2019年07月31日公開
2019年07月31日更新
この世界の片隅にの声優キャスト一覧!のんが声優初主演で話題のアニメ映画
アニメ映画として公開され声優でも注目を集めた作品が「この世界の片隅」にです。この世界の片隅にのアニメ映画版では声優として主演キャストを務めたのんさんを始め声優の話題が多い作品になっています。今回はアニメ映画版この世界の片隅にの声優を一覧で紹介しつつ、アニメ映画の簡単なあらすじや原作について、主題歌や続編となる新作などこの世界の片隅にの情報をまとめて紹介していきます。
目次
この世界の片隅にとは?
この世界の片隅にはアニメ映画
この世界の片隅にの声優を一覧で紹介する前にこの世界の片隅に自体の情報も簡単に紹介しておきます。
この世界の片隅にの映画情報
この世界の片隅には何度か映像化されていますがアニメ映画になったのは2016年の事です。元々は日本で63館で封切られると高い人気を獲得し累計で400館以上で上映、2年以上上映が続くロングラン映画となりました。評価も非常に高く、第90回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第1位、第40回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞等名だたる映画賞を受賞した作品です。
その人気は日本だけに留まらず、世界60カ国以上にわたり広がっています。放映された各国でも映画誌等でかなりの高評価を集めている作品です。
この世界の片隅にの映画監督
アニメ映画この世界の片隅にの監督を務めたのが片渕須直監督です。1983年にテレコム・アニメーションフィルムに正式入社すると数々の作品に演出、絵コンテ、として活躍したのち、「名犬ラッシー」で監督を務めました。監督としての代表作にはこの世界の片隅にの他、「この星の上に」「マリーテ姫」「マイマイ新子と千年の魔法」「BLACK LAGOOM」などがあります。
ファンと作り上げた映画
この世界の片隅にの大きな特徴の1つとなったのが映画化に当たってその制作資金をクラウドファンディングを使って一般から調達した作品であるという点です。パイロットフィルムを作るという目的で3900万円も集めたいわばインディーズ作品とも言える作品です。支援者も3374人に上り、その金額は映画部門で国内最高記録、支援者数はクラウドファンディングでの過去最高人数だとも言われています。
この世界の片隅にの声優キャスト一覧
声優キャスト一覧①北條すず/のん
この世界の片隅にのヒロインと言えるのが北條すずです。旧姓は浦野で広島県江波の海苔梳きの家に育ち、呉にある北條家に嫁入りする事になります。夫家族や近隣住民との関わり、戦時下でのその暮らしを描くのがこの世界の片隅にの物語の導入になります。
そんな北條すずの声優を務めたのがのんさんです。能年玲奈としてNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で大ブレイク、映画「ホットロード」などにも出演をして話題を集めた能年玲奈さんが事務所を退社後、のんに改名して以来、初めてと言っていい大きな仕事になりました。
声優キャスト一覧②北條円太郎/牛山茂
周作の父として登場するのが北條円太郎です。のんびりと穏やかで真面目な性格で軍の工廠技師として働いています。声優を担当した牛山茂さんは、舞台をメインに活動する俳優さんであると同時に声優としても活動するマルチタレントです。これまでには「昭和元禄落語心中」「血界戦線」「GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」等に出演した実績を持っています。
声優キャスト一覧③北條周作/細谷佳正
出典: https://r25.jp
すずの夫であり呉鎮守府で軍法会議録事の役職に付いているのが北条周作です。すずより4歳年上で幼い頃にすずに1度だけ会った事があります。非常に生真面目な性格で親族らからも「暗い」と良く言われており本人も気にしています。
そんな北条周作の声優を担当したのが声優の細谷佳正さんです。声優としてデビューした当初は海外ドラマ・映画の吹き替えを担当する事が多かったものの「テニスの王子様」にて白石蔵ノ介役を演じたのがきっかけでアニメ声優としても活躍するようになりました。代表作としては「文豪ストレイドッグス」の国木田独歩役、「一週間フレンズ。」の桐生将吾役、「アカメが斬る」のウェイブ役などがあります。
声優キャスト一覧④水原哲/小野大輔
すずの幼馴染でお互いに淡い思いを抱いているのが水原哲です。元々はガキ大将のような性格でしたが志願兵として海軍に入隊すると性格も丸くなりました。再会時、すずが自分に対して淡い思いを未だに持っている事を理解しながらも同時に周作への深い愛情も感じ取りました。
そんな水原哲を担当した声優が、小野大輔さんです。2001年に声優としてデビューして以降、アニメ・ゲームを中心に活動する声優さんでこれまでも数々の主演、主要キャラを演じる実績を持っています。代表作としては「涼宮ハルヒの憂鬱」の古泉一樹役、「黒執事」のセバスチャン・ミカエリス役、「ジョジョの奇妙な冒険」の空条承太郎役、「弱虫ペダル」の銅橋正清役などがあります。
声優キャスト一覧⑤北條サン/新谷真弓
周作の母で、すずから見ると姑に当たるのが北条サンです。足を痛めている為自宅で安静にしている事が多い一方で裁縫や精米など出来る範囲で最大限頑張っています。そんな北条サン役を演じたのが新谷真弓さんです。1990年代から活躍する女優・声優さんで「彼氏彼女の事情」の芝姫つばさ役等を演じています。
またこの世界の片隅にでは舞台が広島であり新谷真弓さんが広島出身である事もあって、キャストに広島弁をガイドする収録も担当。サン役に決まる以前に全セリフを録音するなど協力しています。
声優キャスト一覧⑥黒村径子/尾身美詞
出典: https://jisin.jp
周作の姉に当たるのが黒村径子です。結婚して黒村家に嫁いでいましたが、夫が病死し疎開する黒村家と離縁して北条家に戻ってきました。演じた尾身美詞さんはこれまでテレビ、舞台等で活躍する一方で吹き替え声優として活動しており、この世界の片隅にで初めてアニメ声優を担当しました。
声優キャスト一覧⑦白木リン/岩井七世
広島の出身ですずと仲良くなった遊女が白木リンです。原作では州兵と一時期は結婚まで考えていた過去が示唆されていますが、映画ではそれらを匂わせる程度でそのエピソードは深く描かれていません。声優を担当した岩井七世さんは2007年公開の映画「ジーニアス・パーティ「ドアチャイム」」に続いて2度目の声優挑戦となりました。
声優キャスト一覧⑧浦野すみ/潘めぐみ
すずの妹に当たる存在が浦野すみです。しっかり者の美人ですずに見合い話が来た際にはすみの間違いでは?と言わせる程になっています。すずとは「すずちゃん」「すみちゃん」と呼び合う良好な関係を気付いています。女子挺身隊の一員として陸軍軍需工場に勤めています。
声優を務めた潘めぐみさんは2011年から声優として活躍し「ハンターハンター」の3代目ゴン役に選ばれた事で知られる声優さんです。元々は女優としてデビューしましたが現在では声優としての活動がメインとなっており、「ワンピース」のお玉役、「ゲーマーズ」の天野景太役、「シュタインズゲートゼロ」の椎名かがり役、「ソードアート・オンライン アリシゼーション」のソルティリーナ役などを務めています。
声優キャスト一覧⑨黒村晴美/稲葉菜月
黒村径子の娘であり母と同じく北条家に戻ってきたのが黒村晴美です。まだ幼くすずに懐いており、また兄の影響ですずよりも軍艦の知識を持ち合わせています。演じたのは元子役でドラマ・吹き替え等で活躍する稲葉菜月さんでアニメ声優としては「思い出のマーニー」「くまのがっこう」に続く出演となります。
声優キャスト一覧⑩浦野キセノ/津田真澄
すずの母に当たるのが浦野キセノです。すずの事を大切にする母です。原作では8月6日の朝に広島市街に出かけて以来消息が掴めなくなってしまいました。演じたのは舞台俳優として活躍し声優などにも挑戦している津田真澄さんです。アニメではこれまでに「名探偵コナン」「EAT-MAN」「GTO」などへ出演していますがアニメ映画はこの世界の片隅にが初作品となります。
声優キャスト一覧⑪浦野十郎/小山剛志
すずの父にあたるのが浦野十郎です。元々は海苔養殖を行っていましたが海の埋め立てのために廃業して埋立地の工場で働く事になりました。演じたのは1999年から声優をメインに活躍する小山剛志さんです。「ターンエーガンダム」でデビューして以降多数の作品に出演しており「ソードアート・オンライン アリシゼーション」のヴァサゴ役、「アイシールド21」の峨王力哉役、「ワンピース」ノハイルディン役などで知られています。
声優キャスト一覧⑫小林の伯父/佐々木望
円太郎の姉夫婦で周作からみて伯父に当たるのが小林の伯父さんです。周作とすずの結婚では仲人を務めました。空襲で自宅が全焼していまっており、以降北条家に同居しています。演じた佐々木望さんは1986年から声優として活躍する声優さんで、近年では「からくりサーカス」のギイ・クリストフ・レッシュ役、「ワールドトリガー」のハイレイン役などで知られています。
声優キャスト一覧⑬森田イト/京田尚子
すずの祖母で現在は草津に住んでいるのが森田イトです。基本的には優しい性格ですずの為に仕立てた友禅の着物を渡したりすずの知らない事を教えたりしますが裁縫が苦手なすずに教える口調は厳しくなっています。演じたのは1950年代から長く声優として活動している京田尚子さんです。近年ではその年齢に合わせて様々な作品で「お婆さん」役を務めています。
声優キャスト一覧⑭知多さん/瀬田ひろ美
北条家と隣組の関係にある近所の主婦として登場するのが知多さんです。過去には看護婦をしていた経歴があります。演じた瀬田ひろ美さんは、舞台女優として活動する一方で声優として主に吹き替え声優を担当しています。
声優キャスト一覧⑮小林の伯母/塩田朋子
夫と同じく周作とすずの仲人を務め、その後自宅の全焼で同居する事になるのが小林の伯母さんです。演じた塩田朋子さんは1987年から主に吹き替え声優として活躍する声優さんです。アニメへの出演は多くはありませんが、「名探偵コナン」に出演したりOVAですが「機動戦士ガンダムUC」のマーサ役を務めていたりします。吹き替え声優としては多数の女優さんを担当する声優さんです。
声優キャスト一覧⑯堂本さん/世弥きくよ
北条家と隣組の関係でかつ、防空壕を共有している老婦人が堂本さんです。演じた世弥きくよさんは女優として数々の作品に出演する一方で片渕須直監督の代表作「マイマイ新子と千年の魔法」にも出演した実績を持っています。
声優キャスト一覧⑰刈谷さん/たちばなことね
北条家と隣組の関係の主婦で知多さんと衝突が多いのが刈谷さんです。夫と息子がいましたが共に出征する事になってしまいました。世弥きくよさんと同じく片渕須直監督の代表作「マイマイ新子と千年の魔法」に続いての出演となります。
すず役・のんが称賛される理由
この世界の片隅にの声優陣の中で特に高い評価を集めているのがヒロイン、すず役を務めたのんさんです。
クラウドファンディングとの関係
元々のんさんこと能年玲奈さんは事務所を退所する際のトラブルから中々テレビに出演出来ない時期が続いていました。オファーがあってもテレビ局の方からストップがかかる事が多かったのです。日本の映画でもどうしても複数の企業がスポンサーとなって制作されるのでこれらのスポンサーの声は無視出来ません。その為のんさんはなかなか出演出来ない状態が続いていました。
しかしこの世界の片隅にはクラウドファンディングを利用した作品です。スポンサーがいないこの仕組みだからこそのんさんは出演する事が出来ました。もちろんそこには監督である片渕須直さんの意向が強く反映されています。片渕須直さんは「のんさん以外にすず役は考えられない」と想定していたのです。
素人感溢れる純粋な声
のんさんは女優としての知名度は十分ですが声優としてはこれまでに別の作品に出演した事がありません。いい意味でも悪い意味でも声優という職業の中では素人だと言えます。しかしのんさんの場合はこの素人という部分がいい方向に働き、演じているのを感じさせない素人臭さがこの世界の片隅にのすずという役に見事にマッチしているのです。
自然過ぎる演技
元々のんさんは大ブレイクのきっかけとなった「あまちゃん」でも「演じているのを感じさせない自然な演技」が話題となりました。それぞれの役に対しての自己投影が強い女優さんで、それは声だけの出演となるこの世界の片隅にでも同様です。物語が進むにつれてすずの顔がのんさんに見えてきたという声もある程になっています。
この世界の片隅にのアニメあらすじ
アニメあらすじ①夢のような事件
昭和9年1月。広島市江波で生まれ育ったこの歳8歳になる浦野すずは、特技の絵を描くことを生かして実体験に虚実を織り交ぜて漫画のような物語を作り出してしまう才能の持ち主でした。握りにくくなるまで短くなった鉛筆を使い続けるような少女だったすず。そんなすずはお使いの途中「ばけもの」に攫われてしまいます。ネタバレしておくとこのばけものとは人さらいの事です。
すずはばけものの背中の籠の中で見知らぬ少年、周作と出会います。周作との出会いで逃げ出す事を決意したすずは機転をきかせてばけものを眠らせると周作と共に逃げ出す事に成功するのでした。これがすずと周作が出会った唯一の出来事であり、周作が一方的にすずの名前を知るだけでお互いは別れる事になります。
アニメあらすじ②見知らぬ少女
出典: https://anibu.jp
時は流れて昭和10年8月、すずは家族揃って草津に住む祖母イトの家を訪ねていました。昼寝をしていたすずが目を覚ますと天井裏から見ず知らずの少女が姿を見せ、手にはスイカの皮を持っていました。不思議に思ったすずでしたがすずが新しいスイカを持って戻ってくると少女の姿はどこにも無くなっていました。
すずの話を聞いた兄、要一はすずが座敷わらしを見たのではないかと話すのでした。余談ですがこの少女は後にすずが出会う事になる遊女、白木リンその人です。
アニメあらすじ③水原哲と海
さらに時は流れ昭和13年2月、小学校に通うすずは学校の図画の時間で風景画を描く事になります。絵を描く事が得意なすずは早々に皆が納得するようなしっかりとした絵を描き上げて帰宅します。すずが家の手伝いをしていると海を眺める水原哲を見つけます。水原哲はクラス1の乱暴者ですずも何度も泣かされた経験がある相手です。
すずが水原哲の絵を見るとまだ何も描いていませんでした。水原哲は家に帰りたくない、海は嫌いと絵を描く事を拒否していたのです。水原哲の家は哲の兄が海難事故で死んでしまったばかりで、両親はお酒に溺れてしまっていました。話を聞いたすずは水原哲の後ろ姿を含めた絵を描き水原哲が描いた事にしていいと渡します。この絵はなんと絵画コンクールで受賞してしまう程にうまい絵でした。
アニメあらすじ④新しい生活
さらに時間は流れ太平洋戦争中の昭和18年12月、18歳になったすずは草津の祖母森田イトの家で家業である海苔作りを手伝いをしていました。そこに浦野の家から縁談の話が入ったと連絡が入ります。手伝いを切り上げて浦野の家に帰宅したすずが覗き見るとそこに来ていたのは北条周作という青年でした。翌年2月には2人は晴れて結婚し、ささやかな式を行うとすずは北条家に入ります。
すずは周作とどこかで会った事がある気がしながらも思い出せません。すずは慣れない北条の家で失敗を繰り返し、周作の姉である径子に小言を言われながらも生活を送ります。径子の娘である晴美には懐かれ、すず自身のユーモアと生活の知恵を発揮して北条家や近所の人達に受け入れられていきます。一方すず自身は戦時下という状況において栄養不足から子供ができない事が1つの悩みになっていました。
ある日、すずは偶然遊女の白木リンと知り合い友達のような関係になります。しかし同時にリンがかつて周作と恋人だった事に勘付き、周作にとってすずはリンの代わりなのではないかと思うようになります。そんな折、偶然すずを訪ねてきた哲に周作が気を回してすずと引き合わせます。この事ですずは余計に周作に対して疑心を抱くと同時に自分が確かに周作を思っている事を自覚する事となります。
すずはリンの気持ちを確かめようとリンに会いに行きますが会うことは出来ませんでした。代わりに対応してくれた病床の遊女テルを得意の絵で励ましその日は後にします。後日、リンと再会する事が出来たすず。リンからテルがすずと会った直後に亡くなった事を聞かされ、リンの死生観を聞かされる事になるのでした。
アニメあらすじ⑤増える空襲
さらに時は流れて昭和20年。北条家のある呉は軍港の街であるという事、日本のが劣勢に陥った事で頻繁に空襲を受けるようになります。厳しい状況下においてもなんとか日常を明るく過ごそうとするすずでしたが、不発になっていた爆弾によって自身の右腕と懐いていた晴美を亡くしてしまいます。晴美を守れなかった事で径子にも責められギクシャクした関係になってしまうのでした。
さらにすずは絵を描く右手を亡くした事で左手で描いた漫画のように世界が歪んで見えるようになってしまいます。戦時中という人の死が日常の一コマとして扱われる異常な状態に順応している自分は歪んでしまっていると考えるようになってしまうのでした。
少し時が流れて呉の市街地が空襲で焼け野原になり、郊外にあった北条家も蝦夷弾が落下してしまった頃、径子に加えてリンとの関係から周作との間もギクシャクした事で北条家での居場所を失いつつありました。北条家をお見舞いにきた妹のすみに江波のお祭りの日に実家に帰ってこないかと誘いを受けます。1度は広島に戻ろうと決意したすずでしたが径子と和解した事で北条家に残る事にします。これが運命の分かれ道でした。
すずが径子と和解したのは8月6日の朝、すずが広島に帰る予定だったその日の事です。結果としてすずはその日、広島に投下された原子爆弾に被爆する事なく事なきを得たのでした。もちろん呉の北条家からも広島方面の巨大な雲を目撃、爆心地から20キロ離れた家からもその被害は想像を絶するものでした。そして終戦を迎える事になり、すずは戦争の事実を突きつけられ「何も知らないまま死にたかった」と泣き崩れるのでした。
アニメあらすじ⑥少女との出会い
少し落ち着いて11月、すずは周作に案内される形で呉の市街地まで出向き、リンがいた遊郭が空襲で破壊されているのを知ります。周作とリンの関係性はもはや公然の秘密状態になっていました。また少し時は流れて12月、すずは呉の軍港にて水原を見かけます。水原は乗艦した重巡洋艦青葉の傍に佇んでいました。そんな水原の様子はすずは自らがもう会えない人たちの記憶の器になり生き続ける事を決意します。
また少し時は流れて年が明けた1月、すずはようやく広島市内に向かう事になります。そこですずは草津の森田イトの家に身を寄せていたすみと再会。そこで両親は既に他界し、すみも原爆症に襲われている事を知る事になるのでした。
すっかり瓦礫の山となってしまった故郷広島を見て回る中、すずは周作が自身を見つけてくれた事に感謝します。そしてそんな広島市内で戦争孤児の少女を見つけたすずはその少女を連れて呉の北条家に帰っていくのでした。
この世界の片隅にの原作漫画
この世界の片隅に(漫画)の基本情報
この世界の片隅にのアニメ映画は同名の漫画を原作としています。2006年~2007年にかけて読み切り短編作品としてすずの幼少期を描いた「冬の記憶」「大潮の頃」「波のうさぎ」が連載された後、「漫画アクション」にて本編が連載される形となりました。映画のヒットもあって様々な言語に翻訳されて刊行されています。元々は上中下の3巻、新装版では上下巻として発売されています。
漫画としても高い評価を受けており、第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、THE BEST MANGA 2010このマンガを読め第1位、ダカーポ特別編集最高の本2010マンガ部門第1位等の漫画賞を受賞しています。
この世界の片隅にの原作者
この世界の片隅にの原作者はこうの史代さんです。1995年に「街角花だより」でデビューして漫画家として活動している漫画家さんで、以降日常生活を主なテーマとしながら様々なタイプの作品を執筆しています。児童書から青年誌と活動範囲が広いのが特徴的な漫画家さんで、漫画家として以外にもイラストレーターとしても挿絵を担当したりもしています。
この世界の片隅にの新作
この世界の(さらにいくつもの)片隅にの映画情報
今回紹介しているこの世界の片隅にの新作として公開が予定されているのがこの世界の(さらにいくつもの)片隅にです。2019年7月現在2019年12月20日に公開される事が予定されています。
映画が公開延期した理由
この新作となる「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」は元々2018年12月に公開される予定でした。しかし2018年10月に数ヶ月単位での延期が発表され最終的に2019年12月20日に公開される事が発表されました。延期の理由としては想定以上に制作に時間がかかってしまっている事が理由となっています。
新作を作った理由とは?
この新作「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」が作られる事になった経緯にはこの世界の片隅にが公開された時点での経緯があります。元々この世界の片隅には上映時間150分で作られた作品でしたが、制作資金不足などの理由から120分になったのです。30分の削られたエピソードがあった事になります。絵コンテ等は既にこの時点で完成していた事も明らかにされています。
このような経緯に加えこの世界の片隅にが大ヒットした事も受けて新作が作れるようになった事でこの削った30分のエピソード、新しいシーンを加えた長尺版、完全版と言える内容が公開される事になったのです。余談ですがタイトルの変更にはこのカットしたシーンを加える事によって主題となるテーマが変わった為、あくまでも別作品としてみてほしいという思いからになっています。
前作でカットされたシーン
この世界の片隅にの時点でカットしたシーンの中でも特に大きくカットされていたのが上記の登場人物の白木リンの項でも紹介したようにリンと周作に関するエピソード、そしてすずとリンが再会するシーンが挙げられます。このシーンの追加はすずの心情が大きく変わる事になるので大きな意味を持つと考えられています。
前作がヒットした理由
出典: https://ciatr.jp
1度はカットしたシーンを追加した新作が作れる程に大ヒットしたこの世界の片隅に。監督である片渕須直さんはインタビューにて原作漫画から描かれている日常的な部分の強さにリアルさを感じたからではないかと答えています。
この世界の片隅にの映画主題歌
主題歌「みぎてのうた」
原作最終話のモノローグを元にして作られた歌詞が特徴的なのが主題歌「みぎてのうた」です。作詞には原作者こうの史代さん、監督片渕須直さんが名を連ね、実際に映画中の中でも原作最終話の場面で使われています。
OP曲「悲しくてやりきれない」
映画の予告編等でも使われたオープイング曲が「悲しくてやりれない」です。片渕須直監督の前作でも主題歌を提供したコトリンゴさんの楽曲をアレンジする形で使用し、この採用が結果として他の楽曲もコトリンゴさんが手掛けるきっかけとなりました。
ED曲「たんぽぽ」
エンディングロール途中で流れる後日談映像と共に流れる楽曲がたんぽぽです。作詞作曲も含め全てコトリンゴさんが担当しています。
挿入歌「隣組」
挿入歌として用意された楽曲が「隣組」です。原作の4話に相当する隣組にまつわるエピソードにあたる部分で映画でも実際に流れました。元々は1940年に作られた楽曲でメロディーの陽気さから戦後に隣組制度が廃止されて以降も色々な場面で使われ続けてきた楽曲で、この世界の片隅にではオリジナルをコトリンゴさんがカバーしアレンジする形で使われています。
この世界の片隅にに関する感想や評価
「この世界の片隅に」を初めて視聴
— 🍏wakameが来た!!🍏 (@shirohigeikka15) July 25, 2019
すごく穏やかで悲しい
苦しくて悔しくて悲しくて胸が張り裂けそう
ここからは既にこの世界の片隅にを視聴した人の感想を紹介していきます。この世界の片隅には戦場を直接描くタイプではありませんが日常生活を描きながらも戦争の悲惨さなどを身近に感じさせる映画として非常にリアルだとする感想が多く、そのリアルさ故に「辛い」「悲しい」と言った感情を覚えたという感想も多くなっています。
この世界の片隅に
— ななくさ (@nana_kjh1) June 19, 2019
作画も表現も世界観も声優も素晴らしい
完璧に近い映画だと思った
表現は抑えて静かさや穏やかさでくるんであるように見えるけれど、中に孕んだものは綺麗事じゃない鋭さと重さがあって
こんな伝えかたが出来るのかと
また作画やその世界観、声優陣などについても概ね評価が高く、批判的な声がほとんど見られない作品でもあります。特に戦争を題材としながらも戦場を直接は描かず、かといって戦争の被害を受ける様子などを描く様は却って生々しいとする声も多いです。漫画の頃から高い評価を受けていたこれらの評価は映画になっても継続して高い評価を受けています。
この世界の片隅に
— おむつんぐるめ (@omutsu_omelets) July 21, 2019
めちゃくちゃ良かった
のんさんの声優っぷりもとても良かった
特に声優に関してはやはりのんさんに関する内容が多くなっています。その演技力はもちろんですが、事務所を退所後大きな仕事が出来ていない事もあって演技力がもったいないとする声も非常に多いです。またのんさんの演技を見たいという声も多く今後も声優としてでも良いから仕事を続けてほしいという声が多くなっています。
この世界の片隅にの声優キャスト一覧まとめ
アニメ映画この世界の片隅にはクラウドファンディングから映画化され当初はその規模は決して大きいとは言えないものだったにも関わらず口コミなどで話題になり、2年以上放映され続けるロングラン作品になった映画です。作品自体の素晴らしさはもちろん、のんさんを始めとした声優陣もその作品の雰囲気作りに見事にマッチしていたと高い評価を獲得しています。
特にのんさんに関してはその境遇から感想も多く集まり改めてその演技力に驚いたという声も多くなっています。まだ視聴していないという人はのんさんを始めとした声優陣にも注目しながら視聴してみてはいかがでしょうか?