2019
なんか死因がルモ様でもいいような気がしてきた。
漫画キングダムの慶舎は中性的な容姿をしたキャラクターであり、一見武将には見えません。この中性的な見た目から慶舎に関する感想ではかわいいといった感想が非常に多く寄せられており、多くの女性ファンから支持されています。
慶舎は最初ほんと強いし好きじゃなかったけど、ほんと可愛いよな慶舎…。
— 繊細おっさんゴリラもぎ (@bushin8bajiwota) June 16, 2019
漫画キングダムに登場する慶舎に関する感想では慶舎が強いといった感想も多く寄せられていました。慶舎はヒョウ公や王騎など秦軍の名将を苦戦させてきた名将であり、その強さから慶舎は「沈黙の狩人」とあだ名されています。この強さは趙国の中でもトップクラスに入ることでしょう。
すみません久々に呟いてるんですが、慶舎がいなくなったことを受け入れるまではまだ新刊読めてません。私のキングダムは44巻で止まってるので新しい趙の武将はわかりません。許して…🍥のときは推しの死を受け入れるのに6年ほどかかったから…それと比べたらまだ2年しか経ってないから…
— 梅枝隊長 (@umegae11kgdm) January 12, 2019
漫画キングダムに登場する慶舎に関する感想では最期が辛いといった感想も多く見受けられました。慶舎は漫画キングダムの主人公である信と一騎打ちを繰り広げ、討ち取られて戦死してしまいます。上述でご紹介した通り慶舎は多くの女性ファンから支持されており、この慶舎の最期は多くの女性ファンを驚愕させました。
慶舎は史実に実在する将軍だった!
本記事では漫画キングダムに登場する慶舎について史実の人物像や最期などをまとめてご紹介しました。慶舎は史実に実在した人物だったのですが、残念ながらほとんど記録がなく、多く謎に包まれていました。しかし慶舎は史実でも漫画キングダムの作中と同じく秦軍を打ち破っており、おそらく趙国を代表する将軍の1人であったと考えられます。