【約束のネバーランド】ミネルヴァの正体はノーマン？目的や同一人物なのか考察

『約束のネバーランド』には、エマ達の脱出を手助けするメッセージを残したミネルヴァという名前の人物が登場します。ミネルヴァの正体は一体何者なのか、本名や顔などをまとめる前に、まずは『約束のネバーランド』の作品概要やあらすじを紹介します。

『約束のネバーランド』は、2016年から週刊少年ジャンプで連載されている少年漫画です。原作を白井カイウ、作画を出水ぽすかが担当しています。『約束のネバーランド』は、謎解きやサスペンス、ダークファンタジー要素のあるストーリーです。2019年にはフジテレビを中心にアニメ化され、主人公のエマ役を声優の諸星すみれが担当しました。

親のいない子供たちは、小さい頃から孤児院のシスターを「ママ」と慕って家族同然に暮らしていました。主人公のエマとノーマン、レイは同い年で孤児院の中でも最年長でした。孤児院では毎日難関なテストを実施しているのですが、最年長の3人は特に成績がよくママからも褒められていました。あるとき、コニーという女の子が新しい家族に引き取られることが決定しました。

みんなは寂しがりながらも、コニーを見送ります。エマは、コニーが大切に持っていたぬいぐるみを孤児院に忘れていることに気づきます。エマがリトルバーニーをコニー届けるというので、ノーマンもそれについて行くことにしました。農園の門に行くとまだそこにコニーはいました。しかし既に死亡しており、鬼の食用児として出荷されていたのです。エマとノーマンはそこで農園の真実を知り、脱出を計画します。

『約束のネバーランド』の主人公はエマです。明朗快活で頭がよく、運動神経も抜群の女の子です。フィルに懐かれており、年下の面倒もよく見ています。エマと同い年のノーマンは3人の中でも特に頭が良く、エマのことを大切に思っています。レイは手先が器用で何事にも慎重なタイプです。実はママの実の息子でした。

ドンはエマ達に次ぐ年長者です。短絡的なところもありますが、器用で凄まじい記憶力を持っています。ギルダはドンと同い年の女の子です。内気な性格をしていますが観察力に優れており、エマ達の脱出計画にも薄々気づいていました。フィルは4歳の男の子です。無邪気な性格をしていますが、テストのスコアはドンやギルダに並ぶ200点台を叩き出し、ミネルヴァのモールス符号もフィルが解きました。

『約束のネバーランド』でミネルヴァという名前が初めて登場したのは、フィルが見つけた本の中でした。本にはフクロウの印とフクロウを囲う線、さらにその下には「ウィリアム・ミネルヴァ」と書かれていました。このフクロウを囲っている線は途中で途切れており、この線がモールス符号を表していました。

ミネルヴァの残したモールス符号には、「RUN(逃げろ)」「DOUBT(疑え)」「DANGER(危険)」「TRUTH(真実)「HARVEST(収穫)」「MONSTER(怪物)」「FARM(農園)」と書かれていました。これによりエマ達は外の世界へ希望を見出します。

さらにノーマンはミネルヴァが残したペンを見つけました。ペンには新たなモールス符号が書かれており、エマ達の脱出の手助けをして次なる目的地への指針となりました。

『約束のネバーランド』に登場するノーマンは、エマ達と同じ孤児院で暮らしている最年長の男の子です。ノーマンはその頭脳を活かして、エマ達と一緒に脱出の計画を練ります。しかし、ママに気づかれたことでレイやエマより先に出荷されることになりました。ノーマンは出荷されると分かっても、孤児院の皆が無事に脱出できるようにその先の計画をエマに託していました。

『約束のネバーランド』の考察には、ノーマンの正体が実はミネルヴァなのではないかという考察がたくさんあります。なぜ正体がノーマンだといわれているのかというと、自らミネルヴァと名乗って脱走したエマ達を導いていたからです。ノーマンは出荷されたのですが、その頭脳を買われて実験台として生き残っていました。ノーマンはそこから脱獄し、ミネルヴァの支援者と会っていたのです。

ノーマンはエマ達を助け、鬼達へ宣戦布告のためにミネルヴァを名乗って放送をしていました。ノーマンはミネルヴァになりすましたことで、エマ達と再会することができます。これらのことから、ノーマンは本にモールス符号を残した本当のミネルヴァではないことが分かります。しかし、ノーマンはミネルヴァの支援者からミネルヴァの思想を受け継いでいました。

レイはノーマンの目的が何なのか分かりませんでした。ノーマンは農園を壊して「楽園」というものを築いていたのです。ノーマンは目的を話す前に、鬼の秘密について語りました。ノーマンは、鬼の正体を形のない化け物だといいました。元々は細胞分裂を繰り返して増えていく生物で、その過程で摂取した物によって独自に進化していったものが鬼なのだと言いました。

例えば、魚を食べ続ければ鬼は魚のようになり、人間を食べ続ければ人間のような姿形になります。また形を模すだけではなく文化や知能などが備わり、人間と同じような生態になります。鬼は人間の能力を得るために人間を食べていたのです。つまり、鬼が人間を食べないようにすれば鬼を知性のない野良鬼にすることができるというわけです。ノーマンが農園を破壊していた目的は、鬼に人間を食べさせないようにするためでした。

ネルヴァの正体はノーマンではありませんでした。本物のミネルヴァは、既に死んでいるのではないかといわれています。ミネルヴァの本名はジェイムズ・ラートリーといい、ラートリー家という鬼と深い関係性を持つ家系に生まれました。しかし、ジェイムズは生まれながらに食べられてしまう運命にある食用児を哀れみ、脱出のヒント食用児達に与えました。

そのヒントに気づいた食用児達がもし農園から脱出できたら、望む未来への選択を用意していました。しかし、弟のピーター・ラートリーに裏切られてしまい、生死がわからなくなっていました。ピーターはジェイムズの死体を確認出来なかったので、死亡したのかはっきりとは分かっていません。

ミネルヴァの目的は、食用児に食べられる事以外の未来を選択させることです。ミネルヴァは目的を実現させるために、食用児達の望む未来について3つの選択肢を与えます。「人間の世界へ逃げる」「約束を破壊する」「七つの壁を探す」という3つの選択肢です。

ミネルヴァは目的を実現させるために、それぞれの選択肢に対して異なる導きを与えていました。「人間の世界へ逃げる」を選択した場合は、支援者を向かわせ、エレベーターで人間の世界に逃げるという方法を取るつもりだったのではないかと思われます。実際にジェイムズは人間界に逃げることができるエレベーターを作っていました。しかしピーターに裏切られ、エレベーターは封鎖されてしまいます。

「約束を破壊する」というのは、1000年前に結ばれた鬼と人間の約束を破り、戦争を起こすということです。1000年前、人間と鬼は不毛な争いを終わらせるために、農園で食用児を与える代わりに人間の世界に手を出さないようにするという約束が結ばれました。食用児達が逃げ出してしまえば、次に鬼が狙うのは人間の世界です。ミネルヴァはそれを食用児達が望むのであれば構わないと言いました。

「七つの壁を探す」というのは、他の二つの未来を望まない場合には七つの壁を目指せということです。七つの壁の正体については明らかになっていませんが、すでにエマはそれが何なのかを理解しています。エマとレイはノーマンの作戦には賛同せず、七つの壁を目指して別行動することになります。

『約束のネバーランド』でミネルヴァとノーマンが同一視されるのは、顔はそっくりだからです。ミネルヴァの本名はジェイムズ・ラートリーで、ラートリー家という名家で生まれ育っているため、一見すると血縁関係はないように思えます。しかし、過去の話に出てくるジェイムズとノーマンの顔はとても似ているのです。

顔が酷似している二人ですが、実はノーマンはミネルヴァの子供なのではないかと考察されています。ミネルヴァの本名にもあるラートリーという姓の一族は、1000年前に鬼と約束をした一族です。ノーマンは、約束を守ろうとするラートリー家で問題を起こしたジェイムズの子供なので、食用児として農園送りになってしまったのではないかといわれているのです。

親子ならばノーマンとジェイムズの顔が似ていることにも説明がつきます。一族の人間を食用児にするのか疑問にも思えますが、弟のピーターはすぐにジェイムズを始末しようとしていたので、その可能性も否定できません。

ノーマンとミネルヴァの顔が似ているのは、クローンだからではないかといわれています。ミネルヴァの本名はジェイムズ・ラートリーといい、鬼と関わりの深いラートリー家で育ちました。通常、シスター達が子供を産み、その子供が食用児として育てられます。しかし、鬼への食用児を一定数確保するのは大変なことです。そのため、食用児を量産できるようにクローンを作っていたのではないかといわれています。

つまり、ラートリー家は食用児のクローン研究に協力し、ミネルヴァと顔がそっくりのクローンを作り出したという考察です。ノーマンがジェイムズのクローンであれば、顔が瓜二つな理由にも説明がつくため可能性としては充分あります。また、エマが再会したノーマンは実はノーマンではなく、顔が同じで記憶を共有した別のクローンなのではないかという説もあります。

ウィリアム・ミネルヴァは本名ではなく偽名です。本名はジェイムズ・ラートリーといいます。本名にラートリーという姓がついていますが、実はラートリー家という名家の長男で、35代目当主として鬼と人間界の調停役を担っていました。

ジェイムズは食べられるためだけに生まれてくる子供たちを不憫に思い、未来への選択肢を与えました。しかしジェイムズが残したエレベーターは封鎖されてしまい、ゴールディ・ポンドは鬼がさまよう危険地帯となってしまいます。

ジェイムズ・ラートリーは、1000年前に鬼と人間の間で約束を取り付けた一族の末裔です。弟にピーター・ラートリーがおり、現在はピーターがラートリー家の36代目当主を担っています。ピーターは当初ジェイムズの腹心でしたが、ジェイムズを裏切り鬼に協力するようになります。裏切り後はジェイムズを殺害しようとしました。その後のジェイムズの生死は分かっていません。

『約束のネバーランド』の14巻では、ミネルヴァと名乗り、エマ達を手引していたのがノーマンであることが判明しました。突然ノーマンが登場し、驚いた方も多かったようです。

『約束のネバーランド』でノーマンは部下たちから「ジェイムズ」と呼ばれていました。そのため、ミネルヴァがノーマンなら、ノーマンの正体がジェイムズなのではないかと考察されています。しかし、ノーマンはミネルヴァにしては若いので、ジェイムズの子供説もしくはクローン説が今のところ有力なようです。

鬼の正体を知ったノーマンは、鬼を野良鬼にすることを目的として農園を破壊していました。しかし、それを聞いたエマは納得がいかず、結局ノーマンとは別行動をすることになります。ノーマンが再登場したときにもたらされた新しい情報は、さまざまな考察を生みました。

『約束のネバーランド』のミネルヴァの本名は、ジェイムズ・ラートリーといい、ラートリー家の35代目当主でした。ジェイムズの残したヒントのおかげでエマ達は農園を脱出することができます。しかし、途中からミネルヴァの名前を使って放送していた人物はジェイムズではなくノーマンでした。ノーマンは鬼を滅ぼすための計画を立てていました。今後ノーマンの計画は成功するのか、またジェイムズの生死にも注目です。